21日(日)はSGC例会に参加してきました。今回の参加者は常連が中心で、人数は12人前後とそれなりでした。このくらいの方がSGCらしいと言えるかもしれません。それと、ボードゲームキングダムの紹介記事を見たという10代の初参加者がお1方。

僕はといえば、今例会では Atog さん持ち込みゲームばかりを1日中遊びました。事前に Atog さんの日記で持ち込みゲームを確認していたので、今回は最初からそのつもりでいました。僕も2点ほど持ち込んではいたのですが、それは Atog さんが万が一参加不可能のなった時のための非常用ゲームでして、幸いにして使わずに済みました。

Atog さんも僕もSGCではゲームを持ち込む側のメンバーということもあり、例会参加者がやや少なめのSGCでは同卓になる機会が少ないのです。今回のレポートでもおわかりのように、Atog さんはやや古めでマイナーなゲームを持ち込まれることが多く、これらは僕の個人的な好みとも合致するので、以前から一緒にセッションを囲みたいと思っておりました。

Totopoly / Waddingtons Games moon Gamer

調教と競争。6人。

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「Totopoly」は競馬をテーマにしたゲームです。タイトルだけ見るとモノポリーの亜種のようですが、内容はかなり異なります。ちなみに BoardGameGeek では 1978 年製となっていますが、ルールブックを見たら 1972 年製となっていました。

ゲームは2つの段階に分かれており、まずは自分の馬を調教するゲームから行います。まず各プレイヤーに3枚ずつのカードがランダムに配布されます。このカードは、大きく分けて「競走馬」と「ビジネス」の2種類があります。

競走馬は12頭あり、その実力に応じて4色(1色につき3頭ずつ)に分けられています。それぞれの競走馬は、厩舎から出発して、盤のマス目をぐるりと1周して再びまた自分の厩舎に戻すことを目指します。競走馬はサイコロを使って移動させます。

競走馬が移動したマスが誰かが所有するビジネスのマスであれば、そこに書かれている金額を支払わなければならないことがあります。また、レースで有利になるカード(カラーカード)や、逆に不利になるカード(ホワイトカード)を受け取ることもあります。他にもイベントカードのようなカードを引いたり、カードに指示があれば、それを手札としてキープすることも出来ます。

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全ての競走馬が元の厩舎に戻ったら調教は終了です。ここでゲーム盤をひっくり返して、いよいよレースが開始されます。

各プレイヤーは、レースの開始前に、どの馬が勝つかを予想して秘密裏に記録用紙に書いておきます。所持金以内であれば何頭にもいくらでも賭けることが出来ます。ちなみに賭け方は単勝のみ(つまりトップの馬を当てるだけ)で、配当は10倍の固定です。

レースもやはりサイコロを使います。コース取りをうまく行ったり、ボーナス移動のマスなどを利用しつつトップを目指します。コースのあちこちにはイベントが発生するマスもあって、さまざまな追加ボーナスやアクシデントなどが起こります。ゴールに到達するためには、サイコロでちょうどの目を出さなければなりません。

レースは1~3位が確定したら終了です。規定された賞金が支払われた後、賭に勝ったプレイヤーには配当が支払われます。最終的に、最も多くの資金を所有しているプレイヤーの勝利となります。

サイコロ勝負のエキサイティングな競馬ゲームです。古いゲームということもあって運の比重がかなり高めではありますが、その中でもやはり考えどころはあります。まずは気合いを入れてサイコロを振り、出た目に一喜一憂しましょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/2607

Cartel (カルテル) / Philip Orbanes moon Gamermoon Gamer

コマだけは僕の持ち込みです。4人。

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Atog さん持ち込みゲーム第2弾。リクエストが入ったこともあって「カルテル」がエントリー。どんなゲームかは、こちらのレビューをどうそ。

今回は企業カードが盤上でかなりばらけてしまって、効率的な収益体制を整えることに、かなりの手間と資金を浪費することになってしまいました。個人的に、これまでプレイした「カルテル」で最悪の展開とも言える不運さだったと思います。5ラウンド終了後に株券が3枚しか残っておらず、もはやこれで勝負ありの状態となりました。

