15日(日)は、池袋にて開催された袋小路の1月例会に参加してきました。他のゲーム会とぶつかったこともあって、11月・12月・特例会と3回もスキップしていましたから、何だかずいぶん久しぶりにここへ来たような気がします。

今回の参加者はトータル51名だったそうで。ピーク時よりは減りましたが、それでも大した人数です。僕が確認した限り、最大で同時に11卓が埋まっていることがありました。


Face-it (フェイス・イット) / Cococo moon Gamermoon Gamermoon Gamer

やー、かわいいなコレ。4人。

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4人で遊ぶポイント争奪戦。ごらんのようにコマが全部フェイスマークです。残念ながらゲーム的にはこの表情に意味はなくて、色だけ見ます。

まずそれぞれが4つのコマをランダムに引いて自分の前に置きます。自分の手番では、そのコマの中から1色を選んで盤に配置します。1色ですから、同じ色のコマなら最大4つまで(自分の前に置いてあるコマの数)置くことが出来ます。複数のコマを置く時には、タテかヨコに並べるように置かなければなりません。

コマを配置すると、そのコマの数だけ点数をもらえます。もし、すでに盤上に配置されたコマに隣接した位置にコマを配置すると、今置いたコマに「つながっている」盤上にコマとを合わせた点数をもらうことが出来ます。例えば、盤上にヨコ1列に並んだ3つの黄色いコマがあって、そこに自分の手元から2つの黄色いコマをつながるように置けば5点(=3+2)をもらえます。

点数は「右となり」のプレイヤーからもらいます。もし、点数を支払えない時にはゲームから脱落します。

手番の最後に、手元のコマが4つになるように袋からランダムにコマを引きます。この時、白いコマを引いたら他のプレイヤーのコマ1つと交換することが出来ます。こうしてゲームを続けて、最後に白いコマしか袋の中になくなったらゲームは終了し、最も高い点数のプレイヤーの勝利となります。

このゲームのルールを読んだ瞬間に「このスコアリングルールはひょっとしてまずいのでは?」と思ったのですが、案の定その通りでしたmoon Gamer でもまぁ子供を囲んだファミリーゲームとして考えるならこれでも十分に楽しめると思います。今回のセッションではお隣の席に小さな子供がいたのですけれども、まったく問題なく遊んでいました。ちょっと物足りない顔もしてましたけどね。

僕としてはこのコンポーネントがステキすぎてもうそれだけで十分です。いやほんとに。moon Gamer
http://www.ps-hiroshima.com/board/faceit.htm


Meridian (メリディアン) / PIATNIK moon Gamermoon Gamer

パズルと陣取り。4人。

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コロヴィーニらしい、身動き取りずらい環境下で最大限の利益を狙う陣取りゲーム。

プレイヤーの目的は、ボード上に点在する「島」の支配権を獲得することにあります。島には「都市」と「首都」があります(首都はひとつの島にひとつだけです/首都のない島もあります)。都市や首都に最も多くの「守備隊」を配置すれば、その島を支配したことになります。

さて、ボードは「1」~「10」まで10のエリアに分かれています。写真をご覧になればおわかりのように、各エリアは縦(南北方向)に長くなっています。しかし「島」は横(東西方向)に長くなっています。

ゲーム開始時に各プレイヤーは「1」~「10」までの数字の書かれたカード10枚と、複数の数字の書かれたカード3枚の合わせて13枚のカードを受け取ります。カードの構成は全プレイヤー共通です。これらのカードをシャッフルして2枚のカードをオープンし、20個の守備隊コマを受け取ったらゲーム開始です。

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手番では、オープンされている自分のカードのうち1枚を選択し、その番号のエリアに守備隊コマを配置します。守備隊コマは重ねられるようになっていて、2段以上に重ねて置くことも可能です。

ただし、守備隊の配置にはきつい制限がいくつもあってそれらを全て満たさなければなりません。「あるエリアに最初に配置される守備隊は2段であること」「あるエリアに存在する守備隊は全て異なる段数でなければならないこと」「1人のプレイヤーは1エリアにひとつの都市(または首都)にしか守備隊を配置できないこと」。さらに、段の高低によって配置位置が決まっています。

あるエリアにおいて、すでに配置された守備隊の高さより高い守備隊を都市に配置する時には、その守備隊よりも「上(北方向)」の都市に配置しなければなりません。逆に低い守備隊を配置するには、すでに配置されている守備隊よりも「下(南方向)」に配置しなければなりません。

さらに、他の守備隊が配置されている都市に自分の守備隊を配置することで、他の守備隊を「押し出す」ことも可能です。これもすでに配置されている守備隊の高さによって上下に押し出します(押し出した後の状態は上記の制限を全て満たした状態になっていなければなりません)。

