23日(日)は、上北沢で開かれたSGC例会に参加してきました。上北沢の会場を使うのは久しぶりです。この日は秋らしいさわやかなお天気で、日中はちょっと蒸したくらいでしたが、さすがに湿度は低く、室内はエアコンが必要ないくらいの陽気でした。
今回もそうなのですが、ここ何回かのSGC例会で僕は、atog さんが持ち込む古めのヴィンテージゲームを遊んでばかりいます。なので、このブログで紹介するSGCのレポートはやや偏っているのですけれども、他の卓ではちゃんと普通のゲームが遊ばれていますので、その点は誤解無きよう。
Pirates (パイレーツ) / Ravensburger
クニツィアのダイスゲーム。4人。

メビウス便新作をさっそく遊んでみました。基本的にはダイス根性ゲームです。
プレイヤーは海賊船を1隻ずつ持ちます。船には6つのスペースがあり、それぞれダイスの1~6にも対応しています。各スペースには「大砲」か「海賊」のどちらかを配置することが出来ます。
手番では「移動」「攻撃」「修復」のいずれかの行動から2つを選んで行うことが出来ます。「移動」は最初の行動としてしか行えず、「修復」は最後の行動としてしか行えません(つまり『移動』-『攻撃』/『移動』-『修復』/『攻撃』-『修復』のいずれかです)。
「移動」は海賊船に乗っている海賊の数だけ進めることが出来ます。「攻撃」は、他のプレイヤーの海賊船か要塞にある宝物を強奪するために襲撃することで、判定はサイコロで行います。サイコロの数は海賊船に乗せている大砲と同じです。「修復」は、海賊や大砲を補充したり交換したりすることです。
攻撃が成功すると、相手の持つ宝物を全て奪えます。これを船着場まで持ち帰ることが出来ればそれが得点になります。プレイ人数によって規定された数の得点に達すれば勝利です。
ルールの文面以上でも以下でもないそのまんまなゲームです。サイコロ運の比重がとても大きなゲームですので、それを楽しめるメンツであれば盛り上がるでしょう。
http://www.tgiw.info/news/essen2005.html#ravens
さてここから atog 氏のゲーム投入。5人。

油田を掘り進んで油田を開発し、生産された原油を市場にタンカーで運んで利益を得ます。油田ごとに産油価格が異なり、世界に5箇所ある市場も相場が刻々と変動します。これらの複合的な要素がシンプルなルールで構築されています。
ゲームは「モノポリー」のように、自分のコマをボードの周囲に描かれたマスをサイコロを使って移動させることで進行します。サイコロは1個(1D6)だけ使います。マスにはイベント発生やカードを引く指示などが書かれています。
「油田(油井やぐら)」のマスに止まったら、油田カードの山に置かれた一番上のカードを購入することが出来ます。しかしこれだけでは何の利益も生み出しません。まず発掘をして原油を掘り当てなければならないのです。
購入された油田はただちに発掘が開始され、別に用意された専用ボードの最上部の穴にピンを差します。このピンは、油田カードを持つプレイヤーが移動を行う時に振ったサイコロの目と連動して下に下がって行きます(発掘が進んでいるわけです)。
ピンを差す穴は14個あります。面白いことに、ピンが止まった位置によってはイベントが起こることがあります。臨時収益が入るなど良いこともありますが、油田から原油が出ずにいきなり廃棄されてしまうこともあります(そうすると油田を購入した費用はパーです)。
幾多の困難を乗り越えて発掘に成功すると、いよいよ石油の採掘が開始されます。原油の産出量は別のボードで、はやりピンを差すことで管理されます。最初の産出量は「0」です。
自分のコマが特定のマスに停止するか通過することで自動的に1段階ずつ産出されます。ただしこの産出マスは2箇所しかないので、一度にそんなに多くの産出が望めるわけではありません。
ただし、油田によって一度に産出される量が異なっています。より優良な油田では100ずつ産出されますが、普通の油田では50ずつです。このあたりの個性付けは細かい演出ですね。
さて、一定量の石油が備蓄されると、それをタンカーを使ってマーケットに運搬することが出来ます。このタンカーにも2種類あって、少ししか積めないけれどもレンタル料が安いものと、一度に大量運輸が可能ではあるけれどもレンタル料が高くて移動に制限のあるものです。
タンカーはボードの中央にある世界地図上のマスを移動します。タンカーの移動はサイコロを使わず1手番1マスずつ進みます。タンカーのレンタル料は毎手番支払わなければならないので、コストの計算は慎重に行わなければなりません。
タンカーは油田のある地域から出発しますが、目的地は世界中に5箇所あるマーケットのいずれかです。どこに行っても構いません。マーケットごとに原油相場価格が管理されており、相場の変動は特定のマスやカードによって行われます。面白いことに、相場の変動量にもマーケットごとに個性があって、それらも考えた上でタンカーの移動先を決めなければなりません。
ここに書いたこと以外にもいくつかもの要素が詰め込まれていますが、ラベンスバーガーのゲームらしくコンパクトにまとまっています。このゲームが初めて作られたのは1970年なのですが、これだけスケールの大きなテーマを、この時代にここまですっきりまとめ上げたこと自体が賞賛に値すると思います。なかなか野心的コンセプトのゲームだと言えましょう。
あ、古いゲームなのでランダム要素が激しく、救済措置がまるで用意されていないのはいつものことですが(゚∇゚;) 今回のセッションで勝利したプレイヤーは、油田をいくつも抱えて余裕で圧勝でしたけれども、最下位のプレイヤーは借金を重ねているにも関わらず油田をほとんど所有していないという、またえらく極端な差がついてしまいました。
http://www.boardgamegeek.com/game/12237
コルディッツ収容所からの大脱走。5人。

