3日(水/祝)は、千歳烏山ゲーム倉庫にて、昔からの知人が集まってゲーム会を開きました。
参加者は僕を入れて3人です(Mさん・Kさん・moon)。お昼から夜までたっぷりと遊びました。
Thurn und Taxis (郵便馬車) / Hans im Glück
先日のセッションで puupiさんが、このゲームは3人がベストではないか、という話をされていたこともあってエントリー。都市をひとつなぎで連結するように郵便網を作って家を配置します。郵便網の作り方でボーナスタイルや馬車(得点になる)を獲得し、最終的にゲーム中に得られた得点から、建てられなかった家の個数を引いた点数が勝利点数となります。
先日のセッションではテンポの良い軽めのゲームという感触を持ったのですが、今日の厳しいメンツはその甘い考えを吹っ飛ばしてくれました。その場のノリでほいほいと家を建てていたら、たちまち点数的に置いて行かれてしまっていました。少しの無駄も許されない限られた手番の重さ。しっかりした計画と綿密な計算に基づいてプレイしないとこんなことになります。
自分だけのことだけではなく、特にじぶんの次手番プレイヤーの意図を把握して、時に「締める(あるいは"仕事"をする)」ことも有効な選択肢として検討しなければなりません。なぜならボーナスタイルの獲得は早い者勝ちであり、そのほとんどは1枚だけでも勝敗に関わるほどの高い得点比重を占めているからです。
まぁ、ちょっとカンの良い人ならすぐわかること(実際、初プレイだった他の2人はすぐ気がついたわけですし)なのですが、自分としてこれはとても大きな発見となりました。面白いゲームだと思います。もう何回かやってみたいです。
http://www.boardgamegeek.com/game/21790
Indonesia (インドネシア) / Splotter Spellen
およそ2ヶ月ぶりの「インドネシア」。
今日のメンツはどんなゲームでも苦にしない人たちなので、「インドネシア」をリクエストしてみました。このゲームが3人でも成立するかどうかを見たかったという興味もありました。前回のセッションのレポートとゲームの紹介は、こちらのエントリーからどうぞ。
結論から言ってしまうと、3人プレイでも十分に楽しめました。全体的な傾向としては、3人ですとR&Dトラックの「Slots(会社の設立上限)」の総量が減るので、「設立→合併」のサイクルが長くなるためにラウンド数が増え、そうすると必然的に Production Company(製造会社)の運営回数も増加するので、その収益がかなり大きなものになります。
4人プレイ時でも Ship Company(海運会社)の収益性の低さが問題になっていましたが、3人プレイでは完全に製造会社からの収益を軸に考えないと効率が大変に悪くなります。
なので、製造会社の合併入札の相場感覚がとても重要になるはずなのですが、わりと低い相場で合併が行われていました。このため、製造会社を持つ者の持たざる者の格差がかなり開いてしまい、海運会社を中心に回していたプレイヤーはかなり苦しい展開になっていたように見えました。
合併の可否は現金の保有量でほぼ決まるので、収入効率の良い「商品」のインカムゲインの差が大きいと、権利書の少ない会社は、合併の名を借りた「敵対的買収」の餌食となってしまうのです。
※このあたりの感覚は1回でも通してプレイしないとわかりにくいかも。
さて、このセッションで僕は、前半は米穀会社(Rice Company)を中心に運営を行いました。R&Dは「Expansion(拡張)」を選択し、収益効率を増大させ、同時に合併のリスクを減らします。さらに別の米穀会社の合併に成功し、さらに大きな生産力と合併への対抗体制を整えました。
商品の「米」は収益額が低い(@20ルピア)のですが、盤上に配置された米の数と、ラウンド数が長くなりそうだったので運営回数で十分に儲かると判断しました。実際、かなりの利潤がありました。
しかし中盤過ぎで、Kさんがシアパ・ファジ会社の設立に成功し、しかもR&Dで「Expansion(拡張)」を「4」にまで上昇させてきたあたりから猛追が始まりました。シアパ・ファジ会社は米穀会社と香辛料会社の合併によって設立される特殊な会社で、商品の「シアパ・ファジ(電子レンジで作るインスタント食品)」は@35ルピアと石油(@40ルピア)に次ぐ高額商品です。
Kさんは海運会社を持たなかったので運送コストはかかりましたが、拡張に拡張を重ね物量でコスト高をカバーし、ついに高収益体制を作り上げました。
