12日(日)は、上北沢で開催されたSGC例会に参加してきました。僕としては久しぶりのゲーム会(3週間ぶりくらい)です。
このところゲーム会に行くどころかテーブルゲームそのものを全く遊んでいませんでしたけれども、これはどうも昨年末から今年の初めにかけて、連日のようにゲームを遊びまくったのが明らかに影響していたようです。というのも、あれでかなり自分の気が済んでしまった(?)みたいなのです。なので、流れゆくままにひと休みしていた次第です。もちろん、別に燃え尽きてしまったわけでもないですし、また自然とゲーム三昧の日々に戻っていくことになるでしょう。
今回の例会参加者は10人に満たず、規模としてはこぢんまりとしていましたけれども、ゲーマーとして資質の高い初参加者が2人と、ゲストとしてHAL99さんがいらっしゃっておりまして、内容的にはとても充実した1日となりました。
King of Beasts Mythological Edition (キング・オブ・ザ・ビースト) / Playroom


クニツィア作のカードゲーム。5人。
春には大阪へまた帰っていってしまうという Bone5 さんの持ち込みです。
場に公開されている5枚のカードから1種類を取って手札に入れた後、手札から1種類のカードを場にプレイします。場にプレイする時には「種類」が同じであれば2~6枚のカードを一気にプレイ可能です。
カードをプレイする時には、何枚かを手元に伏せて置いて、残りを場の該当する列に置きます。これを繰り返し、どれかの列に6枚のカードが出たらゲーム終了です。最も長い列となった種類のカードを伏せていたら、それが得点となります。また、2番目・3番目に長い列のカードもポイントに計上されます。最もポイントを獲得したプレイヤーの勝利です。
クニツィア風味がほどよく感じられるライトなカードゲーム。ただ5人でやったからかもしれませんが、一巡回って来るまでに場の状況ががらりと変わってしまうわりには手札のコントロールは運の要素が強く、何となく流されるままにゲームは進みました。お金も競りもない「モダンアート」?(違うか…)
軽くて何度も遊べそうではあるので、もうちょっと少ない人数でなら再プレイしたいです。
Trump, Tricks, Game! (トランプトリックスゲーム) / Phalanx Games


やっと入手したので持ち込みました。4人。
個人的には3回目のプレイ。今回は上級ルールを2つとも入れました。このゲームを健部さんに最初に教わった時には上級ルール入りだったこともありますが、これを採用した方がカードマネージメントやプレイヤー間の駆け引きがより複雑となり、僕としてはその方が好みです。
さて今回のゲームですが、3ゲーム目で4ゲーム目の切り札を集めまくり、4ゲーム目で12トリックを全部取ってグランドスラムを達成したプレイヤーの圧勝となりました。そういう展開にならないように他のプレイヤーが気を遣わなければならなかったのですが、キーとなるプレイは2ゲーム目あたりからあったような気がします。まったく難しいゲームです。
Aquädukt (アクアダクト) / Schmidt

