つくばゲーム会 (11/7)
つくばは都心よりも2〜3度低めの気温でした。少し厚手の服を着ていったのは正解でしたが、ゆったりとした袖のデザインはゲームには向いていなかった模様(袖で机の上のものを引っかけることが多かった…)。

・Agricola (アグリコラ) / Lookout Games 

エッセンでの注目作のひとつ。ひと組の農夫たちが、最初は何もない自分たちの農場を、より規模が大きく、そして多彩になるようコツコツと作り上げていく開発ゲームです。斬新な要素はありませんが、多数のアイデアが幾重にも組み合わされてデザインされた重厚なゲーマーズゲームでした。特に、種類も枚数も多い特殊効果を持つカードが大きな特徴で、初プレイ時にはこれを把握するは一苦労かも。
※注:写真に映っている付箋紙は、ドイツ語で書かれたカードの名称と効果をわかりやすくするために補助的に使われたものです。
農場は3×5マスのボードで、各プレイヤーが1枚ずつもちます。農場には2軒の小屋と2つのコマ(=農夫)が置かれた状態でゲームが開始されます。スタートプレイヤーから順に、農夫コマをアクションボードの任意のアクションに配置することで、そのアクションをただちに実施します。あるアクションが選択されたら、そのラウンドではもう誰も同じアクションを選択することはできなくなります。
農夫コマは最初は2個しかありませんが、資材を獲得し(アクション)、それを元に小屋を建設(アクション)し、子孫を増やし(これもアクション)、そして食料で扶養(食料を調達する方法はアクションや特殊効果等々)することで、増加させることが可能です。そうすることで、ラウンドごとに実施可能なアクション数も増加します。このように、農場経営は複数の世代にわたって行われます。
畑は畑タイルの入手(アクション)が必要で、そこへ種をまく(アクション)ことで、決まったタイミングで一定量の収穫が行われます。酪農はまず柵を作り(アクション)、そこへ獲得した家畜を入れる(アクション)ことで行えます。家畜は条件が揃えば繁殖することもあります。柵で囲われた面積が広いほど飼育する家畜の頭数も多くできます(=点数が高くなる)。
基本的なアクションの12種類で、これはゲームを通じて固定です。そしてラウンドが1つ進むごとに実施可能なアクションが1つ増加します。ゲームは全部で14ラウンドで、つまりゲーム終了直前のラウンドでは12+14種類のアクションが選択肢となります。どのラウンドにどのアクションカードが出現するかはおおざっぱには決まっているだけで、ある程度はランダムに出現するようになっています。
種類の多いリソースと特殊効果を駆使し、立派な農場を作り上げていく過程を純粋に楽しめる快作です。良質の開発開拓ゲームがみなそうであるように、「Agricola」もまた、遠い将来を夢見ながらすぐそばにある現実の問題解決に帆走し、さらに厳しい競争にうち勝つための創意工夫をも求められます。到達点は全プレイヤー共通ですが、そこに辿り着くためのルートはいくつもあります。
ともかくも、ここでは書ききれないほど多くの要素が詰め込まれた魅力あるゲームです。プレイタイムは3時間強に及びましたが、中だるみはまったく無く、最後までゲームの世界の没頭し、終わってしまったのが残念に思うくらいの面白さでした。
ルールの根幹はシンプルでわかりやすいので、その習得はそれほど難しくないと思います。しかし膨大で言語依存性の高いカードの扱いはどうしても煩雑になるので、ターゲットはヘビーゲーマーであることは明白です。入手予定の方はご注意を。国内で扱われるかどうかは微妙な感じではありますが、少なくとも英語版がアメリカで発売されたら購入をぜひ検討したいと思っています。
http://www.boardgamegeek.com/game/31260

・Amyitis / Ystari Games 


豊かな自然の国メディアから砂漠の土地バビロンへ嫁いだ王妃アミティスの心に安らぎと慰めを与えるために、王はこの地にいくつかの壮大な庭、そうあの「バビロンの空中庭園」を作ろうと決意します。プレイヤーは王に仕える貴族となり、この壮大な計画に着手することになります。
各ラウンドの開始時に、3枚1組のグループを4組(3枚×4組=計12枚)のカードが並べられます。カードには農民・神官・商人・職人の4種があります。プレイヤーは手番順に、任意のカードを1枚選択し、対応するアクションを実施することができます。
この時、そのグループ(3枚)から最初のカードを選択した時は無料でアクションを行えます。しかし2枚目を選択した時はコスト1、3枚目はコスト2がかかります。アクションを実施することで、何種類かある農産物を手に入れたり、効果の異なる神殿にコマを置いたり、ラクダを手に入れたり、あるいは庭に水路を築いたりします。
またプレイヤーは、カードを選択する代わりに、「キャラバン」を移動させることがも可能です(キャラバン用の別ボードがある)。キャラバンを1マス移動させるごとに、1個のラクダトークンが必要です。このキャラバンが停止したマスに書かれた農作物を支払うことで、追加収入や追加得点などをもたらす発展カードの入手や、あるいは庭の緑地化が行えます。緑地化を行うことで得点処理が発生します。
水路でつながっているブロックを緑地化することで、そのブロックのタイルを獲得可能です。また緑地化したブロックに水路に誰がいくつの水路を引いたかによってボーナスポイントも発生します。そして庭のタイルが残り4枚になったらゲームは終了します。
細かい仕掛けが縦横無尽に張り巡らされていて、それぞれの因果が互いに微妙な力学で絡み合い、プレイヤー間で厳しい競争が繰り広げられるようにし向けられています。この洗練された素晴らしいデザインにまず目を惹かれました。
「Amyitis」はイスタリのゲームらしく、序盤から得点源となる要素を少しずつ積み上げて、最終的な到達点を目指すゲームです。個々の処理はシンプルこの上ないのですが、用意されたリソースは少なく、また与えられる機会もまた限定的であるために、一切の妥協が許されない激しい戦いが繰り広げられることでしょう。
このセッションでは2時間弱がかかりましたが、これもまた長さを感じさせない中身のつまった濃厚なゲーム性に酔いしれました。自分が理解していたルールに一部解釈ミスがあって勝負には絡めなかったのが残念です。ともかくも、これは間違いなく国内で扱われると思うので、重たいゲームが好きな人ならぜひこの「Amyitis」をお試しあれ。
http://www.boardgamegeek.com/game/29934

レポートは以上です。
平日ということもあり、またお昼が遅かったのでアフターはなしで、そのまま帰りました。帰りのTXの中で、怪しいゲーム会の企画話がまとまったりしたのですが、それはまた後日詳細を報告することになるでしょう。
ともあれ、2つのゲームともルールやカードの翻訳をしていただいた米出さんとおのさん、また英文ルールを事前に読み込んでいたかゆかゆさんたちのおかげで、ほとんどストレスを感じずに新作をプレイすることができました。このような機会を与えていただいて心から感謝いたします。ありがとうございました。
プレイレポート、お待ちしてまーす。
レポートというか概観の紹介となりました。
とても密度の濃いゲームで、エントリーで説明するには難しいです。
いずれにせよ、このゲームはつなきさんも必ずや気に入ると思います。
ますます、遊びたくなってしまいました。


