16日(土)は、一之江ゲームクラブに参加してきました。

このクラブに関する詳細は mixi コミュニティをどうぞ。

[一之江ゲームクラブ] ※要mixiアカウント

http://mixi.jp/view_community.pl?id=2303630

今回も僕は「蒸気の時代」卓に入りました。相変わらずオリジナルのゲーム本体は海外でも高値が続いているようですが、最近は韓国バージョンが割と安価で入手可能になっているようです(何にせよ海外からの取り寄せになることには変わりありませんけど)。


Age of Steam Expansion - Europe / Bezier Games moon Gamer

拡張マップ「ヨーロッパ」。つなきさん持ち込み。なーんと6人。

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初プレイの拡張マップで6人プレイにチャレンジしました。厳しくもかなり面白いマップです。基本ゲームからの変更点は以下の通りです。

Express Links:

任意のひとつリンクについて、その路線建設コストを2倍支払うことで、プレイヤーは1回だけ「Express Link」を建設することができます。Express Links を建設したら、そのリンク上には自分のコマを2つ重ねて置きます。Express Link を使用すると、そのリンクから得られる収益は(1ではなく)「2」になります。

制御可能な Production ルール:

これがこのマップ最大の変更点です。まずゲーム開始時に Goods Display に商品キューブは並べません。Production を選択したプレイヤーはまず「白」「黒」のサイドを選択し、プレイヤー数と同数のキューブをランダムに引きます。そしてそれをただちに選択したサイドの色の City へ任意の配分で配置します(例えば、ひとつの City へ引いたすべてのキューブを配置しても構いません)。これを他方のサイドについても同様に行います。なお、Production が誰にも選択されないターンは新しい Goods が登場しません。
※2008/08/20 付記
この時は上記のようなインストを受けたのですが、これは違っているとの指摘が掲示板でありました。正しくは、プレイヤー人数分の商品キューブを、Goods Display の白と黒サイドの両方から取り、マップのシティ上へ配置する、というものでした。また、セットアップ時、Goods Display へは通常通りに商品キューブの配置を行います。このレポートは大きく誤ったルールに基づいて記述されていますのでご注意ください。
付記その2:また、このマップは3~5人用マップです。6人には対応していません。

他にも、マップ上にフェリー航路が2本あります。

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このマップは何といっても Production に尽きます。キューブを直接 City に配置可能であるため、最初のターンからいきなり Production を選択することも十分にアリです(というか、それはかなり強力な作戦です)。オリジナルの Production アクションは使い方が難しく、また序盤にはまず使いません。つまりこれは Production の改善策であり、有効な選択肢をひとつ増やすことによってゲームの幅を広げる面白い試みです。そしてそれは成功しているように思いました。良いマップです。

この改変された Production ルールは有益ですが、当然ながらリスクも内包しています。ひとつは、引くキューブはランダムであること、そして置いたキューブを他人の使用される可能性があることです。選択したサイドであればどの City にも配置可能ではありますが、それだけに、できるだけ自分に有利になる配置を考えるのは実に悩ましいです。

この Production ルールは、Express Link との相性が実に良く、これらの相乗効果によって「Europe」は優れた競技性を持つ完成度の高い拡張マップとしてデザインされています。「蒸気の時代」ファンならぜひプレイしてみてください。できれば5~6人で。

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このセッションで最初のターンに Production を選択したのは僕でした。そして実際にこのアクションを実施する段階になって初めて、マップ上へ直接キューブを配置することの強烈なメリットと、その裏返しにある大きなリスクについて認識させられました。これは難しい。そして楽しい。この特異な感覚は基本マップでは味わえないユニークな要素です。

中盤に入りかけの頃、他のプレイヤーによってアムステルダムへ大量にキューブが配置されました。これはキューブを「捨てる(自分は利用しないが他人にも利用させない)」つもりでそうしたようなのですが、それを逆手に取ってうまく利用するルートを発見したのは僥倖でした。しかも Express Link 絡みで。ということで、それまでイタリア方面へ南下する路線を建設する方針を急遽変更して、アムステルダムルートの確保を目指しました。

これが上手くいって中盤までは快調だったのですが、Express Link に頼り過ぎたようで、肝心の Engine Track 数が伸び悩んでしまいました。後から考えると、収支が快調な時点で資金を競りに投入、無理にでも Locomotive を取りに行くことを積極的に目指すべきだったのではないかと思います。しかし目先の利益を優先して路線建設とキューブ運送を続けた結果、終盤になって明らかに輸送力不足が露呈しました。

「蒸気の時代」において、たいていのマップでは最後の2ターンに(できれば5~6リンクで)各2回ずつ荷物を運ぶような形を作っておかないと勝ちきれないものです。ということで、最終ターン開始時に Engine Track が5リンク止まりだったのは致命的でした。結局、序盤の不利な体勢から終盤に猛追したつなきさんの勝利でゲームは終わりました。僕は順位的には2位でしたが、点数的には9点差くらいあったので完敗に近いです。

