25日(日)は、地元は千歳烏山のゲーム倉庫にて、古くからのゲーム仲間を呼んでの「四半世紀会」を開きました。参加者は僕を入れて3人です。「久しぶりー」とか言われたので、はてそうだっけ? と後で過去ログを調べてみたら、昨年の7月以来でしたか。確かに久しぶりだわ。
本日のメインゲームは「1870 / Mayfair Games」でした。今日、「18xx」メカニクスを用いたゲームには膨大なバリエーションが存在するようになりましたが、この「1870」は90年代前半に発売されたもので、このジャンルのゲームとしては先駆的な作品です。同時期に発売された「1856」とともに、現在でも日本語訳付で国内のショップで扱われています(90年には『1835』も同社から発売されていました)。
「1870」をやろうという話は実はかなり前からありまして、今回やっと実現しました。人数は3人ですけれども、プレイした全員が久しぶりに「18xx」系のゲームに触れるということもあって、リハビリにはちょうどいいんじゃない? ってことで、のんびりと始まりました。ちなみに今日のメンツ全員が「1830」プレイ歴15年以上ということもあって、インストはそれとの差分説明で済みました。
前日から急に冬らしい寒さとなって、暖冬気味の陽気にすっかり慣れてしまったので体調管理が大変です。ゲーム倉庫には備え付けのエアコンがありますが、これだけでは広い室内すべてを暖めるにはちょっとパワー不足だったため、先日追加してハロゲンヒーターが設置されました。そしてこの日はこれが1日中つけっぱなしでした。
1870 / Mayfair Games

仕手系「18xx」。3人。

「1870」は、アメリカ合衆国の中央部を舞台にしています。ミシシッピ川が南北を突き抜けて、東西はテキサス~イリノイ・アラバマ州あたりまでを含みます。一見して、面積的にもヘクス数的にもずいぶんと広いマップです。
「1830」との違いについて説明しましょう。まず「1870」には鉄道会社が10社も登場します。列車の種類も多く「2」~「6」の上に「8」「10」「12」とあり、「D」がありません。数値の低い列車がスクラップになるタイミングも「1870」とは微妙に異なります(一律2世代前ではない)。
運営ラウンドでは、黄色のタイルを2枚配置するか、あるいは1枚の置き換えが可能です。また、各鉄道会社には「開始都市」とは別に「目的地」が決まっています。「目的地」の都市まで線路を敷設することが出来ると、その鉄道会社だけ「目的地」都市の価値を2倍にします。


株式ラウンドには大胆にいくつかのルールが加えられています。
株価防衛 -Share Price Protection-株が売却されると株価は下がりますが、社長は株が売却された直後に、その株券をすべて買い取ることで株価の下落を防ぐことが出来ます。購入資金は社長プレイヤーの私費によって賄われます。また、これによって会社の株の60%を超えて保有することになっても構いません。
市場やプレイヤーの持つ株券を会社自身が買い戻すことが可能です。つまり会社に株券を売ることが出来ます。1株式ラウンドに1株券のみで、総計4株券の償却が可能です。会社が保有する株券には、配当による分配金が支払われます。
償却され、会社が保有する株券は(条件さえ整えば)再び公開することが出来ます。この場合、株価よりもやや安い価格で銀行に再公開されます。再公開することで、会社は再び運営資金を得ることが出来ます。
会社が上げた収益は「配当」「留保(無配)」の他に、「部分配当(半配当)」というオプションがあります。これは、収益の半分を株主へ、半分を会社の資金へ回すということです。半配当を行った場合、株価は変動しません。
公開市場(Open Market/『1830』でいうところの BANK POOL)にある株券には配当による分配金は支払われません。会社に分配金が支払われるのは、会社が償却によって株券を保有している時のみです。
株価表には、1本の赤い境界線が引かれています。この境界線を越えて株価が下がるには、株券が2枚以上売却された時のみです(ストップ安)。1枚だけ株券が売却された時には、大きく下がらないようになっています。また、株価が下がりすぎた会社は Close(倒産)し、ゲームから取り除かれます。倒産した会社は復帰しません。
細かい点ではもう少しありますが、「1830」に比較すると、おおむねこのように環境が追加変更されています。株式ラウンドにおいて株式の運用方法に幅が広がって会社経営の選択肢が増加しており、経営ゲームとしてグレードが高められています。追加されたルールは、ゲーム性を高めるという意味でどれも理にかなっていて、優れた改良が施された「18xx」の秀作のひとつではないでしょうか。


マップが広くて会社の数も多いためか、ボックスに書かれたプレイ時間(4時間)ではとても収まらず、その倍以上はかかるようです。もともと長時間ゲームの多い「18xx」系ラインナップの中でもひときわ目立つ存在ですが、いちおうルールにはショートゲームバリアントもあります。それでも最後までプレイするには1日がかりになるかもしれません。
このセッションでは3人で行われ、初プレイということもあってルールを確認しつつの進行となりました。そして、会社の特徴やマップの特性など、眺めただけではわからないことが次々と顕著になるにつれ、「1870」が相当な手応えのある面白いゲームであることがわかってきて、全員が「1870」の醸し出す濃厚な世界にハマり込むことになります。
またその一方で、的確にプレイするには事前にしっかりと研究しておく必要があることも痛感しました。戦略の幅が広さや懐の深さはあまりにも絶大で、そういうグレードの高いゲームを3人でお試しプレイをするにはもったいないような気がしたのです。ということで、4時間ほど遊んでまだやっと中盤に入り口に差し掛かったあたりで、協議の末に途中終了となりました。
今回のセッションでは、株の償却と再公開のあたりが十分に試せなかったのですが、これをうまく回すことで効率的な経営が行えそうです。その他、ゲーム中に思いついたアイデアと作戦がいくつもあるので、再戦時はぜひ試してみたいと思っています。その日が遠からず来ることを心から願っています。面白かった。
http://www.boardgamegeek.com/game/424
Die Säulen der Erde (大聖堂) / Kosmos (Franckh-Kosmos)
少し時間が余ったので3人でトライ。

6ラウンド固定なので、時間がない時でも重宝するゲームです。言うまでもなく大変に優れたゲームではありますが、さすがに「1870」のような硬派なゲームの後では、運の要素がやや強めなこともあって、少し戸惑わせてしまったかも。
また、3人プレイというのも少し問題があったかもしれません。僕自身、このゲームの3人プレイは初めてでしたが、やはり4人プレイ時に比べるとやや薄いかなぁ、という感じはしました。


まぁ、それでも最後は楽しんでもらえたようです。このセッションでは僕は、中盤でお金が足りなくなって、しかたないので金属を資金源にしたりしていたのですが、それをうまく得点に結びつけることが出来ず。それでも何とか最終ラウンドで猛追したのですが一歩及ばずの2位でした。
http://www.boardgamegeek.com/game/24480
レポートは以上です。
ともかくこの日は「1870」に尽きます。ここのところしばらく「18xx」系のゲームから遠ざかっていたのですが、これをきっかけにして再燃することとなりました。とりあえずは、手元にあってシュリンクを破ることさえしていなかった「1856」をプレイすることが次の目標です。もちろん「1830」も。その他、海外で販売されているバリエーションにも興味津々です。
本日は長い時間、お疲れさまでした>Gさん・Kさん
またぜひ遊びましょう。
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