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すでに自分の守備隊が配置されたエリアのカードを選択した場合、そこにある守備隊を手元に戻すか、あるいは段数を変更して同じエリアの別の都市に移動させることも可能です。この時に「押し出す」ことも出来ます(もちろん制限内で)。

何もしたくない、あるいは出来ない時にはカードを1枚捨ててパスです。プレイするにせよパスするにせよ、捨てたカードは公開しておかなければなりません。こうして、全てのプレイヤーが全てのカードプレイしたらゲームは終了し、島の支配判定を行います。

支配判定時に守備隊の段数は無関係です。ある島の都市に守備隊を配置していれば1点、首都に配置していれば2点として計算し、最も多くの点数を獲得したプレイヤーがその島を支配します。同点の場合は誰も支配出来ません。支配したプレイヤーは、その島から都市と首都の数だけ勝利得点を獲得します(勝利得点は首都も都市も1点として数えます)。こうして、最も多くの勝利得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

遊んでいるこっちが干上がってしまうくらいドライな陣取りです。使用したカードは公開なので記憶に頼ったカウンティングはしなくてもよいのですが、その代わり後半はほぼ完全情報ゲームになりますのでしっかり読まなければ勝ち切れません。守備隊の配置制限は、盤上に守備隊の数が増えていくにつれてきつい縛りになるため、全く何も出来ずにパスを連発することが最善手になってしまうこともあります。

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前半は様子を見るために何気なくプレイしていたのですが、後半に勝負をかけるための形を作る重要な布石にしなければならなかったようです。ただ、それの流れをどのように作ったらいいのか、1回のセッションではつかみ切れませんでした。

しかしこのゲームのテイストはかなり好みです。行動の制限が大きくクセもあるので、思考ゲームが好きな人全てにおすすめ出来るようなゲームではありませんけれども、この不思議に悩ましい感覚は他の陣取りゲームでは味わえないオリジナリティがあります。1回だけではもったいないので、ぜひどこかで再プレイをしたいところです。moon Gamer
http://www.ps-hiroshima.com/board/meridian.htm


Techno Witches (魔法の掃除機) / Kosmos (Franckh-Kosmos) moon Gamer

曲がりすぎだー。3人。

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ってことで、軽めのゲームをエントリー。現代の魔法使いはほうきではなく掃除機に乗っています。それをうまくコントロールすることが出来たら、魔法学校を卒業することが出来ます。でもそううまくはいかないのが世の常なのは魔法の世界も同じようです。

このゲームの主眼は魔法使いコマの操縦にあります。魔法使いを移動させるには、その移動コースをかたどった「カーブ」タイルを使います。カーブタイルを魔法使いの進行方向に置き、その先に魔法使いをセットすることで移動させることが出来ます。

このカーブタイルじゃ5枚まで(正確には+後退タイル1枚)ストックすることが可能です。ストックしたタイルは「魔法の書」にセットします。カーブタイルを魔法の書にセットする時点でタイルの方向(右方向に移動するようにセットするか、あるいはその逆か)を決めなければなりません(って言葉ではよくわからないと思いますので、こちらの写真をご覧ください)。

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魔法使いを移動させるには、カーブタイルを取る代わりに、魔法の書にセットしてあるタイルを使って実際に移動させることになります。もちろんタイルを使用する順番と方向はセットしてある状態をそのまま保つようにしなければなりません。

場の障害物や他の魔法使いにぶつかってしまった場合は、そうならないように戻して魔法使いをセットします。いずれにせよ、移動後に魔法の書にセットしたカーブタイルは全てストックに戻します。

この「どれだけカーブタイルを取るか」「いつ移動するか」「目指す移動ルートを正確にトレース出来ているか」などのジレンマがゲームのテーマにもマッチしていてとても面白いです。カーブタイルは手に取ったらただちに魔法の書にセットしなければならないので、試行錯誤をすることは出来ません。しかもカーブタイルにはまっすぐな形状はひとつもなく、どれも曲がっていますので、思ったように飛行するのはなかなか難しいのです。だからこそうまく狭いコースを通り抜けた時の爽快感は格別ですね。

このゲームには遊び方がいくつかあり、今回はレースゲームで遊びました。スタートしてから折り返し地点をぐるりと回って、ゴールにまでいち早くたどり着くことが目的です。ちょっと面白いのは、最終チェックポイントを通り抜けるまでゴール地点が不明で、その時にまだ最終チェックポイントに達していないプレイヤーたちの合議によってゴールが決定されるというルールです。これによって多少のリードしただけでは勝敗の行方はわからないようになっています。

