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Colossal Arena (コロッサルアリーナ) は、クリーチャー(魔物)同士を戦わせ、どれが勝つかを予想して配当金を稼ぐゲームです。

デザイナーはクニツィアです。このゲームは96年に発売された「Grand National Derby (グランド・ナショナル・ダービー) / Piatnik」をベースにしたゲームです。

「グランド・ナショナル・ダービー」はその後に「Titan: the Arena (タイタンアリーナ) / Avalon Hill」「Galaxy: the Dark Ages (ギャラクシー) / GMT Games」というバリエーションゲームを生み出しました。元のゲームはとてもシンプルなゲームなのですが、「ギャラクシー」あたりになると、かなり複雑なゲームへと変貌してしまっています。

「コロッサルアリーナ」は、このシリーズ(?)の最新タイトルですが、盛り込んである要素は「タイタンアリーナ」とほぼ同じで、実質的にはリメイクと言って良いでしょう。

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「コロッサルアリーナ」には魔物カードが12種類登場します。

1ゲームでは、この中から8種類だけ使用します。魔物カードには、それぞれ特殊効果があります。

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魔物カードには、それに対応した「0」~「10」まで11枚の「戦闘カード」セットがあります。

このゲームで使用する8種類の魔物カードに対応する戦闘カードセットだけがゲームに使用されます(11枚×8セット=88枚)。

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この他に「乱入者カード」のセットがやはり「0」~「10」までの11枚と、「レフリーカード」という特殊なカードが2種3枚あります。これもゲームに使います。

つまり、魔物カードの戦闘カード88枚+乱入者カード11枚+レフリーカード3枚の計102枚がゲームで使用されるカードの総枚数です。これをよく混ぜて山札にして、各プレイヤーに8枚ずつ配布します。

ゲームは5つの「ラウンド」によって構成されています。

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各ラウンドの終了時に、該当する「段」に置かれた戦闘カードの数値を比較します。そして最も低い数値の魔物カード1体はゲームから脱落します(上記の図で赤い>Xは脱落した要因となった戦闘カード)。これを5回繰り返します。8体のうち3体だけが残ることになります。

最後まで残る魔物カードを予想して、ゲーム中に賭けチップを置くことが出来ます。これが当たればポイントが入ります。このゲームの最終的な目的は、このポイントを多く獲得することにあります。

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プレイヤーは自分の手番になったら、まずラウンドに対応した「段」に賭けチップを置くことが出来ます。

各ラウンドでは、1つの魔物カードには1人のプレイヤーの賭けチップしか置くことは出来ません(次のラウンドには、その魔物カードに再び賭けることが出来ます)。

基本的に、早いラウンドに賭けた方が配当が高くなります。例えば1ラウンドに賭けた魔物カードが5ラウンド終了時に生き残っていれば4ポイント獲得します。これが3ラウンドに賭けたのであれば2ポイントに減ります。

予想しにくい段階で賭けた方が高いリターンを期待出来ますが、リスクも高くなるようになっているわけです。賭けチップは、プレイヤーごとに5枚しかなく、一度置いたチップを動かすことは原則として行えないので、ますます悩ましいですねmoon Gamer

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この後で、手札から戦闘カードを配置します。戦闘カードを配置するためには、「魔物カード」に対応する「戦闘カード」でなければなりません。

例えば「サイクロプス」の列には、「サイクロプス」の戦闘カードしか置くことが出来ません。

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戦闘カードは、後から「上書き」することも可能です。

配置可能な位置に新しい戦闘カードを置くと、一番上に置かれた戦闘カードだけが有効になります(下に隠れた戦闘カードは、原則としてゲームから除外されます)。

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これをくり返し、そのラウンドの「段」の全てに魔物カードに戦闘カードが配置され、なおかつ最も低い戦闘カードが1枚だけ確定した時点で、このラウンドが終了します。

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そして、最も低い戦闘カードとなった魔物カードを裏返します。この魔物カードはゲームから脱落します。これ以後、もうこの魔物カードには戦闘カードを付けることも出来なくなります。

さて、このゲームの華は何と言っても魔物カードの特殊効果でしょう。ある魔物カードに対して配当が最も多くなるように賭けチップを置いているプレイヤーは、戦闘カードを配置した時点でその魔物カードの特殊効果を使用することが出来ます。

特殊効果には「山札から3枚のカードを引く」「もう1枚戦闘カードを出すことが出来る」「指定した魔物カードを他のプレイヤーから全部もらえる」等々、なかなか強力なものが揃っています。これをうまく使いこなすことは、ゲームに勝利するためには必須となるでしょう。

しかしこの特殊能力は、「乱入者カード」によって無効になってしまいます。「戦闘カード」の代わりに「乱入者カード」が配置されると、その魔物カードは特殊効果が一時的に封印されていまいます。

他にも特殊効果が直ちに適用される「レフリーカード」や、高い配当となる「秘密入札」などのルールがありますが省略します。5ラウンドが終了するか山札が無くなったらゲームは終了します。配当金を精算し、最もポイントの高いプレイヤーの勝利となります。

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「グランド・ナショナル・ダービー」から数えて8年も経っているこのメカニクスは、今でも色あせることはなく光り輝き続けています。

絶版となって久しかった「タイタンアリーナ」の復活を素直に喜びたいと思います。

= DATA =
 ◆タイトル :Colossal Arena (コロッサルアリーナ)
 ◆デザイナー:Reiner Knizia
 ◆メーカー :Fantasy Flight Games
 ◆3~5人/8才以上/40-60分程度