5日(土)は、池袋で開かれた袋小路の4月例会に行ってきました。参加者は31名といつもよりは少なめでした。でも会場内はゆったりしていてプレイ環境的にはちょうどいい感じ。というか、30人以上参加していながら人少なめって言われちゃうゲームサークルってそんなにないと思いますけどね。

昼間はもう上着がいらないくらいの暖かい陽気の日。花粉症シーズンは中盤を過ぎて終盤に突入中。薬の効きもだいぶ弱まってきてまして、そのわりには副作用は弱まらないという… その影響で少し寝坊しまして、会場へは定刻より30分ほど遅れて入りました。


Freya's Folly (フレイヤの不埒) / Sagacity Games

不埒なフレイヤさんはゲームには出てきません。3人。

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数人のドワーフを率いて、鉱山の中にある宝石を発掘し、それで装飾品を製作することが目的です。

ボード上には宝石があちこちのマスに点在しています。宝石には5色あり、またそれぞれの色で大小の2種があります。プレイヤーにはいくつかのドワーフコマが与えられます(個数はプレイヤー数によって異なる/3人の場合は6個ずつ)。

ドワーフは坑道の中で、最も近い空いているマスに移動します。この時、他のコマ(自分でも他人でも)を2個まで通過することが可能です。これをうまく利用することで、1回の移動でより先のマスに移動することが出来ます。

ドワーフは坑道の中にある宝石を拾いあげて台車に積み込むことが出来ます。ドワーフは、そのマスにある宝石をすべて台車に積むことが出来ます。しかし1個でも宝石が台車にあれば、追加で宝石を積むことが出来ません。いったん坑道から出て、スタート地点であるホームエリアに戻って台車をカラした上で再び坑道に入れば、また宝石を積むことが可能になります。

宝石から宝飾品を作るには台座カードが必要です。台座カードには、それを完成させるために必要な宝石の数・色・大きさと、完成させた時に入る得点、それに未完成時の罰点が書かれています。台座カードは場に8枚公開されていて、アクションを消費することで入手します。

手番では2つのアクションが行えます。上記の移動もアクションです(宝石の積み上げは移動アクションに含まれます)。台座カードを取ること、そして宝飾品を完成させることもアクションです。その他、ドワーフに特殊な能力を付与する支援カードの取得や、フレイヤの祝福を受けるブリーシンガメンカード(フレイヤが身につけるネックレスの材料)を完成させることなどもアクションです。

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意外と多くの要素が盛り込まれているのが特徴のゲームです。ドワーフの移動がパズルっぽくて、デザイナーそのあたりからアイデアを膨らませていったのでしょう。特殊効果のカードがあるものの公開情報ですし、全体的にプレイ感は軽めです。ただ、このセッションは3人でプレイしたため、宝石の争奪戦があまり厳しくなかったからかもしれませんけれども。盤上の宝石の数は固定なので、人数が増えるとまた違う感触になることは容易に想像できます。

よくあるルールを組み合わせたようなゲームですけれども、勝ち筋も終了条件も複数用意されていて、プレイヤー同士の競合性も濃密であり、よくまとまった面白い佳作だと思いました。
http://ejf.cside.ne.jp/review/freyasfolly.html


Keep Cool (キープクール) / Spieltrieb

地球が温暖化しないように自勢力を発展させます。4人。

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世界の主な勢力圏の代表となり、それぞれに設定された経済的、政治的な目標を達成することを目指します。自勢力の発展は経済的な収益増加をもたらしますが、地球環境にとってそれが良いものであるとは限りません。

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右の写真はこのゲームの主役ともいうべきコンポーネント「炭素メーター」です。まずこれについて簡単に説明しましょう。木製の土台に立てられた細長い棒には、真ん中に穴の空いた丸い金属片である「炭素チップ」が何枚も差し込まれています。これがゲーム中に取り外されると、一番上の炭素チップの位置がどんどん下がってきます。

この位置が炭素メーターに描かれた4つのゾーンのどこにあるかによって、現在の地球の温度が決まります。下にいくほど温度が高いという意味になります。炭素チップが減り続け、それがゼロになってしまうと、ゲームは全員敗北という最悪のシナリオで終了してしまうのです。

