3/6(日)は袋小路の3月例会に参加してきました。今回の総参加者数も52名と盛況でした。
僕は1時間弱ほど遅れて会場に到着。前日の長時間ゲームの疲れが例会中ずっと抜けず、体力的にはかなりきつかったのですが、最後まで何とか遊び倒しました。
Breaking Away (ブレーキングアウェイ) / Fiendish Games
同人ゲーム並のコンポと一昔前のゲーム大賞クラスの面白さ。4人。
…と書くとほめすぎかもしれませんけれども、この後に立った2ゲーム目も含めて、少なくとも今日はかなり好評なゲームでした。
プレイヤーは4台の自転車レーサー(サイクリスト)を扱います。4人なら16台がレーンを埋め尽くします。初期移動力として、16〜30ポイントを3〜4に好きなように分割して、専用のログシートに記録します。このゲームは、移動力の管理をずっとログシートで行うのでペンが必須です。
各サイクリストが移動する順番になったら、割り振った移動力のうち1つを選んでコマを進めます。これを全プレイヤーの全サイクリストが行います。使用していない移動力は次のターンに持ち越します。
たとえば、「10/8/2」と割り振られたサイクリストがいたとしましょう。このターンは「8」を使ってコマを進めたならば、次のターンには「10/□/2」と「10」と「2」が持ち越されます。使用した「8」の欄は消去され、ひとまず空欄となります。
空欄となった□の移動力は、全サイクリストが移動した後に、コース上のポジションなどによって決まります。具体的には、「そのサイクリストの前にいる他のサイクリスト+3」の移動力を得ます。スリップストリーム?
ただし、前にいるサイクリストを数える時には空白のマスまでです。自分の前方に他のサイクリストが存在しない空白のマスがあり、それよりもさらに前に他のサイクリストがいたとしても、それは新たに獲得する移動力を増加させる計算には入らないのです。
→前方● |
○ |
○ |
○ ○ |
○ ○ |
この場合は、●のサイクリストは、他の○のサイクリストの存在によって、「6人+3=9移動力」を新たに得ます(『10/9/2』)。
→前方● |
○ |
|
○ ○ |
○ ○ |
しかしこのように、前方に空白のマスがあると、その前にいるサイクリストは計算に入らないのです。この場合は、「1人+3=4移動力」だけです(『10/4/2』)。
さらに単独トップになると、2位との差の数だけ新移動力獲得となります(ただし単独トップになったターンにのみ)。じわじわと後方から機をうかがって力をため、行くところでは一気に抜き去るタイミングを図るあたりは、自転車レースの雰囲気がよく出ていると思いました。
実際、この移動力をマネージメントする作業は実に楽しいのです。それは、毎ターン移動力を記録しなければならない煩雑さを補って余りある面白さです。またぜひやってみたいですね。
メビウス便の新作カードゲームです。4人。
BoardGameGeek のあまりの評価の低さが気になるので遊んでみましたが、この時に関しては、ちょっと変なゲームだなぁ、という感じでしかありませんでした。しかーし…(後に続く)。
これもメビウス便新作です。4人。
盤上には6つの都市があり、そこにタイルを配置します。ある都市に配置可能な都市が全て埋まったら、その都市について得点計算を行います。基本的に、その都市に最も自分のタイルを置いたプレイヤーが、都市の価値だけポイントを得ます。
全プレイヤーは同じ構成のカードを持っています。その中から配置したい都市のカード(『都市カード』)を1枚だけ選んで、同時に公開します。選んだ都市に自分のタイル(あるいは、中立や教会のタイル)1枚をルールに則って配置します。
「都市カード」は使い捨てです。ひとつの都市に対応する都市カードは1枚しかありません。同じ都市に再びタイルを配置するには「回収」という別のカードを使って、使われたカードを再び全て手札に戻さなければなりません。「都市カード」と「回収カード」は同一ターンには同時に使うことは出来ません。
さらに「建設用地」というカードもあります。このカードを使うと、好きな都市に「建設中」となるタイルを置くことも出来ます。「建設中」のタイルは、別のターンに都市カードを使って除去することにより「完成」します。また、「建設用地カード」も他のカードと一緒に使うことは出来ません。
他にも「影響力」という特別なカードもあります。このカードは「都市カード」「回収カード」「建設用地カード」と一緒に出すことが可能です。そうすることによって、他のプレイヤーよりも先にプレイする機会が与えられる可能性が出てきます。「影響力カード」も使い捨てですが、回収は出来ませんし、各プレイヤーは3枚ずつしか持っていません。
他にも中立のプレイヤーの存在・教会の影響力・スタートプレイヤーの特典など、細かいルールが縦横に走ってはいますが、基本的にはシンプルな構成のゲームです。ただし、駆け引きや読みが深く関わるので、次の行動に何を選択するかは、終盤に近づくにつれて悩まされることでしょう。
ここで別のテーブルに移って、再び 8 1/2 をプレイ。
が… これがまたものすごく寒い展開に。うーむ。
ゲームの終わり方が運まかせだったり、終盤の荒いルールがゲームをかなり台無しにしています。
場の6枚のカードって必要なんでしょうか?
