22日(日)は、SGC例会に参加してきました。
常連メンバーの欠席が相次ぐ中、最近SGCに来るようになったメンバーが多数参加し、結果的にはとても活気のある例会となったようです。SGCはこのところ参加メンバーに厚みが加わり、会場が狭く感じることもよくあります。

Manifest Destiny / GMT Games moon Gamermoon Gamer

ワシントンとリンカーンがなぜかメキシコから現る(汗)。4人。

moon Gamer

アメリカ史をメインテーマとした、経済と文化の発展を目指す戦略ゲームです。

「Manifest Destiny」は、90年代中盤に発売された「Age of Renaissance / Avalon Hill」を明らかに意識して設計されたゲームです。基本的なメカニクスが似通っていましたし、カードの効果も似たものがかなりあります。そのおかげで、ルールの理解にはとても助かりました。

メカニクスはそれほど複雑ではないゲームなのですが、扱う要素が多く、それらの情報を整理するため事前準備に2日あまりかけ、当日は気合いを入れてプレイに臨みました。そしてインストはなんと1時間30分にもおよびまして、これは恐らく個人的なインスト時間最長記録です。実際のゲームプレイ時間は5時間ほどでした。

北アメリカを中心としたマップには、いくつものエリアに分割されています。各エリアの情報は、基本的には「産物」と「支配ナンバー」のたった2種類だけです。産物はアイコン表示されていますし、支配ナンバーは「1」~「3」までですから、至ってシンプルです。

プレイヤーは自分の手番で「支配トークン」を購入し、それをエリアに配置します。あるエリアを支配したければ、そのエリアに支配ナンバーと同じ数だけ支配トークンを配置すればいいのです。例えば、支配ナンバーが「2」のエリアを支配したければ、そこに支配トークンを2個配置すればそれで完了します。簡単ですね。

moon Gamer

他人の支配しているエリアの支配権を奪いたい時には、やはりそのエリアに支配トークンを支配ナンバー数だけ配置します。これを「競合(Competition)」といいます。

競合では、攻撃側はダイス2個、防御側はダイス1個を振り、ダイスの目を比較します(合計値ではなく、各ダイスの目だけを見ます)。より大きな目を出した方の勝利です(同値は防御側の勝ち)。攻撃側が勝利すれば、エリアの支配権を奪取します。

支配トークンは、序盤では、自分の支配エリアと陸地づたいに隣接したエリアだけにしか配置することは出来ません。しかし、「発展段階(Progression)」を購入することで、より遠方へと配置(攻撃も含む)することが出来るようになります。

例えば「電信」は2エリア先まで、「汽車」は同地域ならどこにでも支配トークンを配置可能となります。さらに、「蒸気船」であれば同じ海域の沿岸エリアに、「飛行機」になると海外エリアにまで配置可能となるのです。

「発展段階」はこの他にも、競合で有利になるなどさまざまな効果を持つものがあります。また、購入するだけで勝利得点(VP)も獲得します。発展段階は、低いものから高度なものまで、段階を追って購入する必要がありますが、資金さえあれば誰でも購入することは可能です。

もうひとつ、進歩の度合いを表す要素として「躍進段階(Breakthrough)」があります。こちらは資金ではなく、ダイスを使って獲得します。プレイヤーは「先駆者(Pioneer)」を購入することで、その数だけダイスを振って、躍進段階の獲得を試みることが出来ます。

「発展段階」と異なり、ある種類の「躍進段階」は誰かが獲得してしまうと、もうそれを他の誰かが獲得することは出来なくなります。例えば「ロックンロール」という躍進段階を誰かが獲得すると、他の誰も「ロックンロール」を獲得することが出来なくなるのです(ただし、『団結(Unity)』という発展段階の効果で、1つの躍進段階を複数のプレイヤーで共有することも可能)。

moon Gamer

支配エリアを広げることで収益が増加し、その収益で進歩を遂げるという構造が基本的なメカニクスの軸です。そしてこのゲームではさらに、「カード」を使うことでより大きな広がりと深みを持たせています。

ターンの最初に、各プレイヤーは「カード」を1枚以上プレイすることが可能です。カードには、テキストに書かれた特殊効果と、特定の産物を利用した「生産」による収入値が記載されています。

カードをプレイした時には、カードに書かれたテキストの効果を使用するか、あるいは「生産」のどちらかを選択する必要があります(特殊効果と生産のどちらも行うカードや、特殊効果しか書かれていないカードもあります)。カードの効果は実に強力ですが、生産による現金収益もまた捨てがたいものがあります。どちらを使うかはいたく悩ましいところです。

「Manifest Destiny」は、シミュレーションゲームメーカーであるGMTが、ドイツゲーム的な手法で作り上げた大作です。徐々に文明を発展させ、幾多の競合を乗り越えてつつ、さまざまなテクニックで勝利得点を延ばしていく過程は大変に楽しく、歴史的背景をベースにした濃密な開拓・発展ゲームの醍醐味が味わえます。このスケールの大きさとダイナミックな展開は、まさにアメリカゲームの真骨頂と言えるでしょう。

ただその一方で、かなり荒削りで大味(特殊効果がトレードオフなしに強力とか)な部分も気になりました。細かな例外ルールが多く、各処理も今ひとつ洗練されていません。そのため、ルールの正確な運用にはかなり気を遣わされました。

個人的には、「Age of Renaissance」のやや重い部分を改訂したアイデアが盛り込まれていることもあって、その意味でも好印象でした。まだいろいろ試したいこともあるので、またぜひ機会を作って再プレイをしたいですね。

狂ふ。 / 創作ゲーム
moon Gamer

かなり疲れていることもあって、YOKさんが軽い同人ゲームをエントリー。3人。

同人サウンドノベル「ひぐらしのなく頃に」をモチーフにした推理系カードゲームです。ひとつのパックでいくつかの遊び方が出来るそうです。詳細ページはこちらをどうぞ

今回は「嘘偽り編」というルールで遊びました。4スート各9枚ずつ計36枚のカードのうち1枚を取り、それが何であるかを当てることが目的です。ルール自体はシンプルですが、カードを絞り込むのがかなり難しかったですね。

ちなみに同人ゲームにしてはカードの質が出色の出来映えで驚きました。すごいなぁ。

Flunkern (ほら吹き) / Ravensburger moon Gamer
moon Gamer

そこらへんにいる6人を適当に集めて遊びました(汗)。
プレビューは、こちらをどうぞ

かなり期待して遊んだのですが… うーん、残念ながらなんかしっくり来ませんでした。かなり人や場の雰囲気に影響されるゲームであることは確かなので、もうちょっと軽いゲームを好む場に持ち込んで再チャレンジです。

Desperados (西部の無法者/デスペラード) / Pffificus
moon Gamer

例会終了まで時間が無いにも関わらず、どうしても試したみたかったので無理言ってエントリー。残念ながら、時間切れのために序盤で中断となりました。

ルールを読んで、カードの流れと攻略手法が今ひとつ想像出来なかったのですが、何となくわかったようなわからないような… 手札のマネージメントがかなり難しいです。

場が進んで、指名手配の枚数が増加してくるとまた違った展開になるのかもしれません。いずれにせよ、またどこかで必ず再プレイしたいと思います。

レポートは以上です。
今回は「Manifest Destiny」に尽きます。これだけで全エネルギーを使い果たしました。ばったり。