この「炭素チップ」は、このゲームの唯一の資源であり、また廃棄物や汚染源のようにも扱われます。プレイヤーは資産として炭素チップを持ち、それをストックへ支払うことで、工場の建設や環境対策を行います。

またその一方で、建設済みの工場から炭素チップによって収入を得ます。工場には「黒」と「緑」の2種があり、「緑」工場から収入を得るにストックから炭素チップを受け取るのですが、「黒」工場の収入はなんと炭素メーターから受け取ります。黒工場は地球温暖化を促進するわけです。もちろん建設コストは「黒」工場の方が安価になっています。

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当然のように、炭素メーターをめぐる状況が駆け引きにもなっています。温暖化が進むと、「温室効果カード」によって引き起こされる災害のダメージがより大きくなります。これは先進国である「USA&パートナーズ」や「ヨーロッパ」プレイヤーにとって特に顕著なのです。その一方で、例えば「USA&パートナーズ」はゲーム開始時点で「黒」工場を5個も持っているなど、温暖化の進行もまた彼らの影響が大きく占めています。

これをうまく利用可能なのが「発展途上国」プレイヤーで、彼らは炭素チップ3枚を、ストックから炭素メーターへ、あるいは炭素メーターからストックへ移動させる特殊能力を持ちます。つまり、温暖化を少しだけ改善することも、逆に少しだけ悪化させることも出来るのです。そしてこの能力は、自分のためだけではなく、他プレイヤーに対する交渉材料としても使えます。

「温室効果カード」による災害のダメージは炭素チップによって支払います。もし支払えない時には工場を売却しなければなりません。このダメージを軽減するためには「対策」マーカーを量産することで対応可能です。

余談ですが、この「対策」マーカーの機能が地球の温暖化対策ではなく、単に勢力が被るダメージを軽減するためだけというのは、デザイナーのシニカルな感覚でちょっと面白いです。地球規模の温暖化対策は、あくまでもプレイヤー間の交渉・調整・判断によって行われるのです。それも各勢力の利己的な理由で。

ゲームの目的は、プレイヤーごとに設定された経済的な目的(工場の数/公開情報)と、政治的な目的(カードに記載/非公開)の両方を達成することです。政治的な目標は、盤上全体の工場数や対策マーカー数が対象になり、また目標値であったり最小値であったします(盤上に緑工場が最大6個、等々)。ゲームを通じて交渉は認められているので、秘密の勝利条件をこっそり達成するために他プレイヤーに協力することもしばしばあるでしょう。

「キープクール」は、全体の敗北条件が決まっている中で勝利を目指すタイプのゲームです。環境をテーマにしていますが、抽象度が極めて高いため、あまりそれを意識せずに、軽いバランス・オブ・パワー&交渉ゲームとして楽しむこともできると思います。

温室効果カードの内容については、担当する勢力ごとに大きく異なるので、大ざっぱでもいいのでそれぞれが予め把握しておいた方がいいと思います。それによって、温暖化が進行することへのリスクに対する考え方が勢力ごとにかなり違っているのです。それによって交渉の内容も変わってくるでしょう。

このセッションでは、「USA&パートナーズ」プレイヤーがハードラックに陥り、中盤で早くも黒工場が消滅するという極端な流れに。おかげで温暖化のペースがスローになったのは何の皮肉でしょうか。最終的にはヨーロッパプレイヤーがバランスよく工場を建てまくって勝利しました。
http://www.boardgamegeek.com/game/14698


The Market of Alturien (アルチュリアの市場) / Mayfair Games

どこかで見たような…? 4人。

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盤上を歩き回る客を自分のお店で買い物させるゲーム。これはクラマーの「City(シティ)」をベースにした改訂バージョンです。「シティ」の持ついくつかの問題点が解決されていて、元ゲームが好きなら楽しめる内容だと思います。

盤上にはお客コマが6個あります。お客コマはお店で買い物をするのですが、その消費金額に応じてレベルあります。レベル3が1個、レベル2が2個、レベル1が3個で、レベルが高いほど「上客」です。これらお客コマは中立で誰の物でもありません。

