moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲームなど、電気を使わないタイプのゲーム)と、その周辺の話題を中心にした記事や写真を広く公開している個人ブログです。

Game Market 2013 Spring

個人的には初ビッグサイトです。コミケは晴海の時代に卒業しているし、仕事関連のイベントは出不精なので他人任せだったもので。開催場所が変わったことによる影響はといえば、以前の浅草に比べて電車に揺られる時間が10分ほど延びたくらいでしょうか。

[Game Market 公式サイト]
http://gamemarket.jp/

今回は午前 10 時の開場前から並ぶつもりで早起きしたのですが…

このツイートを読んで早々に諦めて二度寝しましたw
結局、会場に入ったのは 11 時半くらいだったかと思います。以下、購入したものを淡々と。

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右の写真が今回のゲームマーケットで手に入れたもの全てです (ゲームではないものも混じってます)。

今回は事前の調査もあまりせず、予約もひとつだけだったのでこれだけでした。手提げのカバンに入れて持ち歩いていたので、それでも重かったですけれど。

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こちらは「波間のかけひき (卓番号:504)」で販売されていたフォント集です。会場に入って最初に向かったのがこのブースでした。さいころフォントに一目惚れしまして、これがどうしても欲しかったのです。

で、さっそく、この記事のタイトル画像にも使わせていただいております。"2013" のフォントは NKS17 D8 Faces: White という名前の 8 面体ダイスフォントを少しだけ加工したものです。思った通りの素晴らしいフォントですねえ。これからも活用させていただこうと思います。

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Twitter でも話題に上がっていた「New Games Order (卓番号:21)」の「ビッグ・チーズ (The Big Cheese)」日本語版です。

オリジナルのチーパス版を持っているので購入するつもりはなかったのですが、金属製のパッケージがあまりにもおいしそうなチーズだったので衝動買い。

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その「チーズ」は中身もぎっしり詰まっていました。これは詰める作業がけっこう大変だったんじゃないかなあ。

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ゲムマ常連のカワサキファクトリーは、ブースではなく「500円ゲームズ (卓番号:622)」へ委託販売する形で参加していました。その作品が「テトラコンボ」です。今回、僕が予約した唯一のゲームでもあります。

右の写真は、箱に入っていたカラフルなコンポーネント一覧です。写真には写っていませんが、この他にもちろんルールシートも入っていました。

余談ですが、このゲームは事前予約がかなり入っていたようで、ご本人も当日にこんなツイートをされていました。

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「OKAZU bland (卓番号:621)」の新作「ひもサバンナ」も買いました。もちろんひも入りw

英文ルールも同梱されており、最初から世界を見据えた作りになっているのですね。

すでに国内の一部ゲームショップでも委託販売されているようです。そして熊本の「ゲームフィールド」店長さんがこんなツイートをしていました。素晴らしいですね。

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会場から離脱する間際に購入したのが「すたぢお六角天秤 (卓場号:429)」の「世界で一番お姫様」と「トリック・オア・トリーターズ」の 2 点です。

右の写真はトリック・オア・トリーターズのコンポーネント一覧。イラストと色使いがとても気に入りました。近々、プレイする予定です。

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これは、主にウォーゲーム系のブースで、商品を購入した人に無料配布されていたガールズ&パンツァーの 1 ページゲームです。

ガルパンはウォーゲーム系サークル界隈でも地味に話題にはなっているようです。見逃していただけかもしれませんが、そちら方面ではガルパンの二次創作ゲームは思ったほど出ていなかったような。「ぐるぐるパンツァー (中村誠:304)」のような超話題作は別にして。

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「スモール出版 (卓番号:13)」で先行販売されていた「ボードゲームワールド」です。こちらも会場入りしてわりとすぐに購入しました。その後、会場では売り切れていたようです。

右の写真は、小野さん特製のおまけしおりと、その場でいただいたご本人のサインですww さすがに達筆でいらっしゃいますねえ。

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帰り際、初ビッグサイトということもあって、おのぼりさん気分でこんなものも買ってみましたww

会場にいたのは 2 時間ほどで、その後は早々に帰宅しました。会場でお目にかかったたくさんの顔馴染みの方々にご挨拶やらおしゃべりやら、心から楽しいひとときを過ごせたことを皆様に感謝いたします。ありがとうございました。また秋にビッグサイトでお会いしましょう。

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Full Metal Planete

4/20 (土) に、いたるさん、ふうかさん、かろくさんと僕の4人で、 Full Metal Planete / Ludodelire をプレイしましたのでレポートをお届けします。

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この日、本作をプレイすることになったのは、今年 2 月に初めてお会いしたいたるさんが、ゲーム倉庫の棚に置いてあった Full Metal Planete の箱を見るなり「やりましょう (0.2秒)」と提案されたことが発端です。

ルールをまだ訳していないことを告げると、翻訳もいたるさん自身が請け負うと即座に宣言されました。こうして、彼の並々ならぬ意欲に押される形でこの日のセッションが実現することとなった次第です。

国内で唯一と思われる Full Metal Planete のショートレビューが B級SFゲーム分科会サイトにあります。この記事を初めて読んでからというもの、僕はこのゲームに魅了され、あちこちのツテを頼りに世界中を探し求めて、ようやく入手したのは 2004 年の秋になってからでした。

[フルメタルプラネット / bqsfgage @ bgsfgame]
http://www.os.rim.or.jp/~bqsfgame/sub271.htm
※残念ながら一部のモダンブラウザではレイアウトが乱れるかもしれません。

本作は、公式にはフランスでのみ発売されたようです (1988年)。ですから、箱に入っているルールブックはフランス語のみです (タイトルが Planet ではなくて Planete なのはそういうことです)。幸いにして BGG には、有志によって英語に翻訳されたルールが置いてあります。しかし僕にはどうも敷居が高く思えて、ルールを和訳する作業をずっと後回しにしていました。

というよりも、このメタリックなコンポーネントを眺めているだけで十分に満足してしまい、実際にプレイしようとは考えなかった、と書いた方が正しいかもしれません。やたら広い (と、思い込んでいただけなのですが) ヘクスマップに小さなコマを並べ、ありふれたマルチゲームっぽいウォーゲームをやってしまうことで、Full Metal Planete に対する自分の高揚した感情が害されてしまうような気がしていたのです。

