11日(土)は、地元は千歳烏山のゲーム倉庫にて四半世紀会を開きました。今回の参加者は僕を入れて4人。そしてお題は前回に引き続いて「1870 / Mayfair Games」です。メイフェアが1994年に発売した「18xx」メカニクスバリエーションのひとつで、現在でも高い評価を得ているゲームです。前回、このゲームをプレイした時は3人で、ルールの正しい運用も何だか少し怪しい状態でしたが、今回はそれらを補正した環境でプレイを行うことが出来ました。
少し暖かった日。こういう日はスギ花粉もバンバン飛びますので、少し神経質なくらいケアして外に出ました。こういう日は当日よりもむしろ翌日の体調に影響が出やすかったりします。このところゲーム会が続いて外に出る機会が多くなっていますし、今月はまだ予定があるので、慎重に慎重を重ねたいところ。
1870 / Mayfair Games

そういやマップの南北両端ばっか使っていたような…

前回のレポートとレビューはこちらのエントリーをどうぞ。簡単にいうと、「1830」をベースにして、さらに株に関するルールを増補したような作りになっています。「18xx」バリエーションゲームをやる時にはよく「1830と差分のルールについて説明します」という言い方をしてインストをすることがよくありますが、「1870」については「差分」というより「増分」についての説明が必要になります。
実際「1870」は大作です。マップは広く会社の数も列車の種類も多いし、ルールの「増分」もかなりの分量にのぼります。プレイヤーの選択肢も増えているので、プレイ時間も長めです。ということで、今回もショートゲームバリアント(株価が$400に達した会社の運営ラウンドが終了したらただちにゲーム終了)を採用しました。


このゲームにおいて、最終的に最大の収益をたたき出す大都市は、Kansas City と St.Louis です。どちらも茶色タイルを置き換えて灰色のタイルを配置することが可能で、そうなると収益 $60(額面上では盤上最大)となります。この2つの都市がどこにあるかというと、いずれも北方(盤の上方)にあります。St.Louis は、プライベートカンパニー「Mississippi River Bridge Company」の特別ルールによってミシシッピ川を渡れるようになるまでは大きな影響を持ちませんが、Kansas City は序盤から要所として機能します。
Kansas City の南に位置する Springfield にはゲーム最初の公共会社である「St.Louis-Sanfrancisco Railway(以下 FRISCO)」が登場しますし、Kansas City 上にも Mississippi-Kansas-Texas Railroad(以下 KATY)」がまず間違いなく設立されるためです(このセッションでもそうなりました)。Kansas City は最初から最後まで大都会として激戦地となるので、このあたりにタイルとトークンがひしめき合うのは必然とも言えます。
今回僕は、プライベートカンパニーの競りで FRISCO の社長株を落札し、この会社の経営を行いました。FRISO は社長株が購入された時点ですぐに運営を始める特殊な公共会社で、「1870」の序盤で最も目立つ会社です。僕は株価を $68(初期株価の最安値)に設定し、まずはのんびりこの会社で儲けようと考えていたら、まだ FRISCO が列車を持たない状態の株式ラウンドで、早くも他プレイヤーが株券を2枚3枚と購入してきました。
しょうがないので社長の座を譲り渡さないように防衛買いを行い、結局 60% の株券を購入することになったのですけれども、後から考えるとこれは判断ミスだったような気がします。ここでは FRISCO の株券をあえて放出して FRISCO を明け渡し、Kansas City の隣に設立される Atchison, Topeka & Santa Fe Railway(SataFe)にでも乗り換えた方が良かったでしょう。そうすることで FRISKO にも KATY にも圧力も強められますし、地理的には SataFe の方が有利だからです。
しかし結局、その決断をしなかったばかりに、FRISCO が配当を出した次の株式ラウンドで早くも FRISCO の株券が市場へと放出されてしまい、その時点で株価防衛をするだけの資金も無かったために株価は一気に暴落することとなりました。


この市場の FRISCO 株はこの後に会社へと償却され、しばらくは少しだけ利益をもたらすことになりました。そして FRISCO は順調に拡大を続けましたが、ここでちょっと油断して他社の株価に気を配らなかったのが敗北の遠因となりました。
FRISCO 社は、路線ルートが似ている KATY 社とほとんど収益額が変わらないにもかかわらず、仕手戦の対象にならなかった KATY の株価は高額のまま維持され続けていたのです。これに気がついた時は後の祭りで、手元の KATY 株を売却しても株価防衛で拾われてしまうという始末。
この後、何とか2社目を設立し、その会社で全線開通(トークン+1/目的地の収益2倍)を達成するなど追い上げましたが、結局はまるで間に合わず、順位も最下位に沈みました。序盤、FRISCO 社の経営にこだわった判断ミスのツケが最後まで響いたゲームでした。この結果は結果として受け止めるとして、敗因を明確に理解することが出来ましたし、マップのクセや「1870」独自の手筋がやっと見えてきたので、それを本日の収穫としましょうか。
改めて思ったのは「1870」のスケールの大きさです。マップが物理的に大きく広いのです。恐らく5人か6人でプレイしてちょうどいいくらいじゃないでしょうか。いつか最大人数でプレイしたいものです。それまでに、ちょっとは歯ごたえのある相手になるように腕を磨いておかなければ…
http://www.boardgamegeek.com/game/424
レポートは以上です。
ゲームの後は「1870」の感想戦と、次回はぜひ「1856」をやろうという話で盛り上がりました。ただ、この場ではバリエーションを楽しむのはそのくらいにしようという話も出ました。このグループでは、同じゲームを何度も遊んで極めるというスタイルでゲームが遊ばれることが多かったし、これからもそうでしょう。僕としてもそれは納得です。またぜひよろしくお願いいたします>参加者各位
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