このセッション全体では、第3ラウンドで Atog さんがいきなり $250 の企業を競りにかけて買収することに成功し、序盤に豊富な収入源を得て、そのまま逃げ切っての勝利となりました。

以前から感じていて、このブログでも何回か書いていますが、やはりこのゲームは序盤の運不運の差が激しすぎるような気がします。後半に盛り返しても、序盤で大きく先行したプレイヤーを止めるのは相当に難しいのです。

ゲーム開始時に手札となる企業カードを3枚ランダムに配布しますが、例えばこれをドラフトのように1枚ずつ選択して取っていくようにしたり、あるいは株価を最初から$20にする、というあたりを真剣に検討してみたいと思います。いいゲームなので、本当に何とかしたいです。
http://www.boardgamegeek.com/game/507

Flucht aus Mangrovia (マングローブ密林からの脱出) / Mattel moon Gamer

赤カードをひたすら握るゲーム(違?)。4人。

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軽いゲームを、ということで Atog さんがエントリー。
…って軽くなかったです(゚-゚;)

各プレイヤーは2つのコマを持ちます。これを2つともゴールさせたプレイヤーの勝ち。マスを進むにはカードを使います。ただし、各マスには猛獣がいるので、タイルを置いて塞いでからでなければ、どのマスにどのコマも移動させることは出来ません。

カードには「タイルを置くマスの色」が2~3つ指定されています。スタートマスから見て、最も近い指定された色のマスにタイルをまず置きます(このタイルを使い切ってしまったら、ゴールに最も近い指定された色のタイルを除去します)。

さらにカードには「コマの進むマスの色」もひとつ指定されています。コマのいる位置からゴール方向に見て、最も近い指定された色のマスにコマを進ませます。ただし、その途中にタイルが配置されていないマスがあったら進めません。指定されたマスに他のコマがあれば、さらに先の色のマスに進めます(タイルが置かれていることは必須)。

序盤から中盤にかけてはわりと面白かったのですが、終盤にずぶずぶ感がどうにもこうにも… ゴールのマスは「赤」です。つまり、進むマスの色が「赤」のカードはとても重要で、何しろこれが無ければ上がることが出来ません。このあたりはルールブックにも記載されています。

運悪く「赤」のカードが引けなかったり、他人が「赤」のカードを使用しないで手札に持ち続けていたりすると、自分のチカラだけではどうにもならない状態に陥ります。実際、僕がこのセッション引いた「赤」のカードはたった1枚だけで(ゲーム開始から終了までで1枚だけ)、そのカードで1つのコマをゴールさせましたけれども、後は全く何もすることは出来ませんでした。

基本的なアイデアは素晴らしく、実に筋の良い作品でしたが、ゴールのルールはもうちょっと何とかするべきではなかったかと思いました。こんなことで捨て置くには本当に惜しいゲームなので、このあたりをうまい具合に処理するアイデアを考えてみたいところです。
http://www.boardgamegeek.com/game/797

Garden Competition (ガーデン・コンペティション) / Toccata moon Gamermoon Gamer

お花畑と雑草。3人。

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あの「ヴェニスのパトロン」と同じメーカーの作品です。少し前に購入してルールを読んでもいたのですが、今ひとつゲームの構造がピンと来なかったこともあり、これまで全くプレイする機会に恵まれなかったゲームです。

ゲームのテーマはガーデニングです。プレイヤーの目的は、ガーデニングの品評会で最も高いポイントを上げることです。そのためには、審判が高い評価を下すであろう品種の花を自分の庭に植えなければなりません。

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品評会で評価の対象となる品種の情報はカード(審判カード)によってプレイヤーに与えられます。これらはカードは、自分だけが見ることの出来るカード1枚・隣り合ったプレイヤーと共有するカード2枚・場に伏せられたカード3枚と、合計で3ルートの情報源となっています。