ゲームをプレイする場を少し広く取りすぎてしまったようで、最後は間延びしてちょっとダレてしまいました。反省。次にゲームをする時には気をつけたいと思います。moon Gamer
http://www.ps-hiroshima.com/board/index.htm


Swim (スイム) / Amigo Spiele
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3本のイカダ。6人。

手札に配られる3枚のカードを場札と交換しつつ、改善しながら生き残りを目指すカードゲーム。とても簡単明瞭なルールで、誰にでも楽しめる小品ですね。最後の2人になるまでがんばりましたが、最後に脱落して2位。残念。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/swim.html


Vegas Showdown / Avalon Hill (Hasbro) moon Gamer

競りゲーでした。4人。

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プレイヤーはラスベガスでホテル・カジノ・レストラン・ラウンジなどを建設し、それで収益や名声を得ます。簡単にいうと、場にある建物タイルをそれぞれのプレイヤーが順番にビッドし、競り落とした建物を各自が持つプレイヤーシート(Hotel-Casio Sheet)上に配置することで収益や名声を得るという構造になっています。

建物は大きく分けて「ホテル系(青)」「カジノ系(黄)」「ラウンジ系(緑)」の3系統があります。ホテルとカジノは、シート上の決まった位置に建物の入り口が接続されていなければなりません。接続とは、建物タイルにある出入り口が直接つながっているか、あるいは他の建物の出入り口を介して間接的につなげられるかしている状態です。接続元は、ホテルは「Hotel Door」でカジノは「Casio Door」です。ラウンジ系の建物はどちらかの Door に接続されていればOKです。

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また、建物には大きさがあります。最も小さいのは1マスだけで構成されており、次は1×2の2マス、最も大きなものは2×2の4マス分の面積を占めています。建物の面積と形状に合致した空きマスがシート上になければ、その建物を建設することは出来ません。

建設した建物からは「Revenue(歳入)」「Population(人口)」「Fame(名声)」のいずれかか、あるいはその組み合わせが生み出されます。「名声」は最終的な勝利得点です。「歳入」「人口」は、同一のトラックで別のマーカーで管理されます。これらの2つの値のうち、低い方がプレイヤーが毎ターン得る現金収入となります。

また、建物には「高級な建物(Premier Tile)」という特別な建物もあります。これらをシート上に配置するには、別の建物がすでに建設されていなければなりません。これらの関係は簡潔なチャート(Building Prerequisites Chart)にまとめられています。これらの建築ルールなどは文字で説明するとちょっと複雑に感じるかもしれませんが、実際には見た目でささっとチェックできますので処理は実に簡潔です。

moon Gamer

他にも、イベントカードやボーナス点などいろいろな要素がありますけれども、プレイヤーの判断するべき主なことは、競りに関わる資金のマネージメントと、シート上の建物をボーナスを意識しながら編成していくことの2点の集中しており、例外的な処理の少ないシンプルな構造のゲームです。

イベントカードも悪い効果がほとんどなく、良い効果も適度に抑えられており、味付け以上の影響をゲームにもたらさないようになっています。収束性も極めて良好ですし、ボーナスポイントの配分など細かいところもしっかり練り上げられているなど、とても上品に作られた間口の広いゲームと言えます。

しかしそれは突出した要素がない個性不足をも意味しています。つまりこのゲームに新しい何かを求めているのでしたら、がっかりしてしまうかもしれません。気の合う仲間と安心して楽しい1時間を過ごせるバランスの良いゲームであることは違いありませんし、そういうゲームは思ったより少ないので貴重とも言えます。あなたがもし、そのようなゲームを望んでいるのであれば「Vegas Showdown」は間違いなく良い買い物になるでしょう。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/15364


Trump, Tricks, Game! / Phalanx Games moon Gamer
moon Gamer

変則トリックテイキングゲーム。3人。前回のレポートはこちらのエントリーにあります(真ん中あたり)。

わざわざリクエストしてまで遊んでもらったのに、まるでいいところなく大敗。困ったもんだねぇ<自分 moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/15261


Yucata' (ユカタン) / Hans im Glück moon Gamer
moon Gamer

最後は時間もなかったこともあってこのゲームで〆。4人。

1人だけ初プレイの方がいらっしゃったのですが、最後にルールを勘違いされていたことがわかり、もちろんゲームは成立せず。こんな簡単なゲームでもインストは難しいもんですなー。moon Gamer
http://www.ps-hiroshima.com/board/yucata.htm


レポートは以上です。
この後は有志が集まって新年会をやって盛り上がっていたようです。元気があって何よりですねーmoon Gamer
ともあれ、今年もまたどうぞよろしくお願いいたします>関係者各位