今週末もお仕事でゲーム会は無し。都合、半月ほどテーブルゲームをしていないことになります。ゲーム会参加の約束をキャンセルするのは実にココロ痛む話なのですが、その一方で仕事に関する技術的な収穫がそれなりにあったので良しとしましょうか。

さて、このところアメリカのゲームメーカーのボックス(外箱)がまた一段と大きくなっているようです。箱が大きいこと自体は今に始まったことでもありませんけれども、最近の傾向は「重い」ということでしょうか。
その原因の大半は、コンポーネントに含まれる大量のフィギュアです。重くて大きな箱は持ち運びには相当な労力がかかりますし、それどころか単に保管するだけでも広いスペースを割かなければならないので持ち主の負担は大きなものとなります。
おまけにビッグサイズゲームは、プレイ時間もルールの量も「ビッグ」であることが多く、プレイする機会もかなり限られます。買う側としては、どうかすると一生に一度遊ぶかどうかわからないというゲームをずっと保管し続けていなければならないのですから、その手間を考えると購入するには相当な覚悟がいるはずなのですけれども、実際には定期的にビッグサイズゲームが市場に投入され続けています。つまり売れているようなのです。
フィギュアや立体物を大量に使ったゲームは見た目が派手なので、商品としても見栄えがしますし、購入意欲をそそられるのは確かです。具体的な数字は知らないのですが、製造コストが高くなるリスクを抱えたとしても、ビッグサイズゲームが一定数は売れるという確実な需要があるのでしょう。ということで、新作が出るたびにフィギュアはど派手で豪華に、そして箱は一段と重くなっていくわけです。
市場の要望であるなら、しばらくはこのトレンドは続いていくに違いありません。それ自体は問題ありませんが、懸念しているのは、この流れがまさかドイツの方まで波及してきやしないかということなのですが… これはもちろん僕の杞憂であるとは思いますけれども、何となくコンポーネントの煌びやかさを競っているような微妙な潮流が現時点でも見えなくもありません。
このホビーが、アイデア(中身)よりも見てくれで売り上げを伸ばすような自滅の道を歩まないことを今は祈るばかりです。
コメント
コメント一覧 (14)
ボードゲームの場合、必ずしも豪華なフィギュアがプレイアビリティーをあげているとは限らず、むしろプレイの妨げになったりするのは考え物です。このままだと自滅してしまうのかなあ。5年、10年後が本当に心配ですね。
「今どき四角い木のコマじゃ売れないよー」なんていう時代が来ないことを切望していますけれども、さてどうなるんでしょうか。
中にはこれはどうかと思うものがありますね。
ウォーオブザリング(新盤)は従来形の紙のユニットの方が良かったと思いますし、レイルロードタイクーンは明らかにフィギュアの利点がマイナスの方向に働いています。
ディセントやルーンバウンド2版のフィギュアはうれしくもある反面、無地のままだと視認性に問題があるので、結局自分でペイントすることになって手間が倍増します。
もっともフィギュアの入っていない指輪物語:対決(新版)も無駄に箱がでかかったりするので、海外(特にアメリカ)は何が何でも箱を大きくしたいという欲求があるのではとかんぐりたくなります。
あ、ディプロマシーは旧版の四角い木のコマが好きですね。
ドイツの名のあるゲームデザイナさんたちのゲームを思い浮かべると、多分これからもフィギュア主流にはならなそぅ という想像ができます。きっとドイツは大丈夫!だと思います
>買う側としては、どうかすると一生に一度遊ぶかどうかわからないというゲームをずっと保管し続けていなければならないのです
そうですね、確かにビッグゲームは容量もビッグだけでなく、それを行う(特にインストなど準備をされる側)の労力もビッグになります。
moonさんにはいつもお世話になっておりますが、特に「トワイライト・インペリウム」の際には大変感謝しきりました。
実は周囲で希望があがっていて・・準備頑張らないと。
>あ、ディプロマシーは旧版の四角い木のコマが好きですね。
アバロンヒルが出したDX版ですね。
自分もこれが一番のお気に入りで~、何てったって、木のコマですから。
けがわさんも同様の指摘をしていますが、立体物を使うことでプレイアビリティが下がっているゲームがこのところ目立っているのは首をひねりたくなります。確かにコンポーネントがしょぼいと寂しいものがありますけれども、目先の売り上げだけを考えて見た目を良くしても、それでゲーム性を下げてしまっては長い目で見れば逆効果でしょう。
>>sirouさん
フィギュアを使うのはファンタジー・SF・ミリタリー系のゲームに多いですから、確かにドイツでは流行らなそうな気はしますね。
>>ファラオさん
こちらこそいつもお世話になっております。
Hirotさんの言われる木のコマのディプロマシーは、AHの古い版のことだと思います。こんな感じ↓
http://www.boardgamegeek.com/image/112932
①先ずゲームメーカーは専門ゲーマーを相手にゲームを売っているのではありません。むしろ如何にゲーマーでない人にも売ろうかと考えているのではないでしょうか?
