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Edison & Co. (エジソン・ウント・コー)は、ちょっと頭のイカれた教授が作った奇妙なマシン(車)でレースを行うゲームです。

レースがテーマになっていますが、順位を競うような通常のレースゲームではありません。「レース」という言葉に惑わされると、このゲームを理解するのが難しくなるでしょう。実際、レースの順位は勝敗にまるで関係がないのです。

どちらかと言えば、コース上のポジション取りによって得点を競うゲームだと思ってください。タイミングよく良いポジションを車が取っていれば、より高い得点に結びつくようになっています。

さて、ポイントを獲得するのはあくまで「車」です。ゲーム終了時に、そのポイントをプレイヤーのポイントに還元する処理が入ります。そして、プレイヤーが獲得したポイントの大小で勝敗が決まります。

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「車のポイント」→「プレイヤーのポイント」への変換は、各プレイヤーが持つ「順位カード」を基準にして計算されます。

「順位カード」は、ゲーム開始時に各プレイヤーへ1枚ずつ配布されます。これは他のプレイヤーには見せません(裏返しにして持っておきます)。計算方法については後述します。

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この他に「移動カード」というカードを使います。「移動カード」は、大別して3種類あります。

ひとつは「距離カード」。車を何マス移動させるかを指定するために使います。「1」~「6」までの数字が書かれています。

2つ目は「方向カード」。車を進ませる方向を指定するために使います。車は、コーストラック上を進行方向に進むか、あるいは逆走するのです。

3つ目は「選択カード」。どの車を移動させるかを指定するために使います。1枚のカードには2種類の車が描かれており、そのどちらかが移動します(詳細後述)。

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「移動カード」は、各プレイヤーごとが同じセットを持っています。
各プレイヤーは、それらを自分の前に表向きに並べておきます(『移動カード』は、ゲーム中ずっと公開情報です)。

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コーストラック上には穴が空いています。そこに、指定されたように「ポイントマーカー」を配置します。

そして4台の車をスタート地点に並べてゲームスタートです(このゲームでは4種の車がレースに参加します)。

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ゲームの進行手順が少し変則的です。まず、最初のプレイヤーは、自分が所有する「移動カード」の中から任意のカードを1枚選択して、ゲーム盤の中央に置きます。

上で説明したように、「移動カード」には「距離カード」「方向カード」「選択カード」の3種がありますが、最初のプレイヤーは何を出しても構いません。

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続いて2人目のプレイヤーも、自分が所有する「移動カード」を1枚選択してゲーム盤の中央に置きます。

この時、最初のプレイヤーが選択した「移動カード」と異なる種類の「移動カード」でなければなりません。

たとえば、最初のプレイヤーが「距離カード」を出したら、2人目は「方向カード」か「選択カード」でなければならないのです。

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3人目のプレイヤーは、最初のプレイヤーと2人目のプレイヤーが出さなかった種類の移動カードを、自分の所有する「移動カード」の中から1枚選んでゲーム盤の中央に出します。

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最後に4人目のプレイヤーです。4人目のプレイヤーはカードを出さずに車を移動させます。

まず、「選択カード」に2種類の車が描かれていますが、そのうちのどちらを移動させるかを選択します。

そしてその車を、「距離カード」に書かれた数値のマスだけ「方向カード」に書かれた方向に移動させるのです。

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通常はこれで手番が終了して、次のプレイヤーの手番になります。しかし、もし「距離カード」が「2」だった場合は、ここで「中間決算」となります。

「中間決算」が行われると、その時点で各車のいるマスに書かれた「ポイントマーカー」の数値だけポイントが計上されます。

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ポイントは車ごとにポイントトラック上で記録されます。

なお、ポイントマーカーにはプラスの数字だけではなく、「0」やマイナスもありますmoon Gamer

これをくり返します。あるプレイヤーがルールに規定された「移動カード」がプレイできなくなったレースは終了し、最終決算へと移行します。

最終決算では、隠しておいた「順位カード」を公開します。「順位カード」には4種の車と、その横にそれぞれ「0」~「3」の数字が書かれています。

各プレイヤーは、それぞれの車が得たポイントに、「順位カード」に書かれた数値を乗算します。

たとえば、「順位カード」に「プロペラ車」が「2」と書いてあったとしましょう。この時、「プロペラ車」が得たポイントが「25」だったとすると、このプレイヤーは「プロペラ車」から「50(=25×2)」ポイントを獲得します。

※「順位カード」に指定された車のうち1台は「0」です。つまり全4台のうち、ポイントを獲得できるのは3台だけです。

こうして、獲得したポイントを合計して、最も高いポイントを獲得したプレイヤーの勝利となります。

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他にも上級ルールや2~3人用ルールなどがありますが、詳細は省略します。

このプレビューを書く前に、数ターンだけソロプレイをやってみたのですが、とても奇妙な感覚のゲームでした。全ての行動が間接的・限定的・複合的にレースへと作用するために、ゲームを自分の思ったようにコントロールすることが難しいのです。

公開されている情報が多いこともあり、かなりの技巧的な思考を要求されるゲームではないでしょうか。

= DATA =
 ◆タイトル :Edison & Co. (エジソン・ウント・コー)
 ◆デザイナー:Günter Burkhardt
 ◆メーカー :Goldsieber
 ◆2~4人/12才以上/50~60分程度(4人プレイ時)

余談。
このゲームは1998年発売ですから、少々古いゲームです。僕は発売当初にこのゲームを購入していましたが、今までプレイする機会に恵まれていません。このゲームに限らず、この時期(1995~1999年くらい)に発売されたドイツゲームについて、僕のプレイ数はかなり少なくなっています。
それは、当時僕はトレーディングカードゲームにどっぷりハマっていたからなんですね。そのハマり方は、今から考えても尋常な状態ではありませんでした。ここらへんのことについてはまた後日このブログで回想することしましょう。