8日(土)は、puppiさん宅で開かれた自宅ゲーム会に行ってきました。参加者は puppiさんの他にかゆかゆさんと僕の計3人です。

実はこの日は、本来は別の場所にて、もう1人を加えて4人でゲーム会が開かれるはずだったのですが、前日の夜になってトラブルが発生し、急に中止となってしまいました。そこで慌てて残りの3人が puppiさんのおうちにに集まってゲームをすることになったのでした。いやはや、長くゲームをやっているといろいろなことがありますね。moon Gamer


Ticket to Ride - Märklin Edition (乗車券:メルクリン) / Days of Wonder moon Gamer

無く子も黙る「乗車券」。チケット・トゥ・ライドのシリーズ第3弾です。

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前作の「乗車券:ヨーロッパ」が、ルールのボリュームを増やす方向に行ったのに対して、「乗車券:メルクリン」はルールを整備し、ブラッシュアップする方向でまとめられています。

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新しい要素として「乗客」と「商品トークン」が加わりました。商品トークンは数字が書かれている丸いマーカーで、ゲーム開始時に指定された都市に置きます。都市によっては数値の異なる複数の商品トークンを置くこともありますが、その場合は数字の大きいコマを一番上に置いて、下に行くほど小さくなるように重ねます。

各プレイヤーはゲーム開始時に3つの「乗客」コマを持っています。プレイ中に路線を完成させた時、接続させた2つの都市のいずれかの乗客コマを置くことが出来ます(任意)。この乗客コマは、自分の手番で「乗客の移動」を行うことによて線路を移動させることが出来ます。

乗客コマはボード上の列車が置いてある区間を都市から都市へ移動させることが出来ます。乗客コマは自分の列車の置いてある区間しか移動させることは出来ませんが、「乗客カード」を使うことで、他人の列車が置いてある区間を移動させることも出来ます(1枚の乗客カードで他人の列車コマが置いてある1区間の移動が可能)。それらの条件を満たせば、乗客コマが移動する距離には制限はありません。

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乗客コマが移動することで、都市に置いてある「商品トークン」をひとつ取ることが出来ます。この時、都市に複数の商品トークンが重なっていれば、その一番上の1枚だけを取ります。取った商品トークンの数値が得点になります。複数の都市から商品トークンを取れば、それらを全て合算して得点とします。その後で移動した乗客コマをボード上から除去して箱に戻します。

このように、商品トークンは得点の高いものから取られていきますので、序盤であっても得られる得点はかなり大きなものとなります。なので、出来るだけ早めに区間を確保する早期の列車配置が「メルクリン」では極めて重要となっています。

初版「乗車券」では、まず列車カードを大量に手札にためてから長距離の区間を押さえて作戦が有効だったために、序盤~中盤は動きのない退屈な展開になりがちでしたが、「メルクリン」ではこの乗客ルールによって序盤から盤上への列車配置を促進させるような仕掛けがなされており、ゲームの動きをより活発にする効果を自然にもたらしています。

機関車カードに「+4」という種類が増えたのも新しい要素です。これは機関車カードと同じようにワイルドカードとして機能しますが、4マス以上の区間に列車を配置するためにしか使えないという、限定的な機能を持った機関車カードです。この機関車カードは、ノーマルな列車カードと同じく、1手番に2枚獲得することが出来ます。

興味深いことに、削られたルールもいくつかあるのです。例えば、ゲーム終了時に獲得する最長路線ボーナスがありません。これは、チケットカードを最も多くクリアしたボーナス(10点)と乗客のルールに昇華して消滅したようです。また、「乗車券:ヨーロッパ」にあった「トンネル」「フェリー」「駅舎」のルールもばっさりと切られて採用されていません。チケットカードの扱いもより柔軟に運用出来るように変更されています。

全体的にルールはすっきりとまとめられており、デザインの方向性も良い方向に向かっているように思います。「メルクリン」によって「乗車券」は一区切りついて、ひとつの完成形が提示されたとも言えます。今回は3人プレイだったこともあってお試しプレイっぽい感じで遊びましたが、それでも相当に面白い感触を得ました。次はもっと多人数で遊んでみたいと思います。

ともあれ「乗車券」ファンはぜひ「メルクリン」をお試しください。きっと気に入ると思いますよ。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/21348


Havoc: the Hundred Years War (ハボック) / Sunriver Games moon Gamer

百年戦争をテーマにしたカードゲームです。

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と言っても歴史的な知識は一切必要ありません。ポーカーのような「役」を作って強弱を決めるゲームです。

