余談ですが、このゲームを発売している Out of the Box 社は、日本でもおなじみの「アップル・トゥ・アップル」を発売している会社でもあります(もちろんアメリカで)。
さて、「ウィードル」ですが、このゲームにはいくつかの会社が登場します。それらは5枚~9枚の株券を持っており、株券はカードとして扱われています。ゲーム開始時には、すべてのカードシャッフルして、各プレイヤーに均等に配布します。
最後に1枚だけカードが余ります。それはまず場に裏向きに置いて、ディーラーが表向きにめくったところからゲームが開始されます。
ゲームはリアルタイムの同時進行な交渉で進行します。プレイヤーは、手札に欲しい株券か、あるいは手札から出せる株券の種類や枚数を宣言します。プレイヤー間で合意が得られれば、手札のカードをその場で次々と交換してゆくのです。
そう、このゲームは、古典的トレードゲーム「ピット」と同じように、喧噪の中で交渉が進められていくゲームなのです。
「ピット」と異なるのは、カード交換時に何枚でも交換することができるということと、カード交換は違う枚数であっても構わないということです。相手が合意さえすれば、単に相手にカードを渡すだけでもいいということになっています。
もうひとつ面白い要素があります。それは場に置かれた1枚のカードです。このカードは、誰でも自由に、手札のカード1枚と交換することができるようになっています。
この場に置かれたカードは何を意味するのでしょうか? 実はこのラウンドの終了時に、場に置かれた株券の会社は倒産してしまうのです
倒産した会社の株券はマイナスとして扱われますので、ここでも熱い戦いが繰り広げられることになるんでしょうね。
ラウンドは、誰かが「ストップ」と宣言をしたら終了です(これもピットみたいですね)。その後でポイントの計算を行います。
ある会社の株券を独占して保持していれば、株券1枚あたり2点が入ります。過半数を保持していれば1枚あたり1点です。それ以下であれば、ポイントは入りません。他にも、ストップをかけたプレイヤーにボーナス(あるいはペナルティ)が入ることがあります。
そして、場に置かれた株券と同じ株券を持っていれば、株券1枚につき-1点となります。
これをプレイヤーの数だけくり返し、最終的にポイントの合計が最も多いプレイヤーの勝ちになります。
「ウィードル」は、このブログでは何度も登場しているクニツィアがデザインしたカードゲームです。「ピット」っぽいこともあって実に楽しそうに見えたので、ここでご紹介したわけなんですが… 実はこの記事の原稿を書き上げた後で検索してみると、バランス上の問題点を指摘するコメントを見つけてしまいました。
脳内プレイでシミュレーションしてみても、確かに交渉をしないで場のカードを交換していった方がリスクが少ないように思えます。
しかし、たったこれだけのことで捨てるにはとてもつもなく惜しいゲームのように思うのです。単に、場のカードとの交換に制限を加えるだけでも、相当に改善されるような気もします。
ということで、あれこれと思考を進めた結果、即興ではありますが、個人的改定案をいくつかまとめてみました。ただ、いきなりこれを公表するのもどうかと思うので、実際にプレイしてから、またこのブログでご報告いたします(どうでもいいけど、全然プレビューじゃないなこりゃ)。
= DATA =
◆タイトル:「Wheedle(ウィードル)」
◆メーカー:Out of the Box
◆4~6人/9才以上/30分程度
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