30日(日)は、地元は千歳烏山で行われたSGC例会に参加してきました。
台風のおかげで朝からどんよりとした厚い雲に空が覆われて、天気予報も午後から土砂降りの雨。こういう時に限ってでかい荷物を持ち運ぶことになる巡り合わせになるという… ともかくも、選挙は午前中に済ませ、特大のキャリーバッグに「Planet Steam / LudoArt」と「Automobile / Warfrog」を詰め込んで例会会場へと向かいました。
ちなみにでかいのは「Planet Steam」の方で、比べてみたら「HeroScape (ヒーロースケープ)」の初版のボックスより大きかったという… この大きさはアメリカ人的にもありえないらしく、BGG にはこんな写真まで登録される始末。いや、ほんとに扱いが大変なシロモノです。
この日はノートPCを持ち込んでまた Twitte でリアルタイムレポートをしようと思ったのですが、なんーと、室内からイーモバにつながらなかったという… 会場の会議室が建物の少し奥まったところにあったからかも。そういや選挙速報を見ようと携帯でワンセグを見ようとしてもつながりませんでした。てことで、モバツィッター(これはつながった)経由で写メを送りつつ、断続的につぶやいていました。
惑星「蒸気」。4人で。
高温の蒸気に満ちた未開の惑星から資源を産出し、それを使ったり売買しつつ開拓を行う拡大再生産型のゲームです。資源は市場で価格と在庫が管理され、それらをうまくコントロールすることも重要な要素になっています。先日のプレイに引き続いて個人的には2回目のプレイ。同卓に入ったのは、NAOさん、akiszさん、SGCへは初参加のかゆかゆさん、それに僕の4人でした。
上にも少し書きましたが、産出される資源を売買は市場を経由して行われます。もちろん時価は変動し、それは各資源の在庫量によって決まります。簡単に言えば、余剰な資源の相場は下がり、不足している資源の相場は上昇します。市場が保有する各資源の在庫量は、プレイヤーが市場に対して売却した個数によって決まります。
つまり、盤上で各プレイヤーが何の資源をいくつ生産するかによって、市況は大きく変動するのが「Planet Steam」の特徴です。今回のセッションでは、プレイヤー間の駆け引きが高じて、この特徴が大きく現れるやや極端な展開となりました。
前回のゲームは、確かまず水の相場が上昇し、さらにエネルギー不足が顕著になっていました。そこで各プレイヤーはタンクを水やエネルギーの生産ラインに切り替えることで自給体制を整え、それに伴って、一時期はクリスタルよりも高くなった水相場もやがて沈静化していった、というような流れだったかと思います。
ところが今回は、水を除く資源を全員が市場から調達するという方針を採ったためか、市場の資源在庫は軒並み枯渇状態になってしまいました。ここでエネルギーを作り始める流れになるかと思ったら、なんと全員がクリスタルに走り始めたものだから大変なことに
ターン終了時に新しいタンクが自動的に製造されるためには、市場に鉱石とエネルギーの在庫が必要なのですが、ほとんどそれらが生産されなかったためにそのいずれもが不足し、結果として新しいタンクがほとんど製造されませんでした。これがなんと最終ターンまで続いたのです。
この状況を修正しようにも、エネルギーや鉱石を市場に放出した先から買われてしまうのは目に見えていましたし、そもそも全員のエネルギーが不足しているのでそれ自体ができません。したがって新しいタンクは地球から調達するしか手がなく、クリスタルタンクが盤上に乱立するという展開になったわけです(というのも、地球からは安価でタンクを購入するには追加でクリスタル2個が必要だからです)。
…と、ルールの概要すら説明しないまま話を進めても何だかよくわからないかもしれませんね。とにかくプレイヤーの思惑次第で大きく展開が異なるという、自分としては実に好みのタイプのゲームであるということだけでもおわかりいただければありがたいです。箱が異常にでかいというコンポーネントの欠点の除けば、SF開拓ゲームとしてとてもレベルの高い作品だと思いました。ぜひまたプレイしたい一品です。
勝敗は、2位に$100超の差をつけてかゆかゆさんの圧勝でした。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/23094
アメリカ自動車産業の歴史を追体験。4人。
20世紀初頭のアメリカを舞台に、自動車産業の黎明期をテーマにした複雑系デザイナー・ワレスの新作です。拡大し変化してゆく市場のニーズに合わせて自動車を開発・生産して利益を上げ、その一方で、短期間で急激に成長しすぎたために足下がおぼつかない若い大企業の不安定な経営の様子が、コンパクトで抽象的な(しかしそれっぽい)ルールで表現されています。メンバーは替わらず4人でプレイしました。
盤上をぐるりと囲んでいる26種類のカーモデルスペースは、そこに工場を建設することで自動車を生産可能となります。ひとつのスペースには最大で3つの工場が建設可能で、多くの工場があるほどたくさんの自動車を一度に生産できます。
