バレンタインな14日(土)は、袋小路の2月例会に行ってきました。昨年9月以来の参加なので5ヶ月ぶりですか。気がついたらそんなに間が空いていました。一時期よりは例会参加者が減ってはいるみたいですが、それでも30人は越えているわけですから大したものです。ちなみに会場にはお菓子とチョコが山積みでした。せっかくなのでいくつかいただきました。おいしゅうございました。

さて今回は、思うところがあってシミュレーションゲームを持ち込みまして、会場の隅の方で数時間にわたって遊んでおりました。お相手はマイミクでSGCでよく同卓になるNAOさん。タイトルは「日露戦争 / エポック社・コマンドマガジン」です。「日露戦争」は 1981年にエポック社から発売された純国産のシミュレーションゲームで、テーマはもちろん20世紀初頭に遼東半島や満州周辺で勃発したあの日露戦争です。

日露戦争 / エポック社・コマンドマガジン
moon Gamer

日露戦争の詳細は Wikipedia先生にでも任せておいて、ゲームの「日露戦争」について少し書きましょう。そろそろ発売から30年近く経過しようかというこのゲームは、実は今でも盛んにプレイされています。それは、シミュレーションゲームとしては平易なルール(『日露戦争』は初心者向きゲームとして発売されました)と、日本軍・ロシア軍共にプレイヤーの裁量範囲が広く、戦略的柔軟性に優れているためです。

自由度の高いゲームというのは、ともすると「何でも出来るけど何をしていいのかかわらない」という事態に陥ることがあります。「日露戦争」においてそれは、プレイヤーへ見た目にわかりやすい選択肢をまずいくつか与えており、そのどれを選択するか(あるは捨てるか)というような設計がなされています。つまり「何をするべきか」はすでに明確になっていて、それをどのように解決し、あるいは防衛するかがプレイヤーに裁量に任されているのです。

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ユニットの少なさも、初心者向けゲームとしては特筆すべき美点です。この日、プレイ中のテーブルに何人も見学に来ましたが、「ユニットはこれだけ?」と言った人が多くいました。ドイツゲームをプレイしている人たちにとって、シミュレーションゲームといえば大きなマップに無数のユニットが敷き詰められているようなイメージがあるのでしょう。しかし「日露戦争」は、少なくとも中盤までは少ない枚数のユニットで進行し、それが徐々に拡大するような構成となっています。

最初は少数のユニットしか盤上にはなく、両軍の増援は「ポイント」を消費することによって編成されます。わかりやすくいうと「ポイント」で「ユニット」を「購入」するような感覚です。ポイント以内であれば、(ルールに特記事項がない限りは)どのようなユニットを増援部隊として選択しても構いません。また使用しなかったポイントは、盤上の被害を受けたユニットを回復(再編成)するために使えます。

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騎兵が飛び回る一点突破の起動戦、強固な陣地を波状攻撃で削り取る要塞戦、地形を利用しながら多くの部隊を並べて対峙する戦線の張り合い等々、「日露戦争」はこのひとつのゲームの中に、これらの複合的な要素がすべて盛り込まれている点も大きな特徴です。しかもそれらは特殊な例外ルールをほとんど使わず、あくまで平易な基本ルールによってごく自然に表現されている点が素晴らしいのひと言に尽きます。

このような競技性に重きを置いたゲームは、歴史的事象の再現性をあくまで重視する生粋のシミュレーションゲーマーからは忌諱されることが多い(この感覚は、ユーロゲーマーにはなかなか理解しがたいことかと思いますけれども)のですが、その厳しい目にさらされつつも30年近くにわたってプレイされ続けているのですから、この「日露戦争」がいかに優れた"ゲーム"であるかがわかろうかと思います。

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自分自身、このゲームをプレイしたのは20年ぶりくらいでしょうか。エポック社から発売された直後に2回ほどプレイして、さらに数年後に1〜2回プレイしたような記憶があります。

#2009/02/17 補足:ご指摘があり、どうも15年ほど前にもプレイしているようです。全く記憶から欠落しているのですが…

今回プレイしたのは、コマンドマガジン日本版の40号(2001年)にて復刻された版で、アートワークが刷新された以外、基本的なルールは変わっていません。しかし初版ルールには曖昧な記述があり、それらが復刻版ではクリアになっています。さらに同55号(2004年)に掲載された「公式ルール明確化」の記事もかなり参考にしました。対して NAOさんは「日露戦争」初プレイです。

ダイスによって NAOさんが日本軍、僕がロシア軍を担当することになりました。ゲーム中の詳しい経緯は省きますが、今回は日本軍にとってハードラックが続いた厳しい展開になったようです。特に艦隊戦においてそれは顕著で、バルチック艦隊は2〜3ターンに2ポイントずつ日本軍の輸送ポイントを削り、さらに7ターンには旅順艦隊が日本軍輸送ポイントの半分を吹き飛ばしました。陸上では南山攻略に時間がかかって(これもダイス目の不運)旅順攻略が遅れていたこともあり、事実上この7ターン目で決着が着いていたとも言えるでしょう。

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「日露戦争」はかなり技巧的なゲームであり、一度でもプレイ経験があるとマップや増援、要塞攻略の勘所がわかるのですけれども、この日初めてマップを見る NAOさんには、この厳しいダイス目をリカバーするのは難しかったかもしれません。序盤の日本軍攻勢は順調でしたし、少なくとも南山があと1〜2ターン早く陥落していたら状況は変わっていたと思います。とりあえずこのゲームは11ターン目に旅順が陥落するところまでプレイしましたが、やはり得点的には延びず、ロシア軍の勝利でこのゲームは終了しました。

対戦後、NAOさんはこの「日露戦争」を面白いと言ってくれました。最初にユニットが少ないので考えやすく、だから再戦も手軽に行えそうなあたりが気に入ってもらえたようです。でもこの対戦だけでは「日露戦争」の魅力の半分にも満たない状況だと思いますので、ぜひまた機会を設けてプレイしましょう。ぜひともよろしくお願いします。お疲れさま&ありがとうございました>NAOさん

レポートは以上です。
この後、少し会場に残って「熟語ドミニオン」をプレイしましたが… 初対面でプレイした方のマナーや態度が微妙というか… まぁ何が悪いというわけでもないので別にいいのですけど。袋小路にはセットで入るか、知った顔どうしで遊ぶのがいいのかな、と、この日ばかりはちょっとだけ思いました。ということで、また次回以降にお邪魔させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします>袋小路関係者各位