もちろんこれは、ルールをロクに読まず、単に見た目だけの印象で僕が妄想したに過ぎません。この考えが大きな誤りであることを、この日のセッションを経験して思い知らされました。これまでずっと本作のルールを翻訳しなかったこと、それにプレイしようとも思わなかったことのいずれも、心の底から後悔するほどに。Full Metal Planete は、ボードゲーム史にこのまま埋もれさせてしまうには余りにも惜しいと思える名作でした。

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概要:
ゲームの骨格はシンプルです。「鉱石」が豊富に存在するどこかの惑星を舞台にした争奪戦です。各プレイヤーは鉱石を収集し、それを母船まで輸送して積み込むことが当面の (そして得点効率が最も良い) 目的となります。

無防備であることは、この星では決して美徳とはなりません。武力は、この不毛な地において、あらゆる権利を主張するための強い根拠となります。かりそめの協調も時には必要ですが、紳士協定を破ることは勝利という目的を果たすための手段として認められています。

とはいえ、敵ユニットを破壊しても自分の得点には得点に結びつきませんし、自身の損害はそのまま得点の損失となります。しかも時間は限られています。ですからあまり戦ってばかりもいられません。そのプレイヤーの武力を低下させることで、鉱石輸送や防衛体制に深刻な影響を与えることに結びつけば、結果として彼の得点機会を奪うことくらいにはなるでしょう。

第 21 ターンか第 25 ターンのどちらかに、自分の母船へ鉱石と自ユニットをできるだけ積み込んで飛び立つ (ゲームから抜ける) ことができます。全員がそのようにしたらゲームは終了し、最後に得点計算を行って最大得点プレイヤーの勝利となります。

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アクションポイントと制限時間:
Full Metal Planete は、アクションポイント制のゲームです。特別な状況を除いて、基本的に 15 アクションポイント (AP) を持ち、何かひとつのアクションを実施するたびに AP を消費します。

「アクションポイント制」というとダウンタイムがよく問題になりますが、Full Metal Planete は、制限時間ルールを併用することでそれを解消しています。

各プレイヤーは手番ごとに 3 分間の時間が与えられ、その間に自分の望むアクションをできる限り行わなければなりません。この 3 分とは、キッチンタイマーなどで計測する現実の 3 分間です。手番中に 3 分が経過すると、そこで手番は終了します。

ただし、手番で未使用だったアクションポイントは、5 AP か 10 AP だけを次の自分の手番へ持ち越すことができます。余談ですが、これはアクションポイント制ゲームとしては少し珍しいルールかもしれません。この持ち越しルールは、単純に救済策であると同時に、戦術的に重要なオプションともなっています。

ウォーゲームにおいてはリアルタイムの制限時間ルールもまた珍しいルールです。しかもただ珍しいだけではなく、それをより効果的に表現するために周辺ルールが入念に整備されています。これには感心させられました。背景設定を生かしつつ無駄な要素は切り捨て、デザイナーがプレイヤーにこのゲームで何を楽しませたいのか、その意図がくっきりと伝わってくる良質でモダンなデザインとなっています。

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少ない乱数要素:
Full Metal Planete はサイコロを使いません。まさかとは思いますが、がっかりしましたか?

本作に導入されている乱数要素は、1ラウンドごとに (プレイヤーが 4 人なら 4 手番ごとに) ただ1枚のカードを公開して、潮の満ち引きの状態を決定することだけです。それは全体の環境が変化するだけですから、プレイヤーが行動した結果に関与するような性質の要素ではありません。端的に書けば、プレイヤーの手番が開始された後は乱数要素が全くないゲームなのです。

※潮の状態には「通常」「干潮」「満潮」があり、干潮では浅瀬が陸上となり、満潮では沼地が水上となります。通常では、浅瀬は水上で、沼地は陸上です。これを決定する潮カードは 15 枚あって、それぞれの種類のカードが 5 枚ずつあります。

手番でのわずか 3 分間で、プレイヤーは入り組んだパズルを解いていくように多くの判断を行い、そして実施していきます。これはユーロスタイルのゲームをプレイしている感覚に近いものがあります。ゲームの骨格はウォーゲームでも、そこにユーロゲーム的な要素を盛り込むことによってシナジーが生まれ、独特の面白さを表現した作品に仕上がっています。

戦闘ルール:
Full Metal Planete はウォーゲームで、手番が始まったら乱数要素はないと前述しました。では戦闘をどうやって解決するのか、それを簡単に説明してみましょう。

まず、プレイヤーが戦力として利用するユニットは 8 種類あります。これらのユニットは、種類ごとに異なる特性を持っています。このうち、敵ユニットを攻撃する機能を持つのは 4 種類のみです。攻撃能力を持つユニットは「射程」を持ち、離れた敵ユニットを攻撃することができます。

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代表的な攻撃ユニットである「戦車」を例に挙げましょう。「戦車」ユニットは「射程」が「2」です。自分のいるヘクスから 2 ヘクス先の敵ユニットを攻撃することができます。

しかしこのゲームは、攻撃能力を持つユニットがひとつだけでは敵ユニットを攻撃することは出来ません。必ず、攻撃能力を持つ自分の 2 ユニットを組み合わせなければ、攻撃を行うことが出来ません。

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2 個の自ユニットがあり、そのどちらのユニットにも射程内に含まれるヘクスを「射程圏 (Zone of Control = ZOC)」と呼びます。

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そしてこの射程圏にある敵ユニットを目標として攻撃することで、自動的に敵ユニットは破壊されます。

なお、攻撃を実施するには 2 アクションポイントの消費が必要です。

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原則として、敵の射程圏へ自ユニットを移動させることはできません。

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同様に、原則として、自ユニットによって形成された射程圏に、敵ユニットは移動するすることはできません。

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このルールには例外があります。敵ユニットを攻撃して破壊することによって、敵の射程圏が消滅するケースです。

これは言葉で説明するだけではわかりにくいので、右図のような状況を例に説明してみましょう。灰色のユニットは自ユニット、緑色は敵ユニット、ピンクのヘクスは敵の射程圏内です。

