29日(金)は、つばきさん宅にて開かれた自宅ゲーム会に参加してきました。テーマは「ネットワークゲーム」。オンラインでプレイするアレではなくて、もちろんボードゲームを遊ぶテーマ会です。

「ネットワークゲーム」というのは、たとえば分散している拠点を繋げたり、あるいはそれらの間を移動するなどしてネットワークを形成していくタイプのゲームのことをここでは指しています。そして、それらを中心に遊んでみようというつなきさんの呼びかけに何人かが応じ、ここに実現する運びとなりました。参加者は、自宅を開放していただいたつなきさんの他、puppiさん・田中ブンケイさん・ヴァイスさん、それに僕の5人でした。

年の瀬も迫ってきたこともあり、この日は朝からぐっと冷え込んだ1日でした。僕は前日に仕事が押してかなり寝不足な体調でしたけれども、時間が進むにつれて徐々に元気が出てきました。


Age of Steam Expansion #2 - Western US & Germany / Warfrog moon Gamermoon Gamer

「ドイツマップ」をプレイしました。

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まず最初は「蒸気の時代」の拡張マップからです。この拡張マップは僕としては初プレイでした。特別ルールは、盤の端にある都市が商品の受け入れ専門都市で、その色はゲーム開始時にランダムに決まるということと、「ベルリン」に毎ターン1個ずつの商品が配置されるというのが主な内容です。また、盤の端にある都市に直接接続されるヘクスの建設コストが極端に高く(8~10!)なっています。さらに「エンジニア」アクションのルールが変更されていて、エンジニア」も路線タイルを(4枚ではなく)3枚しか引けず、ただし1枚だけ建設コストを半分にすることが出来ます。

旧西ドイツ方面にシティやタウンが密集しているために、そのあたりから徐々に旧東ドイツ方面に広がるようなイメージでしょうか。そのキーポイントになるのがベルリンというわけです(毎ターン配置される商品は、冷戦時代に西側が空輸していた生活物資のアナロジー?)。このセッションでも3人がまずそのあたりにタイルを置くあたりから始まりました。

第1ターンに順番が4番目だった僕は、南部の3都市を中心に商品を回し、そのうち北上してベルリンを目指す指針を立てました。実は南部の商品キューブの配置状態は、ディスプレイシート上を含めてあまり良くはなく、だから他のプレイヤーがすぐに介入してはこないだろうと踏んでいました。が、なんと、5番目プレイヤーがここに路線タイルを置き始めまして、厳しい状態で競合する形になってしまいました。正直なところこれは全く予想外でした。

このようなこともあって第1ターンの収益が「0」のままに終わってしまい、ここで冷静さを欠いてしまったのが敗北の遠因となりました。この後、慌ててベルリンを一直線で目指すルートを強引に開拓したのですが、やはりこれは無理筋だったようです。後で撮影した写真を見て気がついたのですが、ここは南の端にある都市に接続することをひとまず目指すべきでした。競合を恐れず、それに立ち向かう形を作っていたのであればまだ勝負になっていたと思います。

つまり僕は正解の逆逆を選択したために、悪い局面でさらに傷口を広げてしまったわけです。これは情けない。その後も、あの手この手で生き残りをかけて体勢を立て直し、後半になって収益だけはトップグループに食い込むことが出来ましたけれども、無理に株式の発行数を増加させたために財務状況は悪いままで、最終的には3位と遙かに離れて4位に終わりました。

このゲームの序盤はとにかく難しく、しかしながらそれはこれまで踏んできた場数と経験で、たいていの状況には耐えられると自負していたのですが、今回はその慢心が全て悪手につながってしまいました。いずれにせよ、序盤の組み立てをさらに深い意識で考えないとダメなようです。久しぶりの「蒸気の時代」でとても楽しかったのですけれども、負けて学ぶこと、そして反省の多いセッションでした。まだまだ修行が足りません。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/8845


Hermagor (ヘルマゴール) / Mind the Move moon Gamer

何となくネットワークっぽいのでリクエストしてみました。

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前回のレポートでは、第3フェイズで商人が移動し、産物を販売する過程は実質的にソロプレイであると書きましたが、5人プレイ時ではそれが少し変わります。つまり競合が発生します。5人プレイでは産物がたくさん出てくるので価格が上昇しやすくなり、そうなると生産施設の価値も上がります。そのため、終盤のラウンドでは生産施設の激しい奪い合いになります(生産施設は1つの産物につき4つずつのみ)。

