1日(土)は袋小路7月例会に行ってきました。曇り模様の蒸し暑い日でした… そりゃもう7月なんですから暑いのはしょうがないのですけれども、早くも夏バテ気味ってのはどうなのよ? 体力無さ過ぎです。ひょっとして夏風邪がまだ尾を引いているのかもしれません。
Capt'n W. Kidd (キャプテンキッド) / Bambus Spieleverlag
わりとガチなアブストラクト風ゲーム。3人。
3つのゲームが1箱に入ったゲームです。とりあえずルールブックの最初に書かれている「ロイヤルキャプテン」を遊んでみました。
ゲームボードは柔らかな合皮製です。ボードには船が描かれており、そこにいくつかのマスと、それをつなぐ通路があります。いずれのマスからも3方向に通路が延びています。プレイヤーはそれぞれ丸い海賊コマを7個ずつ持ちます。コマには海賊のイラストと、2つ方向に伸びた太い線が描かれています。この線とゲームボードの通路をつなげるようにマスに置きます。
ひとつのマスにはひとつのコマだけを置くことが出来ます。そしてそのコマには「方向」があります。コマに描かれた2つの方向にだけ移動することが出来るのです。自分の手番では、自分のコマをひとつ移動するか、あるいは空いている「スタートマス」にひとつ置きます。コマは、周囲のマスを他人のコマに囲まれると除去されてしまいます(包囲ルールの詳細は省略)。
これを繰り返して、コマの移動や配置が出来なくなったら脱落します。最後まで残ったプレイヤーの勝利です。
絵に描いたような完全情報ゲームです。派手な要素は一切無いストイックなゲームで、パズルを解くような感覚で進行します。相手のコマを追い詰めるまでの考え方は大変に興味深いのです。マスの構成がやや単調なので、何度も繰り返しプレイすると、そのうち同じような展開ばかりになるかも。そのうち他の2つのゲームも試してみたいですね。
ところで余談ですが、この会社のゲームの箱は写真のような形で送られてきます。
これにこのような大きなシールを貼ってボックスを作ります。ま、それだけなんですけどね。
Augsburg 1520 (アウグスブルグ) / Alea
実は1ターン終了時点で勝負あった? 4人。
ゲームの簡単な紹介と前回のレポートはこちらのエントリーをどうぞ。インストをするとどうしても長くなるのですが、このゲームのメカニクスはルールブックの文面以上に素直でストレートです。ようするに自分に無いものを獲得すればいいのですから。それを実現するためにどうしても必要となるのが「財力」の階級です。
資金がなければ貴族カードを購入することもままならず、貴族カードが無ければ絶対に競りに勝てないからです。また、名誉ポイントの「壁」を越えるために必要な「教会」「大聖堂」はお金で購入するものですので、得点を伸ばし、そして競うためにも、プレイヤー前任の収益額には十分配慮しておく必要があるでしょう。
ということでセッションが始まったのですが… 最初のラウンドで3回も競りに勝ち、財力を上限の1600ギルダーまで上げたプレイヤーが出てしまいまして、いきなり大きなアドバンテージを取られました。しかも1200ギルダーのプレイヤーのプレイヤーがいない状態です。いや、頭でわかっていても気まぐれな競りの女神のおかげ(?)で、うっかりこういう局面に陥ることもあるわけです。
資金不足はポイントでカバーしようと、僕はひたすら「身分」を上げ、ついでに「紋章」を取るなどしてがんばったのですが… 25ポイントの壁を越える「教会」を購入する機会を逸してしまいました。資金的には十分だったのですが、競りに勝つことがどうしても出来なかったのです。それどころか、2ラウンド連続で1枚も特権カードを選ぶことが出ないという呆れた事態にはまり込みました。
実のところこの時点でもはや勝敗は見えていましたけれども、とにかく最後までやった結果といえば、当然のごとく1ラウンドで1600ギルダーの収入を得たプレイヤーがそのまま逃げ切って圧勝でした。そりゃもう気持ちいいくらいぶっちぎりで。さて?
