20日(木)は、先月に引き続いて、つくばのおのさん宅で開かれた平日ゲーム会に参加してきました。参加者はおのさんの他、米出さん、Kさん、そして僕の4人です。今回も新作を中心に5点のゲームを遊びました。すでに国内もショップで扱われているタイトルもいくつかあります。

この日は朝から京王線が遅れ気味(車内で急病人が出たそうで)で、危うくTXに乗り遅れるところでした。乗り継ぎで岩本町から秋葉原駅まで小走りしたら、ふくらはぎがつりそうになりましたよ。運動不足もいいところだ…


Filou / 2F-Spiele

ブラフ絡みな競りゲーム。3人。

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Kさんの到着が遅れたので短時間ゲームを3人でプレイ。思惑とブラフが交錯する競りゲーム。

準備では全員が同じ構成のカードを受け取り、そこからランダムに1枚を取り除いてからゲーム開始。手札には「-8」から「15」まで幅広くあって、特殊なカードも2枚あります。

スタートプレイヤーから順に手札から1枚ずつ裏返しにして出し、それを競りにかけます。3人プレイの場合、最初にパスしたら3コイン、2番目にパスすると6コインを受け取ります。

競りの開始時と1人がパスした時点で、場のカードが1枚ずつ表向きにされます。こうして、最後まで残ったプレイヤーがビッドした額を支払って、場のカードをすべて受け取ります。

考える要素はないわけでもありませんが、どちらかといえばパーティゲーム寄りのデザインですね。競り開始時の情報が伏せられているためでもありますが、ブラフっぽい駆け引きが自然発生するあたりは面白いです。けっこう好きかも。
http://www.boardgamegeek.com/game/32125


Giganten der Lüfte / Queen

ダイス振りまくり。3人。

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飛行船の時代がテーマなダイスゲーム。道具や人、技術に資金等を集めて、得点を競います。

手番開始時に、場にカードを1枚補充した後、場の任意のカードを1枚だけ選択します。そのカードを入手するための条件はカードに指定されており、それを自分が振ることが可能なダイスを振って出したら成功。選択したカードを受け取ります。失敗したら「+1」タイルをもらいます。「+1」タイルを使うと、振ったダイスの目を修正できます。

カードは大別して6つのジャンルがあり、ひとつのジャンルで1枚のカードが保有可能です(2枚目の同ジャンルカードを保有したら古いカードは廃棄)。カードには特典があり、例えば振るダイスの数が増えたり、目の数が大きなダイスが振れたり、ダイスの目を有利に補正できるなどです。

大きな飛行船(ヒンデンブルグ?)が完成するか、もっと小さな飛行船の山札が一定枚数以下になったらゲーム終了で、得点の大きなプレイヤーの勝利です。

当日話にものぼったのですが、なんとなく「王への請願(Um Krone und Kragen)」を思い出しました。あちらよりも、終盤までプレイヤー間の勢力差がつきにくくなっているようです。カードはかなり入手しやすく、ダイスゲームによくある一発逆転的なギャンブル性は低めです。
http://www.boardgamegeek.com/game/32116


Hamburgum (ハンブルグ) / Eggert-Spiele moon Gamermoon Gamer

ロンデル三部作(?)の最新版。ここから4人。

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ハンブルグの街で営む行商一家の名声を高めるゲーム。ビール・砂糖・布を作り、それらを船で出航させたり、あるいは売却して建築資材を購入して建物を建てたりしつつ、教会への寄付を行って名声を高めたりします。

アクションの選択は、「古代(Antike)」「インペリアル(Imperial)」でおなじみのロンデルを用います。最初は任意のアクションを選択し、次からは3マスまでコマを移動可能で、4マス以上移動させる場合には1マスにつき1名声点(VP)を支払います(1周してもよい/8マスなので1周すると5名声点の支払い)。実施可能なアクションには以下のようなものがあります。

商品製造(ビール・サトウ・布/各1マスずつ)

生産力だけ該当のコマをもらいます。ゲーム開始時の生産力は「1」です。生産力は商品に対応する製造所(醸造所・サトウ工場・紡績所)を建設することで増加します(ただし、ある商品の製造所が建設されると、売却価格は下落します)。

貿易(2マス)

手持ちの商品を時価で売却するか、あるいは建築資材(材木・レンガ・教会の鐘)の購入が行えます。1アクションで売買はどちらかしか行えません。購入、あるいは売却は複数個・複数種類をまとめて行うことも可能です。
ただし、商品を売却する時には、自分の船を使わなければなりません。1隻の「船」で1種類の商品が売却可能で、その輸送力(1~3)までの個数を扱えます。一方、建築資材の購入は、個数が多くなるほど単価が上昇します。例えば、1個の建築資材を購入した場合のコストは「20」ですが、5個だと「200」になります。