しかもこの時点でシアパ・ファジ会社は1社しか存在しなかったので、合併の危険にされされることもなかったのです。これはまずいと慌ててこちらも遅ればせながらシアパ・ファジ会社を設立したり、同時にゴム会社にも手を出して多角経営化に乗り出してみました。
それでもKさんの高い収益にはかないそうもなかったので、「Slots(会社の設立上限)」を上昇させてから会社の設立を次々に行って早くゲームを終わらせるようにしました(ボード上で未設立の会社が1種類になるか、全ての会社が設立すると新しい時代が始まります)。
これが功を奏したようで、最終ラウンドでもKさんが大きく売り上げを伸ばしましたものの、ゲーム終了時の資金は辛うじてトップとなっていまして、何とか逃げ切ることが出来ました。計算してみたら、あと1ラウンド続いていたら逆転していたところでした。
実は前回のセッションでも勝ちましたので、これで「インドネシア」は2戦2勝という結果になりました。前回も今回もそんなにうまく立ち回った気はしていないのですが、ひょっとして相性が良いゲームなのかもしれません 今回のプレイタイムはインストを入れて4時間ほど。ルールを事前に把握していれば、3人であれば3時間以内で終わりそうです。
http://www.boardgamegeek.com/game/19777
Aqua Romana (ローマ水道) / Queen
最後はこれで〆ました。
前回の集まりの時には「Aquadukt (アクアダクト) / Schmidt」をやったので「また水道引きかよ」とか言われました。 しかも地域も同じローマ。どうもドイツ人はローマに水道を引きたくてしょうがないみたいですね。
ゲームボードには84マスのプレイエリアと、その外周をぐるっと囲むように38マスのトラックがあります。ゲーム開始時に外周トラックには「建築家」コマを12個配置します。プレイエリアには人数に応じた位置に「貯水池」タイルを置き、その上にそれぞれが4個ずつの「作業員」を配置します。
手番において、自分の作業員コマの上下左右に建築家が「見える」ものをひとつ選び、その建築家に対応する水路タイルを、その作業員の前に配置します。その後で、建築家コマを外周マスで時計回りにひとつ移動させます。水路タイルを配置することで「終端」は延びたのであれば、そのタイルへ作業員を移動させます(全員の作業員をチェックします)。
もし、タイルを配置することで水路が閉じたり、あるいはプレイヤーが望んで水路を閉じるのであれば、閉じた水路上にいる作業員を「勝利の踏み石」に置くことが出来ます。「勝利の踏み石」は「1」~「20」まであり、閉じた時の水路の長さに対応するマスに作業員を置きます。ただし、わずかな例外を除いて1つの作業員しか置くことが出来ないので、低い数値の空いたマスに置かなければなりません。
水路をが閉じると、新しい「建築家」をひとつ取ることが出来ます。新しい建築家を手元に持つプレイヤーは、手番開始時にそれを任意の空いている外周マスに配置します。その建築家をその手番ですぐに使うことも可能です。
水路タイルが配置されないで1巡が経過したらゲームが終了します。「勝利の踏み石」に置かれた自分の作業員の得点合計とボーナス点を加算した点数が多いプレイヤーの勝利です。
同系統のゲームに「Metro (メトロ) / Queen」や「Linie 1 (1号線で行こう) / Goldsieber」がありますが、こちらは盤上の情報が完全に公開され乱数もないので、思考ゲーム的な読み合いやプレイヤー間の駆け引き度が高くなっています。建築家コマの移動が不自由なので、読んでもどうにもならないことはありますけれども、こういう胃のキリキリと痛みそうな思考ゲームがお好みであればきっと気に入ると思います。独自要素は薄めなので、斬新さを求める人には向きません。
http://ejf.cside.ne.jp/review/aquaromana.html
レポートは以上です。
このグループでいつも集まる時に比べてひとり少ない3人のゲーム会となりましたが、大作「インドネシア」を堪能することが出来ましたし、「郵便馬車」の奥深さを発見出来たことなど、充実した内容でした。
1日どうもお疲れさまでした>Mさん・Kさん
今度はHさんも入れて4人揃ってまた遊びましょう。
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