②ショップの棚に並んだときに他のメーカーの他の商品よりも目立たなければなりません。ですから、中身に相応しないくらい大きな箱にもちゃんと意味はあるのではないでしょうか?
③クリスマス商戦などでは、自分はゲームなどしない大人が子供のためにゲームを買ってやったりします。そうすると基準はデザイナーの名前やゲームシステムなどにはなり得ません。有名な題材、ゴージャスなコンポの方が武器になるのではないでしょうか?
④リメイクですから定評があり再販需要があるというリサーチ結果もあります。そしてターゲットはリメイク情報を見て、ずばりのものを探して買う人たちです。ですから箱を大きくしたりコンポを立派にしたりする必要がなく、むしろ再販であることから売れる数が限られますから、それに見合うコストで出すことの方が重要なのではないでしょうか?
ですからドイツゲームのリメイクの箱が小さいからと言って、それがアメリカンゲームの箱の大きさを抑制するように働くということはなく、それぞれの道を進むことになる気がします。
問題はドイツゲームの定評のない新作がどうなるかです。アメリカンゲームとの店頭での目立ち合戦を戦う必要があるのだとすれば、ドイツゲームもアメリカンゲームに張り合うような方向が出てきてもおかしくありません。ドイツゲームの新作が、専門ゲーマーを狙っているのか、それともゲームフリークを狙っているのか、それによって二極分化する可能性もあるのではないでしょうか?
ご意見ありがとうございます。鋭い洞察をいくつもいただきましたが、売る側のメリットと懐勘定についてはほぼ同意です。アメリカでの市場では、豪華なコンポーネントに対する需要があるからこそ、昔からそいう売り方をしてきたわけですし、その点については特に問題にはしていません。ただ、買い集めて保管しておくのが(昔から相も変わらず)大変だなぁ、ということです。
残りの話はコメント欄では狭すぎるのでまた別の機会にでも…。ドイツとアメリカのゲーム市場に関するマーケティングのデータを僕は持っていないのでよくわからないってのもあります。
ドイツではSFゲームが流行らないというのはちょっと勉強不足な気がするので指摘させていただきますね
パソコンゲームではMOOのコミュニティ世界一はドイツですし、トワイライトインペリウム第3版では英語以外のユーザー数では一番多いのがドイツ人です。ただし多くのドイツ人コアゲーマーは通常のドイツゲームよりレベルの高いものを求めているので、今後もドイツゲームにSFというジャンルが増えないという予想には私も同様な意見です。
でもドイツという国はSFゲームを求めるユーザーが世界でも最も多い国であるという事実もまた現実です。オンラインで直接対決した時の経験からみてもドイツ人のSFゲームに関する熱意はホンモノです。ドイツ人に変わってコメントさせていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
確か Playme で販売されている Big Kini だったと思うのですが、当初はテーマをSFで制作していたら、それではドイツでは売れないから現在のテーマにした、というような話を聞いたか読んだかした記憶がありました。何しろ Playme はドイツのショップですすから説得力があります。
そのため、ドイツではSFゲームの需要が少ないのではないかというようにっ僕は考えていたのですけれども、必ずしもそうではないという見方もあるみたいですね。今後の参考にさせていただきたいと思います。
ただし、「サザエさん」が40年続いていていても、サザエさん関連商品が他のキャラクターより需要が高いわけでもないでしょうから、この分析は正しいとは限りませんが。
ところで何度もこの話題が蒸し返されるのもイヤなので指摘しておきますと、僕が「流行らない」と言ったのは「大量フィギュア入りの大型サイズゲーム」のことであって、SFゲームのことではないんですよ(02月06日 21:45のコメント参照)。
でもまぁ、僕の書き方も曖昧だと思っていましたし、SFゲームはドイツのテーブルゲーム市場において当面は主流商品にはなり得ないという考えは以前からありましたので話を合わせて来たわけですけれども。
ところでコメント欄が長くなるとこちらの管理も大変ですので、このエントリーへのコメントの受け入れは停止させていただきます。続きをご希望の方は掲示板の方へ書き込みをお願いします。
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