moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲームなど、電気を使わないタイプのゲーム)と、その周辺の話題を中心にした記事や写真を広く公開している個人ブログです。

カテゴリ: セッションレポート

Courtier

Goblin King をプレイした 6/15 (土) には、その後に Courtier (コーティアー:宮廷人) / Alderac Entertainment Group もプレイしました。

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本作は 2012年に発売されたゲームで、「都市国家テンペスト」という架空の背景世界を設定に持つシリーズの一作目に位置づけられています。

「テンペスト」シリーズの詳細は公式情報を読んでいただくとして、「コーティアー:宮廷人」の時代背景は近世ヨーロッパに似ており、都市国家テンペストの政体は絶対王政で貴族階層がある、という設定のようです。本作にはその設定に基づき、テンペストの様々な社会階級の人々が多数登場しています。

「コーティアー:宮廷人」のゲームボードには、8つの派閥と、それらに所属する 1 〜数人の宮廷人が描かれています。プレイヤーは手番で、これらの宮廷人の誰かに対して自分の影響力を行使することができます。

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具体的には、プレイヤーが影響カードをプレイすることで、宮廷人ひとりに自分の影響キューブをひとつ置きます。ある宮廷人に対して、最も多くの影響キューブを置いているプレイヤーは、その宮廷人を「支配」します。

宮廷人に影響キューブを配置することには、大きく分けて 2 つの意味があります。

ひとつは、嘆願カードの解決のためです。嘆願カードとは「コーティアー:宮廷人」において最も重要な得点源です。嘆願カードには数人の宮廷人が示されていて、そのすべて支配するなどの条件を満たせば、この嘆願カードを獲得することができます。嘆願カードには数値もあって、それはゲーム終了時に所有者の得点として計上されます。

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もうひとつは、宮廷人が所属する派閥を支配することです。派閥の支配者になると利権(=特殊効果)を得ることができます。8つの派閥はそれぞれ異なる利権を持っています。

そして派閥の支配プレイヤーは、その強力な利権(=特殊効果)を行使することができるのです。しかも、ひとりのプレイヤーが複数の派閥の利権を得ることも可能で、それは決して珍しいことではありません。

とはいえこの利権は、誰かの手にいつまでも収まっていてくれはしません。なぜなら、特殊効果を除いた通常のルール環境下であっても、ボード上の影響キューブは変動しやすくなっているからです。

また、嘆願カードが誰かによって解決されると、ルールによってその嘆願カードに記載された宮廷人に置かれている影響キューブは全て盤上から消失してしまいます。

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いずれにせよ、ボード上で影響キューブの加減が起こるたびに、そこで改めて派閥の支配者が判定しなおされますので、派閥の支配者も頻繁に変わることになります。

特殊効果は利権だけではありません。手番では、影響キューブを配置する影響カードの他に、実力カードと呼ばれる特殊効果カードを使うこともできます。

また、嘆願カードが解決されるたびに、ボードの中央に置かれた「時流の山」と名付けられた山札からカードが 1 枚公開され、そこに書かれたランダムイベントも起こります(時流の山にはゲームクロックとしての役割もあります)。

このように、ランダム要素が大きいことと相まって、カオティックな展開となりやすいゲームだと思いました。

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事前に特殊効果やランダムイベントの内容を精査したり、あるいは繰り返しプレイしたりすることで、もう少し場の制御を上手に行えるようになるのでしょう。

ところで、都市国家テンペストにおいて絶対王政崩壊の序曲となる「マリアンナ王妃逮捕」事件の勃発は、ゲーム的には終了イベントになっています。

そのような事態を引き起こした原因は、本作のテーマでもある「気まぐれな王妃の権力増大と、それを巡る宮廷内の派閥争い」であり、その退廃的な様子をデザイナーが表現したかったのであれば、そもそも本作はそういう性質であるのかもしれません。

さて、この日のセッションで勝利したのはいたるさんでした。僕はといえば、コツコツと積み上げた場が、誰かのひと手番でざっくりと変動する展開になったあたりで勝敗レースから脱落してしまいました。

セッション自体はとても楽しめましたが、利権があちこちで飛び交うようになると場の変動が激しくなり、またカードの引き運によっては対応しようがない状況も多々あることから、勝利するのはなかなか大変なゲームです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/122891/courtier

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ついでにお知らせ。この日のために作成したプレイエイドを BGG に登録しておりますので、よろしければご利用ください。公開した版は、実際にゲームで使用したプレイエイドを改訂したものです。

これについて何か問題を見つけたら、BGG のコメント(日本語で OK)か、この記事のコメント、あるいは Twitter や mixi でご連絡を。

[Japanese Playaid for Courtier]
http://www.boardgamegeek.com/filepage/91796/japanese-playaid-for-courtier

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それからこの日は、さらにもうひとつ、Sushi Go! (スシゴー!) / Adventureland Games も遊びました。

クラウドファンディングサイト Indiegogo で資金調達に成功して制作されたカードゲームだそうです (すいません、あんまりこのあたりの事情に僕は詳しくありません)。これは、近日中に国内ショップでも取り扱われる予定があるそうです。

Sushi Go! は、シンプルなドラフト&セットコレクションなカードゲーム (ドラフト+ラミー系かな?) で、これはとても面白かったです。2 ゲーム遊んで、最初の 1 ゲームは勝ちました。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/133473/sushi-go

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GoblinKing

6/15 (土) に、千歳烏山のゲーム倉庫にて、ふうかさん、かろくさん、いたるさんをお招きして Goblin King / Warfrog Games をプレイしました。

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Goblin King は、世界中のボードゲームフリークたちにとってアンビバレンスなゲームデザイナーであるマーティン・ワレスが、1996年に制作した作品です。

ご存じのように、ワレスは21世紀に入ると極めて存在感の大きなゲームデザイナーとして頭角を現し、作品ごとの完成度や評価に差はあるものの、独自のポジションを確立して多くのファンを生み出しました。

昨今、やや作風が変わってきたような気がしますが、それでもその活動には常に衆目が集まり、カリスマ的な魅力を持つゲームデザイナーとしての地位は、現在でも揺らぎないものとなっています。その彼が、ゲームデザイナーとして活動を始めた初期の段階でデザインされたゲームが本作です。

BoardGameGeek によれば、Goblin King は 100部が制作されたと記述されています。このゲーム本体を入手したのは数年前で、B級SFゲーム分科会のいしださんから、確か3000円くらいの価格で譲り受けました。

しかしながら例によって翻訳は遅々として進まず、入手以来ただの観賞用アイテムとしてゲーム倉庫で深い眠りについていました。今回、それを目覚めさせてくれた王子様はいたるさんでした。

いたるさんがルール翻訳を請け負ってくれたくれたおかげで、この日、若きワレスが作った本作を遊ぶ機会を得ることが出来たというわけです。

いたるさんによる Goblin King のルール抄訳は以下で読めます。
https://docs.google.com/file/d/0BwM2ZXMvwV_3SFhHSHhYQ0lfYjg/edit

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Goblin King のコンポーネントは、簡素で手作り感たっぷりのアートワークで、味があるといえばそう見えなくもありませんが、お世辞にも良好とはいえない出来映えです。

ゲームボードは幾つかのエリアに分割されており、その多くは平地で、他には山地、丘、森のエリアがあります。

各プレイヤーはゴブリンリーダー3体ずつと、それぞれのリーダーに3体ずつのゴブリンを配下に付け、それらを使って人間を襲撃したり、競争相手である他のゴブリンリーダーと争ったり、あるいは共闘したり、時には強制的にそうさせられたりしながら、ステータスを上げていくことを目指します。

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戦闘解決にトランプ(あのハートスペードクラブダイヤのトランプ)を使うあたりは、いかにも自費出版ゲームという造りです。

なにしろこの見た目がこれですから、ゲームデザイナーの名前がワレスでなかったら、僕はこのゲームに興味を持たなかったでしょう。逆にそうだったからこそ、Goblin King には大きな価値と意味があると考えて入手に至ったわけです。

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例えば本作では、戦闘は「対人間」と「対ゴブリン」とで解決方法が異なっており、しかもそれぞれの戦闘結果には勝利・敗北・引き分けがあって、それらも異なる処理になっています。さらに、戦闘が起こった地形や戦闘に参加した人数などでも細かく処理が分岐しています。

そのあか抜けなさはともかくとして、この戦闘ルールの構成は、彼が後年に手がけた Liberte や Empires of the Ancient World などを、どことなく彷彿させるものがあります。他にも、消耗型の手札管理や、硬直的な戦力管理などにも既視感(逆?)がありました。

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このように、ワレスがゲームデザイナーとして歩んできたキャリアのルーツを探りたいと思う熱烈なファンなら、この Goblin King はとても興味深い作品に映るのではないかと思います。

ところで Goblin King にはシビアな印象が漂う背景が設定されています。しかし実際のゲームはそこまで悲壮感は盛り込まれておらず、むしろスラップスティックなノリでポップに仕上げられています。

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ようするに乱数要素が極めて大きくなっていて、そのためにドラマチックだったり、あるいは理不尽すぎる展開が頻繁に起こります。そんな Goblin King を、僕たちはとても楽しむことができました。

このセッションで勝利したのはふうかさんでした。彼女は、戦いで王の地位を奪い取り、それに君臨したリーダーがもたらす特権を (心理面を含めて) 有効に活用することで、不安定な場を押し切って栄冠をつかみ取りました。

Goblin King を実際にプレイして、個人的にはまるでアバロンヒル社の古いファンタジーバトルゲームのような印象を受けました。それをワレスがユーロゲームの手法でアレンジし、簡素でスピーディなゲームとして再構成したような、そんな感じです。

最後になりましたが、洗練されたゲームが多数発売されている今日において、このような古いゲーム遊ぶことに同意し、またその機会を与えてくださった参加者の皆様には、心から感謝いたします。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/8028/goblin-king

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Nieuw Amsterdam

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公私ともに多忙にて、だいぶ前のことになってしまいましたが、4/21 (土) の SGC 例会にて Nieuw Amsterdam (ニューアムステルダム) / White Goblin Games をプレイしました。

せっかくなので、メモ代わりにこのエントリーを投下します。この日は 4 人ゲームで、同卓の全員がこのゲームを初プレイでした。

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ニューアムステルダムは17世紀の、アメリカ大陸がまだ欧州各国の植民地であった時代を背景にしたマンハッタンを舞台にしたゲームです。

プレイヤーはパトロンとなり、現地の土地を整備したり、ニューアムステルダムへ建物を寄贈したり、先住民と取り引きをして動物の毛皮を本国に送ったりすることで勝利点を得ることが目的です。

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入手と利用方法の異なる複数の資源 (リソース) が用意されていたり、インタラクションが薄くてその機会が限定されていたり、個々の手続きは単純ながらも要素がてんこ盛りだったりと、イマドキのフリーク向けっぽい構成のゲームでした。

特殊効果のたぐいが盛り込まれてはいないためでしょうか、ボリューム満点の見た目ほどには濃密さが感じられず、むしろあっさりした印象を持ちました。ゲーマーズゲームであることは確かながらも、その中では軽い方に位置する内容かと思います。

特筆すべきはコンポーネントの素晴らしさ。ニューアムステルダムのアートワークは、実用性も兼ね備えたトップクラスの出来映えです。ボードやコマを見ているだけでもわくわくしますね。

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ところで、この日のセッションは僕は 2 位でした。この規模のゲームを、初見でだいたい意図通りに立ち回ることが出来たこともあってとても楽しめました。

そのうちリプレイしたいものですが、これだけの分量のルールはすぐに忘れてしまいそうです。ですので、まだ覚えているうちに、無いよりはマシ程度のルールサマリーを作ってみました。それを未来の自分のために、このエントリーに置いとくことにします。随時更新… かも?


