30日(金)は、つなきさん宅で開かれた年末ゲーム会の2日目でした。
本日の参加者は、つなきさんの他に、ファラオさん・N野さん・taroさん・一味さんと僕の6人です。朝から Antiquity が立っていたようですが、僕は午後1時過ぎに合流し、その後 taro さんも入りました。

ルイーダの酒場 / 創作ゲーム moon Gamermoon Gamer

コミケ帰りの taro さんが購入。6人。

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ルールブックには書かれていませんが、当然ながらモチーフはドラクエです(しかしゲームの内容はそれとはあまり関係はありません)。プレイヤーはルイーダの酒場を運営する主人となり、勝利ポイントを出来るだけ多く獲得することが目的になります。

自分の手番では、5種類の行動のうちひとつを実施します。行動は大別して、冒険者に関するものと建物に関するものの2種があります。ざっと説明すると以下のようになっています。

  1. 酒場の主人
    冒険者チップをランダムに取り、自分の手元とルイーダの酒場に配置します。
  2. 踊り子
    ルイーダの酒場にいる冒険者の種類と数によってお金を獲得します。
  3. 賢者
    建物カードを引いて、それを自分の手元と場に置きます。
  4. 国王
    自分の手元にある建物カードを建設するか、あるいは場の建物カードをルイーダの酒場に建設します。
  5. 勇者
    冒険者チップを引いて、パーティを作れたかどうかを判定します。成功するとポイントを得ます。

建物に関するルールがこのゲームのキモです。まず建物にはそれぞれ固有の特殊効果があります(お約束です)。建物を建設するためには、お金や冒険者をコストとして支払わなければなりません。建物はルイーダの酒場に建設(最大3件)することが可能ですが、それとは別に自分の手元にもひとつだけ建設することも出来ます。

ルイーダの酒場に建物を建設すると勝利ポイントが得られます。しかしルイーダに酒場は公共のものであり、そこにある建物の特殊効果は誰でも使うことが出来ます。逆に自分の建物の特殊効果は所有者だけが使用出来ますが、ポイントを得ることは出来ません。

建物の特殊効果は、実はプレイヤーの行動と密接に関係しています。5種類の行動には「色」があり、建物にもそれと同じ種類の「色」があります。プレイヤーが選択した行動の「色」と同色の建物が建設されているのであれば、その特殊効果だけを手番の最後の実行しなければならないのです。例えば「酒場の主人」という行動は「青」です。これを行動に選択したプレイヤーは、すでに建設されている「青」の建物の特殊効果を実施する、というわけです。

※ここで、公共物であるルイーダの酒場の建物と私有物の建物の違いが効いてくることにも注目。

行動にしても建物にしても、自分だけではなく、他のプレイヤーに直接・間接的に影響を与える効果が多く存在します。このため、周囲の状況を考えながらバランスのよい選択を考えなければなりません。ルールはシンプル(実質2P強)ですが、特殊効果が複雑に絡み合うこともあって、ゲーマーズゲーム的な内容の作品となっています。

今回のセッションでは当然ながら全員が初プレイで、やや読みづらいルールを確認しながらのぎここちない進行ではありましたけれども、手応えのようなものは確かに感じられました。もし、デザイナーが目指しているコンセプトが問題なく表現することが出来ているのであれば、これはなかなかの掘り出し物であると言えます。ランダムな要素もかなりあり、同人ゲームっぽいやや荒っぽい印象も感じましたので、1回のプレイだけでは結論が出ませんでした。もし見かけたらみなさんもぜひ遊んでみてください。
http://www.h5.dion.ne.jp/~otsubu/wisteria/

Union Pacific (ユニオン・パシフィック) / Amigo Spiele moon Gamer

2度目のプレイ。6人。

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つなきさんのリクエストもあって再プレイ。しかもMAXの6人。

実際に6人プレイをやってみて、このゲームは多人数の方が断然面白いということを再認識しました。株や路線の絡み方が人数が増えるほど濃く強烈になり、それに伴って駆け引きも複雑になります。だからプレイヤー間の思惑のぶつかり合いが実に熱くなるのです。

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ジレンマがシンプルであるが故に、決断には正確で冷静な状況の把握と、あと一歩を踏み出す勇気が求められます。さらに不確定要素となる決算カードの存在がまたいい感じにゲームを引き締めています。いいゲームだなぁ。

残念ながら今回は負けはしましたが、面白いセッションとなって僕は大満足です。また別の場所に持ち込んで遊んでみます。 http://ejf.cside.ne.jp/review/unionpacific.html

Breaking Away (ブレーキングアウェイ) / Fiendish Games moon Gamermoon Gamer

ユニークな自転車レースゲーム。6人。

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個人的には久々のプレイ。僕以外は初プレイです。各プレイヤーは4台の自転車レーサーを操り、3回のチェックポイントを出来るだけ早い順位で駆け抜けることが当面の目標になります。それぞれのチェックポイントでは着順に応じてポイントが入り、最終的には総合ポイントで順位が決まります。

自転車レーサーの速度の決め方が極めてユニークです。このあたりの詳しい説明はこちらのエントリーをどうぞ。6人プレイは初めてだったのですが、これでもほとんど問題なくゲームは成立しているのですから、素晴らしい作品ですね。

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このセッションでは、最初の周回でワンツーフィニッシュ(計18点)を決めた taro さんがポイント的に優位に立ち、結局そのまま圧倒的な点数を獲得して終了しました。

何人でプレイしてもやや長い時間がかかってしまうのですが、緊張感は最後まで持続するのでダレないのがいいですね。初プレイ組のメンバーの評価も上々で良かったです。個人的には、さすがにコンポーネントのしょぼさが気になってきました。そろそろ自作を検討してみようかと思っております。
http://www.boardgamegeek.com/game/2981

Wizard / U.S. Games Systems, Inc.
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そしてこのゲームで〆。
ちょっと変わったトリックテイキング。

普通のトランプ52枚に「Wizards」4枚と「Jesters」4枚が加わった60枚のデッキです。ルールはトリックテイキングゲームをやったことがあるなら簡単です。カードが配布されて切り札が決まったら、自分の手札を見て何トリックが取れるかを予想します(0~10トリック)。ルールは通常のマストフォロー。ゲームの結果、予想が当たっていれば得点し、はずれたら失点します。

最初のゲームは手札がたった1枚で行います(そして獲得トリックの予想も行います)。次のゲームは2枚、その次は3枚と増加し、最終的には10枚の手札でゲームを行います。もちろん得点の大きいプレイヤーの勝ちです。

特殊なカードである「Wizards」は、プレイしたら必ずそのトリックに勝てます。逆に「Jesters」は必ずトリックに負けます。いずれもマストフォローの原則から外れたプレイが可能です。この2種類のカードを考慮しながら獲得トリックの予想をすることになります。これがなかなか難しい。

変則トリックテイキングながら、ルールは極めてシンプルです。やや大味な印象もしましたが、まぁこれはこれでアリかな。

http://www.boardgamegeek.com/game/1465

レポートは以上です。

2日間に渡って、重いものから軽いものまで、バラエティに富んだいくつものタイトルを心から楽しむことが出来ました。ゲーマーとして熟達した腕前の方々ばかりということもあり、いずれも充実したセッションばかりだったように思います。1年の締めくくりに、このような素晴らしいゲーム会に参加することが出来て幸せです。どうもありがとうございました。

このゲーム会を企画し、お部屋を使わせていただいたつなきさんには感謝いたします。
そしてお疲れさまでした>参加者各位

来年もまた、皆様どうぞよろしくお願いいたします。