倉庫整理で見つけた懐かしい本の第4弾。

安田均著「SFファンタジィゲームの世界」(青心社)
moon Gamer

1986年刊。ご存じ安田均氏は、ゲーム界の重鎮のおひとりで、現在でも幅広く各方面で活動されています。

この本が出版された当時、安田均氏はすでにSF・ファンタジーゲームの大御所的な存在でした。SFマガジン誌や遊撃手誌等々でゲームに関するたくさんの紹介記事やレビュー等(それはテーブルゲームに限りませんでしたが)を書いており、1984年には「トラベラー」の翻訳を手がけています。

本書は100種類をはるかに超えるSFファンタジー関係のゲームについて、単なる紹介だけにとどまらず、その作品が生まれた背景などをSF的視点から詳細に解説を加えています。

つまり本書では、ゲームはただの遊びの道具としてではなく、何らかの意味とメッセージを持った「作品」として扱っているのです。

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これはたとえばワインをレビューする時に、その産地や歴史などを併せてコメントするのと同じようなものです。

このような重層的情報をユーザに与えたり、あるいは考えさせたりすることによって、個々のゲームについてより一層の理解を深めさせることができます。

ゲームの楽しみ方が、勝敗にこだわるだけではなく、それ以外の要素でさまざまな角度で切り取って味わえることを、安田氏は読者に提案したのだと言えるでしょう。

そして、このようにユーザの意識が多彩になれば、その市場は芳醇さを増して豊かになるのです。当時、SFファンタジーゲームの最先端であったテーブルトークRPGが、この数年後に黄金期を迎えたのは、もはや必然であったともいえるでしょう。安田均氏は、その流れを作った偉大な功労者のひとりであったのです。