30日(日)は、川崎は武蔵小杉で開催された「第2回素人ボードゲーマーNo.1決定戦」の見学に行ってきました。未発表のオリジナルゲームをその場でいきなりプレイし、総合的な得点を競うというユニークな競技会です。決定戦について詳細は、以下のサイトをご覧ください。

[ 第2回素人ボードゲーマーNo.1決定戦 ]
http://members2.jcom.home.ne.jp/numberone_two/

この競技会にはもうひとつの側面があって、それはアマチュアゲームデザイナーの作品発表の場であるということです。前回は如月狩賭さん(当時はりんちゅさん)おひとりだけで競技対象となるゲームのデザインを全て担当していましたが、今回は制作側が5人に増えて、それに伴ってプレイするゲームの数も増加することとなりました。

今回僕は参加メンバーとしてではなく、ただの見学者としてだけおじゃましました。ですが、事前に連絡をしていたからか、わざわざネームプレートを主催者に用意していただきました。本当にありがたいことです。会場では、これまでウェブ上でしか知らなかったたくさんの方々とご挨拶が出来ました。

僕が会場に行ったのは午後1時前くらいでしたでしょうか。すでに決定戦は3ゲーム目に突入していました。タイムスケジュールや席順は黒板に書かれており、スコアはノートパソコンできっちり管理されておりました。

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競技中にもかかわらず、僕はあちこちの卓で写真撮影ばかりしていました。出来るだけ邪魔にならないように見学していたつもりなのですが、気になった方もいたかもしれません。大変に失礼しました。

以下、僕が見学したゲームのみを簡単にレポートします。


プロコンスル / ファラオさん作
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途中から観戦していたので詳しいルールは不明。しかし写真のように豪華なコンポーネントは目を引きました。2時間超もかかる重厚なゲームで、いかにもファラオさんの好みに合った戦略的なゲームのようです。

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フェアリー・クロック / 鷹村ナクトさん作
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昼食休憩後に行われたゲームがこれ。ダイスを使ったシンプルかつ悩ましげな収集型ゲーム。ボード上から宝石を集めることが基本ですが、他のプレイヤーと強制的な交換も発生するので、そのあたりが考えどころですね。30分ほどで収束する小品。

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ポリス評議会 / カワサキファクトリー作
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創作ゲーム界の雄・カワサキさん入魂の新作。未開の地に植民団を派遣して開拓する開発ゲームです。法案が提示されることによって選挙が行われ、投票者は自分が選択した政策に基づいて自分の行動が決定されます。自分の政策が支持されたり、あるいは開拓によって永住地を作るなどすればポイントを得られます。

カワサキさんらしいジレンマ感がたっぷり詰まったポテンシャルの高い作品です。いくつものアイデアがコンパクトに折り重ねられ、それらがスマートにデザインされているように思いました。個人的にも、このゲームだけはただ見ているだけでは物足りなく感じたくらい、かなり面白そうなゲームでした。

ご本人とちょっと話しましたが、これからも調整を続けていくとのこと。今後の展開が楽しみですね。期待&応援しています>カワサキさん

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落水邸物語 / タクヤさん作
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これは決定戦の様子ではありません。「ポリス評議会」が長引いている卓があったので、その待ち時間にこのゲームをプレイする機会をいただいてしまいました。いや、ほんとにすいません。ちなみに「落水邸物語」は午前中にすでに終わっているゲームです。

変則トリックテイキング… なんですが、プレイするカードを処理するトリックとは逆順にプロット(場に表向きに出す)するという驚愕のメカニクス。最初に出すカードは、最後に行われるトリックでプレイされるカードです。2回目に出すカードは、最後から2番目のトリックで出すカードで… と続けていき、最後に出すカードは最初のトリックでプレイするカードになります。そしてマストフォロー・ノートランプのルールにしたがってトリックの処理を最初から最後まで順番に&機械的に行っていきます。

他にもうちょっと細かいルールはありますが、いずれにせよこれはとても面白い動きをするカードゲームです。1ゲームだけではよくわからなかったので、いずれじっくり研究したいですね。カードのイラストも素晴らしい。

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イカP / タクヤさん作
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イカサマポーカー(笑)。まともなカードの他にイカサマ用のカードを各自が持っています(カードの種類が限定されているので大きな役が出やすくなっています)。カードの交換を行った後、各プレイヤーは自分のカード(イカサマ用カード含)のうちから5枚を選んで一斉にオープンします。

この時、自分のカードと同じカードを使っているプレイヤーがいたら「イカサマ!」と指さして指摘することが出来ます。この「イカサマ」宣言は早いもの勝ちです。そして指摘が合っていればそのプレイヤーはこの賭けに参加出来なくなります。ということで、時には写真のような激しいアクションになるわけですねmoon Gamer

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ダイス☆スターII / 如月狩賭さん作
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ダイスを使ったバースト系ゲーム。ゲームはシンプルなのですが、これを卓単位の対戦形式として一種の全体ゲームとして構成したのはさすが。このゲームでは、ナクトさんのご厚意によって僕もゲスト参加させていただきました。結果はちょっとしょぼかったけど(;゚-゚)


大酋長 / 鷹村ナクトさん作
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そして最後のゲームに突入。シド・サクソン「Haggle」のアレンジ。全員が10個の「リング」を指にはめて、さらに何枚かの「ルールカード」を持っています。ルールカードには、自分のリングの状態によって何点が入るかなどのルールが書かれています。

プレイヤーは誰とでも交渉を行うことが可能で、互いに同意すればリングやカードの交換を1対1で行うことが出来ます(ただし同一人物のと連続交換は不可)。自分のリングの状態でより高いポイントを得るルールカードを獲得したり、逆に所有しているルールカードに合わせてリングの状態を変更するために交渉しまくることになります(リングの交換ルールには詳細がありますが略)。

カードに書かれたテキストはメモすることが許されていますので、その情報収集も重要な要素になっています。誰とでも自由に交渉が可能なので、20人全員が写真のように会場を歩き回って交渉相手を探していました。制限時間は20分。体力と根気が必要なゲームです。

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レポートは以上です。
最後に優勝した sha さん(カタン協会)と2位のリョータロさん(藤沢BGC)に賞品授与セレモニーがあって、「第2回素人ボードゲーマーNo.1決定戦」は静かに幕を閉じたのでした。

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制作されたゲームの内容・コンポーネント共に素晴らしかったですし、競技会の進行もスムーズでした。制作者の方々の努力と根性には頭が下がります。ほんとお疲れさまでした。