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攻撃を成立させるためには 2 個の攻撃ユニットが必要です。まずその 1 個目として自ユニット A を移動させ、目標の敵ユニット X を A の射程 (この例では 2 ヘクス) 内に入れます。

これによって自ユニット A は、敵ユニット X の射程内にも入りましたが、X と Y が形成する敵射程圏には入っていないので問題ありません。

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続いて、攻撃に参加させる 2 個目の自ユニット B を、1 個目の自ユニット A が目標にした敵ユニット X を攻撃目標として、その射程内に入れるよう移動します。

自ユニット B を右図のように移動すると、自ユニット A とのコンビネーションで射程圏が形成され、攻撃目標である X を攻撃することが出来ます。

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このとき、自ユニット B は、敵ユニット X と Y が形成する射程圏に侵入していますが、攻撃目標とした敵ユニット X を攻撃により破壊することで敵射程圏は消滅しますので、ルールによってこの攻撃は成立します。

まとめると、攻撃を行う 2 体目の自ユニットは、その攻撃によって敵ユニットを破壊した後に全ての敵射程圏から外れるのであれば、敵射程圏に侵入してその攻撃を行うことができます。これが敵射程圏内に自ユニットを侵入可能とする唯一のケースです。

以上のように、条件が全て満たされている状況で、攻撃に必要なアクションポイント 2 を消費すれば、攻撃は自動的に成功します。戦闘解決に乱数要素はありません。

無力化と捕獲:
攻撃の他に、敵ユニットに対する干渉として「無力化」ルールがあります。

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無力化は、自分の射程圏に敵ユニットを入れ、アクションポイント 1 を消費することで実施されます。無力化された敵ユニットは移動や射程圏の形成などの機能を失います。一方で、その無力化を実施している自ユニット 2 個も移動することはできなくなります。

無力化したとはいえ、射程圏内にある敵ユニットをわざわざ破壊しないで残しておくのはなぜでしょうか。その理由は幾つかあります。そのうちのひとつが、次に述べる「捕獲」を実施するために行うというケースです。

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「捕獲」とは、敵ユニットを自分のユニットとして支配してしまうことです。これは、攻撃能力を持つ自ユニット 2 個を、敵ユニットに隣接させ、アクションポイント 1 を消費することで実施されます。捕獲したユニットは、その手番中に自ユニットとしてすぐ利用することができます。

ユニットの種類:
前述の通り、Full Metal Planete には、以下のような 8 種類のユニットと鉱石があります。

Mother Ship
moon Gamer 母船 (母艦) です。ゲームは、母船をボード上に配置することで開始されます。母船はボード上を移動せず、自ユニットを無制限に積載することが可能です。3 つの「足」を持ち、その先には射程 2 の「砲塔」を装備しています。砲塔は固定装備ながら、無力化しないという特性を持つ強力な武装です。自分の母船を他プレイヤーに捕獲されるとゲームから脱落します。母船を捕獲するには 3 つの砲塔を全て破壊しなければなりません。

Crab
moon Gamer クラブ。通称「カニ」。クラブは、Full Metal Planete において重要な役割を果たしています。戦車・重戦車・ポンツーン、それに鉱石を 2 つも積載する能力を持っているからです。惑星上での鉱石輸送は、特に序盤から中盤にかけて、クラブが縦横無尽にボード上を駆け巡るでしょう。

Weather Hen
moon Gamer 通称「風見鶏」。あるいは「コンバーター」。風見鶏は2つの役割を持ちます。鉱石 (だけ) を 1 個 (だけ) 搭載して輸送可能なことと、搭載しているその鉱石を使ってクラブ・戦車・ポンツーンへ変換可能なことです。中盤以降は、保有戦車数によって武装しないと数で押されてしまいますので、また、風見鶏は次ターンの潮の満ち引きを知るためにも必要です。

Tank
moon Gamer 「戦車」です。攻撃の中核となる陸上ユニットです。射程 2 を持ち、山地では射程が 3 になります。各プレイヤーはゲーム開始時に戦車を 4 両ずつ保有しており、また風見鶏によって戦車を増産することも出来ます。攻撃と防御いずれにおいても、ゲームの展開に極めて大きな影響をもたらすユニットです。

Heavy Tank
moon Gamer 「重戦車」です。重戦車も戦車と同様に攻撃能力を持つ陸上ユニットです。射程は 3 あります。ただし山地へは移動することができません (重戦車を輸送する時も山地は通過できない)。各プレイヤーは重戦車をゲーム開始時に 1 両ずつ持っています。戦車や巡視船とを組み合わせると強力な布陣となります。

Speed Boat
moon Gamer 通称「船」、あるいは「ボート」。巡視船です。戦車が陸ならボートは射程2を持つ水上の攻撃ユニットです。Full Metal Planete のボードは海の面積がとても広く、また潮が満ちることで更に多くの部分が水上となります。各プレイヤーが保有するボートはわずか 2 隻ながら、行動範囲が広いためにその影響力は大きなものとなるでしょう。

Barge
moon Gamer 「艀 (はしけ)」です。我々の知る艀 (はしけ) は水上をのっそりとけん引されつつ移動する巨大な平底船ですが、この艀には航行能力があります。艀は 2 ヘクス分のサイズを持つ巨大な水上倉庫であり、巡視船と母船を除いた全てのユニットを輸送することが出来ます。積載量も多く、戦車や鉱石なら一度に 4 つも搭載できます。艀は水上ユニットなので、移動は水上に限られます。

Pontoon
moon Gamer ポンツーンです。通称「橋」あるいは「浮橋」。ポンツーンは 1 ヘクスサイズの軍橋として扱われます。ポンツーンが存在するヘクスは、そこに隣接するヘクスが陸上であれば、潮の満ち引きにかかわらず陸上として扱われます。架設したポンツーンは中立であり、それを誰でも利用することができます。また設置されたポンツーンは水上ユニットの移動を妨げます。

Ore
moon Gamer 鉱石です。通称「石」。鉱石を母船へ輸送し、それを持ち帰れば 1 個につき 2 点が得られます。自ユニットを持ち帰っても 1 ユニット 1 点なので、主要な得点源となるでしょう。また風見鶏によって、クラブ・戦車・ポンツーンを生産するための原材料ともなります。

