炎暑となった5日(土)は、千歳烏山ゲーム倉庫にてゲーム会を開きました。先週までは涼しいくらいの陽気で、いったいこの夏はどうなってしまうのかといらぬ心配までしたのですが、どうやら今年の太平洋高気圧はただ寝起きが悪かっただけのようで、ぱっちりと目覚めた後は今までの遅れを取り戻すことに躍起となり、そりゃもうはりきって列島全域へ灼熱のゼリーのように覆い被さってきやがりました。はりきらなくてもいいのに。

おかげでこの日は東京で35℃前後を叩き出し、それどころか全国的にも軒並み記録的な猛暑となったようです。そんな記録に黙々と挑戦し続ける真っ赤な太陽を尻目に、ゲーム倉庫に備え付けられた旧式のエアコンをフル稼働させて、この酷暑な1日を何とか凌ぎ切ることが出来ました。ふーやれやれ。

ところでこの日、当初は別のゲーム会が開かれる予定でした。ところが期日の1週間ほど前に諸般の事情で急遽取り止めとなってあらら、と思っていたら、今度はメンツとテーマを変えて同じ日に何かやろうと企画されたのがこのゲーム会です。準備期間が短くてメンバー集めに少し苦労しましたが、mixi やら何やらを駆使して何とか集まったのが、すいせいさん・田中ブンケイさん・●山さん、そして僕の4人です。

朝11時に集合して、夜の8時前くらいまでじっくりと遊びました。


Caylus (ケイラス) / Ystari Games moon Gamer

先週に引き続きケイラス。

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本日いらしていただいた田中ブンケイさんと●山さんは柏木でケイラスを何度もプレイしているベテランプレイヤーです。このゲームは僕の周囲ではどうしたことかあまり評判がよろしくないので、こういう手練れな人たちと同じ卓に並び、その華麗な打ち回しを注視する機会が得られたことが何より嬉しかったです。また、個人的にはルールの危うい点がさらに修正され、ほぼ完璧に習得出来たことも大きな収穫となりました。

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どちらもゲーム後半「ケイラス」には大戦略として複数の勝ち筋があり、そこにたどり着くまでの最短行程と最終形を、少なくとも大ざっぱなイメージくらいは頭に入れておくことは大変に重要です。

このゲームには偶然の要素がありませんので、ゲーム中に無数に出現する多くの駆け引きだけが勝敗の鍵となります。他のプレイヤーの動向には注意深く観察した上で正確に対応し、最終的にほんの少しのリードを保てるかどうかを見極めなければなりません。

当然それは容易なことではなく、その「眼」を持つためにはやはり経験が必須になります。回数をこなすことだけに価値があるとは思いませんが、多くの場数を踏んだことによって、成功も失敗も熟知したプレイヤーと対戦し、彼らに打ち勝つのは極めて困難であることもまた事実でしょう。なぜなら「ケイラス」は、優れた意志決定が必然的に良い結果をもたらす完成度の高い戦略ゲームだからです。

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さて具体的に「ケイラス」の作戦ですが、いずれにおいても「王の恩恵」をどれだけ有効活用するか、という点にかかっていると言えます。

このセッションで●山さんは、王の恩恵で「建物の例外的使用」の列を使用することで、資源の消費を抑えつつ効率的に「名誉ある建物(青)」の建設に向かいます。一方田中ブンケイさんは「名声ポイントの獲得」を延ばし続け、「塔」の時代に恩恵を受けるたびに「5点」を確実に獲得していました。

どちらもゲーム後半に名誉点を大量に獲得する方針ですが、その方向性は異なっており、見ていて参考になりました。個人的な好みから言えば●山さんのやり方の方がエレガントに見えましたが、ブンケイさんの作戦もシンプルでわかりやすく、なかなか捨てがたい魅力があるように見えました。

ところで勝敗の方は、5点を積み上げて逃げ切りを図ったブンケイさんを●山さんが得点の高い建物の建設ラッシュで猛追し、あわやというところまで行ったのですが、最後はブンケイさんの勝利となりました。3時間弱に及んだ長いプレイタイムを感じさせない面白いゲームで大満足でしたが、上級者が相手とは言え、ふがいない結果に終わったのは残念です(3位)。次に対戦する時には、もう少し手応えのある相手になるくらいは上達していたいです。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/caylus.html


Age of Steam (蒸気の時代) / Warfrog moon Gamer

初プレイの方がいたので基本マップにて。

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先週到着したばかりの拡張マップを試してみたかったのですが、●山さんが初プレイとのことでしたので基本マップをエントリーしました。このゲームのインストを久しぶりにやりましたが、事前に練習していなかったので説明抜けが続出し、田中ブンケイさんに頻繁にフォローしていただく始末。失礼しました。

基本マップはタウンが多く点在しているので、「都市化(Urbanization)」アクションの使い方がキーポイントになります。「都市化」は単に商品の受け入れ先を多くするというだけではなく、相手の収入を減らす攻撃的な意図を持たせたり、あるいはそれを防衛する受け身として配置することもあります。基本マップにおいて序盤の「都市化」は、そのゲーム全体の大きな流れを形作る重要な意味を持っており、それだけに「良い手」を発見することは困難を極めます。

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このセッションで僕は、「都市化」アクションを2回選択することになり、主に中央付近に新しいシティタイルを配置しました。それを取り巻くように、まるでスパゲッティのように曲がりくねった路線を敷設することに腐心しました。