これは僕の希望的観測でしかありませんが、僕が競りに勝てなかった2つのラウンド(10回の競り)において、何かの間違いでもいいから1回でも特権カードを獲得し、そこで「教会」を購入し、25ポイントを越えていればあるいは別の結果が出ていたかもしれません。少なくともこのセッションにおいては。
このように、複数の勝ちパターンが果たして「アウグスブルグ」に存在するのかどうか、僕が経験したわずか2回のセッションではまだ判断することは出来ません。あと1ゲームくらいどこかでプレイしてからまた考えてみましょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/21892
Seerauber (海賊組合) / Queen
5人だとダウンタイムが長いかも。で、5人。
ゲームの簡単な紹介と前回のレポートはこちらのエントリーをどうぞ(コピペ)。たまたまメンツが5人集まったので、果たしてどんなことになるんだろうと、興味津々にゲームスタート。
プレイヤーが自分の手番で行えることは、自分のコマを他の誰かのコマ(またはグループ)上に重ねるか、あるいは船を襲撃するかです。そして襲撃した場合には報酬がもらえます。襲撃グループの一番上のコマが「リーダー」となり、その持ち主がそのコマの重なりをコントロールすることが出来ます。ただし、襲撃グループ中に別のプレイヤーのコマが3個以上あると「反乱」が発生し、リーダーの意志とは無関係に船を襲撃しなければならない状況に置かれるかもしれません。
記憶ゲーム的な要素も盛り込まれていますが、曖昧に覚えていても最終的なつじつまはどうにか合うことが多いです。なので僕はこのゲームを、ファミリーゲーム的にもう少し軽くサクサク遊ぶゲームだと思っていましたが、ゲーム馴れしている人ほど場の状況をしっかり読んでから自分の行動を慎重に選択したいと思うようです。
このセッションでは、そういう考え方のプレイヤーが多かったこともあって、ちょっとだけテンポが鈍かったのですけれども、それだけにじっくりと少し先の手番のことまで考えながらゲームに没頭することが出来たのもまた事実です。
僕は現金収入については満足すべき結果を残しましたが、アイテムの取得を怠ったことがかなり響いて、わずかの差で惜しくもトップを逃しました。うーむ残念無念。
http://jirai.blog62.fc2.com/blog-entry-86.html
John Silver (ジョン・シルバー) / Eggert-Spiele
カードの変則的な流れがユニーク。4人。
まず場に、各プレイヤーが担当するキャラクターカードを4枚ヨコに並べます。続いて「船」「宝箱」「海賊」の3つのシンボルが描かれたカードをタテに並べます。つまり、キャラカードとシンボルカードが交差する地点が「4列×3段」ある場を作ります。
シンボルカードのシンボルは、このゲームにおける「スート」の役割を果たします。各シンボルは「1」~「13」までランクがあって、各ランクは1枚ずつです。特殊なシンボルとして「ジョーカー」があり、これは「5と1/2」~「9と1/2」まで、やはり異なるランクで5枚あります、ゲームは、これら44枚(13×3+5)で行います。
カードにはさらに別の絵が描かれています。「金貨」「りんご」「黒点(宝の地図に黒いシミがあるマーク)」の3種のいずれかひとつで、ほどんどが複数のマークが付けられています(金貨3枚とかりんご4個とか)。
手札は6枚です。手番では、空いている交点にカードを1枚置いてから手札を補充して終わりです。カードの置き方にはルールがあって、まずひとつの交点には1枚のカードしか置けません。ヨコの「段」には、その段の端においてあるシンボルカードと同じシンボルのカードしか置くことが出来ません(ただしジョーカーはどこにでも置けます)。
