18日(日)は、地元・千歳烏山で行われたSGCの4月例会に参加してきました。この日、持ち込んだゲームは「シップヤード」「シーランド」「シェンシ」の3点で、偶然にも全部「シ」で始まる邦題でした。ついでに英題でも全部「S」で始まっていますね。

Die Werft (シップヤード) / Czech Games Edition

長時間インストゲーム。3人。

moon Gamer

先日、ゲームストアバネストで購入した造船ゲーム。部品や乗組員を、従業員の特殊効果や資金のやりくりなどで出来るだけ効率的に収集し、船を完成させてテスト航海させることでより多くのポイントを獲得することが目的です。

船はひとつの船首・ひとつ以上の胴体・ひとつの船尾で構成され、これを自分の造船所(プレイヤーボード)で作り上げます。完成した船には、部品や乗組員(実業家と兵士、それに船長)を乗船させたり、あるいはクレーンや砲台を装備させたり、あるいは速度を上げるためにスクリュー・煙突・帆を装備することが可能です。そして、プレイヤーがあらかじめ自分で配置しておいた運河タイル上を、速度と同じ距離を運行させるのです。

造船というテーマのゲームはそんなに珍しくはないのですが、それに関わる要素をここまで多く詰め込んだユーロゲームというのは珍しいと思います。ひょっとしたらこの「シップヤード」が初めてかもしれません。そのおかげでコマの数がやたら多くなっていて、僕はシミュレーションゲームでよく使われるユニットトレイを使って収納しました。

moon Gamer

多いのはコンポーネントだけではなくルールもけっこうな分量です。システム的には既存のシステムのごった煮で、変則的なアクション選択方式を軸に、複数の簡易なロンデル・並列のダッチオークション・タイル連結配置・条件秘匿型のボーナスシステム等々あって、この上さらに多数の特殊効果が加わるのです。思いついたアイデアを片っ端から入れたような、今どきのゲームにしては垢抜けしていないデザインという印象でした。

ゲームの展開も大味な感は否めません。開始からわずか数ターン経過しただけで、各プレイヤーの造船所には多くのコマがうずたかく積み上げられる供給過多状態となります。最終ラウンドになると、装備や乗組員を積めるだけ積み込んだまるで難民船のような船が次々と造られては出港し、そのたびに数十点ずつを叩き出すような、そんな感じです。

とまあ、欠点をあげつらっていったら簡単にできてしまう内容ではあるし、しかもこのゲームは途中で脱落気味だったこともあって、プレイ直後の印象がだいぶ悪かったのですけれども、少し時間を置いて冷静に思い出して見ると、ゲーム中はけっこう楽しんで遊んでいたような気がしますね。少なくとも再プレイをしたいという気持ちは萎えておらず、ぜひまた遊びたいという意欲に満ちあふれております(惨敗したのがくやしいだけかもしれませんけど)。

ちなみにこのゲームでは、インストとプレイ準備にたっぷり1時間、プレイタイムが2時間半くらい。3人でもこれだけかかります。再プレイ意欲はあるとしても、正直なところ4人プレイはあんまり考えたくないかも。
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/55600/shipyard

Seeland (シーランド) / Ravensburger

写真映えするゲームだこと。3人。

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前回のメビウス便で届いた新作。ボートタイルの美麗さに惹かれてプレイ意欲を刺激され、今回持ち込みました。

プレイヤーはまず、「市場」から「農地」か「風車」のタイルをルールにしたがって取りそれをボード上の空いているマスに配置します。「風車」タイルを配置した時には自分の「風車コマ」をそこに配置することが出来ます。風車コマが乗っているタイルの周囲がすべて別のタイルで埋まったら「収穫」となり、その風車タイルについて得点計算を行います。

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コンパクトなルールがうまく連携し、しかも密度が高くまとまっており、これぞドイツゲームといった風格が漂う作品。気楽に楽しむなら入門ゲームで十分でしょうし、それだと運の配分が高いと感じるのであれば戦略ゲームが用意されている(ルールだけではなくボードも)ので、そちらで遊ぶのがいいでしょう。いたれりつくせりですね。何だか隙のない優等生的なゲームでした。結果の方はいいところなく最下位でしたよ…
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/63759/seeland

ShenShi (シェンシ) / LudoArt

座布団は飛ぶ。坊さんを乗せて。2人。

moon Gamer

おのさんが企画した共同輸入経由で入手した LudoArt のアブストラクトゲーム。LudoArt らしく、木製の箱に金属のフィギュア、それに布製の「座布団」、雰囲気を盛り上げるための音楽CDにお香まで入っていました。素晴らしい。

各プレイヤーは大小2個の僧侶コマを持ち、これを4種のアクションから最大3回のアクションを選択して、取得可能な相手の僧侶を取ると2点が入ります。得点が8点に達したら勝利。なお、まだ図が入っていないようですが、おのさんが訳された暫定的な日本語ルールが pgdb に登録されていますので興味のある方はどうぞ。

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ルールの制約上、安易に相手のコマを取ることが出来る形で自分の手番を終えてしまうと、その直後の相手手番で逆に自分のコマが取られてしまう状況がほとんどです。なので、相手のコマだけを一方的にキャプチャ可能な形を作ればいいのですが、なかなかそう都合良く行かないようになっています。また仮にそういう形を作ったところで、もちろん相手にもそれがわかっていますので、簡単に逃げられてしまうでしょう。

なので、座布団(浮遊の障害物になる)を利用したり、自分のもうひとつの僧侶コマで守ったり、あるいは相手のミスに乗じて、相手のコマが「詰む」ようなアクションの組み合わせを何とかひねり出さなければなりません。これがなかなかに難しく、どうしても長考の連続になってしまいがちです(逆によく考えないとすぐに終わってしまうでしょう)。

4人までプレイ可能なルールではありますが、恐らくダウンタイムが長くなると思いますし、ルールの確認作業(簡単なようで細かいルールがわりとある)ので、まずは2人プレイから始めた方がよろしいかと思います。ちなみにこのゲームは最後の最後でミスして敗北しました。

ところでルールの不明点がひとつ。

オレンジ色の座布団で浮遊し、外枠を出て反対側のマスに入るためには、ルールにはそのマスが「空いて」いなければならないと書いてあります。しかしその一方で、オレンジ色の座布団は浮遊中に1枚だけ黄土色の座布団を押しやることが出来るとも書いてあります。
では、外周のいずれかのマスに、コマの乗っていない黄土色の座布団が置いてある時、その反対側からオレンジの座布団で浮遊して、この黄土色の座布団を押しやることは可能でしょうか?

http://www.boardgamegeek.com/boardgame/63790/shenshi

#2011/12/27補足:mixi日記公開当時、上記の件についておのさんがデザイナーへ質問したところ、「できない」との回答を得ました(反対側の最初のマスに座布団があると、そこに移動することはできない)。


レポートは以上です。

インスト3連発でちょっときついものがありましたが、持ち込んだゲームが全部消化できましたし、いずれも水準以上の内容でしたので大満足です。これで結果が良ければ文句ないのですけど見事に3連敗で、まあそんなもんでしょう。ということで次回もまたよろしくお願いいたします>関係者各位