Nieuw Amsterdam (ニューアムステルダム) ルールサマリー 最終更新 2013-05-28

  • 準備フェイズ
    1. 新着貿易船スロットと新規開拓地スロットを空にして再補充
    2. 先住民交易者用の毛皮スペースの空きスペースへ毛皮タイルを埋める
    3. 現金箱のアクショントークンを再配置
  • 競りフェイズ
    1. まだ列を獲得していない、最も小さな手番順トークンを持つプレイヤー以下を行う
      1. 残っている列をひとつ選択する
      2. その列の最上部へ自分の手番順トークンを置く
      3. 価格を宣言する (ゼロでもよい)
    2. 手番順に、まだ列を獲得していないプレイヤーは、現在価格より高い値をつけるかパスする
    3. 対象の全員が、一度ずつ値付けかパスしたら競りは終了する (一周のみ)
    4. 最高値を付けた落札プレイヤーがその列のアクショントークと手番順トークンを獲得する
    5. 支払いは、全種類の資源を利用可能 (価値はどれも同じ)。
    6. 落札プレイヤーが手番順トークンを持っていたら、それを列を選んだプレイヤーへ渡す
  • アクションフェイズ
    1. 街ステップ
      • 目的:VP
      • 利益:追加アクションの無償化 (最大多数が条件)
      • 関連:事業の維持コスト支払い (食料)
      • 手続:
        • 選択 #1:事業の建設
          • 概要:ニューアムステルダムへ事業 (建物) 配置
          • 支出:建物ごとに木材 1 個
          • 制限:1 手番で建物は 3 つまで
        • 選択 #2:選挙
          • 概要:ニューアムステルダムへ配置した事業の最大数を比較
          • 報酬:VP / エリアごとに単独最大多数で 3 点、単独でない最大多数で 2 点
          • 注意:手番プレイヤーのみ加点
    2. 土地ステップ
      • 目的:VP / 木材入手 / 食料 (定期収入)
      • 関連:事業の維持コスト (食料)
      • 手続:
        • 選択 #1:土地の追加
          • 概要:未整地の土地カード入手
          • 連動:ロングハウスを 1 つ上流へ移動 → 関連:先住民と交易
          • 制限:1 手番で土地入手は 1 枚まで
        • 選択 #2:整地
          • 概要:家が制限いっぱいに建設されている全ての土地を整地
          • 報酬:記載されて木材の総数 / 整地した最も右の土地から VP
    3. 交易ステップ
      • 目的:VP / コイン / 毛皮 / 商品 (定期収入)
      • 手続:
        • 選択 #1:先住民と交易して毛皮を得る
          • 支出:商品 / +食料 (交易所とロングハウスの位置関係による)
          • 報酬:毛皮 (1〜4枚)
        • 選択 #2:毛皮の積み込み
          • 報酬:VP / コイン / 商品 (定期収入)
    4. 特殊アクション
      • 各ステップの自分の手番中であれば任意の時点で 1 回の特殊アクションを行える
      • ステップごとに特殊アクションを1回ずつ行えるので、ラウンドごとに 3 回実行可能
      • アクションタイルを持っていないステップでも実行可能
      • 1 回につき 1 コイン支払う。対応地区の事業所が最大多数 (同数でも) で無償。
      • パスすると 1 コインの収入
      1. 製材所 コインと木材の等価交換
      2. 穀物倉 コインと食料の等価交換
      3. 波止場 倉庫追加
        • 支出:木材
        • 制限:1 つまで
      4. 水車小屋 土地へ家を配置
        • 支出:家 1 軒につき材木 1
        • 制限:3 つまで / 空き家スペースの数が上限
      5. 闇市場 毛皮を得る
        • 支出:1 枚につきコインと商品の組み合わせでコスト 3
        • 制限:3 枚まで
      6. 貿易会社 交易所の移動
        • 支出:木材 1
        • 制限:移動は1アクションで 1 回のみ / 移動先は有効なスペースまで
  • 食料&収入フェイズ
    1. 整地された土地から食料を受け取る
    2. 建設済み事業 1 つにつき食料 1 個を支払う。支払えなければ不足分の事業除去と VP -2
    3. 所有している船カードから商品を受け取る。倉庫のある波止場までしか貯蔵できない。
    4. 事業のある地区 1 つごとに 1 コインの収入。その地区で事業所数が単独多数なら +1 コイン
  • ゲーム終了:6 ラウンドでゲーム終了
    1. 最終選挙:地区ごとに事業所数が単独最大なら 3 VP、同数なら 2VP
    2. 家がすべて建てられている未整地の土地カードが最も右にあれば位置による VP
    3. 余剰毛皮 1 枚につき 1 VP
    4. その他の資源はすべて一緒にして、3 個につき 1 VP
    5. サドンデスなし / タイブレークなし (引き分け)
  • BoardGameGeek : http://www.boardgamegeek.com/boardgame/128898/new-amsterdam
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Full Metal Planete

4/20 (土) に、いたるさん、ふうかさん、かろくさんと僕の4人で、 Full Metal Planete / Ludodelire をプレイしましたのでレポートをお届けします。

moon Gamer

この日、本作をプレイすることになったのは、今年 2 月に初めてお会いしたいたるさんが、ゲーム倉庫の棚に置いてあった Full Metal Planete の箱を見るなり「やりましょう (0.2秒)」と提案されたことが発端です。

ルールをまだ訳していないことを告げると、翻訳もいたるさん自身が請け負うと即座に宣言されました。こうして、彼の並々ならぬ意欲に押される形でこの日のセッションが実現することとなった次第です。

国内で唯一と思われる Full Metal Planete のショートレビューが B級SFゲーム分科会サイトにあります。この記事を初めて読んでからというもの、僕はこのゲームに魅了され、あちこちのツテを頼りに世界中を探し求めて、ようやく入手したのは 2004 年の秋になってからでした。

[フルメタルプラネット / bqsfgage @ bgsfgame]
http://www.os.rim.or.jp/~bqsfgame/sub271.htm
※残念ながら一部のモダンブラウザではレイアウトが乱れるかもしれません。

本作は、公式にはフランスでのみ発売されたようです (1988年)。ですから、箱に入っているルールブックはフランス語のみです (タイトルが Planet ではなくて Planete なのはそういうことです)。幸いにして BGG には、有志によって英語に翻訳されたルールが置いてあります。しかし僕にはどうも敷居が高く思えて、ルールを和訳する作業をずっと後回しにしていました。

というよりも、このメタリックなコンポーネントを眺めているだけで十分に満足してしまい、実際にプレイしようとは考えなかった、と書いた方が正しいかもしれません。やたら広い (と、思い込んでいただけなのですが) ヘクスマップに小さなコマを並べ、ありふれたマルチゲームっぽいウォーゲームをやってしまうことで、Full Metal Planete に対する自分の高揚した感情が害されてしまうような気がしていたのです。

もちろんこれは、ルールをロクに読まず、単に見た目だけの印象で僕が妄想したに過ぎません。この考えが大きな誤りであることを、この日のセッションを経験して思い知らされました。これまでずっと本作のルールを翻訳しなかったこと、それにプレイしようとも思わなかったことのいずれも、心の底から後悔するほどに。Full Metal Planete は、ボードゲーム史にこのまま埋もれさせてしまうには余りにも惜しいと思える名作でした。

moon Gamer

概要:
ゲームの骨格はシンプルです。「鉱石」が豊富に存在するどこかの惑星を舞台にした争奪戦です。各プレイヤーは鉱石を収集し、それを母船まで輸送して積み込むことが当面の (そして得点効率が最も良い) 目的となります。

無防備であることは、この星では決して美徳とはなりません。武力は、この不毛な地において、あらゆる権利を主張するための強い根拠となります。かりそめの協調も時には必要ですが、紳士協定を破ることは勝利という目的を果たすための手段として認められています。

とはいえ、敵ユニットを破壊しても自分の得点には得点に結びつきませんし、自身の損害はそのまま得点の損失となります。しかも時間は限られています。ですからあまり戦ってばかりもいられません。そのプレイヤーの武力を低下させることで、鉱石輸送や防衛体制に深刻な影響を与えることに結びつけば、結果として彼の得点機会を奪うことくらいにはなるでしょう。

第 21 ターンか第 25 ターンのどちらかに、自分の母船へ鉱石と自ユニットをできるだけ積み込んで飛び立つ (ゲームから抜ける) ことができます。全員がそのようにしたらゲームは終了し、最後に得点計算を行って最大得点プレイヤーの勝利となります。

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アクションポイントと制限時間:
Full Metal Planete は、アクションポイント制のゲームです。特別な状況を除いて、基本的に 15 アクションポイント (AP) を持ち、何かひとつのアクションを実施するたびに AP を消費します。

「アクションポイント制」というとダウンタイムがよく問題になりますが、Full Metal Planete は、制限時間ルールを併用することでそれを解消しています。

各プレイヤーは手番ごとに 3 分間の時間が与えられ、その間に自分の望むアクションをできる限り行わなければなりません。この 3 分とは、キッチンタイマーなどで計測する現実の 3 分間です。手番中に 3 分が経過すると、そこで手番は終了します。

ただし、手番で未使用だったアクションポイントは、5 AP か 10 AP だけを次の自分の手番へ持ち越すことができます。余談ですが、これはアクションポイント制ゲームとしては少し珍しいルールかもしれません。この持ち越しルールは、単純に救済策であると同時に、戦術的に重要なオプションともなっています。

ウォーゲームにおいてはリアルタイムの制限時間ルールもまた珍しいルールです。しかもただ珍しいだけではなく、それをより効果的に表現するために周辺ルールが入念に整備されています。これには感心させられました。背景設定を生かしつつ無駄な要素は切り捨て、デザイナーがプレイヤーにこのゲームで何を楽しませたいのか、その意図がくっきりと伝わってくる良質でモダンなデザインとなっています。

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少ない乱数要素:
Full Metal Planete はサイコロを使いません。まさかとは思いますが、がっかりしましたか?

