30日(土)は、SGC有志が集まって「Revolution (オランダ革命) / Phalanx」moon Gamermoon Gamermoon Gamerをプレイしました。個人的には先月の初プレイに続いて2回目です。

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前回は4人でしたが、今回は念願の5人フルプレイが実現して感激です。ゲームの方は実に7時間以上(+インスト)もの熱戦となり、とても濃密で充実した時間を過ごすことが出来ました。

「オランダ革命」は、複雑なメカニクスを持つ陣取りゲームです。しかもそこに偶然の要素はまったく介在しません。交渉の内容も含めて、秘匿される情報もありません。全てはプレイヤーの意志決定により盤面が変化し、それによってポリティカルにゲームは進行します。

「オランダ革命」は、いわゆる地政学ゲームとは趣が異なっています。エリアの取り合いではなく、エリア内の主導権争いが主眼となっているからです。エリアごとの独立性は高く、隣接したエリアへの干渉はほとんど行えません(別の手段を使います)。

通常、この種の陣取りゲームでは、エリア内で1位と2位のプレイヤーにポイントを与える、というようなルールをドイツゲームではよく見かけます。しかし「オランダ革命」では、もう少し込み入った要因を幾重にも絡ませることによって、より高度な戦略ゲームとして構成されています。

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今回は5人プレイとなり、保守派として「カトリック」「ハプスブルグ」に「貴族」が加わりました。

「貴族」は、都市において市民の忠誠をより「中道」寄りにしようとします。保守勢力でありながら、市民が極端な宗教的思想に傾倒するのを望まず、ひたすら資源タイルを広く薄く配置することを目指します。

ただ今回のゲームで貴族プレイヤーは、この市民の状態を変化させる「競り」にあまり介入せず、マップ上の資源タイルの争いに終始していました。この方針がどうだったかは議論の余地があるかと思います。

僕は市民勢力を担当し、改革派プレイヤーと連携をしながら Holland 周辺でがんばっていたのですけれども、上記のように貴族が市民の状態に介入しなかったため、序盤に豊富な資金力を持つカトリックは大々的な布教に成功し、世論はカトリック一色となってしまいました。

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盤上で資源タイルや軍隊の争いに勝利して都市を支配したとしても、その市民がカトリックに強く傾倒していると、その都市から反カトリック勢力の資源タイルが1枚除去され、さらにカトリック勢力が1枚湧いて出てきてしまいます。このため、改革派も市民も都市の支配が思うように出来ず、その結果として資金不足に苦しむことになりました(都市は重要な資金源です)。

こうなるとさらに資金力の差は拡大し、改革勢力はどうにも動きが取れなくなってきました。一方改革派の方も Flanders でハプスブルグの大軍勢によって支配を奪われ、貴重な都市を3つも失うこととなり、革命は失敗に終わったかに思えました。

2ラウンド終了時点こんな状態だったので投了しようかも思ったのですが、保守勢力はいずれも資源タイルのストックが不足しており、特にカトリックは税収を調整してもストックが枯渇する状況になっているのを見て、これはひょっとしたらまだチャンスがあるかも、と思い直しました。

このゲームは資源タイルを一度盤上に配置してしまうと、それをストックに戻す手段が限られています。貴族プレイヤーがカトリックやハプスブルグの支配下で何やら暴れており、その対応に迫られて、保守勢力のタイルが終盤で足りなくなるような気がしたのです。

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そこで市民勢力としては、4ラウンドまでは最低VPで最終手番を取り続け、支援ボックスの London Merchant の資金を活用しつつ、拠点となる都市の市民の状態を少なくとも「強いカトリック」の状態に出来るだけしないように努めました。

軍隊は2個だけ持ち、ひとつは Holland(重要な資金源の防御)へ、もうひとつは Zeeland(5地方に隣接する要所)に配置し、最低限の軍事力で当面は現状維持を図ることに専念しました。このように、最終ラウンド(5ラウンド)に勝負をかけられるような体制を整えておけば、まだチャンスはあるように思えました。

そうこうしているうちに4ラウンドには改革派が Köln を制圧し、各地の大学も開校し始めてスコアが伸び始めます。各地域では資源タイルや軍隊による紛争が散発的に起こり続け、革命はいよいよクライマックスの5ラウンドを迎えます。

ここで市民勢力は、London Merchant の支援タイルを Generality の支配のために展開し、Huguenots に張り付いていた支援タイルも最北端の商業地がある Friesland に差し向けました。そして、改革派の支配している Gelderland を争議によって奪取し、続いて Holland の支配も大量の資源タイルを投入して確立しました。最終ラウンドにおける市民勢力の電撃的な一大攻勢によって状況は一変したのです。

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最後に、カトリックによって市民の状態を変化させるべく資金が各地にばらまかれましたが、これも何とか市民勢力がしのぎきって、オランダ革命は市民の手によって成就することとなったのでした。

2回目のプレイで、ようやくいろいろなことがわかってきました。保守と改革の両陣営は、それに属する勢力の連携が重要です。しかしそれは不安定な関係であることも忘れてはなりません(特に最終ラウンド)。各勢力には長所と目的があり、同時にそれぞれが固有の苦悩を抱えています。それらをよく理解した上で慎重に自分の行動を選択するべきです。

資源タイルの管理は5人プレイではさらにシビアです。資源タイルは固定的ですが、その一方で支配状態は流動的なため、目先の支配や収益にこだわり過ぎると、ストックが枯渇して行動の選択肢が狭まります。全ての勢力が扱うタイルの枚数は同じですし、ゲームの目的は最終的なスコアで決まるのですから、一時的に不利な状況になったとしても慌てる必要は何もありません。

最終ラウンドに手番が何番目になるかは非常に重要です。そのため、直前の4ラウンドに何をすべきかをよく考えておきましょう。最終ラウンドに資源タイルが不足することだけは絶対に避けなければなりません。

個人的にはとても面白いセッションだったのですが、今回の参加者全員が「オランダ革命」そのものに満足したわけでもなかったのがちょっと残念ではありました。

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さて、「オランダ革命」が終わった後は「Sag's mit Symboien (シンボルで言いましょう) / Amigo」で盛り上がりました。

ちょっと時間がかかることがあるのと、カードが日本語化されていないと不便な気がしましたが、ゲームそのものは誰でも気楽に楽しめるお手軽な内容でよろしいかと思います。

さて日曜日もゲーム会です。体力が持つかな…