案の定、BoardGameGeek では3点台の評価…。全米が泣いた。
これもメビウス便新作。
プレイヤーはダイアモンドを目指して坑道に入る探検家になります。坑道は「1」~「5」まであって、順番に入ります。自分の手番になったらカードを1枚引いて、それを坑道を延ばすように配置します。
公開されたカードに数字が書かれていれば、それをプレイヤー数で割った数だけ宝石を各自受け取ります。ただし、この宝石はまだ「受け取った」だけで、「獲得した」わけではありません。余りの宝石はカード上に置いておきます。
カードには、「ヘビ」「サソリ」等々、危険なカードが出ることもあります。危険カードが出た場合でも1枚目だったら特に問題はありません。しかし、ある種類の危険カードの2枚目がめくられたら、その坑道での探検は強制的に終了してしまいます。受け取った宝石はストックに戻し、全員がキャンプ地(スタート地点)に戻って、再び次の坑道の冒険が行われます。
次のカードをめくるまえに、プレイヤーは「帰還」することが出来ます。これは全員が同時に意思表示を行います。残ると決めた人はまだ探検を継続しますが、帰ると決めた人は受け取った宝石を獲得し、ついでに余りとしてカード上に置かれていた宝石も獲得します。
こうして全員が帰還するか、危険によって強制的に終了するまで、その坑道での探検は続けられます。これを5回行って、最終的に最も多く宝石を獲得したプレイヤーの勝ちです。
実は1つインストでミスをしてしまいました(危険カード2枚で探検が終了したら、次の冒険時にはその危険カードを1枚ゲームから取りのぞかなかればならないのですが、それはやってませんでした orz)。そのために、かなり早い段階で各探検が終わってしまい、淡泊なゲームになってしまいました。次はきちんとしたルールでやりましょう>遊んだ方々
最適ルート検索ゲーム。最大で7人くらいいました(飛び入りあり)。
何人でもプレイ可能という珍しいゲーム。
ボードはマス目で区切られていて、そこにロボットを適当にちりばめて配置します。チップを1枚引いて公開し、それと同じマークの書かれた場所に、マークの色と同じ色のロボットを何手で移動させられるかを考えます。考えるのは、ロボットを実際に動かすわけではなくて、見ながら頭の中で考えなければなりません。
それぞれのロボットは直進しかしません。壁や他のロボットにぶつかったら止まり、左右のどちらかに曲がることが出来ます。直進し、何かにぶつかって止まるまでが「1手」です。移動ルートと手数がわかったらそれを宣言します。複数のプレイヤーが宣言しても構いませんが、前に宣言した手数と同じ数を宣言することは出来ません。
制限時間以内に最も少ない手数を宣言したプレイヤーは、そこで初めてロボットを動かして実演します。そして実際に宣言した手数でロボットを目的地まで移動することが出来たら、チップをもらいます。
という感じのパズルゲームです。実は初めてプレイしたのですが、慣れと体力が必要なゲームですね、これは。面白いゲームだったので、まずはひとりで練習することにしましょう。
個人的には本日2ゲーム目。5人。
かなり気に入ったので、メンツは違いますが、再びこれを遊んでみました。
5人だと自転車の台数が増加するので、「スリップストリーム」の移動力が大きくなります。最初の1周では、その効果が大きすぎて大味なゲームになったかなぁ、と思ったのですが、2週目の中盤に入ったあたりから徐々に移動が細かくなって、虚々実々の駆け引きが展開する面白いレースになってきました。
