倉庫整理で見つけた懐かしい本の第5弾。

「ゲームグラフィックス」創刊号(大日本絵画)
moon Gamer

創刊号は1986年4月発売でした。この当時、テーブルゲーム関係の定期刊行物は、実質的にホビージャパンの「タクテクス」誌が独占していました(前年に『シミュレーター』誌が復刊していますが…)。「ゲームグラフィックス」誌は、その市場に切り込みをかけてきたわけです。

タクテクス誌もシミュレータ誌もシミュレーションゲームを軸に扱っていましたが、ゲームグラフィックス誌は総合ゲーム誌として編集方針を立てていました。創刊号を見てみると、メタルフィギュアを使ったD&Dから、シミュレーションゲーム・コンピュータゲーム・ファミリーゲーム・伝統的ゲーム(ダーツなど)・ゲームブック等々、あらゆるジャンルのゲームについて網羅されています。

さらに読者参加型のレーシングゲーム企画も立っています。この読者参加型ゲームはこの後の号でさらに発展し続け、ゲームグラフィックス誌のお家芸として看板企画に育っていくことになります。また、ゲームグラフィックス誌自体も、総合ゲーム誌からテーブルトークRPGの専門誌へと徐々に内容が変わっていきます。

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読者として少し興味深かったのは、明らかにホビージャパンへの対抗心が感じられたことです(これは親誌である『モデルグラフィック』誌もそうでした)。

編集方針がTRPG路線に変更された後でも、HJ社が関わったゲーム(トラベラーやフォーリナーなど)については、ゲームグラフィックス誌上でほとんど触れられることはありませんでした。

たとえば、ゲームグラフィックス別冊「エクスカリバー」(1987年発行)は、内外のTRPGを多数紹介したムック本ですが、「トラベラー」の扱いはほんのわすかでした(『エクスカリバー』自体は資料性が高く、とてもいい内容の本でしたけれども…)。

1986年は、コンプティークで「ロードス島戦記」の連載が始まり、「ウォーロック」(社会思想社)が創刊する年でもあります。テーブルトークRPGの潮流は、やがて大きなうねりとなって90年代へと流れ込んでゆくのです。