本作に導入されている乱数要素は、1ラウンドごとに (プレイヤーが 4 人なら 4 手番ごとに) ただ1枚のカードを公開して、潮の満ち引きの状態を決定することだけです。それは全体の環境が変化するだけですから、プレイヤーが行動した結果に関与するような性質の要素ではありません。端的に書けば、プレイヤーの手番が開始された後は乱数要素が全くないゲームなのです。

※潮の状態には「通常」「干潮」「満潮」があり、干潮では浅瀬が陸上となり、満潮では沼地が水上となります。通常では、浅瀬は水上で、沼地は陸上です。これを決定する潮カードは 15 枚あって、それぞれの種類のカードが 5 枚ずつあります。

手番でのわずか 3 分間で、プレイヤーは入り組んだパズルを解いていくように多くの判断を行い、そして実施していきます。これはユーロスタイルのゲームをプレイしている感覚に近いものがあります。ゲームの骨格はウォーゲームでも、そこにユーロゲーム的な要素を盛り込むことによってシナジーが生まれ、独特の面白さを表現した作品に仕上がっています。

戦闘ルール:
Full Metal Planete はウォーゲームで、手番が始まったら乱数要素はないと前述しました。では戦闘をどうやって解決するのか、それを簡単に説明してみましょう。

まず、プレイヤーが戦力として利用するユニットは 8 種類あります。これらのユニットは、種類ごとに異なる特性を持っています。このうち、敵ユニットを攻撃する機能を持つのは 4 種類のみです。攻撃能力を持つユニットは「射程」を持ち、離れた敵ユニットを攻撃することができます。

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代表的な攻撃ユニットである「戦車」を例に挙げましょう。「戦車」ユニットは「射程」が「2」です。自分のいるヘクスから 2 ヘクス先の敵ユニットを攻撃することができます。

しかしこのゲームは、攻撃能力を持つユニットがひとつだけでは敵ユニットを攻撃することは出来ません。必ず、攻撃能力を持つ自分の 2 ユニットを組み合わせなければ、攻撃を行うことが出来ません。

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2 個の自ユニットがあり、そのどちらのユニットにも射程内に含まれるヘクスを「射程圏 (Zone of Control = ZOC)」と呼びます。

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そしてこの射程圏にある敵ユニットを目標として攻撃することで、自動的に敵ユニットは破壊されます。

なお、攻撃を実施するには 2 アクションポイントの消費が必要です。

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原則として、敵の射程圏へ自ユニットを移動させることはできません。

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同様に、原則として、自ユニットによって形成された射程圏に、敵ユニットは移動するすることはできません。

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このルールには例外があります。敵ユニットを攻撃して破壊することによって、敵の射程圏が消滅するケースです。

これは言葉で説明するだけではわかりにくいので、右図のような状況を例に説明してみましょう。灰色のユニットは自ユニット、緑色は敵ユニット、ピンクのヘクスは敵の射程圏内です。

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攻撃を成立させるためには 2 個の攻撃ユニットが必要です。まずその 1 個目として自ユニット A を移動させ、目標の敵ユニット X を A の射程 (この例では 2 ヘクス) 内に入れます。

これによって自ユニット A は、敵ユニット X の射程内にも入りましたが、X と Y が形成する敵射程圏には入っていないので問題ありません。

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続いて、攻撃に参加させる 2 個目の自ユニット B を、1 個目の自ユニット A が目標にした敵ユニット X を攻撃目標として、その射程内に入れるよう移動します。

自ユニット B を右図のように移動すると、自ユニット A とのコンビネーションで射程圏が形成され、攻撃目標である X を攻撃することが出来ます。

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このとき、自ユニット B は、敵ユニット X と Y が形成する射程圏に侵入していますが、攻撃目標とした敵ユニット X を攻撃により破壊することで敵射程圏は消滅しますので、ルールによってこの攻撃は成立します。

まとめると、攻撃を行う 2 体目の自ユニットは、その攻撃によって敵ユニットを破壊した後に全ての敵射程圏から外れるのであれば、敵射程圏に侵入してその攻撃を行うことができます。これが敵射程圏内に自ユニットを侵入可能とする唯一のケースです。

以上のように、条件が全て満たされている状況で、攻撃に必要なアクションポイント 2 を消費すれば、攻撃は自動的に成功します。戦闘解決に乱数要素はありません。

無力化と捕獲:
攻撃の他に、敵ユニットに対する干渉として「無力化」ルールがあります。

moon Gamer

無力化は、自分の射程圏に敵ユニットを入れ、アクションポイント 1 を消費することで実施されます。無力化された敵ユニットは移動や射程圏の形成などの機能を失います。一方で、その無力化を実施している自ユニット 2 個も移動することはできなくなります。

無力化したとはいえ、射程圏内にある敵ユニットをわざわざ破壊しないで残しておくのはなぜでしょうか。その理由は幾つかあります。そのうちのひとつが、次に述べる「捕獲」を実施するために行うというケースです。

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「捕獲」とは、敵ユニットを自分のユニットとして支配してしまうことです。これは、攻撃能力を持つ自ユニット 2 個を、敵ユニットに隣接させ、アクションポイント 1 を消費することで実施されます。捕獲したユニットは、その手番中に自ユニットとしてすぐ利用することができます。

ユニットの種類:
前述の通り、Full Metal Planete には、以下のような 8 種類のユニットと鉱石があります。

Mother Ship
moon Gamer 母船 (母艦) です。ゲームは、母船をボード上に配置することで開始されます。母船はボード上を移動せず、自ユニットを無制限に積載することが可能です。3 つの「足」を持ち、その先には射程 2 の「砲塔」を装備しています。砲塔は固定装備ながら、無力化しないという特性を持つ強力な武装です。自分の母船を他プレイヤーに捕獲されるとゲームから脱落します。母船を捕獲するには 3 つの砲塔を全て破壊しなければなりません。

Crab
moon Gamer クラブ。通称「カニ」。クラブは、Full Metal Planete において重要な役割を果たしています。戦車・重戦車・ポンツーン、それに鉱石を 2 つも積載する能力を持っているからです。惑星上での鉱石輸送は、特に序盤から中盤にかけて、クラブが縦横無尽にボード上を駆け巡るでしょう。

Weather Hen
moon Gamer 通称「風見鶏」。あるいは「コンバーター」。風見鶏は2つの役割を持ちます。鉱石 (だけ) を 1 個 (だけ) 搭載して輸送可能なことと、搭載しているその鉱石を使ってクラブ・戦車・ポンツーンへ変換可能なことです。中盤以降は、保有戦車数によって武装しないと数で押されてしまいますので、また、風見鶏は次ターンの潮の満ち引きを知るためにも必要です。

Tank
moon Gamer 「戦車」です。攻撃の中核となる陸上ユニットです。射程 2 を持ち、山地では射程が 3 になります。各プレイヤーはゲーム開始時に戦車を 4 両ずつ保有しており、また風見鶏によって戦車を増産することも出来ます。攻撃と防御いずれにおいても、ゲームの展開に極めて大きな影響をもたらすユニットです。

Heavy Tank
moon Gamer 「重戦車」です。重戦車も戦車と同様に攻撃能力を持つ陸上ユニットです。射程は 3 あります。ただし山地へは移動することができません (重戦車を輸送する時も山地は通過できない)。各プレイヤーは重戦車をゲーム開始時に 1 両ずつ持っています。戦車や巡視船とを組み合わせると強力な布陣となります。

Speed Boat
moon Gamer 通称「船」、あるいは「ボート」。巡視船です。戦車が陸ならボートは射程2を持つ水上の攻撃ユニットです。Full Metal Planete のボードは海の面積がとても広く、また潮が満ちることで更に多くの部分が水上となります。各プレイヤーが保有するボートはわずか 2 隻ながら、行動範囲が広いためにその影響力は大きなものとなるでしょう。

Barge
moon Gamer 「艀 (はしけ)」です。我々の知る艀 (はしけ) は水上をのっそりとけん引されつつ移動する巨大な平底船ですが、この艀には航行能力があります。艀は 2 ヘクス分のサイズを持つ巨大な水上倉庫であり、巡視船と母船を除いた全てのユニットを輸送することが出来ます。積載量も多く、戦車や鉱石なら一度に 4 つも搭載できます。艀は水上ユニットなので、移動は水上に限られます。

Pontoon
moon Gamer ポンツーンです。通称「橋」あるいは「浮橋」。ポンツーンは 1 ヘクスサイズの軍橋として扱われます。ポンツーンが存在するヘクスは、そこに隣接するヘクスが陸上であれば、潮の満ち引きにかかわらず陸上として扱われます。架設したポンツーンは中立であり、それを誰でも利用することができます。また設置されたポンツーンは水上ユニットの移動を妨げます。

Ore
moon Gamer 鉱石です。通称「石」。鉱石を母船へ輸送し、それを持ち帰れば 1 個につき 2 点が得られます。自ユニットを持ち帰っても 1 ユニット 1 点なので、主要な得点源となるでしょう。また風見鶏によって、クラブ・戦車・ポンツーンを生産するための原材料ともなります。

moon Gamer

この日のセッション:
セッションに参加した全員が初プレイでしたので、最初の数ターンは無難に鉱石を黙々と拾い集める静かな展開が続く… のではどうも緊迫感に欠けるような気がしたので、序盤から無駄に波風を立ててみましたw