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この日のセッション:
セッションに参加した全員が初プレイでしたので、最初の数ターンは無難に鉱石を黙々と拾い集める静かな展開が続く… のではどうも緊迫感に欠けるような気がしたので、序盤から無駄に波風を立ててみましたw

というのも、まだ手探り状態の第 6 ターンか 第 7 ターン目あたりに、ふうかさんが、艀 (はしけ) を僕の巡視船の航続範囲へ不用心に進入してきたような気がしたからです。それを見た僕はすかさず自分の手番で、その艀を巡視船で攻撃可能かどうかを調べてみました。当然ながら場にはかなりの緊張が走ります。

艀は大量輸送の要です。各プレイヤーは 1 隻ずつしか持たず、しかも再生産が出来ません。これが序盤で破壊されたり捕獲されたりしたら相当な痛手となるのだから緊張するのも当然です。結果的に、潮の状態がたまたま干潮だったこともあって、わずかに巡視船 2 隻の射程圏に艀は届かなかったので何事も起きませんでした。さてこれが満潮ならどうだったでしょうか。

ということで、この"事件"がちょっとばかり刺激になったせいか、その後は少しずつ緊迫した状態が高まっていくことになりました。そしてボード上の鉱石が少なくなってきたあたりで、ついにふうかさんとの本格的な交戦が始まってしまいました。ボード上に鉱石がないのであれば誰かから奪い取るしかないのですから、これはまあ予想された流れでもあります。

戦いが始まってすぐにふうかさんの戦車 1 両を捕獲したまでは良かったのですけれど、その後は間に海を挟んで、それぞれの対岸の山からの砲撃合戦となったために膠着した消耗戦となってしまい、状況は一進一退となります。互いに損害を積み重ねた後、どちらともなく休戦協定が結ばれ、この戦いは gdgd で終結することになりました。結果的にどちらがどれだけ得したのかはよくわかりませんけれども、恐らくは痛み分けだったのではないかと思います。

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一方、いたるさんとかろくさんも、陸と海のかなり広い範囲で交戦状態となっていました。いたるさんが大規模に攻勢を仕掛けてかなり押してしたような気がしたのですが、あるターンにおいて、最後の仕上げとばかりに大きな戦闘を行おうとした直前に無慈悲なタイムアップ!

今回のセッションで 3 分間の時間管理は、いたるさんが用意してくれたストップウォッチのような iPhone アプリを使いました。ゲーム開始時に、このアプリは最後の 10 秒 (5 秒だったかも) で「カウントダウン」する、という説明を僕らはいたるさん受けていました。

で、確かに残り時間が少なくなってカウントダウンが始まると、画面上では少し違ったエフェクトが表示されるようにはなっていましたけれども、予想に反してそれは無音だったのです www

この思わぬいたるさんのミスをきっかけににしてかろくさんが微妙に復活、そのまま戦いはずるずると泥沼化していったような… 面白いゲームだなあ www

その後いろいろありましたが、第 21 ターンでかろくさんと僕は早々に惑星上から母船を撤収、得点が少なかったふうかさんといたるさんは惑星に残ることになりました。

この時点でいたるさんのユニットは、かろくさんと戦いに明け暮れていたためボードのあちこちに散在しており、母船の周囲は手薄になっていました。もちろんこれを見逃すはずがないふうかさんは、大逆転を狙うチャンスとばかりに物量を投入し、いたるさんの母船めがけて進撃をかけ続けました。この激しい戦闘は最終ターンまで繰り広げられることとなります。

※敵の母船を捕獲すると、その船内に備蓄された鉱石や積載物を全て奪える上に、アクションポイントも増加します。一方、母船を奪われた方はゲームから脱落します。

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最後の最後であわや母船が奪われる寸前まで肉薄されたわずかに凌いで、いたるさんの母船は最終第 25 ターンで飛び立つことに成功しました (大きな損害を被ってはいましたけど)。長い戦いはこうして終止符が打たれることとなりました。

ゲーム終了後の得点計算で勝利したのは僕でした。鉱石の収集が多く、ふうかさんとの戦いで何台かの戦車を失う被害が出たものの、それを早めに休戦したおかげで早期撤収を効率よく行えたのが勝因だったかと思います。あのとき、ふうかさんが徹底抗戦の方針を貫いて戦いが長引いていたら、また違った結果になったかもしれませんね。

ルールの和訳:
このエントリーの冒頭に書いたように、Full Metal Planete のルールはいたるさんが和訳されました。それは以下で公開されています。

[Full Metal Planete日本語ルール / 卓游選科]
http://takuyu.blogspot.jp/2013/04/full-metal-planete.html

これから時間をかけて修正されていくとは思いますが、若干の誤字脱字等々がまだ残っているようです (例えばセットアップで各プレイヤーが受け取るボートの数は 1 ではなくて 2 隻です) 。

いたるさんと言えば、日本を代表するボドゲ和訳クリエイター (というようなことがどこかに書いてあったw) のお一人であることはみなさんよくご存じの通り。彼は、本作に複数存在する仏英訳や、有志が作成したオンライン対戦やソフトウェアのマニュアルなどを参考にこの和訳を制作したそうです。

ただ、複数の仏英訳はそれぞれの内容に微妙なゆらぎがあったようで、いたるさんはそのあたりを苦労して調整しつつ和訳を制作したのだそうです。ゲームに対するこの並外れた情熱は、是非とも見習いたいものです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/20/full-metal-planete

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La Loire

3/24 (日) に、地元は千歳烏山で行われたSGC例会に参加し、La Loire (ロワール川) / Mind the Move を遊んできましたので、レビューとレポートをまとめました。

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◆概要
La Loire (ロワール川) は、Emanuele Ornella が 2012年に制作した経済ゲームです。彼は、Oltre Mare (オルトレマーレ / 2004)、Il Principe (君主論 / 2005)、Hermagor (ヘルマゴール / 2006)、Charon Inc (カロン株式会社 / 2010) など、国内でも和訳付きで発売された幾つものゲームを手がけています。