メビウス便の新作登場。4人。

家を建て、水路を引いて得点を競うゲームです。ボードは大きく20の区画に分かれており、それぞれの区画は4~6マスの土地(正方形のマス)で構成されています。
自分の手番では、この土地に家のタイルを置くことが出来ます。まず20面体のダイスを3回振って、対応する区画の任意の土地に家のタイルを配置します。家のタイルには1~4軒の家が描かれていますが、特別の制限がない限り、どの家を置いても構いません。家の数が多い方が後で多くの得点が入る可能性があります。
また、家を置く代わりに、水源を置くか、あるいは水源から水路を2本まで引くことを選んでも構いません。水源は青いガラス玉で、土地の交点に置きます。他の水源の近くに置くことは出来ません。
水路は青い棒で、これは土地と土地の境界に置きます。水路の隣接している土地に置かれた家のタイルには水が供給されたこととなり、ゲーム終了時に得点対象となります。また、水路は土地の境界に2本まで置くことが出来ます。これを二重水路と言います。二重水路は2つ離れた土地へ水を供給する機能を持っています。
ある区画の土地が全て家でふさがったら、その区画の全ての家に水が供給されたかどうかを判定します。もし、この時点で水が供給されていない家があれば除去されます。空いた土地には、また家を配置することが出来ます。
基本的にはこれを繰り返していって、全ての水路がストックに無くなった後のラウンドが終了した時点でゲームは終わります。盤上で水が供給されていない家を除去した後、残った家の件数を数えて多いプレイヤーの勝利となります。
ライトな「サンチアゴ」風。何しろルールは2ページのみ(両面印刷で1枚)。ダイスを使うわりにはそれなりにテクニカルな要素も盛り込まれていますし、プレイヤー間の絡みも意外と多いです。たいして時間もかからずサクサク進行するわりには、終了後に充足感にひたれるのがいいですね。何度も遊びたくなるような中毒性があるわけではありませんが、僕はかなり好きなタイプのゲームです。
http://www.tgiw.info/news/nurnberg2006.html#schmidt
Diabolo (ディアボロ) / Amigo
クニツィアっぽいですがシャハトです。4人。

場には5色の「列」があります。各列は右と左に「天国」側と「地獄」側に分かれています。自分の手番ではまずカードを1枚引いて、そして手札から1枚のカードを場にプレイします。
場にプレイするカードは、カードの色の対応する列に出します。この時、「天国」側に出しても「地獄」側に出しても構いません。ただし、片方の側に置くことの出来るカードは3枚まです。また、ひとつの列の5枚のカードが置かれたら、その列は「完成」したこととなります。完成した列にカードをプレイすることは出来ません。
4人プレイ時のは2つの列が完成した時点でゲームは終了し、各列ごと順番に得点計算を行います。まず、その列の天国側と地獄側に置かれたカードの数字をそれぞれ合計します。もし天国側が大きければ、その列の色のカードが手札にあるプレイヤーは得点を獲得する可能性があります。各プレイヤーは手札から得点計算を行っている列の色を公開し、その数値を合計します。それが最も多いプレイヤーが公開したカードの合計点数分だけ得点を得ます。
逆に地獄側が大きければ、今度はその列の色のカードが手札にあるプレイヤーは失点するかもしれません。これも同様に、各プレイヤーは手札から得点計算を行っている列の色を公開し、その数値の合計が最も多いプレイヤーが、公開したカードの合計点数分だけ失点します。
これをプレイヤー数だけ繰り返し、最終的に最も得点の高いプレイヤーの勝利です。
自分の手番では1枚しかプレイすることが出来ないので、自分の行動よりも、他人の思惑を読むことが重要なゲームです。上では説明しませんでしたが、一発逆転のギャンブル要素もあります。それぞれの要素が手際よくまとまっていたこともあり、遊んでいて楽しかったです。
http://ejf.cside.ne.jp/review/diabolo.html
Antike (古代) / Eggert-Spiele


古代国家の元首となり、国を発展させて要人を獲得するゲーム。4人。

一種の陣取りですが、ゲームの目的は「Personalities(要人/要職)」カードを勝利条件を満たす枚数だけ獲得することにあります。カードは5種類あり、それぞれ獲得する条件が異なっています。
手番ではコインを1枚もらった後にアクションを選択します。これは「ロンデル」上で任意のマスにコマを移動させることによって、そのマスのアクションを実行します。ロンデルは円周状になった8つ(7種類)のマスによって構成されており、コマは時計回りに移動させます。ロンデル上のコマは3マスまでは無料で進めることが出来ますが、それ以上のマスを進ませるにはコスト(資源で支払う)が必要になります。
アクションは大別して3種類あります。1つ目は資源の獲得です。資源には「大理石」「鉄」「金」の3種類があります。資源は自分の都市のあるエリアから原則として1つずつ産出されます。
2つ目のアクションは開発です。開発されるものも「神殿」「軍隊」「知識」の3種あります。神殿は大理石、軍隊は鉄、知識は金によって獲得することが出来ます。

