22日(日)は、地元は千歳烏山で開かれたSGCの2月例会に参加してきました。そして今回も、先週の袋小路に続いて、ヒストリカルシミュレーションゲームをプレイしたのでした。SGCが使用する会場はそんなに広くないため、もし机が無いようならゲーム倉庫でプレイ可能なように「保険」をかけていましたが、何とかプレイすることが出来ました。今回もお相手は NAOさんです。

この日プレイしたのは「1941 / GDW・コマンドマガジン」というゲームです。タイトルの「1941」とは 1941年のことを示します。1941年6月22日に開始された、ドイツ軍によるソ連侵攻作戦である「バルバロッサ作戦」から、同年10月〜翌1月初旬までのモスクワ攻略戦である「タイフーン作戦」までの、いわゆる東部戦線における緒戦に絞って、地域的にはほぼ全域にわたってシミュレートします。

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東部戦線全域を扱ったゲームは、古くからそれ自体が巨大なジャンルともいえるほど多くの作品が発表されていて、これは今でも脈々と引き継がれています。そんな中で「1941」が発売当初に大いに注目されたのは、これが「120シリーズ」と呼ばれる小型ゲームシリーズのラインナップのひとつだったからです。

「120シリーズ」とは、GDW社の人気シリーズのひとつで、「120分でルールを理解」し、「120個のユニット・マーカー」を使い、「プレイタイムは120分」で終わるようにデザインされたゲーム群です。東部戦線全域をテーマにした壮大なスケールのゲームは、膨大な枚数のユニットと複雑なルールで構成されていることが多く、それだけに「1941」のコンパクトさとプレイアビリティの高さを兼ね備えたデザインは当時としては先鋭的な試みであり、結果として「1941」はヒット作となりました。

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国内では80年代の初頭にホビージャパンが日本語訳を付けて少数販売されていましたが、「1941」はそんな事情もあって瞬く間に市場から「蒸発」し、実は僕自身も店頭に並んでいるところすら見たことがありません。当時はシミュレーションゲームの販売ルートが限られていましたから、こうなると事実上の絶版であり、口コミや人脈に頼るか、あるいは現在に比較すると遥かに敷居の高い個人輸入をしなければ入手は不可能でした。

多くのゲーマーから待ち望まれていたこともあり、時を経て2002年、コマンドマガジン45号の付録ゲームとして「1941」はついに復刻されました。今回使用したコンポーネントはそれを使っています(アートワークは全面的に刷新されていますが、ルールは同一)。ということで、今回は僕も「1941」の初対戦となります。「1941」の初版発売は 1981年。実に四半世紀ぶりに、自分にとってはレアであこがれのゲームをプレイすることが出来たことにまずは感謝したいと思います。

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自分が担当したのはソ連軍で、NAOさんがドイツ軍担当です。強力なドイツ装甲戦車集団が目まぐるしく盤上を駆け巡る様はまさに鬼神のごとくな勢いで、薄く引き延ばされた赤軍戦線の隙間を突破したかと思うと、なんと冬の訪れと共にモスクワを一気に蹂躙・占領されてしまう衝撃の展開となりました。ただ、その後で手薄になったドイツ中央軍集団に対して赤軍部隊が敢行した反攻作戦が功を奏し、結果として互いのユニットが入れ違いとなる不思議な光景が盤上には広がることになりました。いやはや…emoji

最終盤になって互いに細かいルールの解釈ミスが発見されたこともあり、まぁこのゲームの結果はノーコンテストということでいいのではないでしょうか。それでも、最後のダイス目の結果で勝敗が決まるくらいのデッドヒートが繰り広げられ、ものすごく面白かったです。守るソ連軍としては戦線の維持と増援の派遣先をマネージメントする作業に没頭し、時の経過するのも忘れて熱中して遊ぶことができました。さすがに古いゲームなので時代を感じさせるやや荒っぽい処理は見受けられましたが、自分の思い入れは別に考えても、現在でも十分にプレイする価値のある佳作であると僕は思います。

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実を言うと120シリーズは120分で終わらないことでも有名なシリーズだったのですが、このゲームも全7ターンで6時間以上の時間がかかりました。多くの時間をかけてじっくり遊ばせていただいた NAOさんには深く感謝いたします。ブログでもすでに何度か書いていますが、時間をたっぷり費やして思索を巡らせてこそ味わい深く楽しめるゲームというのは確かにあって、それは「1941」にも言えることです。シミュレーションゲームのたまらない知的な心地よさをココロから堪能したセッションでした。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/6916

レポートは以上です。この後に、クールダウンとして「熟語ドミニオン」を遊びました。いや、これはこれでやっぱり面白いな、と。
楽しい1日でした。そしてお疲れさまでした>NAOさん
また次の戦場でお会いいたしましょう。