というのも、まだ手探り状態の第 6 ターンか 第 7 ターン目あたりに、ふうかさんが、艀 (はしけ) を僕の巡視船の航続範囲へ不用心に進入してきたような気がしたからです。それを見た僕はすかさず自分の手番で、その艀を巡視船で攻撃可能かどうかを調べてみました。当然ながら場にはかなりの緊張が走ります。

艀は大量輸送の要です。各プレイヤーは 1 隻ずつしか持たず、しかも再生産が出来ません。これが序盤で破壊されたり捕獲されたりしたら相当な痛手となるのだから緊張するのも当然です。結果的に、潮の状態がたまたま干潮だったこともあって、わずかに巡視船 2 隻の射程圏に艀は届かなかったので何事も起きませんでした。さてこれが満潮ならどうだったでしょうか。

ということで、この"事件"がちょっとばかり刺激になったせいか、その後は少しずつ緊迫した状態が高まっていくことになりました。そしてボード上の鉱石が少なくなってきたあたりで、ついにふうかさんとの本格的な交戦が始まってしまいました。ボード上に鉱石がないのであれば誰かから奪い取るしかないのですから、これはまあ予想された流れでもあります。

戦いが始まってすぐにふうかさんの戦車 1 両を捕獲したまでは良かったのですけれど、その後は間に海を挟んで、それぞれの対岸の山からの砲撃合戦となったために膠着した消耗戦となってしまい、状況は一進一退となります。互いに損害を積み重ねた後、どちらともなく休戦協定が結ばれ、この戦いは gdgd で終結することになりました。結果的にどちらがどれだけ得したのかはよくわかりませんけれども、恐らくは痛み分けだったのではないかと思います。

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一方、いたるさんとかろくさんも、陸と海のかなり広い範囲で交戦状態となっていました。いたるさんが大規模に攻勢を仕掛けてかなり押してしたような気がしたのですが、あるターンにおいて、最後の仕上げとばかりに大きな戦闘を行おうとした直前に無慈悲なタイムアップ!

今回のセッションで 3 分間の時間管理は、いたるさんが用意してくれたストップウォッチのような iPhone アプリを使いました。ゲーム開始時に、このアプリは最後の 10 秒 (5 秒だったかも) で「カウントダウン」する、という説明を僕らはいたるさん受けていました。

で、確かに残り時間が少なくなってカウントダウンが始まると、画面上では少し違ったエフェクトが表示されるようにはなっていましたけれども、予想に反してそれは無音だったのです www

この思わぬいたるさんのミスをきっかけににしてかろくさんが微妙に復活、そのまま戦いはずるずると泥沼化していったような… 面白いゲームだなあ www

その後いろいろありましたが、第 21 ターンでかろくさんと僕は早々に惑星上から母船を撤収、得点が少なかったふうかさんといたるさんは惑星に残ることになりました。

この時点でいたるさんのユニットは、かろくさんと戦いに明け暮れていたためボードのあちこちに散在しており、母船の周囲は手薄になっていました。もちろんこれを見逃すはずがないふうかさんは、大逆転を狙うチャンスとばかりに物量を投入し、いたるさんの母船めがけて進撃をかけ続けました。この激しい戦闘は最終ターンまで繰り広げられることとなります。

※敵の母船を捕獲すると、その船内に備蓄された鉱石や積載物を全て奪える上に、アクションポイントも増加します。一方、母船を奪われた方はゲームから脱落します。

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最後の最後であわや母船が奪われる寸前まで肉薄されたわずかに凌いで、いたるさんの母船は最終第 25 ターンで飛び立つことに成功しました (大きな損害を被ってはいましたけど)。長い戦いはこうして終止符が打たれることとなりました。

ゲーム終了後の得点計算で勝利したのは僕でした。鉱石の収集が多く、ふうかさんとの戦いで何台かの戦車を失う被害が出たものの、それを早めに休戦したおかげで早期撤収を効率よく行えたのが勝因だったかと思います。あのとき、ふうかさんが徹底抗戦の方針を貫いて戦いが長引いていたら、また違った結果になったかもしれませんね。

ルールの和訳:
このエントリーの冒頭に書いたように、Full Metal Planete のルールはいたるさんが和訳されました。それは以下で公開されています。

[Full Metal Planete日本語ルール / 卓游選科]
http://takuyu.blogspot.jp/2013/04/full-metal-planete.html

これから時間をかけて修正されていくとは思いますが、若干の誤字脱字等々がまだ残っているようです (例えばセットアップで各プレイヤーが受け取るボートの数は 1 ではなくて 2 隻です) 。

いたるさんと言えば、日本を代表するボドゲ和訳クリエイター (というようなことがどこかに書いてあったw) のお一人であることはみなさんよくご存じの通り。彼は、本作に複数存在する仏英訳や、有志が作成したオンライン対戦やソフトウェアのマニュアルなどを参考にこの和訳を制作したそうです。

ただ、複数の仏英訳はそれぞれの内容に微妙なゆらぎがあったようで、いたるさんはそのあたりを苦労して調整しつつ和訳を制作したのだそうです。ゲームに対するこの並外れた情熱は、是非とも見習いたいものです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/20/full-metal-planete

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La Loire

3/24 (日) に、地元は千歳烏山で行われたSGC例会に参加し、La Loire (ロワール川) / Mind the Move を遊んできましたので、レビューとレポートをまとめました。

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◆概要
La Loire (ロワール川) は、Emanuele Ornella が 2012年に制作した経済ゲームです。彼は、Oltre Mare (オルトレマーレ / 2004)、Il Principe (君主論 / 2005)、Hermagor (ヘルマゴール / 2006)、Charon Inc (カロン株式会社 / 2010) など、国内でも和訳付きで発売された幾つものゲームを手がけています。

制作ペースは年に1〜2作のようで、そのほとんどはカードとお金を使った内容になっています。La Loire (ロワール川) は、まさしくそういう作品です。

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◆ゲームボード
ゲームボードには、ひとつの対角上に「ナント」と「オーリアン」という2つの都市があります。

2つの都市の間には、ロワール川を挟んで9つずつの村があり、各村はひとつのマスを表します。つまり、都市から都市への距離は10マスであり、ゲームボードには総計20マスがあることになります。

18の村には、それぞれひとつずつ商品のシンボルが描かれています。商品シンボルは木材・チーズ・穀物・ワインがあり、ゲームで扱われるその他の商品としてビールもあります。

◆商人とメッセンジャー
プレイヤーは2つのトークンが与えられます。すなわち「商人」と「メッセンジャー」の2つです。ゲーム開始時に商人トークン(ポーン)はナント、メッセンジャートークン(キューブ)はオーリアンに配置されます。

◆勝利条件
プレイヤーの目的はより多くの勝利点をあげることです。商人は村で商品を購入し、それを都市で売却して現金収入を得ます。商人は都市で建物を建設してメッセンジャーが勝利点を獲得する機会の増加と得点効率を上昇させることができます。メッセンジャーはメッセージを配達することで勝利点や少しばかりの収益を得ます。どちらも新たなキャラクターを雇用して、制約に縛られた移動やアクションの利便性や能率を劇的に改善することができます。

◆移動とアクション
プレイヤーは手番になったら、2つのトークン(商人とメッセンジャー)のうちどちらかを移動させます。その後で動かしたトークンのアクションを行います。そしてもう一方のトークンを移動させて同様にアクションを行います。アクションは任意ですが、移動は必須です。また移動を行った後でなければアクションは行えません。マスの種類ごとに可能なアクションは異なります。また、商人とメッセンジャーでも可能なアクションが異なります。

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◆移動と馬
商人とメッセンジャーは、どちらも馬で移動します。馬は白い円盤トークンで、その上に商人トークンやメッセンジャートークンを乗せる(スタック)と、それらのトークンが馬に乗っていることを表します。

馬トークンは2枚まで重ねることが可能です(注:右写真で馬トークンを3枚重ねているのは特殊効果によるものです)。そして重ねられた馬トークンの枚数+1マスが、トークンが1手番で移動するマス数となります(馬に乗っていない商人とメッセンジャートークンは1マスのみ移動)。

馬に乗って複数のマスを移動する場合、途中のマスで止まることはできません。短い距離を移動したいのであれば、移動開始前に馬の数を調整しておく必要があります。誰も乗っていない馬を自分のスタックに1枚だけ加えたり(ただし馬の枚数はスタックごとに最大2枚)、あるいは馬を移動開始マスに何枚でも置いて移動したりすることが可能です。

商人とメッセンジャートークンは、ある都市(ナントとオーリアン)から出発した後は、次に都市に止まるまでは方向転換が行えません。マスは周回構造になっていますので、例えばナントから出発したトークンが、オーリアンで止まらずに通過したのであれば、そのまま同方向へ進んで、少なくともナントに停止するまでは方向転換を行えません。ちょうど都市に止まったトークンは、次の移動開始時にどちらの方向へも進めます。しかし次に都市にちょうど止まって、そこから移動を開始するまでは方向転換が行えません。

◆商人のアクション
商人とメッセンジャーではアクションの選択肢が異なります。

商人の主な目的は現金収入です。村で商品を購入し、都市で売却して差額をもうけにするのが基本です。しかし、ひとつの村ではひとつの商品しか購入できません。また、木材を除いて1種類の商品は1つしか所有することができません。都市では幾つの商品でも売却できます。商品の価格は市場に示された村の種類ごとに決まります。ある種類の村で商品が購入されますと、その種類の村の価格相場が上昇します。

商人は都市に止まった手番で、商品を売却する代わりに建物を建設したり、ロワール川の勝利点を購入したりできます。いずれにせよ、どれかひとつのアクションしか行えません。

商人が都市から移動するためには、5ドニエ以上保有していなければなりません。そうでなければ、手番で1ドニエを受け取って商人の手番を終了しなければなりません(商人トークンは他に何もできない)。また10ドニエを越える所持金があれば、余剰なお金を捨てて10ドニエにしなければなりません。なお、メッセンジャーにはこれらの制限はありません。

◆メッセンジャーのアクション
メッセンジャーは、都市や自分の建物からメッセージ(手紙?)を受け取って、それを指定された村へ配達することで、主に勝利点を獲得します。メッセージには「レベル」があり、レベル1メッセージの目的地はひとつの村だけです。レベル2メッセージは2つの、レベル2メッセージは3つの村が配達先となり、また特定のキャラクター(後述)を雇用していなければなりません。

