
妖精奇譚~FairyTales / 遊宝洞 は、カードをうまく組み合わせて、より高い得点を競うファンタジー・カードゲームです。
遊宝洞と言えば、昨年は「仮面舞踏会」「伝説のかけら」で、本場ドイツの ESSEN SPIEL に鮮烈なデビューを果たした新鋭クリエイター集団です(会社概要を見ると、その他の細かいお仕事を精力的にこなしているようです)。さて、今回の新作ではどんなゲームで僕たちを楽しませてくれるのでしょうか。
※ここで紹介するルールは「基本ルール」です。この他に「上級ルール」もあります。

このゲームのカードは、大きく2種類に分類することが出来ます。

これは「オープン」するか「クローズ」するかの効果を持つカードです。また、得点源でもあります(左上の数字が得点)。
「クローズ」とは、場のカードを裏返すことです。
「オープン」とは、クローズされている(裏返しになっている)カードを表向きにすることです。
クローズされたカードからは点数が入りません(重要なルール)。

こちらは「得点源となるカード」です。
特定の条件を満たすことで、得点となったり、あるいは得点が増加したります。

すべてのカードには「属性」が設定されています。
属性には「竜の谷」「神聖帝国」「妖精の森」「魔界」の4つがあります。
オープンやクローズを指定される際には、この属性ごとに行われることが多くなっています。
さて、これでゲーム開始です。
「妖精奇譚」は、「ドラフト」と「手札の使用」の2段階を基本的な単位(この記事ではラウンドと言います)として構成されています。

まず「ドラフト」です。
各プレイヤーに5枚ずつカードが配布されます。

各プレイヤーは、その中から1枚を取って自分の前に裏向きにして置きます。
そして残りの手札(この時点で4枚)を「左となり」のプレイヤーに渡します。すべてのプレイヤーが4枚ずつのカードを「左となり」の人に渡すのです。
受け取ったら、その中からまた1枚を取って自分の前に裏返しにして置き、再び「左となり」の人に手札を渡します(ここでは3枚)。
このように、「カードを1枚抜いて残りを左となりへ渡す」をくり返し行って、渡すカードが無くなるまでこれを繰り返します。
そうすると、各自の前には、裏返しのカードが5枚並んでいることになります。これを手札に取って、次の段階に移ります。

ここからは「手札の使用」となります。
各プレイヤーは、自分の選んだカードを見て、その中から1枚を選び、裏返しにして場に出します。

全員がカード出したら、それを同時に表向きにします。
表向きになったカードに、「オープン」や「クローズ」を実施するような効果があれば、その効果を適用しなければなりません。

例えば、この例では「竜の谷」属性のカードを1枚だけクローズするように指定されています。右上のカードは「竜の谷」属性なので、これはクローズすることになります。

すでに自分の前にカードが置いてあれば、それも「オープン」「クローズ」の対象になる可能性があります。たった今、出したカードも「オープン」「クローズ」の対象になる可能性があります。
このように、1枚のカードで場の状況は目まぐるしく変わります。

すべての「オープン」と「クローズ」の効果を適用したら、次の「手札の使用」を行います。

そしてこれを「3回」行います。つまり、「手札からカードを裏向きに出す」→「同時に表にして効果を適用する」を3回行うのです。
自分の前には3枚のカードが置かれています。残り2枚の手札は、もうゲームには使いませんので、まとめて脇によけておきます(つまり捨て札になります)。

この「ドラフト」→「手札の使用」をひとつのラウンドとして、これを4回(4ラウンド)行います。
第2ラウンドのドラフトは、このように「右となり」の人にカードを渡します。
第1ラウンドと第3ラウンドのドラフトは「左となり」の人にカードを渡し、第2ラウンドと第4ラウンドは「右となり」の人にカードを渡します。
「手札の使用」で出されたカードは、ゲーム終了時まで置いたままにします。1ラウンドに3枚ずつ増えることになりますので、ゲーム終了時には、自分の前に12枚のカードが並んでいることになります。
最後に得点計算を行います。詳しくは省略しますが、単独で得点が入るカードと、同じカードを多く揃えるとより多くの得点が入るカードがあります。
いずれにせよ、クローズのカードはここで得点計算に計上されません。最終的に最も得点の大きなプレイヤーの勝利となります。

ブースタードラフト(あるいはロチェスタードラフト)の楽しい要素をうまく切り出して、独自の面白さを作り上げることに成功した作品と言っていいでしょう。
この撮影のために序盤だけソロプレイ(!)をしてみたのですが、それだけでも相当なポテンシャルの高さを感じることが出来ました。
ゲームの後半の流れがどうなるのか不明ですが、それを確認する意味でも、早く遊んでみたいゲームです。
※ところで、同一のカードが同時に「オープン」と「クローズ」の対象になった場合はどうなるんでしょうね?
「オープン」と「クローズ」が同時に対象になったカードは「オープン」優先だそうです。
情報ありがとうございました>ぬまっちさん
2004.12.20 付記:ルールを確認したところ、「ハント」→「オープン」→「クローズ」の順で効果を解決するとのことです。
= DATA =
◆タイトル :妖精奇譚~FairyTales
◆デザイナー:中村聡
◆メーカー :遊宝洞
◆2-5人(基本ルールは2-4人)/10才以上/30~60分程度
◆参考サイト:
http://yuhodo.jp/index.htm (遊宝洞サイト)
http://ejf.cside.ne.jp/review/fairytale.html
http://www.boardgamegeek.com/game/13823 (人数少なめでも評価高し)
コメント
コメント一覧 (4)
ドラフトの方法がちょっと違うかも・・・。
最初の第一ドラフトでは、とにかく「左隣」に渡していって自分が使用するカードを5枚選んでいきまして、んで、手札の使用3枚ですよね。
次の第二ドラフトのときに、「右隣」にカードを渡す流れになるのだと思います。
1回のドラフトで、右隣に渡す→左隣に渡す→右… というのではなく、1回のドラフトでの渡す方向(右、左)は、変わらないのではないでしょうか。
つまり、「左」へ渡すドラフト→手札の使用→「右」へ渡すドラフト→手札の使用→「左」へ渡すドラフト→「右」へ渡すドラフト→手札の使用→点数計算で終了~、となる感じだと思います。
あと、同じ札で「オープン」と「クローズ」の対象になった場合、まず「オープン」が優先されるそうです。
この前ちょっと遊んだのですが、なかなか面白かったです。今度遊びましょう~。
DQ8で夜更かししていたおかげで助かりました(^-^;
ルール読んだらその通りですね。実は何かおかしいな~とは思っていたんですが、これですっきりしました。記事の方はさっそく応急処置的に修正しました。あとでまたいじるかもしれません。
http://yuhodo.jp/fairytale/ft-rule.htm