造船所(1マス)

新しい船を造ります(コストは材木1)。新しい船は停泊所の「3」に置きます。停泊所は「1」~「3」のマスがあります。もし、すでに「3」のマスにプレイヤー数と同じ数の船がある時に新しい船が造られた場合、下の数字のマスにすべての船が移動します(『1』の船は所有者のストックへ戻る)。そして、新造船だけが「3」のマスに入ります。
船は、貿易において商品の売却量を決める重要な意味があります。

教会(1マス)

6つある教会のうち、任意のひとつの「寄付」を行います。コストは、建築資材やお金などです。最初のうちは低いのですが、完成が近づくにつれて、だんだんと高くなってきます。 各教会には5枚のタイル(寄付トークン)があり、必要なコストを支払って1回の寄付を行うたびに、そのタイルを獲得し、盤上の対応した教会マス(マップ上)に自分のコマを置きます。各タイルは、それぞれ異なる条件で名声点を得る効果を持ちます。
そして5枚目のタイルが取られると、その教会は「完成」します。最後に教会を完成させたプレイヤーにはボーナス名声点が入り、建築場所の制限がなくなります(後述)。

市庁舎(1マス)

新しい建物を建設します(コストは材木1+レンガ1)。原則として建物は、マップ上の自分が寄付をした教会に隣接するマスか、あるいはすでに自分の建物があるマスに隣接したマスに新設可能です。ただし、教会をひとつでも「完成」させたプレイヤーは、この制限がなくなります。また、建てようとするマスの色と同色の建物しか建設できません。
建物にも各種効果があり、これをうまく利用するとゲームをより有利に進めることができるようになります。

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今期ドイツゲームシーンにおけるフリーク向けゲーム群を象徴する作品のひとつです。ゲームが開始されたら乱数の要素は一切なく、また隠された情報もありません。まさに多人数の完全情報ゲームというわけです。ですから、多くの選択肢を吟味しつつ、綿密な計画と正確な決断を前提とした濃密な駆け引きへの対応力が求められるという、まるでゲーマーズゲームの標本のような内容を持っています。

ルールの分量は一般的なドイツゲームに比べれば若干多いくらいでしょうか。しかしひとつひとつの処理は簡潔かつ明瞭で、個々の要素が相互にどのような関係であるかは、このゲームの対象となっているフリーク層であれば、ルールブックの文面を読めばすぐわかるでしょう。もっとも、この見通しの良さは、ライバルとの競争が厳しくなることに直結しているということでもあります。

初めてプレイしてみて、面白いゲームであることは実感しました(惨敗でしたけど)。序盤において手の作り方はいくつかあって、それらを研究してみる価値はありそうですね。もちろん再戦はどこかで必ず。

※注:ホビージャパン版ルールにおいて、寄付トークンの効果(P5)の上から4番目(下から2番目)の効果は、「いずれかの教会の地区内の~」ではなく、「すべての教会の地区内の~」としてプレイしました。(英文ではなく)ドイツ語ルールではそうなっているそうですし、またその解釈の方が自然です。
http://www.boardgamegeek.com/game/30381


Tribune: Primus Inter Pares (護民官) / Heidelberger Spieleverlag

以下、ゴニンカン禁止。4人

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アクションの任意選択&順次実行形式なカードゲーム。

各ラウンドの開始時、ボードの「エリア」へルールに沿ってカードをランダムに配置します。そしてプレイヤーは5個ずつ自分のコマを持ちます。このコマをスタートプレイヤーから順に1個ずつ、場の定められた地点に配置していきます。配置する場所には1個しかコマを置けません。全員が配置し終わったら、やはり決まった順番にひとつずつ解決します。

ボードは大別して「エリア」と「グループ」に分かれています。エリアは8ヶ所(コマの置き場所は22ヶ所+コイン獲得用エリア2ヶ所)、そのほとんどはカードの獲得のために使います。ただし、解決処理過程でコインを獲得したり、また単にコインだけを獲得するためだけのエリアもあります。また『月桂冠』という勝利条件に関係するコマを入手するエリアもあります。

「グループ」にもコマが置けます。グループは7つあり、これはカードの種類(色)に対応しています。ここにコマ配置したプレイヤーは、そのグループに対応したカードを最初は2枚、それ以後は、現在のグループ支配者よりも(数値または枚数どちらでも)より多くのカードをプレイすることで、新たな支配者となります。

グループの支配者は、初回支配時と、支配を継続することによって特典を得ます。どのような特典かは、グループによって異なります。多くの特典には選択肢があります。例えば、手札を改善するか、あるいは勝利条件のクリアを目指すために必要なものを受け取るかを選択するなどです。

ゲームの目的は、6種ある条件のうち4つをクリアすることです。条件クリアに必要なファクターは、ほとんどがグループを支配することで受けられる複数の特典を組み合わせるか、あるいはそれら支配を繰り返すことでもたらされます。