4人プレイ時では生産施設が不足することはありませんでしたが、5人プレイでは簡単に起こります。物価もインフレ気味なので、商品価格の意味も少しばかり違っています。つまり、4人と5人とでは、少しばかりゲームの性質が変わるようです。これは「ヘルマゴール」の興味深い特徴だと思います。

ゲーム後半に商館が立ち並ぶようになると、ボーナスで1キャッシュを受け取る処理が頻繁に発生するので、それが少し面倒に感じた人もいたようで、言われてみればその通りかもしれません。4人ではそうでもなかったのですが、5人だと第3フェイズでの必要作業がどうしても多くなるみたいです。ただ、耐えられないほど煩わしいわけではありません。

このセッションで僕は、第2ラウンドで中央市場での産物調達に失敗し、この時点で脱落気味に。1ラウンドでもこのようなことがあると、もう勝てる気がしなくなります。そういう意味ではかなり鋭いゲームであると言えるかも。中央市場のコマの置き方が上手で、常にたくさんの産物をかっさらっていったヴァイスさんが圧勝しました。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/25224


Canal Mania (カナルマニア) / Ragnar Brothers moon Gamer

そしてこのゲームで今年の〆ということで。

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ヘビーローテーションというより、もはや僕の中では定番ゲームの地位を確立しつつある「カナルマニア」。運河のルートはほとんど決まっているにも関わらず、プレイするたびに展開が異なるので何度遊んでも飽きません。

このゲームでの得点源はさまざまです。運河を完成させた時に得るタイルからの得点は基本ですが、全員が同じ構成のタイルを保有していますので、ここで差が付くことはあまりありません。一方、商品輸送は得点差に表れやすく、4点(4都市接続)が入るルートを出来るだけ早めに建造することを目指します。巡り合わせが悪かったとしても、何とか2点(2都市間輸送)だけでも毎ラウンド点数を入れておきたいところです。

契約書の巡りが悪い時には、短い運河を建造することで達成枚数を稼ぐようにします。ゲーム終了時に獲得する達成ボーナスは案外と大きな得点源だからです。また、短くて孤立した運河の都市に商品を置いておくと、最終ラウンド後の商品減少ラウンドで細かく点数を獲得することが出来ます。このように、最終ラウンド後の展開も見据えてゲームを進めることが出来るようになると、「カナルマニア」の奥深さがさらに広がります。

このセッションでは、議会で提示される契約書に地域的な偏りがあまりなく、全体的にバランスよくばらけて公開された感じです。また、5人プレイであったことも影響していると思いますが、それぞれの運河はあちこちで分断され、長い距離の商品輸送があまり行われませんでした。そのため、契約書が順調に達成されていったにも関わらず、各プレイヤーの点数は低めでした。

ゲーム終了条件は、議会で契約書カードが最後の5枚になったことで満たされました。この時点でトップの点数が20点そこそこだったので、プレイ経験のある方なら、このセッションがいかに低スコアゲームになっていたか、おわかりいただけるかと思います。

そして最終ラウンドに入って細かい勝負となり、最終的には、達成した契約書枚数の多かったヴァイスさんの勝利(本日2勝目!)となりました。商品運送で得点を稼いでいた僕は、達成契約書がわずかに3枚だったのが響いて2位でした。

このゲームは1000セット限定生産ということで、すでに販売元では完売したようです。しかし、公式サイトのアナウンスでは、契約カードをいくつか変更した第2版が計画されているようです。変更点がどのようなものは不明ですが、都市を探しやすくするような工夫がされているといいなぁと… 第2版で製造数が増えれば、国内でも手に入りやすくなる可能性もあります。ということで、今後も「カナルマニア」から目が離せませんよ。moon Gamer
http://www.boardgamegeek.com/game/19995


レポートは以上です。

3時間級の重いゲームを、次々と3つもまる1日遊ぶことの出来た密度の濃いゲーム会でした。このような充実した内容になったことに、本日お付き合いいただいた皆様に心から感謝いたします。また、夜遅くまでお部屋を提供していただいたつなきさんには、特に深謝を申し上げます。

また、個人的には、これで今年最後のゲーム会となります。今年もたくさんのゲームを遊んでいただいてありがとうございました。来年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。moon Gamer