レベル1メッセージは獲得できる勝利点が少ない代わりに、わずかに現金収入が得られます(レベル2以上のメッセージは勝利点のみ)。

更に特別なメッセージとして修道院メッセージ(レベル4)があります。これは自分の修道院からのみ購入可能な価値の高いメッセージです。配達先は村ではなく、いずれかの都市(ナントかオーリアン)のみになっています。

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◆特殊効果
「サーカス」がある村ではキャラクターを雇用することができます。これは商人でもメッセンジャーでも可能なアクションです。キャラクターは特殊効果を持ち、その効果はゲーム終了時まで維持されます。

また都市では「宮殿」と総称されている建物が4種類あって、これを商人が購入することで、メッセージ関連で大きな効能を持つ特殊効果が得られます。また「宮殿」は、商人が勝利勝利点を得ることのできる数少ない要素のひとつでもあります。

◆ルールの問題点
残念ながらこのゲームには、幾つかの問題点があることを書かなければなりません。

まずルールブックにはエラッタがあります。面倒なことに、英語とドイツ語のルールブックには、それぞれ別の誤りがあります。
ソース:http://www.boardgamegeek.com/thread/924618/erratas-corrections

  1. 「サーカス」の村で行う商人アクションでは、商品を1ドニエ安く購入するか、キャラクターを雇用するか、そのどちらかだけを行えます。これら2つのアクションをひとつの手番で両方とも行うことはできません(英文ルールのエラッタ)。
  2. 都市(ナントかオーリアン)で行う3つの商人アクション(商品売却・建物建設・ロワール川の勝利点購入)は、ひとつの手番で、それぞれのアクションを任意の順で1回ずつ行えます(ドイツ語ルールのエラッタ)。

また、ゲームボードにエラッタがあるのでは? という情報も見つけました。しかしこれは公式なエラッタとして扱われていませんし、ソース元では伝聞情報としてボードには誤りはないという話になっています。したがって今のところは、現状のままでも構わないと思います(ま、確かに麦畑のような背景にチーズのシンボルってのはヘンテコな気がしますけれども)。
ソース:http://boardgamegeek.com/thread/898961/mistake-on-game-board

もうひとつ。キャラクターカードの「女官(Lady in Waiting)」の効果についてです。「女官」の特殊効果で、2人目のキャラクターを雇用するときに支払う追加コストは、カード上では「+1ドニエ(1の数字が書かれたコイン)」になっています。しかし英文ルールの特殊効果一覧表では「+2ドニエ」となっています。一方で、ドイツ語ルールでは「+1ドニエ」です。この件について、僕はBGGで情報を見つけられませんでした。とりあえず、カード表記を優先して「+1ドニエ」でいいかと思います。なお、ゲームストア・バネスト訳では、そのようなエラッタ対応になっていました。
ソース:http://banesto.shop6.makeshop.jp/board/board.html?code=banesto_board1 「エラッタ情報」番号53の書き込み

※注意:これらのソース(典拠)へのリンクはすべて上記に記載しています。まずはそれらをご自分で確認し、理解するようにしてください。このブログの記事を鵜呑みにしてはいけません。

◆アートワークの問題点
各プレイヤーの2つのトークンが、どこにいてどちらの方向へ向かっているのか、フリーの馬トークンがどこに幾つあるのか、そういった基本的な情報が一目でとてもわかりにくく、ゲームボードの機能性が低いように思えました。馬トークンをスタックして移動するルールは、アイデアとしては良くても、現在の方法ではプレイアビリティが決して良くはありません。アイデアの実装として、他にもっと良い方法はなかったのでしょうか ?

「ロワール川」は、異なる機能を持つ2つのトークン(商人とメッセンジャー)を使ったピック&デリバリーです。その根幹となるトークン移動をこのような煩わしいギミックにしてしまったのはどうしたことでしょうか。見た目を美しくしたかったのは理解できるにしても、それで遊びづらくなってしまったのであれば本末転倒です。

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◆戦略 (初回プレイ後に僕が考えたこと)
キャラクターの特殊効果を獲得することは、ロワール川で勝利するためには必須要素です。また複数のキャラクターを組み合わせて相乗効果を生み出すこともまた重要です。これまで説明してきたように、「ロワール川」には移動やアクションに多くの制約が課せられており、それを少しずつ解除する機能として設定されている特殊効果が多くあるためです。

ですから、キャラクターを雇用する「サーカス」の位置には気を遣いましょう。ルールによってサーカスは何度も移動します。自分の思い通りに移動先をコントロールすることは困難でも、現在の村から移動してしまうだろうということを予測することは可能です。またキャラクターの中には、サーカスに止まりやすくしたり、移動を基本ルールより柔軟に対応可能にしたりする特殊効果を持つものがありますので、その雇用も考えましょう。

また「ロワール川」は、商人で勝利点の機会と効率を増加させ、メッセンジャーでそれを回収するような構造になっているように思えました。商人は、勝利点を直接獲得する手段が少なく、できたとしても効率が悪くなっています(都市に宮殿を作っても4ドニエで2勝利点のみ、ロワール川の勝利点購入も6ドニエか10ドニエ必要)。農場・城・修道院建設で直接勝利点を獲得できないのも、そういう方針でデザインされているためと思われます。

メッセンジャーが配達するメッセージは、レベル1よりもレベル2や3の方が実は早く行えますので、勝利点だけに着目すると、設定数値以上に得点効率が高いです。各プレイヤーの配達可能なメッセージ数は、ゲーム終了条件と絡んで上限があります(4人プレイ時は誰かが8通配達すると終了フラグ)から、低い点数のメッセージを多く運ぶのは、ゲームを早く終わらせたいという意図がない限り、さほど良い作戦とはいえないのではないでしょうか。現金収入を伴うメリットがあるとはいえ、出来れば早めにレベル1メッセージの配達を切り上げて、必要なキャラクターを雇用(徒弟と助っ人)し、いち早くレベル2以上のメッセージ配達を目指す方が効率的だと思いました。

◆セッション
このセッションで勝利したすいせいさんは、実に興味深い作戦を採用していました。ほとんどのキャラクターは雇用すると1勝利点が得られます。しかしキャラクターの購入コストは1〜10ドニエまで様々です。そこですいせいさんは、コスト1ドニエの安価なキャラクターを、サーカスに止まるなど機会があるごとに次々と雇用したのです。特殊効果の活用を目的とした雇用ではありますが、1手番1ドニエで1点が得られるという、コストパフォーマンスが高いという貴重な副産物が結果として付いてくることになりました。

最後に決め手になったのは、配達済みのメッセージの勝利点を上昇させる青キャラクター(購入コスト10ドニエ)でした。すいせいさんはこれを最終手番で雇用し、それまでトップを独走していたプレイヤーをわずかに差しきって逆転勝利を収めたのでした。キャラクターの雇用は1手番で1人しか行えないので効率よく行うのは大変に難しいのですが、すいせいさんは他のキャラクターの特殊効果を活用するなどして、その高いハードルを乗り越えた末につかみ取った勝利だったわけで、本当にお見事でした。


「ロワール川」は、勝利するための道筋が幾つもあり、それを考えている時間はとても楽しかったです。適度な歯ごたえがあって、アイデアだけならユーロスタイルのゲーマーズゲームとしては及第点の作品でしょう。それだけに、エラッタやプレイアビリティの悪さをとても残念に思いました(どうも最近こんなことばかり書いてる気がしないでもありません)。

事前の情報収集が不完全だったため、今回はすべてのエラッタが適用できなかったこともあり、もし次の機会があれば、ぜひとも正確なルールでプレイしたいと思っています。ということで、再戦熱烈希望です。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/130008/la-loire

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Ghooost!
UNGERADE

2013/3/16 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52310776.html

3/16のレポートがずいぶん長くなってしまいましたので、最後にプレイして2つのゲームのことを短く書いてまとめてしまいましょう。


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この日の3つめのゲームは Ghooost! / リチャード・ガーフィールドの「ゴォ〜スト!」日本語版 でした。リチャード・ガーフィールドのゴーアウト系カードゲームです。いたるさんの持ち込みで、僕は未所有です。

って、彼はだいぶ昔にも同じ系統のカードゲームを作っていたような気がしたので調べてみますと、1995年発売の「The Great Dalmuti(グレートダルムチ)」がそれでした。同年には国内でピラミッドゲーム(ピラミッド・カードゲーム)というタイトルで、似たようなカードゲームがアニメージュの付録になってたりしますが、その話はまた別の機会にでもw

インストの途中で魔ゲーム的な香りがぷんぷんと漂ってきたので思わずひっくり返りそうになりましたけれども、遊んでみたらそれほど悪くないじゃありませんか。気軽なパーティゲームとしても、カードの動きを考えながら上手にコントロールするゲーマー的思考を巡らせる素材としてもイケると思いました。

このセッションではかろくさんが勝利。彼はインスト中からこのゲームを楽しんでいましたし、僕も含めて他の人たちにも好感触でした。


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そしてラストは「UNGERADE(アンジェレイド)」。2011年にゲームマーケットで頒布されていたカードゲームです。僕としては2回目のプレイです(前回遊んだのはこのブログをお休みしていた時期だったのでレポートはありません)。

このときの面白かった印象がずっと頭に残っていまして、この日の〆で念願の再プレイにこぎ着けることが出来ました。

ルールの詳細はこちら。
『UNGERADE』: 青い街 [ Aoi Machi ]
http://aoimachi.sblo.jp/category/1280810-1.html

また、TGiW にプレイレポートがあります。
アンジェレイド(Ungerade) - Table Games in the World
http://www.tgiw.info/2011/12/ungerade.html

実はこれも、ゲーム慣れした人ほど「ゴォ〜スト!」と似たような誤解にさらされやすいタイプのゲームで、ルールを読んでも、レポートを読んでも、誰かがプレイしている卓をすぐそばで見ていたとしても、単なる神経衰弱のバリエーションにしか捉えられないでしょう。

実際にプレイしてみればわかるのですが、メモリーゲーム的な要素よりも、ブラフなどの心理戦的な要素や残りカードを類推する要素などがシンプルかつ濃縮的にコーディネイトされており、ミニマルなゲームデザインの優れたサンプルのような作品に仕上がっています。ただ、運の割合は決して少なくはないため、競技指向が強い人とは相性は良くないかもしれません。