脱出不可能と言われたコルディッツ捕虜収容所からの脱走がテーマのゲーム。ボードには実際のコルディッツ城を模したマップが描かれており、雰囲気は抜群です。
このゲームは、まず1人がドイツ軍看守を担当し、残りのプレイヤー全員が捕虜となります。捕虜のコマはプレイヤーごとに色分けされており、それぞれ5個ずつ(5人プレイ時)扱います。捕虜側の目的は自分のコマを2つ脱走させることで、ドイツ軍プレイヤーの目的はそれを阻止することです。構造としては「スコットランドヤード」に似ていますが、追う側がひとりで逃げる側が大勢という点は逆です。
手番ではまずサイコロを2つ振ります(2D6)。出た目の合計数だけ自分のコマを移動させることが出来ます。合計数以下であれば、各コマに移動数を自由に振り分けられます。
例えば合計「8」であれば、ひとつのコマを8マス移動させたり、2つのコマを4マスずつ移動させたり、3つのコマをそれぞれ1マス・3マス・4マス移動させる、などが可能です。また、ゾロ目が出たら、もう一度サイコロ2個を振って、それを1回目の合計数に加算することが出来ます。
コマの移動は看守側も同じように行います。看守コマはゲーム開始時に収容所内にいくつか配置しますが、残りは詰め所にストックとして配置しておきます。これは、看守プレイヤーの振ったサイコロの目をひとつ使うことで、収容所内の指定された位置に登場させることが出来ます。
捕虜が脱走を行うためには道具が必要です。壁をよじ登るには「ロープ」、有刺鉄線を切るには「ペンチ」、検問所対策の「偽造パス」、そして鍵を開けるための「キー」です。これらは全て必要なわけではなく、脱走方法によってどれを入手するか選択することになります。また、脱走後に必要な逃走4点セット(食料・コンパス・帽子・お金)は必ず入手しておかなければなりません。
道具を入手したプレイヤーのコマは看守コマに「逮捕」される可能性があります。道具を持っていないか「逃走4点セット」だけなら、原則として逮捕はされません。逮捕されたコマは独房にぶち込まれます。ただし、サイコロの目がゾロ目であれば抜け出すことが出来ます。
看守側プレイヤーは、1手番に1個の捕虜コマしか逮捕することが出来ません。この制限はかなりシビアで、看守側プレイヤーは互いに協力し、時にはおとりとなるコマを使って脱走を試みることになります。その他、強力な効果を持つカードもあり、その使いこなしも重要なポイントになるでしょう。
インストを受けた時には、またサイコロ運の強いゲームかな、と思ったのですが、プレイしてみると案外と面白かったです。特に捕虜側は、互いに連携しながら行動を行うことで、より効率的な脱走計画を練ることが出来ます。これは現在流行している「全員協力型ゲーム」の原型とも言えるテイストで、そんな感覚がこの古いゲーム(1973年製)で味わえるとは思いもしませんでした。
一方、看守側は厳しい制限の中で何とかして最善手を見つけて、捕虜の脱走計画を頓挫させることを目指します。この激しいしのぎ合いが「コルディッツからの脱出」の大きな特徴であり、見せ場でもあります。派手なカードの撃ち合いもあれば、道具を地道に揃えていく過程もあり、メリハリの効いた良いゲームだと思いました。
最終的にはサイコロ運やカード運がついてこないと勝てないようにはなっていますが、それまでのプロセスが十分に戦略的ですし、「脱走」というテーマにも合っているのでそれは問題ないでしょう。ただ、今回のセッションでインストを除いても2時間半ほどかかったのはちょっと長かったかも。実はプレイ中はそんなに長くは感じなかったのですけれども、気楽にやるタイプのゲームでないことは確かですね。
http://www.boardgamegeek.com/game/715
裁判というか何というか。5人。

