2013/1/3 のレポートの続きです。前回レポート : http://moon.livedoor.biz/archives/52297575.html
この日の2ゲーム目は Ginkgopolis (銀杏都市) / Pearl Games。舞台は23世紀。天然資源が枯渇しつつあるこの世界で、資源を節約しながら都市を建設したり拡張したりするゲームです。「銀杏都市」で扱われる「都市」はひとつだけで、それは卓上のタイルによって表現されます。最初は3x3枚を敷き詰めた形状ですが、これがゲームが進むに連れて周囲に面積が広がり(拡張)、またタイルが積み重なって高くなります(増築)。
この「都市」の周辺部を拡張したり、あるいはタイルを増築するには、相応のリソースと対応するカード、状況によっては勝利得点の支払いが必要です。リソースはプレイヤーごと色分けされており、タイルを配置したプレイヤーは、自分の色のリソースをそのタイルの上に置きます。つまり、タイル上のリソースコマは、そのタイルの所有者を表しています。
ではなぜタイルを所有する必要があるのでしょうか? それは、タイルを所有することで、得点を獲得する「可能性」が生じるからです。
タイルはひとつの「色」を持っています。同色のタイルがタテ・ヨコに隣接することで「区画」を形成します。ゲーム終了時に、都市に存在するそれぞれの区画において、最もリソースコマを配置しているプレイヤーは多くの得点を得ます(第2位のプレイヤーも得点を得ます)。いわゆるエリアマジョリティってやつですね。
では、一度タイルへ配置した自分のリソースコマはずっと安泰なのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。あるタイルの所有者は、ゲーム中に変わる可能性があり、場の状況は最後まで流動的です。
これらの事柄はカードのドラフトや特殊効果などにも縦横無尽に紐付けされています。まるで寄木細工のように、コンパクトに多くの要素が詰め込まれた密度の濃い内容の作品で、それが「銀杏都市」の大きな特徴になっています。
スタイリッシュなアートワークとは裏腹に、ユーロスタイルなゲームにしては珍しいくらいの直接攻撃要素があり、運の比率も決して低くはないので、そのようなゲームであるというプレイヤー全員が事前に理解している必要があるかと思います。
この日のゲームで僕は、変則的なシステムの理解にまず苦しみ、勝敗的にはまるでお話にならずに終わりました。いくつかのルールは都市建設というテーマからかけ離れていて不可解であり、そこから生み出される相互作用も直感的にわかりにくかったのです。しかし、このエントリを書くためにルールブックを読みなおしてみたら、それらはとても理にかなった処理であることがやっと理解できました。
なので、僕のように物覚えが悪い人のために、初回プレイ時は序盤だけ練習してから本番、という流れをぜひご検討くださいませww>物覚えの良い方々
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/128271/ginkgopolis