制作ペースは年に1〜2作のようで、そのほとんどはカードとお金を使った内容になっています。La Loire (ロワール川) は、まさしくそういう作品です。

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◆ゲームボード
ゲームボードには、ひとつの対角上に「ナント」と「オーリアン」という2つの都市があります。

2つの都市の間には、ロワール川を挟んで9つずつの村があり、各村はひとつのマスを表します。つまり、都市から都市への距離は10マスであり、ゲームボードには総計20マスがあることになります。

18の村には、それぞれひとつずつ商品のシンボルが描かれています。商品シンボルは木材・チーズ・穀物・ワインがあり、ゲームで扱われるその他の商品としてビールもあります。

◆商人とメッセンジャー
プレイヤーは2つのトークンが与えられます。すなわち「商人」と「メッセンジャー」の2つです。ゲーム開始時に商人トークン(ポーン)はナント、メッセンジャートークン(キューブ)はオーリアンに配置されます。

◆勝利条件
プレイヤーの目的はより多くの勝利点をあげることです。商人は村で商品を購入し、それを都市で売却して現金収入を得ます。商人は都市で建物を建設してメッセンジャーが勝利点を獲得する機会の増加と得点効率を上昇させることができます。メッセンジャーはメッセージを配達することで勝利点や少しばかりの収益を得ます。どちらも新たなキャラクターを雇用して、制約に縛られた移動やアクションの利便性や能率を劇的に改善することができます。

◆移動とアクション
プレイヤーは手番になったら、2つのトークン(商人とメッセンジャー)のうちどちらかを移動させます。その後で動かしたトークンのアクションを行います。そしてもう一方のトークンを移動させて同様にアクションを行います。アクションは任意ですが、移動は必須です。また移動を行った後でなければアクションは行えません。マスの種類ごとに可能なアクションは異なります。また、商人とメッセンジャーでも可能なアクションが異なります。

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◆移動と馬
商人とメッセンジャーは、どちらも馬で移動します。馬は白い円盤トークンで、その上に商人トークンやメッセンジャートークンを乗せる(スタック)と、それらのトークンが馬に乗っていることを表します。

馬トークンは2枚まで重ねることが可能です(注:右写真で馬トークンを3枚重ねているのは特殊効果によるものです)。そして重ねられた馬トークンの枚数+1マスが、トークンが1手番で移動するマス数となります(馬に乗っていない商人とメッセンジャートークンは1マスのみ移動)。

馬に乗って複数のマスを移動する場合、途中のマスで止まることはできません。短い距離を移動したいのであれば、移動開始前に馬の数を調整しておく必要があります。誰も乗っていない馬を自分のスタックに1枚だけ加えたり(ただし馬の枚数はスタックごとに最大2枚)、あるいは馬を移動開始マスに何枚でも置いて移動したりすることが可能です。

商人とメッセンジャートークンは、ある都市(ナントとオーリアン)から出発した後は、次に都市に止まるまでは方向転換が行えません。マスは周回構造になっていますので、例えばナントから出発したトークンが、オーリアンで止まらずに通過したのであれば、そのまま同方向へ進んで、少なくともナントに停止するまでは方向転換を行えません。ちょうど都市に止まったトークンは、次の移動開始時にどちらの方向へも進めます。しかし次に都市にちょうど止まって、そこから移動を開始するまでは方向転換が行えません。

◆商人のアクション
商人とメッセンジャーではアクションの選択肢が異なります。

商人の主な目的は現金収入です。村で商品を購入し、都市で売却して差額をもうけにするのが基本です。しかし、ひとつの村ではひとつの商品しか購入できません。また、木材を除いて1種類の商品は1つしか所有することができません。都市では幾つの商品でも売却できます。商品の価格は市場に示された村の種類ごとに決まります。ある種類の村で商品が購入されますと、その種類の村の価格相場が上昇します。

商人は都市に止まった手番で、商品を売却する代わりに建物を建設したり、ロワール川の勝利点を購入したりできます。いずれにせよ、どれかひとつのアクションしか行えません。

商人が都市から移動するためには、5ドニエ以上保有していなければなりません。そうでなければ、手番で1ドニエを受け取って商人の手番を終了しなければなりません(商人トークンは他に何もできない)。また10ドニエを越える所持金があれば、余剰なお金を捨てて10ドニエにしなければなりません。なお、メッセンジャーにはこれらの制限はありません。

◆メッセンジャーのアクション
メッセンジャーは、都市や自分の建物からメッセージ(手紙?)を受け取って、それを指定された村へ配達することで、主に勝利点を獲得します。メッセージには「レベル」があり、レベル1メッセージの目的地はひとつの村だけです。レベル2メッセージは2つの、レベル2メッセージは3つの村が配達先となり、また特定のキャラクター(後述)を雇用していなければなりません。

レベル1メッセージは獲得できる勝利点が少ない代わりに、わずかに現金収入が得られます(レベル2以上のメッセージは勝利点のみ)。

更に特別なメッセージとして修道院メッセージ(レベル4)があります。これは自分の修道院からのみ購入可能な価値の高いメッセージです。配達先は村ではなく、いずれかの都市(ナントかオーリアン)のみになっています。

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◆特殊効果
「サーカス」がある村ではキャラクターを雇用することができます。これは商人でもメッセンジャーでも可能なアクションです。キャラクターは特殊効果を持ち、その効果はゲーム終了時まで維持されます。

また都市では「宮殿」と総称されている建物が4種類あって、これを商人が購入することで、メッセージ関連で大きな効能を持つ特殊効果が得られます。また「宮殿」は、商人が勝利勝利点を得ることのできる数少ない要素のひとつでもあります。

◆ルールの問題点
残念ながらこのゲームには、幾つかの問題点があることを書かなければなりません。

まずルールブックにはエラッタがあります。面倒なことに、英語とドイツ語のルールブックには、それぞれ別の誤りがあります。
ソース:http://www.boardgamegeek.com/thread/924618/erratas-corrections

  1. 「サーカス」の村で行う商人アクションでは、商品を1ドニエ安く購入するか、キャラクターを雇用するか、そのどちらかだけを行えます。これら2つのアクションをひとつの手番で両方とも行うことはできません(英文ルールのエラッタ)。
  2. 都市(ナントかオーリアン)で行う3つの商人アクション(商品売却・建物建設・ロワール川の勝利点購入)は、ひとつの手番で、それぞれのアクションを任意の順で1回ずつ行えます(ドイツ語ルールのエラッタ)。