場のキャラクターカードはカードの配置に関して制限が発生しません。誰でもどのキャラクターカードの下へカードをプレイ可能です。シンボルによる制限と空点にのみ配置という制限さえ守れば、どこにどの順番でカードが配置されても構わないのです。
あるシンボルカードの段について、その4つの交点が全てカードで埋まったら「分配」が発生します。これは、その段に配置された4枚のカードをプレイヤーが獲得することを指します。まず、その段で最も大きな数値のカード上へ、2番目に大きな数字のカードを移動します。同様に、最も小さな数字のカード上へ、2番目に小さな数字のカードを移動します。
つまり、その段でカードが2枚重ねておいてある交点が2つあることになります。その交点の列に対応するキャラカードを持つプレイヤー2人が、それぞれ重なったカードを2枚ずつ獲得して手元に置きます。こうして、その段の交点からカードが消えます。獲得したカードのうち、「黒点」が描かれたカードは公開しておかなければなりません。
カードをプレイし、必要な場合には分配を行ってから手札を補充します。通常は山札から1枚を取って手札に入れますが、「りんご」の描かれたカードをプレイした場合にのみ、もうひとつの選択肢があります。それは、場にすでに置かれたカードを1枚取って手札に入れることです。ただし、この場合は「りんご」のカードを選ぶことは出来ません。
これを繰り返し、場にカードが置けなくなったらゲーム終了です(山札が無くなっても手札だけでゲームは進めます)。ここで面白い処理を行います。獲得したカードのうち「りんご」のカードを全て左となりのプレイヤーに渡すのです(!)。そして自分で獲得した「金貨」と、隣から渡された「りんご」の個数が得点になります。また「黒点」はマイナス点になります(人数によって判定が異なる/詳細略)。
同時多発な変則トリックテイク… いやトリックテイキングと言い切ってしまうと語弊がありますし、実際違うのですが、メカニクスや戦術の一部は確かにシンクロしています。しかも、ミゼールまで混在させてあるという周到さ。ゲームの複雑さもゲームコントロールの難易度もちょうどいい案配です。
好きなタイプのゲームで、このセッションは楽しませてもらいましたが、ではおすすめですかと問われると少し微妙です。というのも、手札が偏った時のどうしようもなさが気になったためです。そのあたりをフォローすいるためには、正確なカウンティングや、場のカードを取り込んでしまう「りんご」カードを上手く使うのがポイントなのでしょう。
はっきり言えるのは、このメカニクスはとてもヘンテコなので、やってないならまぁ一度くらいは興味本位で良いから遊んでおけ、というくらいでしょうか。何だかずいぶんと後ろ向きな推薦文のようですが、何しろ1回のゲームだけではちょっとわかりにくかったのも確かですから。またどこかで遊んでみたいものです。
http://ejf.cside.ne.jp/review/johnsilver.html
レポートは以上です。
この時点でまだ午後5時くらいでしたが、自分で持ち込んだ4つのゲームが全て消化出来たことと、翌日もゲーム会なので体力を残しておきたかったこともあって、早めに帰宅させてもらいました。
レポートを書いていて気がついたのですが、持ち込みゲーム4点中3つが海賊テーマですな… いや、そんな特集を組むつもりは全くなく、第一そうするつもりであるなら「アウグスブルグ」の代わりに黒ひげ危機一発でも持ち込んだでしょうね(持ってないけど)。袋小路だし、それもアリでしょう(そうか?)。
短い時間ではありましたが、僕としては十分に楽しめました。
また次の例会(か、その先で)でお会いしましょう。
コメント
コメント一覧 (2)
#えぇ。負けましたです。
傑作ではないですが、コンパクトにまとまっている良作ですねぇ。
おお、そうなんですか。
僕が気がついていない勝ち筋があるなら、「アウグスブルグ」をもうちょっとプレイしてみたいです。これくらいボリュームのあるゲームだと、1~2回のセッションだけでは全容がつかみ切れませんね。