原告側と被告側の弁護士に分かれて、手札に配られたカードを考慮しつつ、適正な賠償金額を交渉し、示談をまとめるゲーム。しかし示談が決裂すればリスクの高い(サイコロ判定)裁判によって決着をつけなければなりません。1986年製。
まずプレイヤーのひとりが被告側弁護士になります。残りは全て原告側弁護士です。最初に事件カードが1枚オープンします。そこには「理非(Merit)」と「賠償金」が書かれています。最終的に裁判になった時、被告プレイヤーがサイコロを3つ(3D6)振った合計値が「理非」の値を超えれば無罪となります。しかし有罪となれば賠償金が原告プレイヤーに銀行から支払われます。これが基本。
つまり裁判が行われると、原告側が賠償金を得られるかどうかが不確定な要因に左右されてしまいます。もちろん負ければ無収入です。その前に示談によって適当と思われる金額で折り合いを付けようと交渉が行われます。
さて、ラウンドの開始時各プレイヤーにはカードが2枚配布されます。これは非公開です。そこには、事件カードの「理非」値をプラスしたりマイナスしたりする修正値が書かれています。もし裁判となった時には、このカードに書かれた値で「理非」値を修正した上でサイコロを振るわけです。ひとまず、手持ちのカードの状況によってどのあたりが「落としどころ」であるかを判断することになるでしょう。
ゲームはまるでポーカーのように進行します。被告側弁護士が示談金額を提示し、それに対して原告側弁護士たちはそれを受け入れたり、拒否して新たな示談金額を逆提示したりします。これを何回か繰り返し、まとまらなければ手持ちのカードが徐々に公開されながらゲームは進行します。
裁判が結審するか、原告側全員が示談を受け入れたらラウンドは終了します。次のラウンドは隣のプレイヤーが被告となります。全員が被告を1回ずつ行ったらゲームは終了し、最終的に最も多くの資金を持つプレイヤーの勝利です。
いかにもアメリカ人好みのブラフと交渉のゲームです。カードには他にも特殊な効果を持つものもあり、単純な交渉ゲームにはなっていませんが、見た目はちょっと地味です。ですので、ノリよくゲームに取り組んだ方が楽しめるかと思います。誰がいくらの資産を持っているかは覚えておいて、交渉は粘り強くそして狡猾に。
http://www.boardgamegeek.com/game/563
お庭に植えた花壇が神の一撃で全滅(;゚-゚) 5人。

