6日(日)は、袋小路の1月例会に参加してきました。この日は「Through the Ages: A Story of Civilization / CzechBoardGames」をメインにプレイするために、つなきさん、taroさん、カエルさん、そして僕の4人がセットで会場に入りました。

「Through the Ages」は、昨年の夏ごろにつなきさんが入手し、徐々にルール翻訳を進め、この1ヶ月ほどで何回かプレイされていることが日記にて報告されていました。以前からこのゲームのプレイ熱望をつばきさんに伝えてありまして、このたびようやくそれが実現した次第です。

僕としてはこの日が今年のゲーム始めでした。そして正月休みの最終日。日が沈むにつれ、乾燥して冷たい空気が肌を刺すよう。会場内は暖房が効いていましたが、床が冷たいらしくて足下が寒く、防寒対策が大変でした。


Through the Ages: A Story of Civilization / CzechBoardGames

国家と歴史の抽象表現。4人。

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それぞれが担当する国家勢力について、古代から近代にかけての文明発展をグローバルな視点で扱ったカードゲームです。ゲームの目的は、Culture Point(文明ポイント=勝利ポイント)を高めることです。

システムの根幹はアクションポイントです。プレイヤー国家の政治体制や獲得した文明の利益によって、自ターンに使用可能なアクションポイント数が決まり、選択可能なアクションをポイントをコストとして消費しつつ実施します。

アクションでは、場に公開されている12枚のカードから1枚を選択したり、手札のカードを使用したり、人口を増やしたり、あるいは新たな農場・鉱山・建築物を作ったりするなどを行えます。

農場、鉱山、それに一般的な建設物に関しては、そのカード上に「人」を表すトークンを配置することで機能します。そして農場や鉱山は生産物を産出し、一般的な建物は科学や満足度等を上昇させます。

「人」や生産物は別々のトークンとして表され、このゲームでは基本的なリソース(資源)として扱われます。これらのリソーストークンはプレイヤーごとに厳密に管理されます。このリソーストークンの正確なマネージメントがこのゲームの大きな特徴になっています。

リソーストークンは、文明の発展に見合わないほど使用しすぎると余分なコストを支払わなければならなかったり、あるいはペナルティが科されます。しかし不足してしまうと、国家のさまざまな機能が不全となり、その基盤を揺るがす危機を招くことになります。

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このような拡大再生産型のゲームにありがちな「トップを止めにくい」という点については、至極単純に直接攻撃が可能というルールを盛り込むことで解決を図っています。これは国家の持つ「軍事力」を基本として、軍事カードを使用することで行使します。

他プレイヤーに軍事力を行使することで、そのプレイヤーのリソースや施設、あるいはリーダー等に損害を与えたり、あるいは奪ったりすることが出来ます。ただし、具体的な軍事行動の内容については、ランダムに獲得した軍事カードの内容に依存します。

これは、軍事力を保有していたとしても、それをうまく使えるとは限らないということでもあります。つまり、強大な軍事力を持つ国家は脅威ではありますが、しかしそれだけで有利になるわけではないわけで、これはなかなか面白い仕掛けです。

一方で、軍事力が極端に少ないことは、それだけで不利であることは認識しなければなりません。仕掛けられた戦闘に対して防御できなければ自国のさまざまな財産が失われるだけだからです。結局のところ、自国を防衛する手段として適度な軍事力を整備しておくことは重要となっています。

また軍事力は、他人を攻撃するだけではなく、新たな領土を獲得(リソースやパラメータの増加等をもたらす)することにも使用されます。軍事力は、それ自体が何をを生むわけではなく、また戦闘のたびに人的資源が浪費されるので、これもまた自国力や他国の軍備状況に見合った規模の維持を、臨機応変にバランスよく整える必要があります。

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初プレイで気がついたのは、これは間違いが許されないタイプのゲームだということです。特に序盤はリソース管理はひとつのミスも許されないほどの辛辣さです。万が一間違えたらは単にそのターン無駄となり、リカバリーをするために次のターンを費やすしかなく、やっとその次で元に戻るかもしれません。当然ながら、その間に他プレイヤーは先に進んでいます。拡大再生産型のゲームで、これは普通に不利になります。

こういうタイプのゲームは好みですが、カードの構成や各種ペナルティの意味等、全体的な流れを感覚的にでも理解した上でないと僕はうまくプレイできないようです。案の定、序盤の終わりくらいでリソース管理に失敗し、そこからリカバリーするのに数ターンを要した時点で勝敗からは脱落しました。

このセッションは3時間半ほどで途中終了しました。Full Game オプションだったので、終了するまで恐らくあと90~120分ほどかかったと思います。これほどの長時間ゲームであるにも関わらず、脱落気味のプレイヤーを救済する手段は皆無(それどころか、不利な状況のプレイヤーにダメージを与えるイベントも多数存在する)なので、これはやはりこのシステムに慣れた人向けのオプションなのでしょう。

とはいえ、同じく初見の taro さんがトップ争いをしていたので、今は単なる負け惜しみでしかありませんけれども…(この人のゲーム的感覚の鋭さはいつ見ても驚異的です)。次の機会があるならぜひチャレンジして、今回よりは上手くプレイすることを目指そうかと思います。それまで評価やインプレッションは保留します。
http://www.boardgamegeek.com/game/25613


レポートは以上です。

今年の初袋小路はこのゲームを堪能することで終わりました。長い期間をかけて準備を行い、そしてこの場を作ってくれたつなきさんには心から感謝いたします。同卓のお二方も長い時間お疲れさまでした。また別の機会にお誘いいただければありがたいです。moon Gamer