神殿は盤上では重要な施設です。資源では1エリアから1つの資源しか獲得出来ませんが、神殿のあるエリアからは3つの資源が産出されます。軍隊によって軍事ユニットを配置する時にも1エリアに1個ずつしか配置出来ませんが、神殿があると3個の軍事ユニットまで配置可能となります。さらに都市の防御力も3倍アップします。
軍事力を表す軍事ユニットには「レギオン(陸軍)」と「ガレー船(海軍)」の2種があります。どちらも生産するためのコストは同じです。配置する時には1エリアに置く数に制限がありますが、配置後は1エリアにいくつの軍事ユニットが入っても構いません。
「知識」には4つの種類があり、そのいずれも「金」を支払うことで獲得します。また知識には「簡単(Simple)」と「高度(Higher)」の2段階があります。いずれも獲得すれば何らかの恩恵を受けることが出来ます(特に軍事行動)。
そして3つ目のアクションは「軍事(Manuver)」です。これは、盤上の軍事ユニット(レギオンとガレー船)を行動させることです。軍事アクションでは自分の全ての軍事ユニットを行動させる出来ますが、1つの軍事ユニットは1回の軍事アクションで「移動」行動か「征服」行動のどちらかしか行えません。ただしこれは、知識の「車輪」「道路」「帆走術」「航海術」があれば、追加して軍事行動を行わせることが出来るようになります。

戦闘のルールは実にシンプルかつシビアです。同じエリアに異なる国の軍事ユニットが存在した場合、そのどちらかのプレイヤーが望めば戦闘になります。そして数が少ない方の軍事ユニットは全滅し、数の多い方の軍事ユニットはその数だけ除去されます。つまり相殺(Exchange)します。
相手の都市を奪うには「征服」行動を行う必要があります。これは防御側に軍事ユニットだけではなく、都市の防御力(神殿により増加)や知識によるボーナス点(君主制・民主主義)も加点して判定を行います。攻撃側の攻撃力が防御力以上になったら、軍事ユニットの相殺処理を行った上で都市の所有者が入れ替わります。
ロンデルによるアクションを行った後で、都市の無いエリアに自分の軍事ユニットがあれば、必要な資源を支払って新たな都市を建設することが出来ます。
さらに、条件を満たしていれば要職カードを獲得します。例えば、10個の都市を建造すれば「王」カード、敵の神殿を破壊すれば「将軍」カード、7つの海域にガレー船を配置すれば「船長」カードが獲得出来ます。要職カードそのものには何も効果はありませんが、勝利するためにはこれを規定の枚数分集めなければなりません。そして最初にその条件を達成したプレイヤーの勝利となります。

基本的な構造はとてもシンプルなゲームです。それぞれの開発に必要な資源の種類が対になっており、しかもそれはボード上に印刷されたロンデルを見れば一目瞭然なので、すぐ理解出来ます。戦闘も要するに「数が多い方が勝ち」ですし、複雑になりがちなイベントカードの類も一切ありません。盤上の状況を見れば、各プレイヤーの意図は明白にわかります。
それだけに、互いの陣形が整った後の陣取りは熾烈になります。ごていねいにも、各プレイヤーが何枚の要職カードを持っているかを管理するトラックまで用意されているので、息を潜めて相手を出し抜くことはまず不可能です。戦闘に乱数の要素がないこともあり、勝ちきるにはどのような状態になったとしても必然的に最後の(勝利条件を達成する)カードを獲得する状況を作らなければなりません。
これには資源の安定的な供給と温存がキーポイントになるでしょう。というのも、軍事ユニットと異なり、一度獲得してしまった資源は使わない限り無くならないからです。とはいうものの、このあたりの情報も相手に筒抜けなので、思い通りに資源をマネージメントするのも至難を極めます。

