18日(水)は、秋葉原イエローサブマリンにて行われた「水曜日の会」に参加してきました。「水曜日の会」について詳細は、mixi のコミュニティでどうぞ。
[ コミュニティ:テーブルゲーム始めました。]
http://mixi.jp/view_community.pl?id=223467
※mixi 内にジャンプします。mixi に参加されている方のみアクセス可能。
「水曜日の会」は、テーブルゲーム初心者・未経験者歓迎のオープンなゲーム会です。平日ですが、夜の9時までやっており、参加費も無料です(秋葉原YSのプレイスペースは平日の水曜日は無料開放されています)いますので、興味のある方はぜひどうぞ。
今回も夕方の5時前くらいから入り、終わりまで3時間半ほどのんびりと遊びました。遊んだゲームは軽いものを中心に5つです。このエントリーでは僕の遊んだゲームについて簡単にレポートします。
Beetlez (ビートルズ) / daVinci games
記憶系アクションゲーム。4人。
プレイヤーはゴキブリになります 自分の好物(プラス点になる)が3種と大嫌いなもの(マイナス点になる)1種がカードによって指定されます。しかしこれはゲームが始まってしまったら確認することは出来ず、覚えておくしかありません。
場にタイルを適当に並べます。そして片手のみを使って次々にタイルをめくり、自分の好物を見つけては手元に確保します。しかし「ライト」の描かれたタイルをめくったら「明かりだ!」と叫び、この時点で避難所探しにゲームは変わります。ゴキブリにとって避難所となる冷蔵庫(表に冷蔵庫が描かれたタイルがある)の描かれたタイルをひたすら探すのです。
ただし、この避難所タイルは人数-1枚しかありません。見つけられなかったプレイヤーはマイナス点となるペナルティのカード(見つかったカード)をもらわなければなりません。
こうして3ゲーム行います。最もタイルを集めたプレイヤーは消化不良を起こすので、やはりマイナス点となるカードを受け取ります。こうして、最も高い点数を獲得したプレイヤーの勝利です。
シンプルなアクションゲームです。消化不良ルールでバランスは取っていますが、やはりこの手のゲームが得意な人は強いでしょうね。確か同点2位くらいだったかな?
http://ejf.cside.ne.jp/review/beetlez.html
Palatinus (パラティヌス) / daVinci games
やることはシンプルでも最適手を探すのは難しい。5人。
まず、領地タイルを組み合わせてマップを作ります。領地タイルは7枚あり、それぞれの中央のマス(このマスは『丘』です)に「月桂冠」タイルを配置します。プレイヤーが扱うコマには「商人」「農民」「兵士」の3種があります。5人プレイ時には1人7枚しかコマを持ちません。
手番で行うのは、手持ちのコマを空いているマスに1枚置くだけです。各プレイヤーが手持ちの全てのタイルを配置したらゲーム終了(!)。5人プレイでは、1ゲームで7回しか手番は回ってこないことになります。
この後で、7つある『丘』について、まず兵士によって農民や商人を捕獲したかどうかを判定します。残った農民や商人の「影響力」をルールにしたがって計上・比較し、最も高かったプレイヤーがその丘の「月桂冠」タイルを獲得します。「月桂冠」タイルには得点が書かれています。
こうして他の丘についても同様に判定します。捕獲したコマと月桂冠タイルの得点を合計し、最も高かったプレイヤーの勝利となります。
影響力の計算が見た目よりかなりこみ入っており、さらにブラフの要素まで盛り込まれているので、先を読むのが極めて難しいタイプのゲームです。このセッションでは、得点の大きな月桂冠タイルを2枚獲得することに成功し、何とか勝利しました。自分のコマは分散配置するよりは集中した方がいいような気がしました。
http://ejf.cside.ne.jp/review/palatinus.html
Mogul (ムガル) / Timbuktu
久しぶりのプレイ。5人。
まず株券を1枚オープンします。その株券の所有者は1枚ごとに1点が入ります。その後で競りを行います。競りに残るにはチップを1枚場に出さなければなりません。競りから降りる時には、場のチップを全て取ってから抜けます。これを繰り返して、最後の1人になったら競りは終了します。
落札プレイヤーは、オープンした株券を獲得するか、あるいは自分の株券を売却します。売却可能な株券は、オープンされた株券ではなく、その株券の外枠で指定された会社の株券です。売却すると、その時点で場にある同銘柄の株券の枚数だけ点数が入ります(その後で株券は捨てます)。
その後で、最後から2番目に残ったプレイヤーは、落札者が行わなかったもう一方の行動(株券の獲得か株券の売却)を行うことが出来ます。こうして、株券を獲得したプレイヤーは、次の株券をオープンして最初の入札者となり、次の競りが始まります。
似たメカニクスで、よりシンプルで白熱する「ゲシェンク」が登場してからというもの、あまりプレイしている光景を見なくなってしまったのですけれども、誰もが認める優れた競り&株式売買ゲームであることは今でもまったく変わりありません
2~3年ぶりに遊びましたが、キレのある面白さを堪能しました。でもゲームは大敗でした
http://ejf.cside.ne.jp/review/mogul.html
Der Ausreisser (サイクルレース/アウスライセル) / FX Schmid
10年ぶりくらい? 5人。
先頭プレイヤーが出したカードに書かれた数値がひとまず基準の速度となります。他のプレイヤーは、それよりも3以上少ない数値のカードをプレイしてしまった場合、ペナルティとして数値の差だけチップをもらいます。
先頭プレイヤーの出したカードよりも高い数値のカードを出したら、そのプレイヤーが新たな先頭プレイヤーとなります。ただし、チップを持っているプレイヤーは先頭プレイヤーとはなれず、数値の差だけチップを戻すだけです。