負けはしましたが、久しぶりに脳髄がしびれるような快楽に酔いしれるゲームを堪能することができました。ゲーム中に気がついた変な作戦も試してみたいですし、ぜひまたこのマップで再戦したいです。
http://www.boardgamegeek.com/game/30930


Ticket to Ride: Nordic Countries / Days of Wonder

北欧諸国限定版。ヴァイスさん持ち込み。3人。

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国内にはほとんど入ってきていないと思われる「乗車券」のスカンジナビアバージョン。このレアアイテムをヴァイスさんが持ち込んでくれたので、帰る予定を急遽変更して卓に入りました。以下、元ゲームとの相違についてです。※2008/07/07 に訂正しました。情報をいただいたたけるべさんに深く感謝いたします。

2~3人用のスタンドアロン:

このゲームは2人か3人でプレイします。拡張ではなく、単独でプレイ可能です。

二重路線:

2点の都市間を直接つなぐ路線2つのことです。「北欧諸国」では二重路線の長さが異なる場合があり、以下の2つのルールが適用されます。

1.同一プレイヤーは二重路線の両方に線路を敷設できない
2.2人プレイでは、片方が使用されると、もう一人のプレイヤーは残る片方に線路を敷設できない

機関車カードの扱い:

これが最も大きな違いです。まず、通常の路線を完成させるために機関車カードをワイルドカードとして使用することができません。機関車カードはフェリーかトンネルを完成させるためにしか使用できないのです。
このように機関車カードが「弱体化」しているため、表向きの列車カードを取る時の機関車カードに関する制限が撤廃されています。つまり、表向きの機関車カードを(通常の列車カードと同様に)2枚取ることが可能です。また、場に機関車カードが3枚公開されたとしても流しません。

トンネル:

「乗車券:ヨーロッパ」とほぼ同一のルールです。

フェリー:

フェリー路線のうち、機関車のシンボルが描かれている部分1つは、機関車カードではないの3枚の列車カード(色もバラバラでよい)を「ワイルドカード」として代用することができます。また機関車カードは、フェリー路線の機関車シンボルがないマスに使用することができます。

例:機関車シンボル2つを含む4マスの青路線があり、手札に機関車カードが1枚と青カードが1枚しかなかったとしても、手札のその他の何のカードでもよいので6枚の列車カードさえあれば、ここに線路を引くことができます。

9マスの路線:

ボードの右上に9マスの路線が1箇所だけあります。色は灰色です。ここに普通に列車を置くには9枚の同色カードが必要です。ただし各マスにつき、4枚の列車カード(色は問わない)を「ワイルドカード」として代用できます(9マス路線のワイルドカードには機関車カードが入っていても構いません)。 この路線だけで点数は27点です。

例:同色9枚の列車カードの他に、同色8枚と何でも3枚(計11枚)、同色7枚と何でも6枚(計13枚)などでも、ここに線路を敷設できます。

ゲーム終了時のボーナス:

ゲーム終了時にチケットカードを最も多く達成したプレイヤーには10点のボーナスが入ります。また、最長路線ボーナスがありません。同点の場合、まずチケットの完遂枚数で判定を行い、それが同じ場合は最長路線数で判定します。

その他、列車カードのデザインもこのバージョンオリジナルで、北国を意識したアートワークが素晴らしいです。

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少人数用のマップらしく都市間の路線数はタイトです。地形も険しく、重要なポイントはほとんどフェリーかトンネルによって阻まれています。このため、自然と激しい競争が引き起こされ、熱い駆け引きが濃密に楽しめるよう工夫された乗車券のバリエーションです。

機関車カードの扱いが変更されているとはいえ、やはり「乗車券」は「乗車券」ですから、その面白さは保証されているようなものです。また、最長路線ボーナスがないので、自分のチケットカードの都合だけでサクサク列車コマを要所に置いていけばいいわけで、結果的にこれはゲームのテンポを早める効果を生み出されていると思いました。

面白いことは面白かったのですが、9マスの路線の扱いについてはやや大味な印象を受けました。豪快に点数が入るので、置けた時にはとても気持ちいいのですけれどもね。 ※2008/07/07 このセッションではこの部分のルールが誤っていたようですので、この一文は取り消します。 ということで、そのおかげで何とか勝利することができました。これは素直にうれしい。プレイタイムはインストを除いて45分くらいだったでしょうか。

貴重なゲームをプレイする機会を与えていただいたヴァイスさんには感謝いたします。面白かったので、またぜひプレイさせてくださいませ。
http://www.boardgamegeek.com/game/31627


レポートは以上です。

当然ながら、他の卓では「18xx」が普通にプレイされていました。そちらに興味がないわけでもありませんが、今やプレイ機会もプレイヤーも少ないのは「蒸気の時代」の方でしょう。今後もできるだけこの火を消さないよう、せめてここだけでも定期的にプレイする場として確保していきたいものです。「蒸気の時代」にご興味のある方は、ぜひ一之江までいらしてください。初心者歓迎です。

本日はどうもお疲れさまでした>関係者各位
次回もまたよろしくお願いいたします。moon Gamer