27日(火)、SGCのたまさんと久しぶりのミニゲームの会を開きました。レポートの記録を調べてみたら今年の9月以来でした。SGC例会ではたまさんに会っているので、そんなに間が開いてしまっていたとは不覚でした。本日も午後9時過ぎから開始し、午前0時前まで3時間ほど遊びました。
さて、今回のミニゲームの会は「Memoir '44 (メモワール44)」オンリーとなりました。第二次欧州大戦における陸戦をテーマにしたライトなウォーゲームです。歴史上で実際に行われた戦いをテーマにはしていますが、それを知らなくても楽しめるように、同系列のゲームに比較するとシンプルなメカニクスが採用されています。
部隊を表すコマや障害物などはミニチュアフィギュアですし、ヘクスのサイズも大きくて見栄えがするコンポーネントも大きな特徴です。
Memoir '44 (メモワール44) / Days of Wonder
まずは入門シナリオから入りました。
「メモワール44」には15種類ものシナリオが用意されていますが、まずはともあれ「入門用」と位置づけられている最初のシナリオ「Pegasus Bridge」をプレイしました。背景になっているのは1944年6月6日未明におけるノルマンディでのイギリス軍による強襲空挺作戦です。史実では、この奇襲作戦によってイギリス軍が目標となる橋を素早く確保することに成功し、この数時間後に決行されるノルマンディ上陸作戦の成功に大きく貢献しました。
シナリオを開始する前に、まず指定されたマップの作成から始めます。「メモワール44」のマップは汎用的に作られており、シナリオごとに指定された位置に「森」「丘」「河川」などの地形タイルを配置します。そして各部隊も指定された位置に置きます。
このゲームは入門用ということで「歩兵」しか登場しません。歩兵部隊は4個のフィギュアをひとまとめにして1部隊として扱います。これは部隊の耐久値を表すと言えばわかりやすいでしょうか。つまり、部隊が1回のダメージを受けるたびに、1個のフィギュアが失われていくのです。
部隊には「射程」があります。例えば歩兵部隊は「3」ヘクスまで先の敵部隊を目標に射撃を行うことが出来ます。ただし、歩兵の場合は目標が離れているほど攻撃時に振るダイスの数が減ります(ダイスをたくさん振った方が相手により多くのダメージを与えやすいのです)。
なお、部隊に含まれるフィギュアの数は攻撃力と無関係です。フィギュアの数が1個でも4個でも規定の攻撃を普通に行うことが出来ます。簡略化のために、このあたりはかなり割り切った大胆なルールを採用されています。
ゲームの進行はやや独特です。まず、各陣営には「コマンドカード」が数枚配布され、手札に持ちます(枚数はシナリオごとに異なります)。自分の手番開始時に、このうちの1枚を手札から提示します。
コマンドカードとは、自軍部隊に対して下す指令のような意味を持ちます。マップは「左翼」「右翼」「中央」の3つのセクションに分割されていますが、そのいずれか(あるいは複数)に存在するいくつの部隊に対して指令を送れるかが記載されています。たとえば「右翼:3部隊」「中央:すべての部隊」「右翼・左翼・中央:1部隊ずつ」のように指定されてます。
この後で、選択したコマンドカードにしたがって、指定されたセクション内の部隊を選択し、それらの移動を行い、そして戦闘を行います。選択された自軍ユニットのみが移動・戦闘を行えるのです。
また、コマンドカードには特殊な効果を持つものもあり、これがこのゲームのアクセントとなっています。特殊な効果を使わなければ勝てないというわけではありませんが、戦術的に重要なオプションとして効果的に使用するタイミングを常に考慮しておくべきでしょう。
こうして、敵部隊を全滅させたり、目標として指定された重要拠点を占領したら、勝利得点となる「勲章」をもらえます。これがシナリオの指定する数に達した陣営の勝利となります。
このセッションでは連合軍(イギリス軍)を僕が担当し、ドイツ軍をたまさんが担当しました。ドイツ軍は奇襲を受けたことになっているので、ゲーム開始時はわずかな枚数のコマンドカードしか保有していません(ゲームが進行するにしたがって増えていきます)。
最初のゲームということでルールの確認をしながらゆっくり進行しました。ルールに若干あいまいな点もありましたが、特に大きな混乱はありませんでした。
初手の連合軍に移動でミスをしてしまい、受けなくてもいい損害が出てどうなるかと思いましたが、その後に数に任せてどんどん攻め上がり、最後は連合軍の勝利となりました。このシナリオのドイツ軍がかなり苦しいバランスなのですが、史実と異なってゲームではイギリス軍の意図がまるわかりなので、守りきってしまえば何とかなる可能性があるような気もします。