これを繰り返し、山札が無くなった時点で先頭だったプレイヤーが1点を獲得します。残りのプレイヤーはチップの枚数だけマイナス点となります。これを数レース繰り返し、最終的に点数の高いプレイヤーの勝利です。
このゲームは二重の不幸を抱えています。まずひとつは、このゲームが輸入された当初に添付されていた日本語ルールの誤訳がひどかったこと。発売当時 Nifty-Serve(パソコン通信の大手商用サービス) のゲームフォーラムにて、このゲームのルールについて深い議論がなされましたことがありました。その結果としてかなり正確なルールが解明されてはいましたが、残念ながらこの情報はあまり広がりませんでした。
もうひとつは、日本では長距離自転車レースの認知度がいまひとつだということです。この「アウスライセル」は、自転車レースの「ペース配分」にテーマを絞り込むことで、それらしい雰囲気を表現することに成功しており、そういう意味では大変に良くできたカードゲームなのです。しかし、それを感じ取るだけの基本的な知識がないと、単にあっさりしたレースゲームに思ってしまうかもしれません。
このセッションは、最後の一手で僕が差して勝利となりましたけど、多くのプレイヤーはこの結果に怪訝な顔をしていました。でもひとりだけ自転車レースを知っている人がいて、「アウスライセル」が表現しようとしているテーマを理解してくれたので良かったです。結局、ゲームは1レースだけで終わってしまいましたが、もう1レースくらいは遊びたかったなぁ…
ところでこのゲームは「先頭から1枚ずつ全員がカードを出していって先頭を決める」を繰り返すトリックテイキングみたいな流れのゲームだと思っていたのですが、どうもそうではないみたいです。このあたりも検証してみたいところではあります。
http://ejf.cside.ne.jp/review/derausreisser.html
オール・ザ・キングス・メン / ホビーベース
このゲームが最後になりました。2人。発売されたばかりの2人用ゲームです。
基本的にはチェスタイプのアブストラクトゲームです。扱うコマは9つです。ゲーム開始時に、チェスのキングに相当するコマをひとつ選択します。これは9つあるコマのいずれでも構いません。またこれとは別に「No.2」という、キングの「ダミー」もひとつ選択します。「キング」と「No.2」の2つのコマがどれであるかは相手プレイヤーにわかりますが、どちらがキングなのかはわからないようになっています。
これとは別に「運び屋」を3コマ選びます。「運び屋」のコマの上にはドーナツのコマをのせておきます。残りの4コマは「下っ端」となります。
手番は交互に行います。自分の手番で1コマだけ移動させることが出来ます。コマは、8方向1直線に1マスか2マス移動可能です。相手のコマが自分のコマの移動先にあればキャプチャ(ゲームから除去)します。
運び屋や下っ端を移動させる場合には、「キング」か「No.2」の視線内になければなりません。視線に入っているコマとは、「キング」か「No.2」から見て上下左右ナナメの8方向に存在するコマのことです。視線の長さは関係ないので、遠く離れたマスを視線に入れることも可能です。「キング」と「No.2」自身は、視線には無関係に移動可能です。
視線の長さには制限がありませんが、敵味方にかかわらず、他のコマによって視線は遮られます。
「キング」か「No.2」は、手下のコマを移動させる代わりに、視線内にいる相手の「下っ端」コマを寝返らせることが出来ます。寝返った下っ端は、次の手番から自分のコマのように移動させることが可能です(もちろん視線内にいることが条件です)。
盤上には「呪術師」という特殊なコマが4つあります。呪術師のコマのあるマスに入ったらそれを取ることが出来ます。呪術師のコマには特殊効果があり、それを自分の手番で使用することも可能です。つまり、自分の手番では「コマの移動」「寝返り」「呪術師を使う」のいずれかひとつを行うことになります。
相手の「キング」(No.2ではない方)をキャプチャするか、あるいは「運び屋」のコマを相手の第一線(自分から見て最も遠いマスの列)に到達させれば勝利です。
無難にまとめられた2人用対戦ゲームです。2つの司令官(『「キング』と『No.2』)を使った自軍のコマンドコントロールが主眼で、自分のコマをうまくまとめあげながら相手陣に迫る様子は、古代戦をテーマにしたウォーゲームのようです。運の要素が入り込んではいますが、アブストラクトな思考ゲームが好きな人なら楽しめる内容でしょう。
特殊効果を持つ呪術師を使わないバリエーションルールもありますが、採用すると収束性にやや難があるかもしれません。残念ながらコンポーネントは相変わらずいまひとつの出来です。
http://www.ps-hiroshima.com/board/allthekingsmen.htm
レポートは以上です。
新作から懐かしいゲームまでバランスよく遊べて楽しい時間を過ごすことが出来ました
また時間を取って遊びに行きたいと思います。よろしくお願いいたします>関係者各位
コメント
コメント一覧 (4)
「サイクルレース/アウスライセル」のルール訳です。
http://www31.ocn.ne.jp/~hid/Game/rules/ausreisser-j.html
ご参考まで。
情報ありがとうございます。記事中のセッションは、この訳を元に行いました。
「アウスライセル」にもともと添付されていた古いゲーム訳では、各自が1枚ずつカードを出して、その後で先頭走者のチェックを行うような進行となっています。しかしご提示の訳ではそうではなく、先頭走者はただちに変更するような形になっています。果たしてこれで正しいのかどうかはわかりせんが、ゲームとしてはこちらの方がより混沌とした状況の中での駆け引きが行えるので、よりそれらしい雰囲気となって面白いように思いました。
あるいはナポレオニック的というか。いつどこにどのようにして戦力を集中し、うまく突破するかを考えている過程もそんな雰囲気です。思ったより細かい変化はないような気がしますが、しばらくは楽しめそうです。