このゲームには、プレイヤーの他に、どのプレイヤーにも属さない「隣人」がいます。「隣人」にも庭があって、ゲーム開始時にはいくつかの花が植えられます。「隣人」は品評会には出ませんが、プレイヤーに資金を提供したり、親密になることでプレイヤーに花の苗床を譲ったりします。しかし「雑草」の発生源ともなるので、その点には注意しなければなりません。

自分の出番では、5つあるアクションから2つを行います。2回同じアクションを行っても構いません。

「隣人」の家に自分のキューブを配置することで親密になることが出来ます。すでに親密になっている「隣人」に仕事を紹介してもらうことで報酬のお金をもらえます。お金をもらわずに仕事をすれば、さらにその隣人から好意を得ることが出来ます。

moon Gamer

もちろん自分に庭に対するアクションも出来ます。花屋から苗床を購入することで、それを自分の庭に植えることが出来ます。花屋の苗床は、大きいほど値段が高いのですが、種の状態であれば$1で購入することが出来ます。また、自分の庭に雑草が生えていれば、それを除去することも出来ます。

品評会で良い成績を上げるためには情報収集も必要です。場に伏せられた3枚の審判カードのうち1枚を秘密裏に見ることが出来ます。ただし、そのためには$2を支払わなければなりません。

ラウンドの開始時にイベントが発生することもあります。隣人から花を譲ってもらったり、場の審判カードが1枚だけ公開されたり、あるいは雑草が発生したります。

moon Gamer

雑草は庭を荒らす困りものです。雑草が生えた庭のマスには花を植えることが出来ません。しかも雑草はどんどん増えていきます。増えるのは隣接した家の庭で、隣人を介して他のプレイヤーの庭にまで浸食することもあります。

12ラウンドを行ったら、いよいよ品評会が行われます。全ての審判カードが公開され、該当する花が自分の庭に植えてあればポイントが計上されます。ただし、庭に生えている雑草はひとつにつきマイナス1点となります。最終的に、最もポイントの高いプレイヤーの勝利です。

このゲームのルールを翻訳した Atog さん直々にインストしていただきました。そして実際にプレイしてみて、やっと「ガーデン・コンペティション」の魅力を理解するに至りました。テーマが斬新であり、メカニクスが少し変わっていることもあって、序盤から中盤過ぎにかけては新鮮な気持ちで強くゲームに引き込まれました。

しかしながら終盤の流れはずいぶんと淡泊に感じてしまいました。最終ラウンドに至っては、誰が何をしても同じなので、ほとんどが無意味なアクションで流すということが起こりました。さすがにこれでは芸がありません。これは3人ゲームだからということなのか、それともプレイヤー全員が雑草の手入れをこまめにしていたので、場に緊迫する状況があまりなかっためなのかはわかりません。

少なくとも3人プレイの場合に限っていえば、もっと雑草が発生するタイミングを増やすとか、雑草を増加させる処理をもっと過激にするなどしてもいいような気がします。

やや荒削りな点が見受けられはしましたが、ほんの少しのルール改造で何とかなるゲームだと思います。とりあえず、今回のセッション自体は十分に楽しむことが出来ましたので満足です。
http://ejf.cside.ne.jp/review/gardencompetition.html

moon Gamer

レポートは以上です。
最後に「Qwitch (Switch:スイッチ)」 moon Gamer を誘われたのでちょこっとプレイしました。

が、疲れていたこともあってまるで頭が働かずに大敗。いや、ハードなゲームばかりやった例会の最後にアクションゲームというはかなり辛いものがありますね…

いろいろ書いてしまいましたが、珍しいゲームや初プレイのゲームなどがじっくりと遊べて、とても意義のある充実した1日となりました。このような機会を与えていただいた Atog さんには心から感謝いたします。Atog さん所有で遊びたいゲームはまだたくさんありますので、またぜひやりましょう!

ということで、帰りは改装したペッパーランチで食事会+大騒ぎのおしゃべり90分。みんな元気だなぁ。
ともあれ、お疲れさまでした。次回もまたよろしくお願いいたします>関係者各位