残念ながら本作の頒布はもう終了してしまったようです。もしこのゲームをどこかで見かけたら是非ともお試しになってください。

体調が戻り、改めてこのすばらしいゲームを遊ぶ機会が得られ、そして以前と同じように「アンジェレイド」を心の底から楽しめたことに感謝したいと思います。このセッションでは僕が運良く勝利を収めました。


3/16(土)のゲーム会レポートはこれで終わりです。ふうかさん、かろくさん、いたるさん、お疲れさまでした。また是非とも千歳烏山にお立ち寄りくださいませ。

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Locomotive Werks

2013/3/16 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52310082.html

この日、2つ目のゲームは Locomotive Werks (機関車工場) / Winsome Games | Queen Games でした。

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生産数が少なすぎる Winsome Games のプロダクトにありがちな、「気がついたらもう地球のどこでも入手難」な状態となって、すっかり幻のゲームとなっていたわけですが、Queen Games が Kickstarter (またおまえか) でがんばってくれましたので、こうして極東の島国でもようやく遊ぶ機会が得られました。実にすばらしいことです。ゲームの内容がオリジナルとリメイクとで違いがあるかどうかまでは調べていないので不明ですけれど。

国内ではメビウス頒布会で販売されましたので、そのうち一般販売も始まるのではないでしょうか。

◆概要
Locomotive Werks のテーマは19世紀のドイツにおける鉄道機関車の開発史です。プレイヤーは機関車工場の経営者となり、次々と世代交代して市場に登場する機関車を、需要に応じて工場で生産し、それを売却することで、より大きな収益を上げることが目的となります。

プレイヤーはあくまでも工場経営者であって、鉄道ゲームによく見られる線路敷設や株式売買などの鉄道会社経営的要素はありません。

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◆需要
ゲームボードには、様々な機関車が周囲をぐるりと取り囲んでいます。左上の機関車(旅客機関車の第一世代)が、このゲームで最初に登場する機関車です。4人ゲームの場合、全員がこの機関車を「1」だけ生産する工場を持っています。

右の図は、各機関車の世代交代について、ゲームボードのデザイン構成を元に抽象的に表現して作成したものです。

現時点で取り扱い可能な機関車は、ゲームボード上にダイスが配置されている機関車だけです。このダイスは、このラウンドでのその機関車がどれだけの需要を持っているかということと、実際に売却可能な機関車の残余数を表しています。

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◆機関車工場
プレイヤーが保有する機関車工場はカードによって表されています。機関車工場には、カードに記載された機関車を生産する機能(生産能力)を持っています。

生産能力とは、その工場が機関車を製造する生産ラインのようなものです。したがって、ある工場で生産した機関車を出荷し売却したとしても、次のラウンドでその工場はまた生産能力に等しい数の機関車を生産し売却することが可能です。

機関車工場は、プレイヤーが受け取った直後は初期値で「1」の生産能力を持っており、その数字が記されたタイルをカード上に置きます。「1」の生産能力を持つ機関車工場は、あるラウンドにおいて、最大で売却代金に等しい額の収益を上げる可能性があります。

同様に「2」の生産能力を持つ機関車工場は、あるラウンドにおいて、最大で売却代金の2倍に等しい額の収益を上げる可能性があります。以下同様です。

機関車工場の生産能力は、「増設」によって増やすことができます。ただし、生産能力を「+1」するごとに、工場増設コスト(カードに記載されています)の支払いが必要です。

旧式の機関車工場は、より新しい機関車工場に生産ラインをシフトさせることが可能です。シフトするには、新式の機関車工場をプレイヤーが保有していなければなりません。またシフトさせる場合には、工場増設コストの差分を支払う必要があります。生産ラインですので、コストさえ支払えば運用は柔軟に行えるようになっています。

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◆需要と収益
工場で生産した機関車を市場に売却することでプレイヤーは収益を得ます。ですが、市場がいつでも無尽蔵にどんな機関車でも受け入れる、というわけでありません。市場の需要には上限があり、また古い型の機関車は需要が少なくなります。

ゲームボード上の各機関車には2〜4マスの「需要マス」があり、ひとつの需要マスにはひとつのダイスが配置されます(必ずしもすべての需要マスがダイスで埋められるとは限りません)。需要マス上のダイス目が、そのラウンドにおけるその機関車の需要を表します。ダイス目が高い方がたくさん売れるという意味になります。

ある機関車の需要マスに置かれたダイス目の数までは、その種類の機関車工場で生産した機関車を売却が可能です。ダイス目に等しい数の機関車が売却されたら、ダイスは「購入済み」のマスに移動させます。ある機関車工場が、需要を越える生産能力を持っていたとしても、売却可能な上限は需要マス上のダイス目の数までです。

あるプレイヤーが、需要マスのダイス目よりも少ない数の機関車を売却した場合、需要そのものは残ります(ダイス目−売却数=残り需要)。別のプレイヤーが同じ種類の機関車工場を持っていて、まだ生産能力が残っているのであれば、残った需要まではその機関車を売却することが可能です。

つまり需要マスのダイス目は、そのラウンドにおいて、購入済みの機関車工場(同じ機関車工場を複数プレイヤーが所有していることもあります)が売却可能な上限値という意味です。

ひとつの機関車の需要マスに、複数のダイスがある場合の売却については、ルールに従った手順で処理が行われます。詳細は省略しますが簡単にまとめますと、需要マス上のダイス個数が多いほど売却の機会が増加し、ダイス目が大きいほど一度に売却可能な数が多くなります。

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◆世代
ゲームが進行するにつれ、より新しいタイプの機関車が次々と登場します。ゲームボード上で、現時点で最も新しい機関車から時計回りに隣接した位置にある機関車が、次の最先端として登場する機関車です。

機関車には4つの種類があります(旅客・急行・貨物・特殊)。新式の機関車が登場しますと、それと同じ種類で旧式の機関車の需要は下落するようになります。例えば、旅客機関車の第二世代型の機関車がゲームに登場しますと、旧世代となる第一世代型の旅客機関車は需要が落ちていきます。

第三世代型の機関車が登場するようになりますと、同じ種類で二世代古い機関車は新たに購入できなくなります。需要が下落した結果ゼロとなり、市場がなくなってしまった機関車の製造工場は、生産ラインを新しい世代の機関車工場へとシフトさせない限り、もはや利益を生み出すことはありません。

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◆争点
このゲームでは、多くの部分で他プレイヤーとの絡みがあります。しかし関連が密なだけだけであって、競合要素はそれほど多くありません。そのほとんどが機関車を売却する順番に偏在しています。

新規工場の開発は極めてコストが高い設定になっています。新規開発を開始した上で、更に増設まで考慮しますと、所持金にかなりの余裕があるときだけしかこの選択を行えません。無理をして工場を購入しても、十分な利益が出るまでには時間がかかります。このゲームにおいて時間は自分だけではコントロールすることは不可能で、思わぬタイミングで世代交代が一気に進んでしまいますと、利益どころか損害を食らうこともあります。

かといって少ない生産力で工場を自転車操業しているだけでは、時代の最先端の機関車を効率よく生産して収益を上げているプレイヤーに市場の独占を許してしまいます。何をするにしても他プレイヤーの思わくが複雑に絡み合ってきますので、思い通りに進めるのはなかなか難しいゲームです。

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所持金が少なければ、次のラウンドではプレイ順が先になります。そのようなときに、あなたがたっぷり増設した工場の機関車がたまたま大きな需要に恵まれていたのであればチャンス到来です。需要はダイスでランダムに決まりますから正確に読むことはできませんが、自分にとって有利なシチュエーションを思い描きながら計画を立てることくらいはできます。

一方、不運にもそのようなときに世界が不況に波に飲み込まれていたのであれば、頭ひとつ飛び抜けたプレイヤーが収益の要としている市場に介入したり、あるいはその市場を時代遅れにするべく新規開発を推し進めるような行動を取ったりします。どちらにしても現金が必要ですけれど。


この日のセッションでは、ふうかさんが中盤すぎに大きな利益を上げることに成功した後、そのまま順調に業績を伸ばし続けていました。他の3人はそれに対抗するべく、急いで世代交代を推し進めたものの、それを無計画にやっちまったのは性急すぎた行動だったようで、それぞれが十分な収益を上げる前に、まだろくに走ってもいない車両の需要が次々としぼんでいく流れになって自滅したような気がw

中盤までは1ターラーを搾り取るような細かで地味な駆け引きが続いていたのですけれど、それを過ぎたら各自の収益は急速に膨らみ、終盤は1ラウンドで数十どころか3桁に達する大きな収益となって一気に収束しました。

結局、最終ラウンドはふうかさんのウイニングランを眺めているだけだったような。僕の結果は300ターラーちょうどの3位でした。

このゲームはダイスを多用しますが、プレイヤーが収益を上げる経営部分に偶然の要素はありませんので、中盤を過ぎてからある程度の差をつけられると後から追いつくのはかなり難しくなるような気がしました。

初回ゲーム後の感想としては、序盤はほとんどが必然手だけで場が進む作業感が強くて、また終盤の少しばかり大味な展開からしますと、中盤でどうやってゲームメイクするかを考えさせるようなデザインになっているのかなあ、と。

見通しが良くクリーンなシステムはとても気に入りました。今回は何かと悔いの残る展開でしたし、周囲には鉄道ゲーム好きが多いですから、再戦の機会が訪れることを願っています。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/3828/locomotive-werks

※レポートは後日に続きます。次のレポート:http://moon.livedoor.biz/archives/52311074.html

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Express 01

3/16(土)は、地元の千歳烏山はゲーム倉庫にてゲーム会を開きました。いらっしゃったのは、ふうかさん、かろくさん、いたるさんの3人で、僕を入れて計4人でした。この日は2時間級と軽量級を2ゲームずつ計4ゲームを遊びました。例によって、ゲームごとに分割してレポートします。


moon Gamer

◆概要
この日の最初のゲームは Express 01 (エクスプレス01) / Pegasus Spiele でした。鉄道建設と鉄道会社の経営をテーマにしたカードゲームです。

基本ゲームではドイツが舞台となっており、プレイヤーはこの地に鉄道網を建設したり、それらを発展させたりできます。またプレイヤーは投資家でもあり、事業の拡大が見込めそうな鉄道会社の株券を購入し、その会社の運営に携わることで資産の増大をもくろむこともできます。