また、ゲームボードにエラッタがあるのでは? という情報も見つけました。しかしこれは公式なエラッタとして扱われていませんし、ソース元では伝聞情報としてボードには誤りはないという話になっています。したがって今のところは、現状のままでも構わないと思います(ま、確かに麦畑のような背景にチーズのシンボルってのはヘンテコな気がしますけれども)。
ソース:http://boardgamegeek.com/thread/898961/mistake-on-game-board

もうひとつ。キャラクターカードの「女官(Lady in Waiting)」の効果についてです。「女官」の特殊効果で、2人目のキャラクターを雇用するときに支払う追加コストは、カード上では「+1ドニエ(1の数字が書かれたコイン)」になっています。しかし英文ルールの特殊効果一覧表では「+2ドニエ」となっています。一方で、ドイツ語ルールでは「+1ドニエ」です。この件について、僕はBGGで情報を見つけられませんでした。とりあえず、カード表記を優先して「+1ドニエ」でいいかと思います。なお、ゲームストア・バネスト訳では、そのようなエラッタ対応になっていました。
ソース:http://banesto.shop6.makeshop.jp/board/board.html?code=banesto_board1 「エラッタ情報」番号53の書き込み

※注意:これらのソース(典拠)へのリンクはすべて上記に記載しています。まずはそれらをご自分で確認し、理解するようにしてください。このブログの記事を鵜呑みにしてはいけません。

◆アートワークの問題点
各プレイヤーの2つのトークンが、どこにいてどちらの方向へ向かっているのか、フリーの馬トークンがどこに幾つあるのか、そういった基本的な情報が一目でとてもわかりにくく、ゲームボードの機能性が低いように思えました。馬トークンをスタックして移動するルールは、アイデアとしては良くても、現在の方法ではプレイアビリティが決して良くはありません。アイデアの実装として、他にもっと良い方法はなかったのでしょうか ?

「ロワール川」は、異なる機能を持つ2つのトークン(商人とメッセンジャー)を使ったピック&デリバリーです。その根幹となるトークン移動をこのような煩わしいギミックにしてしまったのはどうしたことでしょうか。見た目を美しくしたかったのは理解できるにしても、それで遊びづらくなってしまったのであれば本末転倒です。

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◆戦略 (初回プレイ後に僕が考えたこと)
キャラクターの特殊効果を獲得することは、ロワール川で勝利するためには必須要素です。また複数のキャラクターを組み合わせて相乗効果を生み出すこともまた重要です。これまで説明してきたように、「ロワール川」には移動やアクションに多くの制約が課せられており、それを少しずつ解除する機能として設定されている特殊効果が多くあるためです。

ですから、キャラクターを雇用する「サーカス」の位置には気を遣いましょう。ルールによってサーカスは何度も移動します。自分の思い通りに移動先をコントロールすることは困難でも、現在の村から移動してしまうだろうということを予測することは可能です。またキャラクターの中には、サーカスに止まりやすくしたり、移動を基本ルールより柔軟に対応可能にしたりする特殊効果を持つものがありますので、その雇用も考えましょう。

また「ロワール川」は、商人で勝利点の機会と効率を増加させ、メッセンジャーでそれを回収するような構造になっているように思えました。商人は、勝利点を直接獲得する手段が少なく、できたとしても効率が悪くなっています(都市に宮殿を作っても4ドニエで2勝利点のみ、ロワール川の勝利点購入も6ドニエか10ドニエ必要)。農場・城・修道院建設で直接勝利点を獲得できないのも、そういう方針でデザインされているためと思われます。

メッセンジャーが配達するメッセージは、レベル1よりもレベル2や3の方が実は早く行えますので、勝利点だけに着目すると、設定数値以上に得点効率が高いです。各プレイヤーの配達可能なメッセージ数は、ゲーム終了条件と絡んで上限があります(4人プレイ時は誰かが8通配達すると終了フラグ)から、低い点数のメッセージを多く運ぶのは、ゲームを早く終わらせたいという意図がない限り、さほど良い作戦とはいえないのではないでしょうか。現金収入を伴うメリットがあるとはいえ、出来れば早めにレベル1メッセージの配達を切り上げて、必要なキャラクターを雇用(徒弟と助っ人)し、いち早くレベル2以上のメッセージ配達を目指す方が効率的だと思いました。

◆セッション
このセッションで勝利したすいせいさんは、実に興味深い作戦を採用していました。ほとんどのキャラクターは雇用すると1勝利点が得られます。しかしキャラクターの購入コストは1〜10ドニエまで様々です。そこですいせいさんは、コスト1ドニエの安価なキャラクターを、サーカスに止まるなど機会があるごとに次々と雇用したのです。特殊効果の活用を目的とした雇用ではありますが、1手番1ドニエで1点が得られるという、コストパフォーマンスが高いという貴重な副産物が結果として付いてくることになりました。

最後に決め手になったのは、配達済みのメッセージの勝利点を上昇させる青キャラクター(購入コスト10ドニエ)でした。すいせいさんはこれを最終手番で雇用し、それまでトップを独走していたプレイヤーをわずかに差しきって逆転勝利を収めたのでした。キャラクターの雇用は1手番で1人しか行えないので効率よく行うのは大変に難しいのですが、すいせいさんは他のキャラクターの特殊効果を活用するなどして、その高いハードルを乗り越えた末につかみ取った勝利だったわけで、本当にお見事でした。


「ロワール川」は、勝利するための道筋が幾つもあり、それを考えている時間はとても楽しかったです。適度な歯ごたえがあって、アイデアだけならユーロスタイルのゲーマーズゲームとしては及第点の作品でしょう。それだけに、エラッタやプレイアビリティの悪さをとても残念に思いました(どうも最近こんなことばかり書いてる気がしないでもありません)。

事前の情報収集が不完全だったため、今回はすべてのエラッタが適用できなかったこともあり、もし次の機会があれば、ぜひとも正確なルールでプレイしたいと思っています。ということで、再戦熱烈希望です。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/130008/la-loire