僕は、序盤で稼いだスリップストリームの移動力をため込んで、先頭集団から即かず離れずの距離で粘り、いつどのタイミングでスパートさせるかをずっと考えていたのですが、ほんの少しの決断の遅れで勝機を逃し、総合で2位に終わりました。
何にせよ、「Breaking Away」は少なくともレースゲームが好きな人なら、断然おすすめのゲームです。コンポーネントのしょぼさが相当にがっかりですが、機会があればぜひ遊んでみてください(海外からなら容易に購入可能なようです)。
ぼむ! / 同人アナログゲーム工房「奇跡家」
少し時間が余ったので、確実に楽しめる軽いゲーム2つを遊んで本日の〆となりました。
他にもここに書かれていない無数のゲームが遊ばれていました。袋小路は、極端に重く無い限り、ほとんどのタイプのゲームでも遊ぶことが可能な場です。「初心者にやさしい」という基本理念をベースに、集団の一体感よりも個々の適正や嗜好を重視し、それに応えるメンバーが自主的に役割を分担して仕切っているからこそ、多くの人を受け入れる素地が大きく育まれたのだと思います。
まだ模索は続いているようですが、これからも影ながら袋小路を応援していきたいですね。
コメント
コメント一覧 (4)
Breaking Awayは同じ数は書かないというルールを使うと良いらしいです(作者のメールより)。
購入したゲームです。確かけがわさん持ち込みだったのですよね。
素晴らしいゲームを知るきっかけを作っていただいて感謝いたします。
>Breaking Awayは同じ数は書かない
これは Turn 0 で、最初に数字を分割する時の話ですよね。
なるほど。今度やってみましょう。
同じ数を書かないというのはゲーム中はずっとです。
ゲーム開始時(Turn 0)は当然3つ(4つ)の数字が全部異なった方が選択肢が増えるので有利だと思います。ゲーム中はもし同じ数がかぶったら重ならないように低い数にするというものです。例えばと4/6/7とあって4をつかって7を得たら7/6/7となるのところを5/6/7にするということです。これによってプレイヤーが同じ数を持つ不利さが軽減されます。(特にちょっと引き離されたときに3/3/3でなく3/2/1となるので多少何とかなることがある)
これは選択として出来ることにしてもいいし、強制でしてもいいとおもいます。僕は強制でしていますが。
ログを取る方式はあとでレースが完全に再現できる面白さもあって捨てがたいのですが、プレイアビリティー向上のために数字のタイル(または小さめのカード)で移動力を管理するというのを試してみたいです。ログだと他人の移動力をいちいち覗き込んで確認しなければならないのですが、タイルやカードだとわかりやすい。また、カードを手持ちにして極秘にすることも出来てそれだとあまりアナリシスパラリシスにならないのでいいかもしれない、などと思うわけです。
moonさん、そういうの実験してみません?
なるほど、確かにこれは良さそうですね。今度試してみます。
ログシートで記録するのではなく、他の方法で速度を管理してゲームを進める方式については、ゲームをやった当日にもうあれこれ考えていました。
最もかさばらないのは、恐らく10面体ダイスを組み合わせて管理する方法です。ダイスを誤って転がらないようにする工夫は必要かもしれません。
そして最もプレイしやすくなるのはカードを使うことでしょう。一方で最もかさばる方法でもあります。ただ「同じ数字を書かない」ルールと併用すればカード枚数を減らせることに気付きました。体調が戻ったら実験してみますね。