カードには6つのスート(色)と数字が書かれています。数字の最大値は人数によって異なります。例えば、3人の場合は各スートごとに1~10までのカードを使います。これに、「War of Dog(軍犬)」カードを人数×2枚を使います。

ゲームは「傭兵募集」→「ハボック」を区切りとする「戦争」が大きな進行単位となっています。戦争の結果でポイントの配分を行い、次の「戦争」に移行します。戦争は全部で9つあり、各戦争ごとに点数配分は異なっています。

手番で行う「傭兵募集」とは、場のカード(募集エリアか山札)から2枚を手札に入れて、その後で手札から1枚を募集エリアに置きます。つまり手札が1枚増えます。傭兵募集を最初に開始するプレイヤーを「ピースキーパー」と呼び、このプレイヤーが手番を迎えるたびに平和の段階はひとつずつ上昇します。

もし、ピースキーパーがこれ以上平和の段階を上昇させられないのであれば、「平和な年」となって、他のプレイヤーは手札を1枚ずつ捨てなければなりません。また、その後の戦争は発生せず、その次の戦争に移行します。

手番では「ハボック」を宣言して戦争を開始することも出来ます。この場合はまずハボック宣言者から順に少なくとも2枚のカードを場にプレイすることで参戦の意志を確認します。参戦しなければ山札からカードを1枚取って降ります。

その後で場に1枚以上のカードをプレイするか、あるいはパスをすることで「役」を確定します。場には6枚(+軍犬2枚)までのカードをプレイすることが可能で、その目的は出来るだけ強い「役」を作ることです。「役」はポーカーに似ています(ストレートフラッシュとかフルハウスとか)。

より強い役を作ったプレイヤーが勝利となり、勝利ポイント(カードやタイル)を受け取ります。戦後の処理を行って、次のラウンドに移行します。これを繰り返し、最後の戦争終結時に得点の高いプレイヤーの勝利します。

基本的な流れは簡単なのですが、上の説明で省略した「軍犬」に特別なカードとしてさまざまな例外的な使い方があり、その扱いが少しやっかいです。傭兵募集・戦争のカードプレイ・勝敗判定・戦後処理等々に全て「軍犬」の例外規定があるためです。当然ながらその活用はゲームを有利に進めていく上で重要です。

悪くないゲームでしたが、3人は適正人数ではなかったようです。2人が戦争で疲弊してしまうと、残ったひとりは次の戦争で簡単に有利になってしまうためです。今回もそのような状況が起こりました。次にプレイする時にはもっと大勢で遊んでみたいと思います。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/havoc.html


California (カルフォルニア) / Pro ludo moon Gamermoon Gamer

シャハトの新作です。

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内装も家具もない屋敷を整備して友達を呼ぶゲーム。舞台はなぜかカルフォルニアですが、特に意味はないです。

各プレイヤーは、4×4の床マスと2マスの屋根裏部屋で構成される屋敷ボードが1枚ずつ配られます。場にはまず、店ボードと銀行ボードが配置されます。店ボードには8枚のタイル(2列×4枚)、銀行ボードには4枚の金貨コイン(1枚の金貨は銀貨5枚分)を置きます。

自分の手番では、銀行にある金貨を1枚取るか、あるいは店ボードにあるタイルを1枚取って自分の屋敷ボードに配置するかします。タイルを取る時には、銀行ボード上にある金貨の枚数と同じ枚数の銀貨を支払わなければなりません。

タイルには3種類あります。無地の「部屋タイル」は屋敷のそれぞれのマスへ最初に置くタイルです。部屋タイルを屋敷に置く時には、そのマスに描かれている銀貨コインを追加して支払わなければなりません。また同じ色の部屋タイルがすでに屋敷にあれば、それの上下左右に隣接するマスに配置しなければなりません。

部屋タイルが配置されているマスには「設備タイル」を配置することが出来ます。設備タイルにかかるコストは購入費用だけですが、同じタイルの色の部屋タイル上にしか配置することは出来ません。

屋敷には一時的にタイルを保管する「屋根裏」マスが1つありますが、「屋根裏タイル」を購入することでこれを2マスに拡張することが出来ます。

銀行ボードに金貨が無くなるか、あるいは店ボードのどちらかの列からタイルが無くなれば1日が終わります。残ったタイルを袋に入れて、また新たに8枚のタイルを店ボードに配置し、金貨も4枚を銀行ボード上に配置します。基本的にはこれを12日間繰り返します。