ガーデニングがテーマ。手札の種カードを庭に植えてお花を飾り、より高い得点を狙うゲームです。ルールはシンプルなのですが、いろいろな意味でかなり「激しい」ゲームです。1980年製。
最初に手札として Seed Packet(種子)カードを何枚か受け取ります。種子カードは4種類あり、それぞれ1~16の番号が振られています(4スート・16ランク)。マスの指示やカードの指示によってこれは増減します。
進行は「モノポリー」に近いです。ダイスを2個(2D6)振って、その目だけコマを進めます。ゾロ目ならもう1回。そして止まったマスの指示に従います。マスはボードぐるりと周回しています。
ボードには4箇所の「Garden Gate」マスがあります。ここにコマが止まると、手札の種子カードを庭に植えることが出来ます。あるスートの種子カードを植える時には、少なくとも2枚のカードが連続した数字でなければなりません。その条件さえ満たせば10枚までの種子カードを一度に植えることが出来ます。
ちなみに「庭」は着色された発砲スチロールにスリットの入ったギミックで、写真のようにカードをスリットに立てるようにセットします。
「Garden Gate」マスに止まった場合、もうひとつの選択肢「メガホン」を行うことも出来ます。手札から任意の1種類のスートのカードを2枚プレイして、他のプレイヤー1人を指名します。指名されたプレイヤーは、そのスートのカードを持っているのであれば、それらを全てメガホンを行ったプレイヤーに渡さなければなりません。
「メガホン」は強力な効果ですが、カードの効果はそれ以上です。はっきり言って尋常ではありません。特定のマスに停止すると指定されたカードを引かなければなりませんが、「庭のカードを全て捨てる」「手札を捨てる」「庭と手札を全て捨てる(!)」「全てのプレイヤーの庭にあるカードを全て捨てる(!!)」… こんなのばかりです(゚∇゚;) 良い効果もいちおうありますけど、ひどい効果の前には霞んで見えます。
ボードやカードは全て手描きの味のあるイラストで、見た目はとても良いゲームなのですけれども、どうも作者はそれだけにエネルギーの全てを注ぎ込んでしまったようです。ゲームは極端にランダム性の高いサバイバルゲームと化しており、古いゲームであるということを考慮しても厳しいゲームです。
ただそれでも、昔は写真でしか見られなかった憧れのゲームをやっと遊べたので、僕個人としはとても幸せな時間を過ごせました。
http://www.boardgamegeek.com/game/10718
変形マンカラ。4人。

最後は、このゲームで〆ました。
自分の陣地にある任意のひとつの穴からボールを全て取って、その隣の穴からひとつずつ時計回りに入れていきます。各プレイヤーの陣地の左上にあるカップにあるボールは取ることは出来ませんが、そこでボールを入れる処理がちょうど終了した場合は、もう一度手番を行えます。こうして、自分の4つの陣地からボールを最も早く無くしたプレイヤーの勝利。
マンカラをベースにしたゲームで、スピーディで収束性の高い思考ゲームとしてよく工夫されていると思います。途中まではソロプレイが続き、終盤でいきなりパズルになるような感じでしょうか。
ただ、自分のボールは時計回りの方向にしか流せないので、反時計回り方向のプレイヤー(自分の前のプレイヤー)に対するセーフティプレイは事実上不可能です。妨害された相手に対する直接的な反撃が出来ないので、ちょっとフラストレーションがたまります。
最後までいまひとつ深みがあるのか無いのかよくわからなかったのですけれども、ファミリーゲーム的なノリで手軽に遊ぶなら楽しめると思います。もう販売元が存在しないようですが、ルールさえわかれば自作は簡単に出来るでしょう。
レポートは以上です。
アフターは釜飯屋にて昔のゲーム話に花が咲きました。若いゲーマーはすっかり置いてきぼり
でも冒頭にも書きましたけれども、SGCではあらゆるジャンルのゲームが普通に遊ばれています。この懐の広さと深さが兼ね備えられていることがSGCの大きな特徴だと思います。
具体的にどんなゲームが遊ばれているかはSGCサイトに、最近の例会でプレイされたゲームのリストが掲載されていますので、どうぞそちらをご覧ください。例会情報もこちらでどうぞ。
ということでお疲れさまでした。また次回もよろしくお願いいたします>関係者各位

コメント
コメント一覧 (2)
最近のドイツゲームの出来映えに較べれば、かなり見劣りするかも知れませんが、まだ少しは備蓄ありますんで、これからも変わったゲームを持ち込む予定です。是非お付き合いよろしくお願いします。
昔のゲームと今のゲームを単純に比較することに意味はありません。例えるなら、クラシックとポップスを比べるようなものですから。
音楽がそうであるように、ゲームもまた楽しみ方は一つではないでしょう。古き良き時代のゲームをプレイするということは、面白いとかつまらないとか、そういう価値基準では推し量れない独特の意味や価値があるのだと思っています。
まだ師匠のコレクションを楽しむことが出来ることを本当にうれしく思います。今後ともよろしくお願いします。