6日(土)は、一之江で行われた「レガシー&レアゲーム会」に参加してきました。昔のゲームやあまり見ないレアなゲームを楽しむことを主眼においたゲーム会で、不定期に開かれています。ただでさえマニアックなボードゲームの趣味の中でも、さらにニッチな道楽の世界なので、正直あんまり同好の士は多くないのですけれども、それでも毎回のように奇特な人が何人か集まるのがこのレガシー会です。

今回の参加者は、主催のatogさん、初対面で紅一点のIさん、枇杷さん、ぢ〜ぷさん、それに僕の5人でした。

Wunderwatschler / Edition Perlhuhn

押し出し連鎖。バックもあるよ。4人。atogさん持ち込み。

moon Gamer

プレイヤーは4個ずつコマを持っています。6面ダイスを振って、目が偶数なら前へ、奇数なら後ろへ、自分のコマを1個だけ進ませます。進んだ先に別のコマがあれば、今進ませたコマと同じ数のマスだけ、進んできた方向へ進ませます(以下連鎖あり)。コマをゴールさせるには、ちょうどの目が出なければなりません。ただし、後ろから他のコマに押し出されれば、ちょうどでなくてもゴール可能です。自分の4個のコマを誰よりも早くゴールさせたら勝利。

マスの総数が奇数ってのがちょっとした工夫で、つまり少なくとも1回はバックしなければ自力でゴールすることができません。このアイデアと組み合わせは意外と無かったかも。

Edition Perlhuhn 製のゲームには重いものもありますが、これは子供でも遊べる軽いレースゲームですね。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/18859/wunderwatschler

Coast-to-Coast Rails / (Self-published)

ここから5人。atogさん持ち込み。

moon Gamer

2009年発売の自費出版なマイナーゲーム。アメリカを舞台にした鉄道ゲームです。アメリカの西海岸と東海岸の都市を横断するように鉄道網を完成させることを目標にして、プレイヤーはそれを達成しそうな鉄道会社の株を買って儲けを狙います。各ラウンドではまず、すべての鉄道会社の株券を1社ずつ競りによって購入するフェイズから行われます。株券は競りを通してでしか入手できません。

その後で路線建設を行います。各プレイヤーは任意の鉄道会社の路線を1手番で2マスまで建設できます。株主であろうとなかろうと、どの会社の路線でも引けます。ただし筆頭株主には拒否権があって、その意向には従わなければなりません。路線建設の手番は、パスをしない限りは1ラウンドで何回も回ってきますので、そのたびにコストを支払うことで、路線をいくらでも長く延ばすことが出来ます。他社が線路を引いた土地への線路建設も可能です(追加コストの支払いあり)。もし、都市に線路をつなげたら、その鉄道会社の株価は、入った都市の価値(1〜3)だけ上昇します。

moon Gamer

こうして、規定のラウンドを消化するか、あるいは3社が大陸横断路線を引いた時点でゲームは終了するわけですが、路線建設ルールの自由度の高さから、今回はわずか2ラウンド目でゲームが終了しました。ゲームシステムそのものの筋はとても良くて気に入りましたが、終了条件の設定や路線建設ルールに詰めの甘さを感じ、今回のセッションに限って言えば消化不良感な印象は拭いきれません。

とはいえ、これは相当に自由度の高いゲームですし、こういう展開になることもデザイナーは当然考えて作ったものと思われます。なので、これをわかった上でプレイするとまた印象も変わるでしょう。ぜひもう一度、メンツと人数を変えてみて遊んでみたいゲームですね。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/41878/coast-to-coast-rails

Yukon Company / db-Spiele

Funaginで売ってたそうです。atogさん持ち込み。

moon Gamer

1999年発売。これまた手作り感あふれるコンポーネントの経済ゲーム。Dawson City から商品を仕入れて、それを4箇所ある Creek のうち1つの市場へ高値で売却して利益を上げます。扱われる商品には5種類あって、Dawson City には各商品の相場価格(プレイヤーが購入した時に支払う金額)が1〜7まで示され、4箇所の Creek にも各商品ごとに売却した時にプレイヤーが得られる金額が3〜10で示されます。ようするに安く仕入れて高く売るゲームです。

商品を売買するには手札からカードをプレイしなければなりません。カードには「1」〜「4」までの数値と、その数だけの商品が何種類か描かれています。カードに描かれた商品の種類と個数までしか取引することはできません。プレイヤーは、あくまで配布されたカードの内容に示された範囲内でしか行動が行えないのです。手札を改善するために、プレイヤーは自己資金を消費してカードを追加購入することも可能にはなっています。

商品を購入する場所は Dawson City だけですが、売却する場所は4箇所あって、それを Creek と言います。1ラウンドで売却可能な Creek は1箇所のみです。どうやって売却先の Creek を決めるのかというと、これもやっぱりカードで決めるのです。カードには Creek の名称がひとつだけ記載されていて、これを各プレイヤーが1枚ずつ伏せて出して同時にオープンします。そして最も数値合計の高い Creek がそのラウンドで売却可能な Creek となります。

このようなカードによる投票は、そのラウンドに発生するイベントカードでも行われます。そのラウンドで発生する可能性のあるイベントカードは、ボード上の「A」〜「D」の位置に4枚公開されていて、そのうちの1つが必ず起動します。どのイベントを起動させるかも、各プレイヤーによる秘密入札一斉公開方式で決まるのです。もちろん、カードには「A」〜「D」までのアルファベットひとつが記載されています。

