moon Gamer - ボードゲームブログ

テーブルゲーム(ボードゲームやカードゲーム等々)と、その周辺の話題を中心にした個人ブログです。

◆ お知らせ ◆ (2024/12/28)
今後はnoteで執筆することにしました。
moon Gamer|note
https://note.com/moongamer
※これまで同様に、記事の投稿は不定期で頻度も低めです。

ライブドアブログが続く限り、このブログは現状のまま維持します。
このブログに新しい記事を追加する予定はありません。

これまでありがとうございました。
新しい環境で、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

Legends of Andor

Legends of Andor (アンドールの伝説) は、2013年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞したゲームです。この記事を書いている時点では未発売ですが、近日中に日本語版が発売される予定もあるようです。

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先日、「アンドールの伝説」の英語版を購入し、ショップ添付の和訳ルールを元に、6月のSGC例会にてプレイしました。

それは、エキスパートゲーム大賞ノミネートにふさわしい、充実した内容のゲームで、一緒にプレイしたメンバー共々、楽しい時間を過ごすことができました(※6月の時点では受賞発表前)。

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Courtier

Goblin King をプレイした 6/15 (土) には、その後に Courtier (コーティアー:宮廷人) / Alderac Entertainment Group もプレイしました。

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本作は 2012年に発売されたゲームで、「都市国家テンペスト」という架空の背景世界を設定に持つシリーズの一作目に位置づけられています。

「テンペスト」シリーズの詳細は公式情報を読んでいただくとして、「コーティアー:宮廷人」の時代背景は近世ヨーロッパに似ており、都市国家テンペストの政体は絶対王政で貴族階層がある、という設定のようです。本作にはその設定に基づき、テンペストの様々な社会階級の人々が多数登場しています。

「コーティアー:宮廷人」のゲームボードには、8つの派閥と、それらに所属する 1 〜数人の宮廷人が描かれています。プレイヤーは手番で、これらの宮廷人の誰かに対して自分の影響力を行使することができます。

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具体的には、プレイヤーが影響カードをプレイすることで、宮廷人ひとりに自分の影響キューブをひとつ置きます。ある宮廷人に対して、最も多くの影響キューブを置いているプレイヤーは、その宮廷人を「支配」します。

宮廷人に影響キューブを配置することには、大きく分けて 2 つの意味があります。

ひとつは、嘆願カードの解決のためです。嘆願カードとは「コーティアー:宮廷人」において最も重要な得点源です。嘆願カードには数人の宮廷人が示されていて、そのすべて支配するなどの条件を満たせば、この嘆願カードを獲得することができます。嘆願カードには数値もあって、それはゲーム終了時に所有者の得点として計上されます。

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もうひとつは、宮廷人が所属する派閥を支配することです。派閥の支配者になると利権(=特殊効果)を得ることができます。8つの派閥はそれぞれ異なる利権を持っています。

そして派閥の支配プレイヤーは、その強力な利権(=特殊効果)を行使することができるのです。しかも、ひとりのプレイヤーが複数の派閥の利権を得ることも可能で、それは決して珍しいことではありません。

とはいえこの利権は、誰かの手にいつまでも収まっていてくれはしません。なぜなら、特殊効果を除いた通常のルール環境下であっても、ボード上の影響キューブは変動しやすくなっているからです。

また、嘆願カードが誰かによって解決されると、ルールによってその嘆願カードに記載された宮廷人に置かれている影響キューブは全て盤上から消失してしまいます。

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いずれにせよ、ボード上で影響キューブの加減が起こるたびに、そこで改めて派閥の支配者が判定しなおされますので、派閥の支配者も頻繁に変わることになります。

特殊効果は利権だけではありません。手番では、影響キューブを配置する影響カードの他に、実力カードと呼ばれる特殊効果カードを使うこともできます。

また、嘆願カードが解決されるたびに、ボードの中央に置かれた「時流の山」と名付けられた山札からカードが 1 枚公開され、そこに書かれたランダムイベントも起こります(時流の山にはゲームクロックとしての役割もあります)。

このように、ランダム要素が大きいことと相まって、カオティックな展開となりやすいゲームだと思いました。

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事前に特殊効果やランダムイベントの内容を精査したり、あるいは繰り返しプレイしたりすることで、もう少し場の制御を上手に行えるようになるのでしょう。