設備タイルを屋敷に配置すると、それと同じ色の来客マーカーを受け取ります。友人が訪ねて来てくれたのです。もし、2人目の友人が訪ねてきたら、プレゼント(ギフトチップ)を持ってきてくれます。このプレゼントは1点の勝利得点となります。来客マーカーは、ゲーム中に他のプレイヤーの屋敷に移動してしまうこともあります。

さらに、設備タイルを指定された組み合わせで屋敷に配置するとボーナスポイントをもらえます。どのような組み合わせで何点もらえるかは「ボーナスタイル」で示されています。該当する組み合わせが出来たらボーナスタイルを受け取ります。ボーナスタイルは一度取ったら移動することはありません。

こうして12日間が終了したら得点計算を行います。ギフトチップ・ボーナスタイルの得点に、屋敷にタイルが置かれているマスひとつにつき1点を加え、それに借金のペナルティを減算した合計点数が最も多かったプレイヤーの勝利です。

少なくとも平均レベル以上の堅実に作られたゲームだと思います。決して華やかさはありませんが、システムは矛盾無く動いていますし、それなりにジレンマもあります。だらだらと続くようなこともなく、適切な時間でしっかり収束します。ただし、全体的にドライで印象が薄めなのはシャハトの作品ならいつものことですけれども。moon Gamer

何度も遊びたくなるような中毒性が感じられなかったのは残念ですが、機会があれば4~5人でもう何度かやりたいところではあります。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/21464


Ostia (オスティア) / Pro ludo moon Gamer

カードを使った交易ゲームです。

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全体的な流れはこうです。まず「港フェイズ」にて商品カードが配布され、それについて競売を行います。競りで獲得したり、在庫として保管していた商品カードは「商館フェイズ」にて市場へ売却か政府へ寄附します。それらの結果によってお金や勝利ポイントを得ます。最後に「倉庫フェイズ」にて倉庫の建設を任意で行って、次のラウンドへ持ち越す商品カードが決まります。

港フェイズでは商品カードが5枚配布されます。このうち任意の1枚を倉庫に移動させてから、残りの4枚について競りを行います。この「倉庫」の管理がちょっと面白いです。まず各プレイヤーは「Ship Card(船カード)」を1枚持っています。船カードには「船」と「倉庫」のアイコンが2つ左右に並んで描かれています。カードの「倉庫」アイコンの側に自分の所有する商品カードを手札として持ち、「船」アイコンのある側には競りにかける商品カードを持ちます。

競売はスタートプレイヤーから競りにかける商品カードを2枚提示することから始めます。その左となりのプレイヤーから入札するか、あるいはパスします。商品の種類ごとに数値がカードに書かれていますが、入札する場合には、提示された2枚の数値の合計値以上を宣言しなければなりません。他のプレイヤー以上の金額を入札する必要はありません(アンダービッド可)。

入札はプレイヤーごと1回だけです。最後に、商品を提示したプレイヤーは、自分が提示したカードを購入するか、あるいは売却します。購入する場合は、最高入札額+1を銀行に支払います。売却する場合は、入札した任意のプレイヤーを1人指名して、そのプレイヤーの入札額の半額を受け取ります。指名されたプレイヤーはもう半額を銀行に支払います。競売で獲得した商品カードは、手札の「倉庫」側に入れます。競売は各プレイヤーが2回ずつ行います。

「商館フェイズ」では、自分の倉庫にある全ての商品カードを「公共広場」「政府」「倉庫」のいずれかに分配します。この時、ダミーのカードを2枚入れることも可能です。「公共広場」「政府」に配置する商品カードは3種類までです。

「公共広場」は、そこで商品カードを売却して銀行から資金を得ることが目的です。全てのプレイヤーが公共広場に置いた商品カードを種類別に見て、その枚数でカード1枚あたりの単価が決まります。

「政府」は、勝利ポイントを得ることが目的の場所です。勝利ポイントは商品カードの「貢献」点数の合計値が高いプレイヤー3人に対してのみ与えられます。商品カードの種類ごとに1枚あたりの貢献点は決まっており、これはラウンドごとに変化します。

最後に「倉庫」の処理を行います。コストを支払って倉庫を建設すれば、倉庫1個あたりにつき1枚の商品カードを次のラウンドに手札として持ち越すことが出来ます。それが出来なかった商品カードは捨てられます。

これを5ラウンド繰り返し、最後に倉庫に残った商品の種類数や資金額などから勝利点を加算し、ゲーム中に得られた勝利点と合算して最も多いプレイヤーの勝利です。

さまざまな要素を併せ持つちょっと凝ったメカニクスを持つカードゲームです。最初はどうもよくわからず(例えば競りの相場とか)、ただ流されるままにゲームを進めていましたけれども、結局最後まで今ひとつはっきりしないままゲームは終了してしまいました。3人でプレイすると、公共広場で売却する際に乱数的な要素が入ってきてしまうこともあり、もしかしたら適正人数ではなかったからかもしれません。

