Scottish Highland Whisky Race (ウィスキーレース) は、18世紀のイギリスを舞台にしたウィスキーの密輸レースがテーマのゲームです。
プレイヤーはスコットランド人となり、密輸先(これもスコットランド)へスコッチウィスキーを運びます。この密輸レースが歴史的な事実を元にしているのかどうかは僕の知識の範囲外でよくわかりません。ゲームの方は、そのような背景を知らなくても楽しめる少しばかり変わったレースゲームとして構成されています。
ゲームボードです。スコットランドのハイランド地方を表しているそうです。
スゴロクのようなマス目があり、一部のマス目には小さな円が描かれています。この円には、特殊な効果を持つマーカーが配置されます。
「モルトポイント」のマーカーです。キューブが「1モルトポイント」で、円形が「5モルトポイント」です。
モルトポイントは、コマを移動させる駆動源であり、このゲームの基本的なリソースとなっています。
下の小さいコマはプレイヤーのコマです。6人までプレイ可能です。
上のひと回り大きなコマは(そうは見えないかもしれませんが)「イギリス人(イングランド人)」コマです。
イギリス人はウィスキーを所持しているスコットランド人(=プレイヤー)に税金をかけようとするお邪魔コマです。
青とオレンジ色のタイルは、マスに配置される「サイトマーカー」です。
サイトマーカーが配置されたマスでは、さまざまなイベントや効果が発生します。
背景が緑のタイルは「ウィスキーマーカー」です。
ウィスキーマーカーにはいくつかの種類があり、それぞれが異なる特殊効果を持ちます。
各プレイヤーにはまず、「GlenMhor(赤)」と「Kinclaith(オレンジ)」と2本のウィスキーが与えられます。その他、規定量のモルトポイントと自分のコマも受け取ります。
ゲームボード上の指定された位置にマーカーを配置します。上級ルールを使うと、ランダムセットアップなどのバリエーションが楽しめます。
未使用のマーカーはストックとなります。残りモルトポイントを銀行にまとめます。イギリス人コマを指定位置に置き、自分のコマをスタートマスに置いて、これでいよいよゲームスタートです。
ゲームは3つのフェイズに分かれています。
1.計画フェイズ
2.プレイヤーフェイズ
a.コマの移動
b.マーカーの効果
3.ラウンド終了フェイズ
順に解説してみましょう。
1.計画フェイズ:各プレイヤーは、移動で使用したいモルトポイント秘密裏に選びます。選ぶのは自分の所有するモルトポイントからで、任意の数を選ぶことが出来ます(全部でも可)。
モルトポイントを1つ以上持つプレイヤーは、少なくとも1つは選ばなければなりません。全員が選んだら同時に公開します。
選んだモルトポイントの数が最も多かったプレイヤーから移動を行います。選んだモルトポイントは、移動を行う時に銀行に支払います。
もし、同数のモルトポイントを選んだプレイヤーが複数いるのであれば、プレイ順は当事者プレイヤーたち全員が協議して決めなければなりません。
協議してもプレイ順が決まらない時には、当事者プレイヤー全員が移動をする機会を失います。移動出来なかったとしてもモルトポイントを支払わなければなりません。意図的に合意を拒否して移動する機会を失わせるようし向けることも作戦のひとつです。
これらの協議やその他ゲーム中の交渉に、モルトポイント・サイトマーカー(茶のみ)・ウィスキーマーカーを取引材料に使用することが出来ます。
2.プレイヤーフェイズ:決められた順番にしたがって、各プレイヤーは自分のコマを移動させます。
移動は前進のみで、選んだモルトポイントは全て使い切らなければなりません。
もし、他のプレイヤーのコマがいるマスから「出る」時には、他のコマ1つにつき余分に1モルトポイントが必要です。マスから出るのに必要なモルトポイントが不足している時には、そのマスで移動は終了します。
移動が終了したマスに何らかのマーカーがあれば、その効果を発動させることが出来ます。複数のマーカーがあれば、そのうちに1枚を選んで発動させます。
☆ウィスキーマーカーウィスキーマーカーは、4モルトポイントを支払えば購入することが出来ます。購入は任意です。
