18日(日)は、上北沢で開かれたSGCの3月例会に参加してきました。今回はゲームをたくさん持ち込んで出入り自由なオープン卓を作ろう、ということではりきって会場に乗り込んだのですが、残念ながら参加者が9名と少なく、しかも他の1卓はメンツ固定卓だったこともあり、結局こちらも固定卓みたいな感じになってしまいました。
とはいえ、新旧併せてなんと8ゲームもこの卓で遊ぶことが出来たのはめっけものだったと言えましょう。いくつかの収穫もあり、大変に充実した1日となりました。
東京は先週から冬に戻ったような冷たい空気に包まれています。この日も晴天なれど風強く、朝からずっと肌寒い日和でした。会議室の暖房がまるで効かず、室内にいてもえらく寒かったです。
Portobello Market (ポルトベローマーケット) / Schmidt Spiele
やっと正しいルールでプレイ。4人。
このセッションはえらく盛り上がりまして、おかげで一気にこのゲームに対する印象が三段階くらいアップしました。というのも、このゲーム中、ひっきりなしにおしゃべりが飛び交ったおかげで、わずか1手の凡ミスでゲームが壊れてしまうというようなことが無く、終盤までもつれにもつれた大熱戦になったからです(おしゃべりといっても人の手番に介入するような"助言"ではなく、互いに現状を確認しあうことと、そして場を盛り上げるヨタ話がほとんどでした)。
序盤~中盤までは、まずスタンドが要所に配置され、その後で客が広場にぱらぱらと置かれるような流れに。そして右下の区画に黄のスタンドを集中し始めたあたりからゲームは動き始めました。当然ながら、ある区画の周囲に単色のスタンドが多く置かれるようになった場合、その色のプレイヤーが「X4」をまだ持っている場合は警戒しなければなりません。
そのアクションタイルが裏返されるか、あるいは配置されるまで、区画マーキングで漫然と高得点を取られることをなるべく阻止するバランス感覚を全員が持つように心がけるとゲームが締まります。時には「仕事」をして場を平たくすることも考えなければならないでしょう。
さてゲームは進み、中盤過ぎまで2人(黄・青)がトップ争い、その後を僕(緑)が追い、そしてだいぶ引き離されたプレイヤー(赤)が1人という形。ここで区画マーキングを巡って上位3人が互いに牽制をしている間に、最下位の赤プレイヤーがスタンドを独占した路地2本を作り、さらにそれにつながる広場に貴族を配置することに成功。ここで赤が大量得点を獲得して、一気に上位グループへ躍り出ました(1枚目の大きな写真は、そのあたりの局面)。
さてゲームは進み、点数的に今度は僕(緑)1人だけが遅れることになってしまい、さすがにちょっと慌てました。もう残りの手番も2回くらいしかない状態だったからです。しかし落ち着いて盤面を良く見ると、貴族コマの両脇にある路地が空いているのを発見!
すかさずボビーを3区画くらい移動させ、その路地に手元に余っているスタンドを投入しました。貴族コマの路地は、完成しなくてもゲーム終了時に得点が入るので無駄にならないのです。で、これが地味に効いたようで、最終手番に頭一つ抜け出すこととなり、そのままトップで終わることが出来ました。やった!