自動車は販売価格帯で「高級車」「中級車」「大衆車(低価格車)」の3つに大別されます。不完全な需要予測を元に、まずは自動車製造工場の建設を行い、自動車の製造台数を決定し、そしてそれらを市場へ売り出さなければなりません。流通販売網を作り上げて販売したり、あるいは凄腕のセールスマンの力を借りて販売することも可能ではありますが、大量に在庫を捌くには需要に応じて市場へ商品を流すことがもっとも効率的です。
需要は時代が進むにつれ変化していきます。自動車は新しい型ほど先に販売することができます。かつて最新型を生産していた自動車工場であっても、時代が進んで型落ちすると売る機会が減ってしまうでしょう。それだけではなく、古い型の自動車工場は、存在するだけで損失が発生するのです。
したがってプレイヤーは、時に古い工場を閉鎖する決断をくださなければなりません。これはタイミングさえ間違わなければ最良の経営判断となるでしょう。そしてより新しい時代にふさわしい新型カーモデルを製造する工場の建設を目論むことになります。
当然ながら、プレイヤーが決断し、それを実施する行動には、すべて他のプレイヤーとの競合が発生します。厳しい市場競争に打ち勝つために、宣伝や広告で消費者の関心を向けさせたり、あるいは値下げしてでも販売台数を増加させることも必要になります。市場予測が悲観的だったり、在庫に自動車があふれ出すと、激しいダンピング合戦が繰り広げられられるかもしれません。
これらの複雑な要素をワレスの優れた抽象化テクニックによって、歴史的背景に基づいた雰囲気を保ちつつ、プレイアブルにまとめている点が素晴らしい作品で、わずか4ターンで濃密なゲーム性を味わえる良作です。同卓メンバーにも好評でした。
ひとつ気になったのは需要タイルの扱いでしょうか。このゲームでたまたまだったかもしれませんが、4ターンとも極端なゆらぎが発生せず、ほぼ無難に販売が行われました。単に全プレイヤーが安全策を取っただけか、それとも需要の読みがうまくいったのか、あるいはこれがデザイナーの意図なのかもしれません。面白いゲームなので再プレイ時は必死かと思いますので、その際にぜひまた確かめたいところです。
なおこのゲームも、わずかの差でかゆかゆさんの勝利でした。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/39351
商人の群れが王国を制す。3人。
シュメールの都市国家に多くの商人を送り込み、より強大な都市国家から利権となるマーカーを効率良く集めることを目指します。ここでかゆかゆさんがお帰りになってメンバーは3人となりました。
盤上には8ヶ国の都市国家があります。まず都市国家の「順位」をランダムに決め、その上位3ヶ国に影響力マーカーが配分されます。それぞれの都市国家はひとつの「都市」、3つの「町」、3つの「村」によって構成されます。それぞれの場所にはただひとつだけ商人コマを置くことができます。
プレイヤーが手番で行えることは、手元にある商人コマを空いている場所に置くか、盤上の商人コマをルールにしたがって移動させるか、あるいは盤上の商人コマを除去して手元に置くことです。商人が置かれたり、移動した先の都市国家は「順位」がひとつあがります。商人コマが除去されるとその都市国家の「順位」がひとつ下がります。
こうして、全プレイヤーが1回ずつ、計3回のアクションを行うと1ラウンドが終了です。その時点で上位3ヶ国の都市国家を「支配」している1位プレイヤーと2位のプレイヤーは、影響力マーカーを獲得できます(3位の都市国家は支配プレイヤーのみ)。
この後で都市国家の順位をルールにしたがって変動させ、次のラウンドを開始します。これを6ラウンド行って、影響力マーカーの得点計算で最もスコアの高いプレイヤーの勝利です。
テーマにはまったくそぐわないドライなアブストラクトゲームで、プレイ中はずっとパズルを解いているような感じでした。ボードや箱がコンパクトで、3人なら30分くらいで終わるでしょう。4〜5人でプレイすると混沌度が急激に上昇して1時間以上かかる重たいゲームになるような気が。個人的には、短時間で悩ましい3人がおすすめです。
このゲームは序盤でうまくタイルを集められたことが功を奏して勝利することができました。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/39832
レポートは以上です。
帰り道は予報通りにどしゃぶりの雨。もちろん雨対策は万全にしていったので問題なし。キャリーバッグはびしょ濡れになりましたけれども。
ともかくも、「Planet Steam」の再戦や、ずっと気になっていた「Automobile」がプレイできたので大満足です。同卓のみなさま、お疲れさまでした。そしてありがとうございます。また機会がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
コメント