手番ではダイスを1個ふります。出た目だけ、任意のお客コマ1個を移動させます。目は1~5までと、1~3マスまで移動マスを選択可能な目があります。お客コマが止まったマスが、プレイヤーの所有する店の前であれば、そのお客は買い物をします(たとえ他人の店であったとしても)。買い物額は、お客のレベル数に、お店に置かれている売り場コマの数を掛けた金額です。

またこの時、盤上の黒灰色のマスにお客コマがあり、それが自分の店の前であれば、そのお客コマも同様に買い物をします。

お客コマの他に「盗賊」コマも1個あります。お客コマを動かす代わりに、盗賊コマを移動させることもできます。この場合、盗賊コマが止まった店のオーナーは、その店の売り場コマに2を掛けただけお金を支払わなければなりません。

元ゲームの「シティ」と異なり、手番で盗賊コマを移動させたプレイヤーは、もう一度サイコロを振ってコマを移動させることができます。2回目はお客コマでも盗賊コマでも移動可能です。また2回目の移動が終了したらもう追加移動はありません。このルールによって「シティ」よりも盗賊がだいぶ使いやすくなっています。

オリジナルにはない盗賊コマに関するルールとして、「守衛」の存在があります。盗賊コマが盗みを働くたびに、最も資産の少ないプレイヤーは守衛カードを受け取ります。これを持つプレイヤーは、盗賊の被害を受けません。

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移動と収入が終了したら「投資」が行えます。これは、空いている店に自分の売り場コマを置いたり、あるいはすでに売り場コマのある店に追加してコマを置いたりすることです。また売り場コマを別の店に再配置することもできます。もちろんいずれもコストがかかります。1手番では任意の投資を1回だけ行えます。

投資には重要なルールがあって、それは「名声カード」の購入です。名声カードは12コストで購入可能であり、これを3枚(4人プレイ時)買えばそのプレイヤーの勝利となります。このあたりも、単に資金を一定額以上にするだけの「シティ」とは少し異なる勝利条件です。

というのも、名声カードは投資扱いなので、1手番に1枚しか購入することができないのです。一時的に手元に現金が多くあったとしても、それだけで一気に勝利とはなりません。もしかしたら、次の手番が回ってくる前に、盗賊によって手持ち現金を減らされてしまうかもしれません。

もうひとつ「シティ」と大きく異なるのが、上級ルールである特殊効果カード(投資カード)の存在です。売り場コマを+1個扱いにするもの、お客のレベルを+1するもの、ダイス目を+1、ダイス2個を振って1個を選ぶものの4種があります。カードは各種3枚ずつしかないので、4人以上のプレイヤーがいる時の入手は早い者勝ちです。

大した手間でもないので今回は上級ルールを導入しましたが、収入が派手に大きくなって盛り上がり、収束性も高まるのでこれはアリだと思いました。「シティ」は互いにつぶし合いになるとダラダラとゲームが長引く欠点がありましたが、上級ルールを採用した「アルチュリアの市場」ではそんなことは起こらないでしょう。

いずれにせよ、このゲームのルールは80%くらいが「シティ」そのものです。ルールの記述が若干わかりにくいのですが、「シティ」の経験があれば容易に推測できるくらい流用されています。

元の「シティ」が好きな僕はこの「アルチュリアの市場」も楽しくプレイできました。逆に言えば、「シティ」が苦手な人は、このゲームもダメでしょうね。改善されているとはいえ、いくつかの欠点もそのまま引き継いでいるわけですから。

このセッションは、中盤に投資カードを効率的に購入したプレイヤーが、そのまま最後まで逃げ切りました。後半に収入が増えると盗賊による妨害が効果的でなくなり、走り始めたプレイヤーを止めるのが難しくなるので、そうなる前の中盤あたりの競り合いがなかなか熱いです。とにかく終盤は流れるように終わります。
http://www.boardgamegeek.com/game/27800


Lascaux (ラスコー) / Mayfair Games

どこかで見たような…? その2。4人。

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手番になったらコインを場に1個出すかパスをして、パスをするなら場の場のコインを総取りして… という、「ムガル」や「ゲシェンク」のようなメカニクスを持つカードゲームです。ただしカードの入手方法にひとひねりあって、それが奇妙な味を出しています。このタイプのゲームとしてはまた新しいバリエーションが増えたってことですね。