ところで、都市国家テンペストにおいて絶対王政崩壊の序曲となる「マリアンナ王妃逮捕」事件の勃発は、ゲーム的には終了イベントになっています。

そのような事態を引き起こした原因は、本作のテーマでもある「気まぐれな王妃の権力増大と、それを巡る宮廷内の派閥争い」であり、その退廃的な様子をデザイナーが表現したかったのであれば、そもそも本作はそういう性質であるのかもしれません。

さて、この日のセッションで勝利したのはいたるさんでした。僕はといえば、コツコツと積み上げた場が、誰かのひと手番でざっくりと変動する展開になったあたりで勝敗レースから脱落してしまいました。

セッション自体はとても楽しめましたが、利権があちこちで飛び交うようになると場の変動が激しくなり、またカードの引き運によっては対応しようがない状況も多々あることから、勝利するのはなかなか大変なゲームです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/122891/courtier

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ついでにお知らせ。この日のために作成したプレイエイドを BGG に登録しておりますので、よろしければご利用ください。公開した版は、実際にゲームで使用したプレイエイドを改訂したものです。

これについて何か問題を見つけたら、BGG のコメント(日本語で OK)か、この記事のコメント、あるいは Twitter や mixi でご連絡を。

[Japanese Playaid for Courtier]
http://www.boardgamegeek.com/filepage/91796/japanese-playaid-for-courtier

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それからこの日は、さらにもうひとつ、Sushi Go! (スシゴー!) / Adventureland Games も遊びました。

クラウドファンディングサイト Indiegogo で資金調達に成功して制作されたカードゲームだそうです (すいません、あんまりこのあたりの事情に僕は詳しくありません)。これは、近日中に国内ショップでも取り扱われる予定があるそうです。

Sushi Go! は、シンプルなドラフト&セットコレクションなカードゲーム (ドラフト+ラミー系かな?) で、これはとても面白かったです。2 ゲーム遊んで、最初の 1 ゲームは勝ちました。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/133473/sushi-go

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GoblinKing

6/15 (土) に、千歳烏山のゲーム倉庫にて、ふうかさん、かろくさん、いたるさんをお招きして Goblin King / Warfrog Games をプレイしました。

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Goblin King は、世界中のボードゲームフリークたちにとってアンビバレンスなゲームデザイナーであるマーティン・ワレスが、1996年に制作した作品です。

ご存じのように、ワレスは21世紀に入ると極めて存在感の大きなゲームデザイナーとして頭角を現し、作品ごとの完成度や評価に差はあるものの、独自のポジションを確立して多くのファンを生み出しました。

昨今、やや作風が変わってきたような気がしますが、それでもその活動には常に衆目が集まり、カリスマ的な魅力を持つゲームデザイナーとしての地位は、現在でも揺らぎないものとなっています。その彼が、ゲームデザイナーとして活動を始めた初期の段階でデザインされたゲームが本作です。

BoardGameGeek によれば、Goblin King は 100部が制作されたと記述されています。このゲーム本体を入手したのは数年前で、B級SFゲーム分科会のいしださんから、確か3000円くらいの価格で譲り受けました。

しかしながら例によって翻訳は遅々として進まず、入手以来ただの観賞用アイテムとしてゲーム倉庫で深い眠りについていました。今回、それを目覚めさせてくれた王子様はいたるさんでした。

いたるさんがルール翻訳を請け負ってくれたくれたおかげで、この日、若きワレスが作った本作を遊ぶ機会を得ることが出来たというわけです。

※2024/3/24補足 下記は現在非公開になっています。
いたるさんによる Goblin King のルール抄訳は以下で読めます。
https://docs.google.com/file/d/0BwM2ZXMvwV_3SFhHSHhYQ0lfYjg/edit

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Goblin King のコンポーネントは、簡素で手作り感たっぷりのアートワークで、味があるといえばそう見えなくもありませんが、お世辞にも良好とはいえない出来映えです。

ゲームボードは幾つかのエリアに分割されており、その多くは平地で、他には山地、丘、森のエリアがあります。

各プレイヤーはゴブリンリーダー3体ずつと、それぞれのリーダーに3体ずつのゴブリンを配下に付け、それらを使って人間を襲撃したり、競争相手である他のゴブリンリーダーと争ったり、あるいは共闘したり、時には強制的にそうさせられたりしながら、ステータスを上げていくことを目指します。

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戦闘解決にトランプ(あのハートスペードクラブダイヤのトランプ)を使うあたりは、いかにも自費出版ゲームという造りです。

