
Heart of Africa (ハート・オブ・アフリカ) は、19世紀末ごろのアフリカを舞台にした列強による植民地支配をテーマにしたゲームです。

ゲームボードは、アフリカ全域をいくつかのエリアに分割したものです。
エリアにはシンボルの描かれたものがいくつかあり、そこには「資源マーカー」が置かれます。

「資源トラック」上の「0」にアフリカマーカーを置き、その下4つに、4種類の資源マーカーを1つずつ置きます。これは、ゲーム中の資源マーカーの価値(=勝利ポイント)を決めるために使います。アフリカマーカーは、「空白エリア」の価値を示しています。
さらに、「名声トラック」の「2」の欄に、プレイヤーのコマを1つずつ置きます。これはプレイヤーの名声を表しますが、ゲーム的にはプレイヤー間の戦闘で重要な意味を持ちます。
勝利ポイントトラックにもプレイヤーマーカーを置きます。マーカーをランダムに1個ずつ引いて、「8」から順に並べます。これが各プレイヤーに与えられる勝利ポイントの初期値となります。

続いてマップ上にマーカー類を配置します。
シンボルの描かれたエリアに、ランダムに引いた「資源マーカー」を置き、さらに中立の「交易者(トレーダー)」を1個ずつ配置します。
初期勝利ポイントの最も少ないプレイヤーから、マップ上の任意のエリアに、自分の「交易者(トレーダー)」のコマを配置します。初期配置可能なエリアは、海岸沿いで、他の交易者が配置されていないエリアです。選んだエリアに5個の交易者マーカーを配置します。

その後で、「特別勝利マーカー」を1人ひとつずつ受け取ります。
これは、そのプレイヤーだけのボーナス得点を表しています。

最後に、アクションマーカーを2列3段(6個)に並べてゲームスタートです。

まず、アクションマーカーを2つ引きます。それを4段目に並べます。

ここで「競り」を行います。競りの対象は、「アクションマーカーの一番上の段にある2個」と「手番プレイヤーになる権利」の2つです。競りに勝ったプレイヤーは、この2つを一度に得ます。
競りは、勝利ポイントの多い順に行います。入札は1度のみです。競りに「影響力マーカー」を使います。これはゲーム開始時点で各自12~15個ずつ持っています。また、不足分を勝利ポイントで補填することも出来ます(上限あり)。補填した勝利ポイントは、他のプレイヤーに分配されます。

競りに勝ったプレイヤーは、影響力マーカーをストックに支払った後、アクションマーカー2個を受け取り、手番プレイヤーとなります。
このゲームでは、競りに勝たなければ手番を行えません。

手番プレイヤーはまず、中立の交易者マーカーを1つ配置します。
その後で、アクションポイントを使ったアクションを行います。

アクションマーカーには、数字とシンボルが描かれています。数字は、「アクションポイント」を、シンボルは「特殊アクション」を表しています。
アクションポイントを使用することで、自分の交易者を移動させたり、新しい交易者マーカーを配置したり、あるいは資源マーカーの価値を増減することが出来ます。
手番プレイヤーの得るアクションポイントは、競り落としたアクションマーカーに書かれた数字の合計です。また、影響力マーカーを支払うことで追加アクションポイントに変換することも可能です。

入手したアクションマーカーにシンボルがあれば、その特殊効果を実施することも可能です。
これは手番の間でれば、いつでも使うことが出来ます。

移動の後で、手番プレイヤーの交易者マーカーが中立の交易者マーカーのいるエリアにいる場合は、そこで「戦闘」を行うことが出来ます(戦闘実施は任意です)。
戦闘を行うエリアごとに「戦闘マーカー」を1つ引いて戦闘結果を出します。戦闘によって被害が出ないこともありますが、名声・影響力マーカー・交易者マーカーなどが失われることもあります。
いずれにせよ、その場合はプレイヤー側の勝利となります。中立の交易者マーカーをひとつ取り除き、残りを2エリアまで後退させます。
もし、自分の方の交易者マーカーが多い場合には、引いた戦闘マーカーの結果を無視して、戦闘マーカーを引き直すことが出来ます。これは、交易者マーカーが超越している数まで繰り返すことが出来ます。
また、自分の名声を失うことで、交易者マーカーを失わずにその場に留まることも出来ます。この場合はプレイヤー側の敗北です。

他のプレイヤーの交易者マーカーと戦闘を行うことも出来ます。この場合は、プレイヤーの「名声」が大きく関わります。
プレイヤーの「名声」値が、交易者マーカー1個あたりの価値となります。例えば、名声値が「2」で、交易者マーカーが「3」個であれば、価値は「6(=2×3)」となります。
そして双方のプレイヤーが、所有している影響力マーカーとアクションマーカーを任意の数だけ取り、それを相手に見られないように手に持って同時に公開します。
この時、影響力マーカー1個は「3」、アクションマーカーは「9」の価値があるものとして計算します。こうして、交易者・影響・アクションの3つのマーカーの価値を合計し、その数が多い方が勝利となります(同点は非手番プレイヤーの勝利)。
敗者側は交易者マーカーをひとつ失い、残った交易者マーカーも勝利側によって1~2エリア後退させられます。
なお、戦闘の際に「退却マーカー」を出すことで、自主的に退却することも出来ます。この場合は、交易者マーカーを失わずに済み、後退も自分で行えます。さらに、相手が出した影響力マーカーとアクションマーカーを獲得することも出来ます。
戦闘に勝利した側は、2影響力マーカーを支払うことで名声を1マスだけ上昇させることが出来ます。

全ての戦闘が終了したら、手番プレイヤーは勝利ポイントを獲得します。勝利ポイントを獲得することが出来るのも手番プレイヤーだけです。
自分の交易者マーカーのあるエリアに資源マーカーが置かれていれば、その資源マーカーの価値だけ勝利ポイントを得ます。

また、アクションマーカーによって「交易所」を作れば、勝利ポイントを得られることがあります。

さらに、「アフリカの中心」エリアを支配していれば、手番のたびに3ポイントを得ます。
しかし、自分の支配しているエリアに中立の交易者マーカーがあれば、それひとつにつき-1点となります。
最後に、手番プレイヤーがこのラウンドで使用した影響力マーカーを、非手番プレイヤー間で分配します。余ったら、次のラウンドに持ち越します。
こうして最初に勝利ポイントを42点以上にしたプレイヤーの勝利です。

ルールを読んでみたら、意外と戦闘色の強いゲームでした。変則的なゲーム進行ですが、その根本は影響力マーカーのマネージメントにあります。最後は手番を取って勝ちに行くことが必要なので、そこにつなげるための流れをしっかりと計画してプレイに臨む必要がありそうですね。
以下、蛇足ではありますが、個人的な意見です。「ハート・オブ・アフリカ」で扱われるさまざまな要素は、そのほとんどが抽象化された表現となってはいますが、アフリカの悲劇的な歴史を背景にしていることは事実です。プレイする前に、近代アフリカ史を少しでも調べておくことは、純粋にゲームを楽しむ上でも有用な情報になるかと思います。
= DATA =
◆タイトル :Heart of Africa (ハート・オブ・アフリカ)
◆デザイナー:Andreas Steding
◆メーカー :Phalanx Games
◆2-5人/12歳以上/60分程度
◆関連サイト:
http://ejf.cside.ne.jp/review/heartofafrica.html
http://www.boardgamegeek.com/game/10869
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