次があるなら5人(最大人数)で遊んでみたいです。そうでないと、このゲームの面白さが理解出来ないような気がするのです。moon Gamer
http://ejf.cside.ne.jp/review/ostia.html


Um Ru(h)m und Ehre (ラム酒と名誉) / Alea moon Gamermoon Gamer

アレアブランドなのにダイスゲー。

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ボード上には「船長」コマがあります。自分の手番になったら、それを隣のマスに移動させることが出来ます。マスは通路によって接続されており、通路は「セグメント」と呼ばれる空間がいくつかあります。船長が移動した通路上にある全てのセグメントに自分のストックから海賊コマをひとつずつ配置しなければなりません。

船長が移動した先のマスではアクションが発生します。マスの種類は10種類あります。

 1.「コイン」 コイン1枚を獲得
 2.「中央宿泊所」 1つの通路上にある海賊コマの回収
 3.「海賊」 待合所の海賊1つをストックに加える
 4.「海賊の道具」 道具タイルか、コイン2枚を獲得
 5.「ランデブー」 指定されたマスに船長を移動させると名誉点獲得
 6.「宝の地図」 地図タイルを獲得(対応する2枚ひと組で名誉点獲得)
 7.「酒場」 酒場タイルをダイス合戦で取り合う(非手番プレイヤーは要コイン)
 8.「宝箱」 宝箱タイル獲得(名誉点)。マイナスのサソリタイルはダイスで決める
 9.「樽」 ラム酒タイル(ダイスふり直し特典)を獲得
 10.「街の見張り」 見張りタイルの数よりストックの海賊が多ければ名誉点獲得

これらのアクションで名誉点獲得を得たり、コイン・ラム酒などゲームを有利に進めるものを獲得したりするわけです。

セグメントに配置する海賊がストックに無ければ「休息」を宣言して、船長に何もさせないことも可能です。しかしこの場合でも1コインを支払わなければなりません。「船長の移動」も「休息」もしたくないか出来ない時には「船に乗る」を実行しなければなりません。

「船に乗る」は、自分のストックにある海賊を全て船に乗せることで、これを選択したプレイヤーはこのフェイズを終了します。まだ「船に乗る」アクションを実施していないプレイヤーがいるのであれば、引き続きアクションフェイズは続行されますが、全員が「船に乗る」を実施したらアクションフェイズは終了し、「乱闘フェイズ」が開始されます。

「乱闘」は船に乗った海賊で行われます。ルールに則ってダイスによって乱闘の結果を出します。ちなみに乱闘の判定は、先に船に乗った海賊にやや不利となっています。出来るだけアクションフェイズを続けていた方が有利なのです(だから『休息』が有料なのですね)。乱闘の結果によってプレイヤーは名誉点獲得します。

これで1ラウンドが終了します。ボード上の海賊をストックに戻して次のラウンドが開始されます。ゲームは全部で5ラウンド行います。ゲーム終了時に名誉点が最も多いプレイヤーの勝利です。

海賊コマのマネージメントゲーム(?)。頻繁にダイスを振りますし、濃密なゲーム性は盛り込まれておらず、入り組んだパーティゲームのようです。これがフリーク向けのアレアブランドとしてラインナップされたということに驚く人も多いかもしれません。ただ、マスのアクションの種類が多く、プレイヤー間の駆け引きも複数の要素が複雑に絡み合って複雑な局面が現れることもよくありますので、現状の内容ではそれもやむを得ないのかもしれません。プレイ時間もやや長めです。

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素晴らしいと思ったのは同梱されているタイルホルダーです。種類の多いタイルをきっちり管理することが出来ますし、収納にも大変に便利です。moon Gamer

タイルホルダーのフタがまたよく出来ていて、それぞれのタイルの枚数に応じて固定するように凹凸がついているんですね。このギミック(?)には感動すら覚えました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19948


レポートは以上です。
急ごしらえのゲーム会にしては、新作ばかり遊べてなかなか充実した内容だったのではないでしょうか(そうでも思わないとやってらんないってのも正直ありますけど)。これが4人揃ったらもっと良かったのですが、まぁ仕方ないですね。ゲームが終わった後は、1時間以上もその場でおしゃべりとなりまして、大変だった1日が良い形で締めくくられたのでした。

ということで本当にお疲れさまでした>puppiさん・かゆかゆさん
また遊びましょう~moon Gamer