なにしろこの見た目がこれですから、ゲームデザイナーの名前がワレスでなかったら、僕はこのゲームに興味を持たなかったでしょう。逆にそうだったからこそ、Goblin King には大きな価値と意味があると考えて入手に至ったわけです。

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例えば本作では、戦闘は「対人間」と「対ゴブリン」とで解決方法が異なっており、しかもそれぞれの戦闘結果には勝利・敗北・引き分けがあって、それらも異なる処理になっています。さらに、戦闘が起こった地形や戦闘に参加した人数などでも細かく処理が分岐しています。

そのあか抜けなさはともかくとして、この戦闘ルールの構成は、彼が後年に手がけた Liberte や Empires of the Ancient World などを、どことなく彷彿させるものがあります。他にも、消耗型の手札管理や、硬直的な戦力管理などにも既視感(逆?)がありました。

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このように、ワレスがゲームデザイナーとして歩んできたキャリアのルーツを探りたいと思う熱烈なファンなら、この Goblin King はとても興味深い作品に映るのではないかと思います。

ところで Goblin King にはシビアな印象が漂う背景が設定されています。しかし実際のゲームはそこまで悲壮感は盛り込まれておらず、むしろスラップスティックなノリでポップに仕上げられています。

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ようするに乱数要素が極めて大きくなっていて、そのためにドラマチックだったり、あるいは理不尽すぎる展開が頻繁に起こります。そんな Goblin King を、僕たちはとても楽しむことができました。

このセッションで勝利したのはふうかさんでした。彼女は、戦いで王の地位を奪い取り、それに君臨したリーダーがもたらす特権を (心理面を含めて) 有効に活用することで、不安定な場を押し切って栄冠をつかみ取りました。

Goblin King を実際にプレイして、個人的にはまるでアバロンヒル社の古いファンタジーバトルゲームのような印象を受けました。それをワレスがユーロゲームの手法でアレンジし、簡素でスピーディなゲームとして再構成したような、そんな感じです。

最後になりましたが、洗練されたゲームが多数発売されている今日において、このような古いゲーム遊ぶことに同意し、またその機会を与えてくださった参加者の皆様には、心から感謝いたします。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/8028/goblin-king

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Roads & Boats

Twitter では告知していましたが、ブログでそうするのを忘れていたので書き記しておきます。


BoardGameGeek に登録した日本語ルールブックへのリンクは以下になります。
http://www.boardgamegeek.com/filepage/90395/japanese-rulebook

このブログで「Roads & Boats」のプレイレポートは過去に2件あります。記事にタグを付けましたので、よろしければご覧ください。
http://moon.livedoor.biz/tag/Roads-and-Boats

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残念ながらゲーム本体は発売元でも在庫切れです。そしてオークションでは$200超の相場になっています (元々の価格もそれなりに高いゲームではありましたけれど)。過去に再販の情報は何度か流れてはいますが、どうやら未だ実現してはいないようです。

以下余談。実は僕の周囲ではこのゲームの所有者が意外と多く、上で書いた相場ほどにはレアアイテムという気がしません。あなたの知り合いの知り合いくらいまで探索範囲を広げたら、ひょっとして誰かひとりくらいは持っているかも…?
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/875/roads-boats

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Kemet

ケメトです。去る 5/19 (日) に SGC例会で Kemet / Asmodee をプレイしました。

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ルールには少しばかりクセがあったものの、シンプルで自分好みの濃密さを併せ持つこのゲームを楽しむことができました。

プレイレポートは後日に回すとして、プレイ当日にこちらで用意したカードリファレンスとプレイエイドを改訂して公開しましたので、その件と、その他本作の関連情報も含めてまとめます。

まず、Kemet の和訳ルールについてです。これは 2012 年の秋に、国内のボードゲーマーの大多数がお世話になっているであろう永峯浩さん (@shirohine) によって、すばらしい日本語ルールブックが公開されています。またご本人のブログにも、Kemet の詳細な内容が詳しく紹介されています。

[Japanese rulebook]
http://www.boardgamegeek.com/filepage/82692/japanese-rulebook

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今回、僕が手がけたのは、まず神性介入カード (Divine intervention card = DI card) とパワータイル (Power tile) の特殊効果が記述されたブックレットの和訳です。

これは、ゲームマーケットの GCCW1800 ブースでおなじみ Joe Yamasaki (@joeyama) さんが制作された翻訳文書 (非公開) が元になっています。それに幾つかの問題があることに僕が気がついたため、ご本人の許諾を得た上で作り直して公開したのが以下の文書です。

