「ドラゴンバスター」は、1986年にナムコが発売したボードゲームです。同名のビデオゲームをモチーフにしたゲームで、「ファンタジーボードゲーム」シリーズの第3弾として発売されました。
このシリーズの最初のボードゲームは「ドルアーガの塔」でした。これがスマッシュヒットとなり、続いて「パックランド」「ドルアーガの塔」が発売されています(その後もナムコは、いくつかのボードゲームを発売しています)。
これはマップです。
ちょっと拡大してみましょう。
なんと、地図のデザインはは全て手描きなんですね。
まだCGが一般的でなく、世の中は8ビット機全盛の時代だったとはいえ、当時としてもかなり珍しいアナログなデザインでした。
コマはメタルフィギュアです。
「ファンタジーボードゲーム」シリーズゲームは全て、コマはこのようなメタルフィギュア製でした。
これは「アドベンチャーカード」。
色分けされていますが、使う時には全部シャッフルして使います。
写真下のように、裏から見ても色だけはわかるようになっています。
「プレイヤーシート」です。
プレイヤーの移動力・攻撃力・体力・経験値などはゲーム中に刻々と変化するので、それを記録するためのシートです。
モンスター・アイテムなどのコマ類。
このゲームでは「チップ」と呼ばれています。
「表」。リングで綴じられた厚紙製で、全部で10枚(10種類の表)があります。
必要な表はタブですぐめくれるようになっています。多数の表を必要に応じて使い分けるのがこのゲームの特徴なのですが、それがあまり煩雑にならないように、このような工夫がされています。
ゲームの目的は「グレートドラゴンを倒し、セリア姫を再生すること」です。
ゲーム開始時、4匹のドラゴンコマをマップ上の「山」に配置します。このドラゴンは「グリーン」「ブルー」「パープル」「ゴールド」で、このどれかが「グレートドラゴン」です。
どれが最終目的の「グレートドラゴン」であるかは最初プレイヤーには知らされません(カードでランダムに決まります)。
プレイヤーはチャートによって初期配置となる「城」が決まります。
自分の手番では、「移動力」の数までマスをたどってコマをどの方向にも移動することが出来ます。
止まった場所や通過した地形によって、指定された表を見て何が起こったかをダイスを振って判定します。
移動後の判定する表には「街道」「森林(森林を通過した時」「渡河(橋の上では停止しなければならない)」があります。
判定結果には、体力の増減・アイテムの取捨・橋が崩れる等々などがあります。
「アドベンチャーゾーン」のマスに停止した場合、手持ちの「アドベンチャーカード」をプレイします。アドベンチャーカードにはさまざまなイベントが書かれており、その指示にしたがいます。
その後で、アドベンチャーカードに描かれている「色」の中から進みたい方向を選択します。もし、その方向に「出口」と書かれていれば手番は終了します。
そうでなければ、手番プレイヤーの右となりのプレイヤーは、指定された色と同じ色か「黒」のアドベンチャーカードをプレイします。手番プレイヤーは、プレイされたアドベンチャーカードに指示されたイベントを実施しなければなりません。
そしてこれが終わったら、手番プレイヤーは再び移動する方向を決めます。「出口」でなければ、次の右となりのプレイヤーがアドベンチャーカードをプレイします。
手番プレイヤーが「出口」を選択しない限り、これを繰り返します。
アドベンチャーカードなどによって戦闘が発生した場合は、コマのあるエリアに対応したモンスターチップを引きます。引いたチップに書かれたモンスターの攻撃力とプレイヤーの攻撃力の差を判定表に照らし合わせ、ダイスを振って結果を判定します。
もし、モンスターを倒すことに成功したら、モンスターの攻撃力をプレイヤーシート上で記録します。この数値の累積が10を超えるたびに「経験値」が+1されます。
経験値が「8」以上になると、ドラゴンに戦いを挑むことが出来ます。
ドラゴンのいる山に移動して戦闘を行います。これも専用の表(ドラゴン対戦表)が用意されていますので、ダイスを振って結果を判定します。
もしドラゴンを倒せたら、ここで初めてそれが「グレートドラゴン」であるかどうかをチェックすることが出来ます。
正体を現したとしても「グレートドラゴン」と対戦するためには「他のドラゴンを1匹以上倒した」上で、「経験値が13以上」でなければなりません。
そして首尾良く「グレートドラゴン」を倒したとしても、さらに今度は「セリア姫の再生」チェックを行います。これも専用の表が用意されています。
これがなかなか厳しいチェックで、再生に失敗するとプレイヤーの体力がどんどん消耗します。しかもこのチェックを始めると途中でやめることが出来ないのです。再生チェックを行うかどうかはグレートドラゴンを倒した後に選択することが出来ますので、体力が不足していると思ったらやらなくても構いません(ただし、その場合はグレートドラゴンの体力も復活してしまいます)。
こうして、最初にセリア姫を復活させたプレイヤーの勝利となります。
2回ほど遊んだことがあるのですが、バランスがかなり厳しいゲームだったなぁ、という印象が残っています。何しろ、体力が「0」になってしまうと、それまでどんなに経験を積み上げたとしても問答無用でゲームからリタイアになってしまうのです(選択ルールを使えば最初からやり直せますが、それは脱落と同等です)。
しかしこの厳しさがまた楽しい要素でもありました。苛酷なサバイバル合戦を何とか切り抜けてグレートドラゴンを倒し、最後にセリア姫を再生させた時の感激は未だに忘れられません。こういう胃が痛むようなキリキリしたハードな手応えは、最近のゲームではあまり味わえない感覚ですね。
やや時間のかかるゲームではありますが、見た目以上にたくさんの内容がずっしり詰まったハードなゲームです。またぜひいつか「挑戦」したいと思っていますが、その時はバランスをもうちょっと甘く調整したいところではあります
= DATA =
◆タイトル :ファンタジーボードゲームシリーズ「ドラゴンバスター」
◆デザイナー:YOU SHINOZAKI
◆メーカー :ナムコ
◆1-4人/60分程度
コメント
コメント一覧 (1)
袋小路でお世話になってます、堀です。
ドラゴンバスターとは、また、ずいぶん懐かしい物が出てきましたね。
昔、ゲームセンターで、はまった口です。
レビューを読んで、わくわくしてきました。
巻物とか、ホワイトソードとか、シールドとかを手に入れるんですかねぇ、
スケルトンとか、ファフネルとか、ウィザードとか出てくるんですかねぇ。
う~ん、楽しそうだなぁ。
機会がありましたら、是非、ご一緒させて下さい。