ウィスキーマーカーには特殊な効果があり、以後、その効果を使用することが出来ます。「X1」と書かれたウィスキーマーカーは、ゲーム中1度しか使用することが出来ません。そのようなウィスキーマーカーを使用した場合は裏返します。
ウィスキーマーカーの特殊効果には以下のようなものがあります。
- ウィスキーやサイトマーカーの特殊効果をキャンセルする
- 手番が回って来ていないプレイヤーからモルトポイントを1個ずつ盗む
- ラウンド終了時に(4個ではなく)5個のモルトポイントを補充する
- 他のプレイヤー1人の所有するモルトポイント半分を盗む
- 他のプレイヤーとウィスキーマーカーを交換する
- 1枚のウィスキーマーカーを賭けて決闘する
- 任意のコマを2マス、前か後ろに移動させる
特殊効果を使用するためには、定められた条件を満たさなければならないものもいくつかあります。
☆茶色のサイトマーカー茶色のサイトマーカーは、自動的にプレイヤーに利益をもたらします。
キューブと数字の書かれた「キャンプ」は、プレイヤーにモルトポイントを与えます。
ラッパと数字の「チェックポイント」は、勝利得点をプレイヤーに与えます。
☆青いサイトマーカー青いサイトマーカーには4種類あります。
- ウィスキーマーカーを5勝利得点(VP)で売却可能な「バブ」
- ゲームボード上にある任意の2つのマーカーを交換可能な「聖 Culaban の祝日」
- イギリス人コマを3マスまで前後に移動させることが出来る「イギリス人」
- 使用済みにウィスキーマーカーを再度使用可能とする「聖地」
止まったマスにある青いサイトマーカーの種類によって効果を適用します。
3.ラウンド終了フェイズ全てのプレイヤーの手番が終了したら、イギリス人コマが移動します。イギリス人コマは3マスだけ前進します。
この時、プレイヤーのあるマスは飛ばします。飛ばされたコマのプレイヤーは、所有しているウィスキーマーカー1個につきモルトポイント1個を税金として支払わなければなりません。支払えない時には、ウィスキーマーカーで支払います。
この後で、イギリス人のコマのあるマスに、ストックからランダムに引いたマーカーを配置します。
これを繰り返してゲームは進行します。
誰かのコマがゴールに入ったらゲームは終了し、勝利得点(VP)の計算を行います。
バブに売却したウィスキーマーカーは5VPです。所有しているウィスキーマーカーは1個につき2VPです。モルトポイントを最も多く所有しているプレイヤーには3VPが入ります。
その他、チェックポイントや順位(イギリス人コマがゴールしたかどうかで点数が異なる)によってVPを計算し、最も多くのVPを獲得したプレイヤーの勝利となります。
特殊効果が派手に飛び交いそうなレースゲームです。とはいえ、ルールを読む限りでは、プレイヤー間の交渉に制限が少なく、「読み」が重要なので、実は意外とシビアな内容のゲームかもしれません。早くゴールすることで高い順位点を得られるようにはなっていますが、最終的にはその他のVPを総計して勝敗が決まりますので、そのあたりの駆け引きも面白そうです。
特殊効果はいくつかありますが、それほど難しいものではありません。また、特殊効果をゲームにもたらすマーカー類はプレイ中に公開された状態で場にあるので、わからなければその場でルールを確認することが可能になっています。
= DATA =
◆タイトル :Scottish Highland Whisky Race (ウイスキーレース)
◆デザイナー:Andreas Steding
◆メーカー :MoD Games / JKLM Games
◆3-6人/12歳以上/60分程度
◆関連サイト:
http://www.boardgamegeek.com/game/12679
http://ejf.cside.ne.jp/review/whiskeyrace.html

コメント
コメント一覧 (1)
ちょっと変わったメカニズムのゲームで、競りとコマの移動と特殊能力という感じです。
このメーカー、作りすぎた箱に化粧紙をオーバーラップして張るので、箱の紙の下に別のゲームが見え隠れします。