
Hyle7 (ヒュレセブン)は、エリック・ソロモンが作った2人用の思考ゲームです。このゲームは2000年発売ですが、原型となるゲームは別の名前で1979年に発売されており、ヒュレセブンは、それから数えて3回目のリメイクなんだそうです。
このゲームは、7色のコマと7×7マスのゲーム盤を使います。各色には7個のコマがあり(つまり49個のコマがあります)、まずはそれらを袋の中に全部入れておきます。
プレイヤーはそれぞれ「混沌」側と「秩序」側を担当します。双方のプレイヤーは異なった目的があります。ゲームの構造がプレイヤーごとに非対称になっているわけです。

ゲームは混沌プレイヤーによって開始されます。混沌プレイヤーは、袋に入ったコマをランダムに1個だけ取り出し、それを盤上の空いているマスに置きます。空いていれば、どこに置いてもいいのです。
続いて秩序プレイヤーの手番になります。秩序プレイヤーは、盤上のコマを1つ選んで、それをタテかヨコに動かすことが出来ます(移動させないことも可です)。
コマを動かす時には、タテかヨコの方向に、コマの置かれてない空いているマスを一気に何マスも移動させることができます(ナナメ方向は不可)。
このゲームの目的ですが、まず秩序プレイヤーは、コマがタテかヨコに対称となるような配置に並べることを目的にします。

対称となる配置とは左のような配置です。ルールにも書いてありますが「たけやぶやけた」のような回文状に配置すればいいわけです。
このような対称配置を「秩序」といいます。「秩序」の配置は、タテでもヨコでも構いません。
混沌プレイヤーは、当然ながらこの配置を出来るだけ作らせないようにコマを配置して行くことになります。
「混沌プレイヤーがコマを配置」→「秩序プレイヤーがコマを動かす」、ということをくり返し、全てのマスにコマが配置されたらゲームは終了し、得点計算に入ります。
得点は、秩序プレイヤーにだけ入ります。盤上にある「秩序」の配置ごとに、コマの長さをカウントします。その長さがそのまま得点になります。
たとえば、以下のような配置だったとしましょう。

これは、2(●●)+3(●●●)=5ポイントとなります。
一見単純で、実は少し複雑な例が以下です。

これは何点でしょう? これは3個だから3ポイント… ではなくて、
3(●●●)+2(●●)+2(●●)=7点となります。
ひとつの「秩序」の配置は1回しかカウントされませんが、長い「秩序」の配置の中に、短い「秩序」の配置が含まれているのであれば、そのどちらもカウントするのです。ですから、ひとつのコマが何回もカウントされることがあります。
ちなみに、1列(7マス)に同じコマが並べば77点です。興味のある方は計算してみてください
さらに複雑な例を見てみましょう。

各「秩序」について、左側から分解して考えると以下のようになります。
●●●××× 3ポイント
×●●●×× 3ポイント
××●●●× 3ポイント
×××●●● 3ポイント
●●●●●× 5ポイント
×●●●●● 5ポイント
合計で22ポイントです。
得点計算が終わったら、今度は秩序と混沌の立場を入れ替えて再プレイします。こうして、得点の大きいプレイヤーの勝ちとなります。

どう考えても得点計算が面倒そうなゲームですけれども、ルール自体はとても簡単で、すぐに覚えられるでしょう。
これまで3回もリメイクされているということは、やはりこの作品に魅力があるということに違いありません。とにかく1度はプレイしてみたいです。
= DATA =
◆タイトル :Hyle7 (ヒュレセブン)
◆デザイナー:Eric Solomon
◆メーカー :Franjos Spieleverlag
◆2人/10才以上/40分程度
[補足]
Windows 用のフリーソフトが以下のサイトにあります。もちろん、面倒な計算も一瞬でやってくれます。なお、名称が Entropy(エントロピー) になっていますが、これはヒュレセブンの旧版名です。
http://sourceforge.net/projects/es-entropy/
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