[Japanese DI Cards & Power Tiles Index]
http://www.boardgamegeek.com/filepage/91047/japanese-di-cards-power-tiles-index

上記で使用した文書内のゲーム用語は、日本語ルールブックの訳語に合わせています (合っていない語があればそれは僕のミスです)。英語の元文書は淡泊な表現でしたので、原文を尊重しつつも、できるだけわかりやすい文章になるよう心がけました。

次はプレイエイドです。これはこちらで公開されている英文書を元に翻訳し、若干の加筆修正をしました。
更新:2013-06-08 14:00
2 つ目は日本語のルールサマリー (プレエイド) です。先日まで翻訳した文書を公開していましたが、諸事情により、僕がほとんど作り直しました。完成したルールサマリーは、以前と同じライセンスで pgdb へ送信して登録申請しましたので、承認されたらそちらからダウンロードしてください。

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更新:2013-06-09 17:25
早くもルールサマリーのバージョンを上げました (Ver.2.1)。前と書式を大幅に変更し、見た目がかなり変わっています。またそれに合わせて内容も修正・変更等を行っています。

これは BGG と pgdb の両方に送信していますので、承認されましたら、どちらかからダウンロードしてください。

更新:2013-06-12 03:00
BoardGameGeek と pgdb のいずれも承認されました。いずれも同じ内容の PDF 形式のファイルですので、お好きな方からダウンロードしてください。
[BGG] http://www.boardgamegeek.com/filepage/91570/japanese-rule-summary-for-kemet
[pgdb] http://www.gamers-jp.com/playgame/db_filea.php?game_id=6103

なお上記の文章中で、解釈が分かれそうなルールの記述については、BGG のフォーラムに投稿されていた情報で裏を取っています。

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また、僕が制作した文書のプロトタイプを 5/19 (日) に実際のゲームで使用しまして、そこで気がついた誤りや同卓プレイヤーのご意見を参考に改訂を加えたものが公開された文書です。

それでもまだ何か問題があるかもしれません。何かお気づきの点がありましたらお気軽にご連絡ください。このエントリーのコメントでも、Twitter へのリプライでも構いません。よろしくお願いいたします。

なお、僕がこのゲームを知って興味を持ったのは、ラヂヲヘッドさん (@Radio_paranoia) による一連のツイートを読んでからでした 。有益な情報を発信していただいたラヂヲヘッドさんには深く感謝いたします。

[時系列に並べた関連ツイートへのリンク]
https://twitter.com/Radio_paranoia/status/333600955473997825
https://twitter.com/Radio_paranoia/status/333603774742528000
https://twitter.com/Radio_paranoia/status/333607075554926593
https://twitter.com/Radio_paranoia/status/333609588970647553
https://twitter.com/Radio_paranoia/status/333612111295037443

以上のように、Kemet の日本語情報や和訳文書は、はからずも多くの方々による関わり合いによって成り立っています。上のどれかひとつでも抜けていたら、僕はこのゲームをプレイすることはなかったでしょう。

こうしてひとつのエントリーに情報をまとめてみて、このような偉大なゲームを知ることができた喜びを改めて感じています。ただひとつ残念なのは、何らかの理由によって、本作は国内ショップでは現時点でもまだ取り扱われていないということです。

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Kemet は、ルールを一読したり、プレイ風景を写真で見たりしただけでは、まるで地政学マルチなウォーゲームのように見えますし、実際そのような要素も含まれています。しかしそれが全てではありません。

あなたの最終的な目的は、大戦力を率いて相手を戦いでねじ伏せることではなく、勝利得点を得ることにあります。あくまでもベースはユーロスタイルであり、そこにウォーゲーム的な要素を盛り込んだ現代的な戦略ゲームとして構成されているゲームです。

とはいえ、ルールは短めながら、プレイ感は重厚なゲーマーズゲームには違いありません。そういゲームに慣れているベテランプレイヤーであっても、最初に遊ぶ際には 3 人プレイを推奨します。そして恐らく、直接攻撃要素が苦手な人には向かないゲームでしょう。

何にせよ、あなたがこのエントリーを読んで Kemet に興味を持ち、そしてそれがプレイするきっかけとなったのであればうれしい限りです。願わくば、あなたとその友人たちにも Kemet を楽しんでもらえますように。

Kemet の事前情報を収集する際の手引きとして、このエントリーがお役に立つなら幸いです。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/127023/kemet

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