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27日(水)は、秋葉原にておのさんが発起人になって突発的に開かれた「Louis XIV (ルイ14世) / Alea」をプレイするゲーム会に参加してきました。参加者は、おのさんの他に、かゆかゆさんタナカマさんと僕でした。

おのさんと言えば、あの「Table Games in the World」主宰の方です。ご本人とはメールでは何度かやりとりをしたことがありましたが、直接お会いするのはこの日が初めてでした。

今回おのさんは、何しろたったひとつのゲームを遊ぶために、わざわざ遠方からいらっしゃったのです。温厚で誠実そうな外見とは別に、パワフルで情熱的なお人柄という印象を強く受けました。

さて、その「ルイ14世」です。アレアの最新作であり、このところやや不調だったアレアブランドの威信復活をかけて、満を持して発表された力作です。Board Game Geek の評価も高く、国内でも注目している方も多いと思います。現在のところまだ国内のショップでは扱われていませんが、遠からず店頭に並ぶことになるでしょう。

この日、「ルイ14世」は2回プレイされました。午後1時30分ごろからインストが始まり、午後2時くらいから最初のゲームが開始されました。1ゲーム2時間ほどかかり、2ゲーム目が終わったのは午後6時過ぎくらいだったでしょうか。

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「ルイ14世」をゲームのタイプで分類するなら「陣取り」に近いです。14枚の人物タイル(Parsonage Tile/ルイ14世の廷臣などの重要人物を表す)」に対して影響力を行使し、タイルごとに設定された「特典(Reward)」の獲得し、自分に与えられた「任務(Mission)」を達成することを目指します。

ゲーム開始時にまず、各プレイヤーには「任務カード(Mission Card)」が配布されます。任務カードを達成するには、カードに指定された種類の「ミッションチップ(Mission Chip)」が2個必要です。ミッションチップを獲得するためには、特定の「人物タイル(Parsonage Tile)」に「影響力マーカー(Influence Marker)」を他プレイヤーよりも多く配置していなければなりません。

影響力マーカーを置く人物タイルは、手札から「影響力カード(Influence Card)」をプレイすることで指定します。プレイしたカードに書かれた人物タイル上に影響力マーカーを配置します。この影響力マーカーは通常は3個まで一度に配置可能です(個数は2~4個まで変化することがあります)。

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面白いのは、たった今配置した影響力マーカーを、限定的ながら「移動」させることが出来るというルールです。影響力マーカーを元のタイルに1個以上残せば、ナナメに隣接したタイルに移動させることが出来ます。

影響力マーカーの移動は任意であり、しなくても構いません。より広く薄く自分の影響力を分散するか、あるいはある人物にだけ集中して影響力を投下するかの判断は、プレイする上で重要な決断のポイントとなっています。

影響力マーカーの管理がまた悩ましいルールとなっています。カードによってタイル上にプレイ可能なマーカーは「個人ストック(Private Supply)」にあるものだけです。プレイを続けていくと、個人ストック上の影響力マーカーは減りますので、いつか補充しなければなりません。

影響力マーカーは、個人ストックとは別に「共通ストック(Common Supply)」でも管理されています。そして共通ストック上のマーカーは、個人ストックに補充してからでないとプレイ出来ないのです。「共通ストック→個人ストック」へのマーカーの移動は、1つの手番と影響力カード1枚を消費して行うことになります。

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影響力カードは、ラウンドの最初の5枚ずつ配布されます。自分の手番では「個人ストックの影響力マーカーを2~4個まで人物タイルに配置する」か、あるいは「共通ストックの影響力マーカーを個人ストックに2~3個まで補充する」のどちらかをプレイします。どちらをプレイするにも、影響力カード1枚が必要です。

プレイヤー全員の手札にある影響力カードの残り枚数が1枚になるまで、影響力マーカーの配置や補充を行います(=影響フェイズ)。この終了条件がまたくせ者で、状況によっては影響力カードの枚数が5枚を超えることがあるため、特に中盤過ぎからは手番コントロールも重要なプレイングテクニックとなります。

この後で、各人物タイル上の影響力マーカーの状態をチェックします。基本的に、各タイルで最も影響力マーカーの数が多いプレイヤー(単独1位)は、それぞれのタイルで指定された「特典(Reward)」を無償で受け取ります。受け取る条件にはいくつかあり、影響力マーカーの数が2位以下になったとしても、コストを支払えば特典を受け取ることは出来るなどの例外があります(詳細は略)。

「特典」にはさまざまなものがあり、「ミッションチップ」「ワッペン」「お金」「陰謀カード」「追加影響力カード1枚」「影響力マーカーをタイル上に1~2個配置する権利」等です。

この後で、人物タイル上の影響力マーカーを除去します。例外はありますが、単独1位で特典を無償で得たプレイヤーのマーカーは「共通ストック」へ戻り、それ以外のプレイヤーのマーカーは「専用ストック」に戻ります。特典を無償で得たとしても、影響力マーカーをまた専用ストックに戻して使用可能な状態にするには手間がかかるようになっているのです。

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また、「ルイ14世コマ」が置かれている人物タイル上では、追加して特典を獲得するチャンスです。この「ルイ14世ルール」がなかなかよい味を出していて、勢力争いに微妙なアヤが生まれることがあります。

最後に、獲得したミッションチップを支払うことで「任務カードの達成」を実施します。任務カードには達成する難易度に応じて「特殊効果」があり、任務を達成した次のラウンドから使うことが出来ます。当然、難易度の高い任務カードの特殊効果の方がより強力に設定されていますが、若干のばらつきはあるようです。

ゲームは全部で4ラウンドです。最終的に最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

他にも細かいルールがありますが、メカニクスの根幹はいたってシンプルです。戦略的な幅もあり、繰り返しのプレイに耐えうる良作だと思いました。フリーク向けの戦略ゲームとしてはやや運の要素が強いような気もしましたが、まだ2回のプレイということで何とも言えません。

何より、ドイツゲームの王道を行くジレンマたっぷりの陣地取りやリソースコントロールを軸にした歯ごたえのあるシステムは遊んでいて心地よく、久々にアレアブランドの底力を見た作品でした。

このゲームをいち早くプレイする機会を与えていただいたおのさんには感謝いたします。そして一緒に遊んだ他のお二方もお疲れさまでした。よろしければまたぜひお誘いください。どこでも飛んで行きますので。