◆アクション
手番でできることは、「鉄道網の改良して、株券を購入する(あるいはその逆)」「鉄道会社を運用して配当を獲得、プレイ順を変更する」のいずれかです。このような2つのアクションの組み合わせを「アクションセット」といいます。アクションセットに含まれる2つのアクションは、そのどちらかだけを行うこともできます。

「鉄道網の改良」アクションでは、コストを支払うごとに、場のベースカード(初期配置の地図を構成するカード)を線路や駅のカード(まとめて『改良カード』と呼びます)に置き換えたり、既に配置されている改良カードをアップグレードしたりできます。コストを支払う限り、このアクションはひと手番で何回でも行うことができます。

「株券の購入」アクションでは、任意の会社の株券を、コストを支払うことで購入することができます。株券1枚の価格は、ゲームボード上に存在するその鉄道会社の駅数と同じです。

「配当の獲得」アクションは、手番プレイヤーが保有する株券の鉄道会社をひとつ選び、ゲームボード上にある2つの駅間で列車を運行させることで配当金を生み出します。

始点と終点となる2つの駅の距離は、場に公開されている購入済みの株券の枚数で決まります。また、始点と終点の駅の間に別の駅を(前述の距離ルールを遵守する限りにおいて)幾つでも経由することが可能です。多くの駅を通過すれば、払い出される配当も大きくなります。

列車を運行させるルートは、可能な限り配当が最大となるようなルートを選択しなければならず、そのために他の株主と相談することもできます。配当は新たな手札として配布され、株主プレイヤーがそれぞれの株券保有数に応じた枚数を獲得します。

「プレイ順の変更」アクションは、他のプレイヤーとのプレイ順を交換します。このゲームでは、このアクションを用いなければプレイ順が変わることがありません。

◆手札(流動資産)によるコストの支払い
手札は流動的な資産として扱われます。アクションでコストを支払うときには手札から支払います。手札の補充(=流動的な資産を増加させる)は、「配当の獲得」アクションで配当として得るしか方法はありません。

他の誰かの手番で「配当の獲得」アクションが選択され、ある鉄道会社が運用された場合、手番外であってもその鉄道会社の株主であれば、所有している株券の枚数に応じて手札にカードを補充できる可能性があります(なお、配当については例外的な手続きがあって、必ずしもそうならないケースがあります)。

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◆12個の山札
「鉄道網の改良」と「株券の購入」のアクションは、山札から該当するカードを取ることで実施されます。

このとき、山札の上からではなく、任意の山札を選び、その中から自分の望むカードを自由に選ぶことができるのです。このゲームには「山札」が実に 12( ! ) もあって、ルール的に合法であれば、どの山札に中にあるどのカードでも選ぶことができます。

このゲームは、セットアップが終わったらランダムな要素がなくなり、プレイヤーの意思決定のみが場に影響を及ぼします。12 の山札はどれも表向きに置き、必要なタイミングでその中をすべて見ることができます。またコストとして手札から支払われるカードは、任意の山札の上へ表向きに重ねられていきます。

ただし、山札のカードが重ねられている順番を変えることはできません。プレイヤーが任意のカードを山札から選び出すときには、そのカードを山札から単に抜き取ります。そしてゲームが開始されたら、どの山札もシャッフルすることはありません。

◆株券と固定資産
一部の線路カードは株券カードとしても使えるようになっています。しかし、それはどちらかとしてしか扱うことができません。

ゲームボード上に配置されている線路カードに株券カードのシンボルがあっても、それは線路カードとして扱います。逆に誰かの株券となっているカードは、もはやこのゲーム中には線路カードになることはありません(株券を売却するルールはありません)。

株券の価値はプレイヤーの固定資産の大きさを決める主要な要素です。ある1枚の株券は、ゲームボード上に存在するその鉄道会社の色のついた駅数と同価の資産価値を持ちます。例:2つの駅を持つ鉄道会社の株券3枚は資産6の価値を持ちます。

ゲームボード上の駅カードの色は、そのカードをアップグレードすることで変わることがあります。駅が「上書き」されて色が変われば、それを保有する鉄道会社も変わり、該当する鉄道会社の株価は増減し、結果としてプレイヤーの資産も増減します。駅にはどの鉄道会社にも属さない中立的な色(国有鉄道?)もあって、単に株価と資産が下落するだけのこともあります。

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◆戦術
すべての改良カード(線路カードと駅カード)は「ゲームボード上の線路」か「手札(流動資産)」のいずれかになる可能性があります。また前述のように、一部の線路カードは鉄道会社の「株券」ともなります。ある改良カードが、そのどれかとして扱われている間は、その他のどれにもなりません。

これを利用しますと、例えば他人に利用されたくない線路カードを株券として購入してしまうとか、塩漬けの流動資産として手札でずっと握りつぶすことで「ブロック」ができます。これは Express 01 の基本的な戦術のひとつであると言えます。

Express 01 は、新たな駅の建設やアップグレードの制限が緩く、そのために株価(株券の資産価値)の変動を安いコストで簡単に行えます。そのため、ゲーム中に資産価値の大幅な増減が頻繁に発生します。何も対策をしなければ混沌とした濁流に翻弄されるだけから、そうならないための手段のひとつとして、前述のブロック戦術が有効に働くでしょう。

ブロックしたいカードが株券であれば、それを「株券の購入」アクションで購入するだけで目的を完遂できます。株券となる線路カードは、任意の山札の中から自由に選んで購入することができるからです。もっとも、株券カードは線路カードとして重要な地点を構成するようにはなっておらず、また枚数にも限りがあります。そして株券は有償であり、時に高価です(その鉄道会社の駅数と同価)。

ブロック目的のカードが株券ではなく、その他の改良カードで、それがどこかの山札にまだあれば、「鉄道網の改良」アクションでそれを選びとって、鉄道網上の無関係な場所へ配置しておくのも一時的には有効です。もし、このカードを他のプレイヤーがアップグレードして山札の上へ戻ったのであれば、次の自分の手番で「配当の獲得」を行って目的のカードを手札に入れてしまえば良いのです。

もっとも手番が回ってくる前に、他のプレイヤーによってその山札の上に別のカードがかぶせられて、計画が頓挫するかもしれません。このように失敗するリスクはゼロではありませんが、恐らくこれがブロック戦術を実現する最も現実的な方法ではないでしょうか。

あるいは、鉄道網を拡張する際の制限(※)を利用して、どうやってもゲームボード上にブロックしたいカードを配置できないパターンを作り出せるかもしれません。このパズル的な戦術は、150枚を越える線路カード内容を熟知していなければならず、またそうであったとしても難易度は極めて高いと思われます。

※線路カードをゲームボード上に配置する際には、既存の鉄道網を維持しなければならず、またゲームボードの端に対してオープンになる線路は引けません。

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◆キャッシュ・フローの重要性
株券の買い方は大きく2つの方針が考えられます。すなわす、大きな収益の独占を見込んでひとつの会社の株券にのみ集中して買うか、あるいは多くの鉄道会社の株を少しずつ買い集めるかです。

株券は固定資産としてだけではなく、「配当金を獲得」アクションにおいて、運行するルートの最大距離を決める要因でもあります。ある鉄道会社について運行ルートの最大距離は、「配当金を獲得」アクションを選択した手番プレイヤーだけではなく、他の株主が持つ株券の枚数も含めた総数です。

株主が一人だけの鉄道会社を運行すれば利益を独占できますが、長い運行ルートを構築して多大な収益を得るまでには時間と多額の投資が必要です。一方、複数のプレイヤーによる鉄道経営は、より長い運行ルートを安価にすばやく構築することで高い収益を獲得できますが、それは株主ごとに分配されます。

どの方針を選択するにせよ、手札が枯渇しないよう気をつけなければなりません。有償アクションの実施は、配当によって得られる収入にのみ依存しているためです。

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◆デザインコンセプトと問題点
運要素を取り除いた鉄道ゲームといえば「18xx」シリーズが思い浮かびます。鉄道網のアップグレードや鉄道会社の運用と株の仕手戦等々、Express 01 がこの 18xx シリーズに強く影響を受けていることは一目瞭然です。

その上で、流動的な資産を手札で表現したり、株価を駅数と同じにしたり、1枚のカードに複数の機能を持たせる等々から、18xx においてリアルであっても煩雑な要素をできるだけ抽象化し、よりプレイアブルなゲームにしようとしたデザイナーの意図がくみ取れます。

その意欲的な試みは大変に意義のあることです。しかしその構想の実装は、洗練されているとはとても言えない点が幾つかありました。

共有の山札が 12 もあるのは、それぞれのデッキコントロールをプレイヤー同士の争点として戦略の要に組み込み、また目的のカードを探し出しやすくするための工夫としては理解できます。しかし前者は、山札ごとのカード構成をある程度は事前に把握していないと活用できませんし、後者はカード上のシンボルがわかりにくくて結局は十分な効果が得られてはいないように思えました。

ルールブックには(原文から)不明確な点が多くあり、それを解決するために BGG のお世話になりました。とはいえ、そこにはどうやら公式な裁定はなく、知り得た情報はあくまでもアンオフィシャルです。ルールブックから得られる(不完全な)情報が現在のところ唯一の公式情報のようです。

ついでにいいますと、僕の購入した Express 01 に添付されていたショップ訳がちょっとひどい出来ばえで、これが正しいルールの理解に対する障害にもなりました。このゲーム会では HJ 訳を見せてもらったのですが、こちらはざっと眺めただけでも訳文や編集がしっかりしているように見えました。

◆セッションと初回プレイ後の評価
幾つもの問題点を書いてしまいましたが、Express 01 が評価に値しない駄作であると僕は言いたいわけではありません。それどころか、初めてプレイした直後も、そしてこれを書いている今も、このゲームの印象は決して悪くはないのです。

今回のセッションでは、序盤〜中盤までは複数山札サーチという独特のシステムを把握するのが精一杯だったこともあり、勝ち筋を考えるまでとても気が回りませんでした。ともかくも、流動資産のキャッシュ・フローが重要だとまず仮定した上で、中盤までは多数の会社の株券を少しずつ購入し、どのような展開になっても運転資金が枯渇しないように気を使いました。