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Ghooost!
UNGERADE

2013/3/16 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52310776.html

3/16のレポートがずいぶん長くなってしまいましたので、最後にプレイして2つのゲームのことを短く書いてまとめてしまいましょう。


moon Gamer

この日の3つめのゲームは Ghooost! / リチャード・ガーフィールドの「ゴォ〜スト!」日本語版 でした。リチャード・ガーフィールドのゴーアウト系カードゲームです。いたるさんの持ち込みで、僕は未所有です。

って、彼はだいぶ昔にも同じ系統のカードゲームを作っていたような気がしたので調べてみますと、1995年発売の「The Great Dalmuti(グレートダルムチ)」がそれでした。同年には国内でピラミッドゲーム(ピラミッド・カードゲーム)というタイトルで、似たようなカードゲームがアニメージュの付録になってたりしますが、その話はまた別の機会にでもw

インストの途中で魔ゲーム的な香りがぷんぷんと漂ってきたので思わずひっくり返りそうになりましたけれども、遊んでみたらそれほど悪くないじゃありませんか。気軽なパーティゲームとしても、カードの動きを考えながら上手にコントロールするゲーマー的思考を巡らせる素材としてもイケると思いました。

このセッションではかろくさんが勝利。彼はインスト中からこのゲームを楽しんでいましたし、僕も含めて他の人たちにも好感触でした。


moon Gamer

そしてラストは「UNGERADE(アンジェレイド)」。2011年にゲームマーケットで頒布されていたカードゲームです。僕としては2回目のプレイです(前回遊んだのはこのブログをお休みしていた時期だったのでレポートはありません)。

このときの面白かった印象がずっと頭に残っていまして、この日の〆で念願の再プレイにこぎ着けることが出来ました。

ルールの詳細はこちら。
『UNGERADE』: 青い街 [ Aoi Machi ]
http://aoimachi.sblo.jp/category/1280810-1.html

また、TGiW にプレイレポートがあります。
アンジェレイド(Ungerade) - Table Games in the World
http://www.tgiw.info/2011/12/ungerade.html

実はこれも、ゲーム慣れした人ほど「ゴォ〜スト!」と似たような誤解にさらされやすいタイプのゲームで、ルールを読んでも、レポートを読んでも、誰かがプレイしている卓をすぐそばで見ていたとしても、単なる神経衰弱のバリエーションにしか捉えられないでしょう。

実際にプレイしてみればわかるのですが、メモリーゲーム的な要素よりも、ブラフなどの心理戦的な要素や残りカードを類推する要素などがシンプルかつ濃縮的にコーディネイトされており、ミニマルなゲームデザインの優れたサンプルのような作品に仕上がっています。ただ、運の割合は決して少なくはないため、競技指向が強い人とは相性は良くないかもしれません。

残念ながら本作の頒布はもう終了してしまったようです。もしこのゲームをどこかで見かけたら是非ともお試しになってください。

体調が戻り、改めてこのすばらしいゲームを遊ぶ機会が得られ、そして以前と同じように「アンジェレイド」を心の底から楽しめたことに感謝したいと思います。このセッションでは僕が運良く勝利を収めました。


3/16(土)のゲーム会レポートはこれで終わりです。ふうかさん、かろくさん、いたるさん、お疲れさまでした。また是非とも千歳烏山にお立ち寄りくださいませ。

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Locomotive Werks

2013/3/16 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52310082.html

この日、2つ目のゲームは Locomotive Werks (機関車工場) / Winsome Games | Queen Games でした。

moon Gamer

生産数が少なすぎる Winsome Games のプロダクトにありがちな、「気がついたらもう地球のどこでも入手難」な状態となって、すっかり幻のゲームとなっていたわけですが、Queen Games が Kickstarter (またおまえか) でがんばってくれましたので、こうして極東の島国でもようやく遊ぶ機会が得られました。実にすばらしいことです。ゲームの内容がオリジナルとリメイクとで違いがあるかどうかまでは調べていないので不明ですけれど。

国内ではメビウス頒布会で販売されましたので、そのうち一般販売も始まるのではないでしょうか。

◆概要
Locomotive Werks のテーマは19世紀のドイツにおける鉄道機関車の開発史です。プレイヤーは機関車工場の経営者となり、次々と世代交代して市場に登場する機関車を、需要に応じて工場で生産し、それを売却することで、より大きな収益を上げることが目的となります。

プレイヤーはあくまでも工場経営者であって、鉄道ゲームによく見られる線路敷設や株式売買などの鉄道会社経営的要素はありません。

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◆需要
ゲームボードには、様々な機関車が周囲をぐるりと取り囲んでいます。左上の機関車(旅客機関車の第一世代)が、このゲームで最初に登場する機関車です。4人ゲームの場合、全員がこの機関車を「1」だけ生産する工場を持っています。

右の図は、各機関車の世代交代について、ゲームボードのデザイン構成を元に抽象的に表現して作成したものです。

現時点で取り扱い可能な機関車は、ゲームボード上にダイスが配置されている機関車だけです。このダイスは、このラウンドでのその機関車がどれだけの需要を持っているかということと、実際に売却可能な機関車の残余数を表しています。

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◆機関車工場
プレイヤーが保有する機関車工場はカードによって表されています。機関車工場には、カードに記載された機関車を生産する機能(生産能力)を持っています。

生産能力とは、その工場が機関車を製造する生産ラインのようなものです。したがって、ある工場で生産した機関車を出荷し売却したとしても、次のラウンドでその工場はまた生産能力に等しい数の機関車を生産し売却することが可能です。

機関車工場は、プレイヤーが受け取った直後は初期値で「1」の生産能力を持っており、その数字が記されたタイルをカード上に置きます。「1」の生産能力を持つ機関車工場は、あるラウンドにおいて、最大で売却代金に等しい額の収益を上げる可能性があります。

同様に「2」の生産能力を持つ機関車工場は、あるラウンドにおいて、最大で売却代金の2倍に等しい額の収益を上げる可能性があります。以下同様です。

機関車工場の生産能力は、「増設」によって増やすことができます。ただし、生産能力を「+1」するごとに、工場増設コスト(カードに記載されています)の支払いが必要です。