各プレイヤーは、同じ構成からなる6枚のタイルを持ちます。タイルの裏には、6色いずれかの色のついた手のひらが描かれています。この他に、12個ずつの石を持ちます。

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ラウンドの開始時にカードが6~7枚公開されます。カードの中央には動物(全6種)が描かれており、その上下には異なる色(全6色)の手のひらがあります。これを見て、各プレイヤーはどの「色」のカードが欲しいかを、自分の持つタイルから1枚を裏向きにして自分の前に置くことで指定します。

スタートプレイヤーから順に、場に1個の石を出すか、あるいは場の石をすべて取ってパスします。パスをした場合、テーブルの中央に先ほど選択したタイルを置きます。パスをすると、このラウンドにはもう石を出すことは出来なくなります。

次に「パス」をしたプレイヤーは、場の石を取った後に、先ほどパスをしたプレイヤーのタイルの上に自分のタイルを重ねて置きます。以後、後からパスをしたプレイヤーのタイルが上に重なるように場に置きます。

最後に残ったプレイヤーは自分のタイルを公開し、その色の手のひらが含まれるカードを場からすべて獲得します。あとは順に、重ねられたタイルの上から順に公開し、そのタイルの持ち主が、残っているカードから、タイルに指定された色のカードをすべて取っていきます。当然ながら、もう場にその色が含まれるカードがなければカードを獲得できません。

これを山札が無くなるまで繰り返します。最後に、動物の種類ごとに最大枚数を持つプレイヤーを判定します。ある動物のカードを最も多く持つプレイヤーは、自分の持つその動物のカードの枚数を得点として獲得します。また残った石も6個ごとに1点を計上します。最多得点プレイヤーの勝利です。

タイルによる色指定のアイデアがちょっと面白いです。色選ぶのは秘密&同時入札なので、他の誰も欲しがっていない色を指定すれば、先にパスをしたとしてもカードを手に入れられる可能性があります。このセッションでもそういうことが何度か起こりました。

そのため、手持ちの石が少ない時には、場に少なくて誰も取りそうもない色のタイルをあえて指定する「漁夫の利」を狙う作戦も取れます。これは同種タイプの「ムガル」「ゲシェンク」には無かった要素です。

ただ、途中経過が面白いわりには、最終得点計算の処理が単調でちょっと味気ないのが気になりました。わかりやすいといえばわかりやすいのですけれども。
http://www.boardgamegeek.com/game/30932


Adams Ahn (アダムの先祖) / Giseh Verlag

交渉ありのタイル取りゲーム。4人。

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ここで帰宅しようとしたら、見た目がちょっと変わったゲームに誘われたので遊んでみました。積み重ねられた6色のタイルを上から順に取っていって、最多得点を目指します。タイルを取る時に交渉を持ちかけることが出来るのが面白いかも。

交渉と言っても、ルール的には自分の直前の人に対して話を持ちかけるだけです。交渉時にタイルのやり取りをすることも可能です。これは面白い要素だからいいのですが、写真のようにタイルの数は多く(165枚)、1枚取るたびに交渉が発生するのはちょっと煩わしいと感じました。もっとも、交渉が無いと今度は単にタイルを淡々取っていくだけのゲームになってしまうので、それはそれで素っ気ないです。

このセッションでは、ルールを少し変えて、手番プレイヤーが他の全員と交渉や取引が可能であるとしました。交渉時間が長引くこともありますけど、取引条件を多彩に設定できるので、これはこれで面白かったです。ということでゲームの勝敗は2位。終盤まで優位かと思っていたら、いつの間にか僅差で差されてしまっていたようです。残念。
http://sgrk.blog53.fc2.com/blog-date-20071214.html


レポートは以上です。持ち込みゲームが全部消化できて幸せ。この後もゲームに誘われたりしましたが、インストを連続してやったこともあって疲れていたため、申し訳ないですけどこの時点で帰宅することにしました。楽しい1日を過ごせたことに感謝いたします。また次回の例会でお会いしましょう。moon Gamer