ラウンドの最後には、別のカードによって売買相場が変動します。そして手札を2枚まで減らした後に4枚補充して次のラウンドへ移行します。ルールに定められたゲーム終了条件を満たせばここで所持金額を計算し、最も多いプレイヤーの勝利となります。

moon Gamer

与えられた条件(=手札)と現在の状況を元に最適な行動を計画したり、不運な状況を切り抜ける方策をひねり出したりと、悩みながらも道を切り開いていくかのような展開は面白かったですね。その一方で、手札にしろ相場にしろ乱数の幅が大きいこと、後半で離されるとちょっと追いつくことが難しくなること、そしてプレイタイムがやや長めなのが気になりました。

ああ、それともうひとつ。カードが薄くて柔らかいプラスチック製なのですが、これが見事にすべてが反っくり返っていまして、まあなんとかプレイしましたけど、これはまたどうしたもんでしょうねww
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/412/yukon-company

Keywood / R&D Games

Keyシリーズの源流。僕の持ち込み。

moon Gamer

R&D Games の デビュー作にして Key シリーズ最初の作品です。といっても恐らくは自費出版で、企業が絡んでいるとはいえ同人ゲームに近いと思われます。ボックスの表にはシリアル番号が書かれていて、それは200のうちの何番目かを示しています。つまり全部で200個しか生産されていないものと思われます。制作年は 1995 年です。

コンポーネントはどう好意的に見ても子供の工作レベルを越えておらず、たとえばゲームボードはイラストをモノクロコピーした紙を厚紙にのり付けしただけですし、タイルもまた同様です。これらに色は着いていない(何しろモノクロコピーなので)のですが、このゲーム本体の前の持ち主(僕は中古品を購入しました/それでもかなり高額でしたけど)が気を利かせて着色してくれたみたいで、オリジナルより多少はプレイしやすくなっています(なお、写真のお金は僕が別に用意したものです)。

ゲームは「Keywood」という人物(?)が荒廃した国を再建するために住民たちを移住させるという設定になっています。この新しい国には6つの村があって、ひとつの村には6軒の農家と2軒の店があります。住民は国境の村から入り、まずその村の空いている農家に置かれます。この住民を「農民」と言います。新しく移住してきた住民は無料で農民になれます。また農民は、村から別の村へ道沿いの移動することも可能で、その場合はコストがかかります。

この国の中央には「町」があります。町はひとつしかありません。ここは特別な場所で、ここに移動した住民は「議員」となります。村から町へ移動する時にはコストがかかりますが、村の選挙で選ばれた住民は無料で町へ移動して議員になります。

村ごとにある2つの店は、プレイヤーが「商人ライセンス」を競りによって獲得し、それを配置する場所です。商人ライセンスを村に配置した後、その村の農民からひとりを選んで店へ置きます。こうしてこの農民は「商人」にジョブチェンジします。まとめると、この国の住民は「農民(農家に置かれている)」「商人(店に置かれている)」「議員(町に置かれている)」の3種のいずれかということです。

農民と商人はそれ自体がプレイヤーの収入源となります。議員はこの国の重要な議案を成立させるために必要な住民です。議案には3種類あり「農民1人ごとに1Gの税金」「商人1人ごとに3Gの税金」「商人ライセンス1種類を取り消す」のいずれかです。これらの議案は議員を所有するプレイヤーが選択し、その後で議員によって投票が行われます(議員1人=1票で棄権無し)。もちろん、決定された議案に住民は従わなければなりません。

先に書いたようにプレイヤーの収益は所有する農民と商人によって決まります。その収益を増加させる手段が「市場ライセンス」です。市場ライセンスが配置された村の住民は、その収益が2倍になります。この市場ライセンスも競りによって獲得されるのですが、それは「村」ごとに行われます。その村の住民の所有者(プレイヤー)は、いくらを入札するかを(例えば話し合いで)決め、落札したらその金額を共同で負担して支払います。

こうして、ラウンドの最後に農民1人つき1G、商人はその村の農民1人つき1Gの収益を得ます。この時、もし議員の評決で決定した議案で税金が課せられているのであれば、このタイミングで支払わなければなりません。これらを規定のラウンドだけをくり返して、ゲーム終了時に所持金が最も多いプレイヤーの勝利となります。

moon Gamer

コンポーネントのしょぼさに比べれば、これが実にまともなゲームとして構成されているのがおわかりいただけるでしょうか。ただまあ、最初のラウンドは何をどうしてよいのか誰もわからず、全員が手探り状態ではありました。手番が一回りすれば、案外と見通しのよい構成になっているので、どう行動すべきはは何となくでもわかってくると思います。もっとも、どうすれば勝てるのか、あるいは負けている時に逆転を狙うにはどうしたらいいのか等々は1回のプレイだけではよくわからなかったです。

今回は時間の都合でショートゲームになりましたけれども、今度はきちんとフルゲームを楽しみたいと思いました。不思議でそして硬派な構成のゲーマーズゲームだと思います。もしよろしければ一度遊んでみませんか? このゲームのためにお時間を割くだけの価値はあると思いますよ。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/767/keywood

レポートは以上です。

参加したみなさまはお疲れさまでした。終わってみれば、もう近年まれに見る充実したゲーム会になりました。帰り道はとても寒かったけれども、気持ちはずっと高揚していました。あらためて、ボードゲームの世界の深さと広さを感じた1日となりましたよ。ぜひまたレガシー会をやりましょう!!