つまりこのゲームは、グループの支配が重要なのであって、カードはその手段に使われます。ボードの大半をしめるエリアはカードを得るために使われており、それ自体が目的ではありません。とはいえ、だからといって疎かにもできないですし、資産であるコインもきちんと管理しなければなりません。考えどころ、悩みどころは多くあります。

で、このセッションですけれども、やっと中盤あたりかな? とかのんびり構えていたら、米出さんが速攻で勝利条件を4つクリアして終了。な、なんだってー。短縮ルールだったということもありますが、グループの支配と特典の入手状況は互いにチェックして、きちんと牽制し合うようにしないと、このような結果になるというゲームでした。
http://www.boardgamegeek.com/game/30957


Cuba (キューバ) / Eggert-Spiele moon Gamermoon Gamer

農作物と行政、そして立法。4人。

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革命前のキューバを舞台に、農産物や製品を売買し、時には立法府にまで影響を及ぼしながら、村に利益をもたらすことを目指します。

各プレイヤーは、同じ構成である5枚のキャラクターカードを持ちます。これは、手番において行うアクションを指定するカードです。手番になったら、そのラウンドで未使用なキャラクターカードを1枚プレイし、それを実施します。

これを順に、全員が4枚のキャラクターカードを使うまで繰り返します(残り1枚のアクションは行わない)。キャラクターカードには以下のものがあります。

労働者 Worker

自分の農園ボード上で任意のマスに労働者コマを配置します。労働者コマのいるマスも含めて、タテとヨコ方向にある計6マスから産出される農産物と資源を受け取ります。ただし、原則として農産物のマスは最大で2つです。

女性商人 Tradeswoman

市場の商品(農産物と製品)を時価相場で売買することができます。

建築家 Architect

任意の建築タイルを、必要な資源を支払って農園ボード上に配置します。建築タイルが配置されたマスは、その建築物の効果を利用可能になることの代償として、農産物や資源を産出することはなくなります。

職工長 Foreman

建物の効果を使用します。労働者コマのいるタテ列か、あるいはヨコ列方向のどちらかにあるすべての建物を任意の順番で使用するか、あるいは労働者コマの位置に関わらず任意の1つの建物を使用します。

村長 Mayor

港に停泊している船に農産物や商品を出荷することができます。これによって勝利得点を獲得します。船ごとに得点となる商品の種類と個数、それに出荷商品1個ごとの得点が異なります。

moon Gamer moon Gamer

4枚目に使用したキャラクターカードの票数が最も多かったプレイヤーがスタートプレイヤーとなります(キャラクターカードにはそれぞれ、1~5までの『票』が設定されています)。

この後、使用しなかった5枚目のキャラクターカードの票数を基礎票として立法フェイズを開始します。まず、全員が任意の枚数のコインを握って同時公開します。握ったコインはそのまま票に加算されます(買収ですね)。得票数が最大となったプレイヤーは、場に公開されている4枚の法案カードから2枚を法令として選択します。

法令は大別して「税金(一定額の納付)」「関税(商品の納付)」「補助金(条件による勝利点付与)」「その他」の4種があります。法令は立法フェイズで書き換えられる可能性があります。そして場の法令(最大4枚)は、そこにある限り必ずすべて履行されます。

ラウンド終了時には、倉庫に格納されなかった農産物がすべて廃棄されます。そして船が移動し、得点配分が変化します。こうして6ラウンド行って、最も勝利ポイントの高いプレイヤーの勝利となります。

プレイヤーボードのある箱庭系ゲームです。ただし、農産物や資源などが産出される形は固定です。これと産出ルールが足かせとなり、労働者コマをどのように配置しようとも、最大限に効率よく農産物や資源が得られないようになっています。これだけでもかなり悩ましいのに、さらに後からそれらの産出マスを「つぶす」形で建物を建てなければならならないのです。

間違いの無いよう慎重に、何かを無くして、その代償として別の何かを得て、それを積み重ねることで少しずつ得点にしていきます。ゲーマーズゲームの宿命とはいえ、このずーんと重たい雰囲気はなかなかに厳しいものがありました。次にプレイすればもうちょっと上手く…やれるかなぁ… 自信はありませんけれども、面白いゲームだとは思いましたので、とりあえず再戦は必須でしょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/30380


レポートは以上です。

翌日も仕事だったので、残念ながらアフターは遠慮させていただきました。帰りのTXでは爆睡してしまい、危うく終点で降り損ねるところでした。

今回も貴重な機会を与えていただいたことと、自宅を開放していただいたおのさん(とそのご家族)には心から感謝いたします。
そして本日は大変にお疲れさまでした>参加者ご一同様
またぜひお誘いください。moon Gamer