この方針では、流動資産は主に株券の購入に費やされるため、ゲームボードで改良カードを配置することは必要最小限に抑えるようにし、また配当も他の株主にやってもらうようにしました。

中盤過ぎになってようやくゲームの要点がわかり始めますと、それまでの手探り状態から一転してセッションが熱く盛り上がり始めました。特に、ここまで何度も書いた「カードを握りつぶす(ブロック)」戦術の効果がわかりやすく現れる終盤は大変に面白かったです。

コストさえ支払い続ければ「鉄道網の改良」アクションによって改良カードの配置やアップグレードを一手番で何度でも行えるため、流動資産が増加する終盤になるほど、鉄道会社が保有する駅数の変動幅が大きくなり、株券の資産価値もそれに伴って劇的に変わります。

ですから、終了条件が満たされていた最終ラウンドでは、後手番のプレイヤーの方が場の操作をしやすくなるので優位となります(もちろん、それを行うための流動資産を持っていることが前提です)。

それらを踏まえた上で、キーとなる駅カードの色を変更させられないよう、ゲームが終わるまでにそれを手札にできるだけ多く抱えておくことが勝ち切るために重要な戦術となるのです。その駆け引きの妙を終盤だけでも味わえたのは幸運でした。

初めてプレイした後の感想として、鉄道ゲームとしては水準を十分に超えた作品だと感じました。それだけに、カードの枚数もシンボルデザインも整理しきれていないためプレイアブルではないことと、ルールに不明確な点がいくつもあったという、入り口の狭さをとても残念に思います。

最後に今回のセッションの結果について。ゲーム終了時、ふうかさんと僕とが資金総額で同額となり、株券の枚数が多かった僕が勝利となりました。ふうかさんは序盤から特定の鉄道会社に資金を集中投下し、ゲームボードでは改良を積極的に行うという、僕とは正反対の積極的なアクションを主体にした戦略で利潤を追求していました。

異なる2つの戦略を取ったプレイヤーたちが、そのどちらも資産総額でトップだったということです。これはとても興味深い結果だとは思いませんか。もちろんただの偶然かもしれませんけれど、ひょっとしてこれは Express 01 が優れた戦略ゲームであることの傍証くらいにはなるかもしれませんよ?(まだ1回しかプレイしていないので、この主張は控えめにしておきましょう)。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/127798/express-01

※レポートは後日に続きます。次のレポート:http://moon.livedoor.biz/archives/52310776.html

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Legacy: Gears of Time
Legacy: Gears of Time
Legacy: Gears of Time
Legacy: Gears of Time

2/16(土)には、地元は千歳烏山ゲーム倉庫にてゲーム会を開きました。いらっしゃったのは、ふうかさん、かろくさん、いたるさんの御三人。この日、いたるさんとは初対面でした(僕はテンデイズテレビで何回か見ておりましたので、そんな感じはまるでしませんでしたけどw)。


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この日最初のゲームは Keywood / R&D Games で、セッションはしびれるくらいに面白くて大好評だったのですが… 後日ルールを読みなおしてみたら、村ごとの家の数を間違えていました。

正しくは商人の家2軒+農家6軒のところを商人の家2軒+農家4軒としてしまい、ただでさえ厳しい環境のゲームがさらに厳しくまるで人狼を彷彿させる吊し上げ合戦と化し、イギリスの地方都市というより横溝正史の世界へ突入していたという…

3年前にプレイしたときと印象が違いすぎるので何か妙な感じはしていましたし、ゲーム中もそんなことを何度も口走っていたのですけれど、そりゃ当たり前ですね

何の言い訳にもなりませんが、この誤ったルールでものすごく面白かったんですよマジで。とはいえ、それでゲームの印象を書いたり、たくさんの写真を公開したりするのもどうかと思いますので、別の機会に正しいルールでプレイしてからにしたいと思います。


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2ゲーム目は Legacy: Gears of Time / Floodgate Games をエントリーしました。このところすっかりおなじみの Kickstarter にて、見事に資金調達ゴールしたプロジェクト発のオリジナルカードゲームです。テーマはタイムトラベルと歴史改ざん(?)。アートワークが好みではなかったこともあって、僕はこのプロジェクトには Back していませんでした。

ゲーム本体は制作元サイトの直販から僕は購入しましたが、どうやら現在は海外の一部ショップでも販売されているようですね。有難いことに有志が作成した日本語ルールやリファレンスも公開されていますので、今回はそれらを活用することができました。

事前のルール把握に少し手間取った(公開訳の問題ではなく、原文ルールに問題ありまくりです)ものの、このゲームをプレイ経験があるいたるさんのおかげで、ルールの不明点はこのセッションでほぼ解消しました。何にせよ、BGG のフォーラムはあらかじめ読んでおいた方がいいと思います(特に何枚かの Fate カード関連 FAQ は必読です)。

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このセッションでは、たまたまめぐり合わせが良かったおかげで勝利をおさめることができました。僕が初見のゲームでこんな結果になるとは珍しいこともあったものです。

昨年は国内でも主に意識の高いゲーマーさんたちによってこのゲームがプレイされまくったようで、そのレポートやツイートなどを読むと評価も上々。知人からもべた褒めに近い評価を口頭で聞いています。よくあることですが、そうやって期待しすぎたゲームの評価は往々にしてパッとしないものです。

ですが、Legacy: Gears of Time はすばらしいアイデアに満ちていました。

得点源となるテクノロジーカードをタイムフレームへ配置するために、プレイヤーは原則として過去に遡ることしかできません。4つのターンから構成されるひとつのラウンドが終了した後でプレイヤーは現代へ戻って新しいラウンド始まり、また過去への時間旅行を始めることになります(ゲームは全4ラウンド)。

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未来のテクノロジーは高得点ながら不安定で、いくつもの基礎的なテクノロジーが過去に成立していなげれば消滅してしまう儚い存在です。つまり、あるラウンドで過去に遡ってしまうと、このラウンドでは、それより未来のテクノロジーを操作することができなくなるのです。

ラウンドが終われば再び現代に戻りますが、油断していると誰かに自分が成立させたテクノロジーを奪われてしまうかもしれません。あるいは、それと同じテクノロジーがもっと前の時代に成立する歴史が明らかになって消滅してしまうかもしれません。歴史はかくも脆く、危ういバランスで成り立っていたというわけです。

なお、明らかな欠点もいくつか見受けられました。見通しの悪さ(テクノロジー依存関係とテキストの読みづらさ)、運命カード(Fate Card)の不明瞭で強力すぎる効果、それに強調されすぎなインタラクション性が気になりました。ああ、それとアートワーク。基本的なアイデアはとても良いのに、細部の調整は雑に感じられました(もっとも、これは Legacy: Gears of Time だけに限ったことではなく、アイデアとプレゼンテーション勝負の Kickstarter 発のゲーム全体を通しての傾向でもあります)。

せっかく海外からこうして取り寄せてまで購入したのですし、ルールもほぼ把握できましたので、もう何回か遊んでみたいですね。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/119781/legacy-gears-of-time


ゲーム会のレポートは以上です。
長い時間おつきあいいただきまして、ありがとうございました。>参加者のみなさん
またぜひおいでくださいませ。

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Cite
Siberia

2013/1/12 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52299723.html

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本日2ゲーム目は Ginkgopolis (銀杏都市) / Pearl Games です。通算2ゲーム目で前回レポートはこちらのエントリーをどうぞ。

ところで前回に読んだ和訳ルールにエラッタ(リンク先で52番の記事)がありまして… まーこれはよくあることですので気にしない。とにかく正しいルールでもう一回やりましょうというふうかさんの強いご希望により今回の仕切り直しとなったのでした。

ルールについては上記の他にも、スタートプレイヤーカードは毎ラウンドドラフトする(スタートプレイヤーはラウンドごとに変わる)ことが改めて確認されました(バネストさんの和訳ではそこが少しわかりにくかったので)。

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僕はといえば、前回は混乱しまくったルールを事前に熟読しまして、把握しきれなかったタイルやリソースの動きをひとつひとつ機械的に暗記することで準備してきました。本作の魅力的なテーマは、自分にとってルール理解を阻害する要素でしかなかったので、とにかくシステムに集中して丸暗記を。

が、この程度のことでは連日ゲームやってる人たち相手にかなうはずもなく、勝敗的にはやっぱりお話になりませんでした。ははは。結局、なんで負けたのか、なんで相手が勝ったのかよくわからなかったなー…。手間をかけただけで前回と同じことになるとは。とほほ。

タイルがランダム引きなんですけれども、ある程度はコントロール可能なカードとのミスマッチが続いた時、いったいどうしたらいいんでしょうねえ。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/128271/ginkgopolis


moon Gamer

そして〆は、同じく我らがふうかさんのリクエストで Ekonos (エコノス) / Ludic をエントリー。調べてみたら、僕が最後にプレイしたのは2006年の秋でした。

「エコノス」は、スペインのデザイン会社が制作した経済ゲームで、余分な要素をざっくり削った見た目にもスタリッシュな作品です。このブログの検索窓に「エコノス」って入力すると、いくつか記事が出てきますよ。

手番で、まず手札のカードを1枚プレイします。それによって、マップ上で会社のコマが増加したり、乗っ取りを防御したり、会社が成長したり、成長した結果としてその会社のコマが増えたり他社のコマを乗っ取ることができます。その後で、任意の会社の株の売買を1枚ずつ行ったら手番終了。

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だいたいそんな感じで、和訳ルールはA5サイズでたったの2ページ。システムはあっさりというかものすごく淡白です。その代わりに縛りが少ないので交渉やブラフその他は好きなようにやっちゃえばいいと思います。

というかそうしないと、単なるスヌーピーゲーム(配られたカードで勝負するしかないのさ、的な何か)になりますね、このゲームは。

ところで販売会社のサイトはまだあるし、どうもまだ本作は売ってるような気がするのですが、実際にところはよくわかりませんでした。

正直なところ頻繁に引っ張りだすようなゲームとも思えないのですが、捨ておくにも忍びない作品です。また6年後くらいに僕は、こうしてセッションレポートをこのブログで書いてるかもしれません。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/15069/ekonos


この日のゲーム会はこれで終了しました。この後は恒例のお菓子&おしゃべりタイムなひとときを過ごしました。今回も本当にお疲れさまでした。楽しい1日をありがとう。またぜひいらしてください。お待ちしております>お三方

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