旧式の機関車工場は、より新しい機関車工場に生産ラインをシフトさせることが可能です。シフトするには、新式の機関車工場をプレイヤーが保有していなければなりません。またシフトさせる場合には、工場増設コストの差分を支払う必要があります。生産ラインですので、コストさえ支払えば運用は柔軟に行えるようになっています。

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◆需要と収益
工場で生産した機関車を市場に売却することでプレイヤーは収益を得ます。ですが、市場がいつでも無尽蔵にどんな機関車でも受け入れる、というわけでありません。市場の需要には上限があり、また古い型の機関車は需要が少なくなります。

ゲームボード上の各機関車には2〜4マスの「需要マス」があり、ひとつの需要マスにはひとつのダイスが配置されます(必ずしもすべての需要マスがダイスで埋められるとは限りません)。需要マス上のダイス目が、そのラウンドにおけるその機関車の需要を表します。ダイス目が高い方がたくさん売れるという意味になります。

ある機関車の需要マスに置かれたダイス目の数までは、その種類の機関車工場で生産した機関車を売却が可能です。ダイス目に等しい数の機関車が売却されたら、ダイスは「購入済み」のマスに移動させます。ある機関車工場が、需要を越える生産能力を持っていたとしても、売却可能な上限は需要マス上のダイス目の数までです。

あるプレイヤーが、需要マスのダイス目よりも少ない数の機関車を売却した場合、需要そのものは残ります(ダイス目−売却数=残り需要)。別のプレイヤーが同じ種類の機関車工場を持っていて、まだ生産能力が残っているのであれば、残った需要まではその機関車を売却することが可能です。

つまり需要マスのダイス目は、そのラウンドにおいて、購入済みの機関車工場(同じ機関車工場を複数プレイヤーが所有していることもあります)が売却可能な上限値という意味です。

ひとつの機関車の需要マスに、複数のダイスがある場合の売却については、ルールに従った手順で処理が行われます。詳細は省略しますが簡単にまとめますと、需要マス上のダイス個数が多いほど売却の機会が増加し、ダイス目が大きいほど一度に売却可能な数が多くなります。

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◆世代
ゲームが進行するにつれ、より新しいタイプの機関車が次々と登場します。ゲームボード上で、現時点で最も新しい機関車から時計回りに隣接した位置にある機関車が、次の最先端として登場する機関車です。

機関車には4つの種類があります(旅客・急行・貨物・特殊)。新式の機関車が登場しますと、それと同じ種類で旧式の機関車の需要は下落するようになります。例えば、旅客機関車の第二世代型の機関車がゲームに登場しますと、旧世代となる第一世代型の旅客機関車は需要が落ちていきます。

第三世代型の機関車が登場するようになりますと、同じ種類で二世代古い機関車は新たに購入できなくなります。需要が下落した結果ゼロとなり、市場がなくなってしまった機関車の製造工場は、生産ラインを新しい世代の機関車工場へとシフトさせない限り、もはや利益を生み出すことはありません。

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◆争点
このゲームでは、多くの部分で他プレイヤーとの絡みがあります。しかし関連が密なだけだけであって、競合要素はそれほど多くありません。そのほとんどが機関車を売却する順番に偏在しています。

新規工場の開発は極めてコストが高い設定になっています。新規開発を開始した上で、更に増設まで考慮しますと、所持金にかなりの余裕があるときだけしかこの選択を行えません。無理をして工場を購入しても、十分な利益が出るまでには時間がかかります。このゲームにおいて時間は自分だけではコントロールすることは不可能で、思わぬタイミングで世代交代が一気に進んでしまいますと、利益どころか損害を食らうこともあります。

かといって少ない生産力で工場を自転車操業しているだけでは、時代の最先端の機関車を効率よく生産して収益を上げているプレイヤーに市場の独占を許してしまいます。何をするにしても他プレイヤーの思わくが複雑に絡み合ってきますので、思い通りに進めるのはなかなか難しいゲームです。

moon Gamer

所持金が少なければ、次のラウンドではプレイ順が先になります。そのようなときに、あなたがたっぷり増設した工場の機関車がたまたま大きな需要に恵まれていたのであればチャンス到来です。需要はダイスでランダムに決まりますから正確に読むことはできませんが、自分にとって有利なシチュエーションを思い描きながら計画を立てることくらいはできます。

一方、不運にもそのようなときに世界が不況に波に飲み込まれていたのであれば、頭ひとつ飛び抜けたプレイヤーが収益の要としている市場に介入したり、あるいはその市場を時代遅れにするべく新規開発を推し進めるような行動を取ったりします。どちらにしても現金が必要ですけれど。


この日のセッションでは、ふうかさんが中盤すぎに大きな利益を上げることに成功した後、そのまま順調に業績を伸ばし続けていました。他の3人はそれに対抗するべく、急いで世代交代を推し進めたものの、それを無計画にやっちまったのは性急すぎた行動だったようで、それぞれが十分な収益を上げる前に、まだろくに走ってもいない車両の需要が次々としぼんでいく流れになって自滅したような気がw

中盤までは1ターラーを搾り取るような細かで地味な駆け引きが続いていたのですけれど、それを過ぎたら各自の収益は急速に膨らみ、終盤は1ラウンドで数十どころか3桁に達する大きな収益となって一気に収束しました。

結局、最終ラウンドはふうかさんのウイニングランを眺めているだけだったような。僕の結果は300ターラーちょうどの3位でした。

このゲームはダイスを多用しますが、プレイヤーが収益を上げる経営部分に偶然の要素はありませんので、中盤を過ぎてからある程度の差をつけられると後から追いつくのはかなり難しくなるような気がしました。

初回ゲーム後の感想としては、序盤はほとんどが必然手だけで場が進む作業感が強くて、また終盤の少しばかり大味な展開からしますと、中盤でどうやってゲームメイクするかを考えさせるようなデザインになっているのかなあ、と。

見通しが良くクリーンなシステムはとても気に入りました。今回は何かと悔いの残る展開でしたし、周囲には鉄道ゲーム好きが多いですから、再戦の機会が訪れることを願っています。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/3828/locomotive-werks

※レポートは後日に続きます。次のレポート:http://moon.livedoor.biz/archives/52311074.html

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