今回は4人プレイで、僕はフェニキアを担当しました。他はギリシャ・ローマ・ゲルマンです。フェニキアは背後に敵がいないという地勢的に有利なポジションにあり、隣国のギリシャを牽制する目的で軍事ユニットを生産することを重視する戦略を取りました。資源は「金」重視で、つまり知識の獲得によって要人カードを獲得(ある知識を始めて獲得すると『学者』カードが入る)する方針を立てました。
これが当たったのかどうかはわかりませんが、2時間半ほどの熱戦の末に何とか勝利を収めることが出来ました。中央に位置したギリシャとローマはちょっときつかったみたいですね。4人だと最初の位置だけで有利不利がわりとはっきりしてしまうような気がしますので、もうちょっと多い人数で再戦したいところです。
久しぶりに直接打撃系のマルチプレイヤーズゲーム風な戦略ゲームを遊びました。やや長い時間がかかりましたが、テンポが良く進行し、メリハリがあって面白いゲームでした。
http://ejf.cside.ne.jp/review/antike.html
VOC! - Founding the Dutch East Indies Company / Splotter Spellen


世界の海へ繰り出して貿易を行うアクション風味のゲーム。4人。

Splotter Spellen は、このところ「Antiquity」や「Indonesia」などで国内一部のフリークたちの注目を集めているメーカーです。その一方で、軽いノリのゲームもいくつかあって「VOC!」もそのひとつです。
ゲームの目的は、世界中に散らばる香辛料などの交易品産地に船で向かい、それをヨーロッパまで持ち帰り、高く売却することです。と書くと、大航海時代をテーマにした本格的な貿易ゲームのように見えますが、実は目をつぶって目的地まで正しく線を引けるかどうかを競うというアクションゲームがベースになっています。
交易地に向かう船には「船員」と「商人」を乗せます。これはプレイヤーごとに色分けされたコマをそこに置くことで表します。「船員」を置いた列の最も左側に位置するコマの所有者が「船長」となって船を操作します。船長を担当するプレイヤーは、専用ボード上に「目をつぶって」ペンを走らせ、目的地まで線を引きます。
船員以外のコマを乗せているプレイヤーは航海士となり、船長に言葉で指示を出します。ただし、無制限に指示を出せるわけではありません。指示可能は言葉は「東」「西」「南」「北」、それに「ストップ」だけです。回数は、今走らせている船に乗せている「船員」の数までです(だいたい2回くらい)。


実際にどうプレイするのは写真をご覧いただいた方が早いでしょう。上の写真で専用ボードにペンで書いている人が「船長プレイヤー」で、実際には目をつぶって書いています。横にいる人はそれを見ながらタイミング良く指示を出す準備をしているわけです。
ペンを陸地に走らせてしまったり、端から出てしまった時には「座礁」します。座礁すると船長のコマは取り除かれ、新しい船長となります。船を走らせるプレイヤーが変わることもあります。港に帰る前に全ての船員が除去されてしまうと、その船は沈没してしまいます。
交易地に到着した船は交易品を獲得します。これは商人の役目です。交易品を積んだ船を出航した港へ戻すことが出来たら、契約にしたがって売却し、利益を得ることが出来るかもしれません。
単純なアクションだけではなく、他のプレイヤーとの駆け引きや協力関係、それに第三勢力としてのアムステルダムの存在など、一筋縄ではいかない複雑な利害関係を生み出す構造もまたこのゲームの特徴となっています。
ただ、この交易の部分がアクションの部分のキレの良さに比べると、やや冗長に感じられました。ここをもう少しスマートにまとめてくれたらもっと楽しめるゲームになったと思うと残念です。
http://ejf.cside.ne.jp/review/voc.html
http://www.boardgamegeek.com/game/4323
レポートは以上です。
この日、僕は3時間足らずの睡眠時間しか取らずに参加したため、最初から体力的にはかなりへろへろの状態となっておりました。ふー。アフターは上北沢のトンカツ屋。狭いお店だったのでほぼSGCのメンバーで独占状態となりまして、濃い話やら何やらで楽しいひとときを過ごしました。
ということで、みなさまお疲れさまでした~ またよろしくお願いいたします
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