1ゲーム終了してからまだだいぶ時間が余っていたので別のシナリオで遊びました。
選択したのはシナリオ5「OMAHA BEACH」です。
「プライベート・ライアン」の迫力ある冒頭シーンで扱われているのがこの「OMAHA BEACH(オマハ海岸)」の戦いです。ノルマンディ上陸作戦の激戦地のひとつで、ドイツ軍の反抗が最も激しかったとされます。このセッションは、ドイツ軍が僕で、連合軍はたまさんが担当となりました。
このシナリオは海岸のあるマップを使用します。また、扱う部隊の種類も増え、新たに「戦車」「大砲」が導入されます。「戦車」は大きな火力を持った機動兵器で、このゲームでも大変に強力な部隊として扱われています。しかし部隊に含まれるフィギュアの数が3つだけなので、打たれ弱いという欠点も併せ持っています。
「大砲」は6ヘクスもの射程を持つ長距離兵器です。火力もなかなか大きいものですが、何より恐ろしいのは「視線」のチェックが必要ないという点にあります。他の部隊は、敵部隊を見ることが出来るかどうかの「視線チェック」を行わなければなりません。厳しい地形に阻まれると「見えない」と判定され、攻撃対象にすることは出来ません。大砲部隊はこの制限が無いのです。
また、このシナリオで連合軍は「レンジャー部隊」という強力な歩兵部隊も登場します。彼らは、通常の歩兵よりも柔軟な機動性を持っており、ドイツ軍の脅威となるでしょう。
このセッションで序盤に連合軍の右翼方面から戦車部隊が海岸に上陸し、強力な火力をもってドイツ軍に襲いかかりました。連合軍は「Direct from HQ」カードを投入して4部隊を一挙に機動させ、全面攻勢を仕掛けてきました。
しかしここでドイツ軍も「Counter Attack」(敵軍が使用した直前のコマンドカードをコピーする)によって反撃を行います。これによって、戦陣を切って出た敵戦車部隊を殲滅させることに成功しました。
この後は、水際でせめぎ合う一進一退の激しい攻防が繰り広げられました。ダイスの目にも恵まれて連合軍の損害が大きかったこともあり、ポイント的にはドイツ軍がしばらく有利に進みましたが、終盤になって連合軍がついに中央方面の戦線を突破し、マップ奥にある都市のひとつまでたどりつきました(連合軍が都市を占領すると勲章=勝利得点がもらえます)。
ドイツ軍も必死の反撃を試みますが、実はこの時点でコマンドカードの引きが悪くて思うように部隊を展開することがかなり困難な状況でした。しかし、ここでも起死回生の「Counter Attack」を引き当て、相手の動きに乗じてリアクションを取ることに成功しました。そして最後の戦いで敵歩兵部隊を全滅させ、6個目の勲章を獲得して何とか勝利をもぎ取ったのです。連合軍も、ダイスの目が良ければ勝利という状況だったので、まさに1手差、ドイツ軍は薄氷の勝利でした。
史実同様に、このシナリオも連合軍は大変に苦労することになるでしょう。部隊の数は多いのですが、それを限られたコマンドカードで効果的に運用するのは極めて困難です。多少の損害が出ることを承知の上で、ドイツ軍部隊を消耗させながら複数の都市の占領を狙えば勝利が見えてくるでしょう。今回は終盤のドイツ軍のカード運が良かったこともあり、勝たせていただきました。
レポートは以上です。
「メモワール44」は、シンプルながらエキサイティングなゲームです。慣れれば長いシナリオでも30~45分もあれば終わらせられるでしょう。戦略性も高く、考えどころも悩みどころも兼ね備えた優れたウォーゲームだと思いました。
テイストがずいぶんと軽いので、本格的なシミュレーションゲーム愛好者には物足りないかもしれませんが、手軽にそれらしいウォーゲームを楽しめるという点で僕もたまさんもこのゲームをとても気に入りました。今回はシナリオのバランスがやや崩れていたので偏った結果が出てしまいましたので、ぜひとも再プレイしたいですね。
楽しい時間を過ごすことが出来てよかったです。
またよろしくお願いいたします>たまさん。
コメント
コメント一覧 (4)
来年は更なるウォーゲームのプレイを期待しています。ということで今度ハンマーオブザスコット対戦しましょう。
恥ずかしながらやっと遊べましたw
ハンマー・オブ・ザ・スコットも早くルールを読まなければ…
なにはともあれ今年もミニゲームの会でたくさんのゲームをあそばせて頂き、moonさんに感謝です。来年もよろしくお願いいたします。
あっ、ハンマーも購入済みで未プレイなんです。でもメモワールと比べるとかなり歯ごたえありそう。