というのも、西側方面に行くことが困難な状態になってしまい、狭い範囲で余剰な路線を迂回することで距離を稼ぐしか生きる道が無くなってしまったのです。ということで、すぐ隣のシティにキューブを運ぶために、大きく迂回して5リンクを稼ぐとか、そんなことばかりやっていました。

こういうテクニックは、割り当てられる土地の少なくなる6人プレイ時では普通にあることですので、それを4人プレイで積極的に使ってみたわけです。他のメンバーはこの状況に苦笑していましたが、まぁそういうゲームですから。moon Gamer

これが功を奏したのか、終盤に入ってやや優位な立場に立つことが出来まして、そのままトップでゲームを終わらすことが出来ました。このところ「蒸気の時代」では連勝が続いていますが、このセッションでは、ところどころに大きなミスがあり、反省点の多い一局でした。さらなる高みを目指して精進しようと思います。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/4098


Robber Knights (盗賊騎士) / Queen Games moon Gamer

やっと正しいルールでプレイしました。が…

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先週は痛恨のインストミスがあってゲームになっていませんでしたが、今回はそれを修正して実質的な初プレイとなりました。

このゲームにおける「騎士」は丸いコマで表されます。騎士コマはタイル上に配置されるます。得点対象となるタイル上に自分の騎士があればスコアを得ます。この得点を出来るだけ多く獲得することがゲームの目的になります。

ルールにしたがってタイルの山を作り、手札(タイル)を2枚持ってゲームスタート。手番ではタイルを1枚配置して、可能であればそこに騎士を置いて移動させ、最後に山札からタイルを1枚取ります。

タイルには地形が描かれています。「平地」「森林」「山地」「湖」の4種で、「平地」と「森林」には「城」「街」「村」が描かれているものもあります。あるタイルに騎士コマが進入する際には、土地ごとに規定された必要な枚数の騎士コマが無ければなりません。またそこから移動する際にも、そのタイルは規定枚数のコマを残していかなければなりません。

プレイヤーが「城」のあるタイルをプレイした場合にのみ、そのタイル上に最大5枚の騎士コマを配置することが出来ます。騎士コマはそこからタテかヨコ方向へ、一直線に移動することが出来ます。移動に関しては上記の規定を守らなければなりません。あるタイルに別の騎士コマがある時に、そのタイルへ移動する際には、元からあるコマの上に新しく移動して来たコマを配置します。ただし、全ての移動が終了した時点で、タイルには最大で4枚のコマしか存在することは出来ません。

1回の手番で、このプレイを最大で3回まで行うことが出来ます。1~2回で止めても構いません。ただし、最低でも1回は行わなければなりません。もし、配置するタイルが無ければ一時的にゲームから抜けます。全てのプレイヤーのタイルの山が無くなったらゲームは終了します。

「城」「村」「街」上に騎士コマを配置しているプレイヤーは規定の得点を得ます。もし、複数の騎士コマが1枚のタイル上にあれば、最も上にあるコマの持ち主だけが得点を得ます。最大得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

ルールは説明が面倒なくらいで実質的にはシンプルです。が、ゲームはやっぱりカツカツです。特に騎士コマのマネージメントは厳しすぎて疲れるくらいです。4人ゲームの場合、手番が回って来る間に場の状況がかなり変わってしまうので、手番で考える時間はどうしても長くなります。そうするとゲームのテンポが悪くなり、単に辛い時間だけが長引いてしまうことになります。おかげで最後は心身共にへとへとになってしまいました。勝敗よりも終わって良かったって感じ。

悪くはないゲームなんです。ただ4人が適正人数であったかは疑問です。重いゲームを好んでプレイするようなフリーク4人がこのゲームで卓を囲むと、きっとこのセッションのように重苦しい雰囲気になるでしょう。moon Gamer
http://www.ps-hiroshima.com/board/robberknights.htm


John Silver (ジョン・シルバー) / Eggert-Spiele

このメンツでやりたかったのでリクエスト。

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前回セッションのレポートと簡単レビューはこちらのエントリーからどうぞ。せっかくこれだけのメンツが揃ったのだからと僕がリクエストしてエントリー。場のカードの流れが独特で面白いゲームです。

個人的には2回目のセッションでしたが、1回目より何だかよくわからん展開に目が回りました。うーむ。やっぱり疲れていたのかも。カウンティングがかなり重要なゲームですので、とにかく場から取られたカードは出来るだけ覚えていたのですが、それが誰に流れていったのかをうっかり失念してしまい、勝っているプレイヤーを間違える始末。いや、ごめんなさい。

そんな調子で勝てるはずもなく、勝負はさんざんな結果になりましたが、ゲームは面白くて個人的評価は上がったかも。このゲームにしかないユニークな要素があり、それを体験するだけでもプレイする価値はあるかと思います。プレイ時間もそんなに長くありませんし、カードゲームのフリークならものは試しにぜひ一度プレイを。タイプは全然違いますが、特にトリックテイク好きな方におすすめ。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/johnsilver.html


レポートは以上です。

暑い中、遠くから千歳烏山に集まっていただいた方々には心から感謝いたします。こんな環境下でありながら、重いゲームを長い時間にわたって心の底から楽しむことの出来た充実した1日となりました。本当にありがとう。

またぜひ一緒に遊びましょう>参加者各位
お疲れさまでした。moon Gamer