細かいミスはあったものの、すべてのスタンドを無駄にしなかったこと、区画マーキングで合わせて40点を稼げたこと、そして貴族のいる路地でも得点を稼ぐことが出来たことなど、効率的に得点を上げることが出来たのが勝因だと思います。戦術論等、このゲームについて書きたいことはたくさんありますが、それは次回以降のレポートに回すことにしましょう。良作。
http://www.boardgamegeek.com/game/27356
Giro Galoppo (レース・ギャロッポ/ギャロッポ・ギャロップ) / Selecta Spiel
大爆笑www 5人。
乗馬の障害物レースがテーマのゲームです。セレクタ社のゲームをプレイするのはひさびさです。
そしてうれしいことに、大当たりなゲームに巡り会うことが出来ました。これは面白かった。昨年6月に購入してからずっと倉庫に眠らせていたのがもったいないと思うくらいに。
各プレイヤーは「1」~「6」までのカードを持ち、1枚を選んで同時にオープン。その数だけ自分の馬を進めます。馬は、プレイしたカードの数字が少ない順に移動します(同値の場合は後ろから)。
もし、他の馬のいるマスに進んだ場合、「踏まれた」馬は、空いているスペースまで後戻りします。また、障害物のあるスペースに移動してしまった時には元に戻ります(1回休みと同等)。カードは使い捨てで、6枚すべてのカードを使ったら、またすべてを手札に戻して使います。
これは面白いっ。真に良質な子供向けゲームは大人の鑑賞にも十分耐えうるものですが、これはそのお手本のような逸品。
カードの読み合いを熱く楽しんでもよし、飛び越えたはずの障害がまた目の前の現れる不条理感を楽しんでもよし。運とテクニックが混ざり合った不思議なレースの世界を堪能しましょう。写真のように、コンポーネントも素晴らしい出来です。
このセッションは5人でプレイしました。恐らくは人数が多い方が楽しいです。プレイタイムも短くて、障害物の位置を変えることで毎回異なった展開を楽しむことも出来ます。子供向けゲームとして秀逸なゲーム。本日の良作2つめ。
http://www.ps-hiroshima.com/board/girogaloppo.htm
Pompeii: The Last Days / Another Challenge Game
ポンペイ最後の日。atogさん持ち込み。5人。
ゲームは3つの段階に分かれています。最初の段階は、ボードの周囲をダイスによって進み、そこで建物や人物カードを「購入」する段階。建物と人物には色があり、同色をセットにする必要があります。ひとつの建物には2人か3人の人物をセットにすることが可能です。購入したカードは他人と交換したり、売買したりすることも可能です。
ボードの周回を終えたプレイヤーは、ポンペイの街に入って2つめの段階に入ります。この段階へは、最初の段階で周回路で最後のマスに達したプレイヤーから順に以降します。つまり、まだ第1段階にいるプレイヤーと第2段階に入ったプレイヤーが一時的に混在することになります。
第2段階では単に山札からイベントカードを引いてすぐにオープンします。これによってポンペイの街のあちこちに移動して、それによってお金を支払ったり、あるいは受け取ったりします。
もし、オープンしたカードが「Ultimate Die」の場合は火山が噴火し、いよいよ「ポンペイ最後の日」が始まります(第3段階)。このカードが引かれた時点でまだ第1段階にあるプレイヤーは自動的にゲームから脱落してしまいます。
最後の段階の手番が回ってきたら、まず火山噴火カードを引きます。ここには数字が書かれていて、それに対応した建物が即座に破壊されます。その建物カードを持っていたプレイヤーは、建物とセットになっている人物カードと共に捨てなければなりません。また、破壊された建物にたまたまプレイヤーコマがあれば、そのプレイヤーはゲームから脱落します(!)。
この後でダイスを2個ふり、その数まで自分のコマをポンペイの街上で移動させます。自分の保有する建物カードと同じ番号の書かれたボード上の位置へ移動し、建物とセットにしてあった人物カードを1人指定します。そして、その後で門に移動すると、その人物カードに書かれた数値を得点として受け取ります。
これをくり返し、すべての門が破壊されるか、すべての人物が救助されるか、あるいは全員が脱落したらゲーム終了です。助け出した人物カードの得点総計が高い人の勝利です。
いくつかの要素が絡み合った脱出ゲーム。ポンペイの街に点在する住民たちを、火山によって徐々に破壊されていく街から助け出す、という構成のゲームは、3年ほど前に発売された「The Downfall of Pompeii (ポンペイ) / Amigo Spiele」を彷彿させます。あちらが1時間ほどで終わるゲームだったのに対して、こちらは2~3時間はかかる長時間ゲームです。
また、長いわりには運の比重は理不尽なまでに高めです。不運に見舞われると一発で脱落しますし。実際、このセッションで僕は、第3段階の序盤で火山弾の直撃をくらって即死亡しました。 こういう状況を楽しめるかどうか、というゲームなんでしょう。
http://www.boardgamegeek.com/game/4473
Look In / Edition Perlhuhn
典型的なパズルゲーム。atogさん持ち込み。5人。
オレンジコマは六角柱で、側面の1つと上面に穴が空いています。中には鏡が斜めに1枚入っています。指定された「得点パネル」上に配置された黄色い大きな「得点コマ」を、コマの鏡を3枚以上を通過して「見る」ことが目的になります。
右の写真は、3つのコマを使って反射させた2つの例です(クリックすると大きくなります)。最初に見る鏡は必ず「上」から見ます。視線は他のコマによって遮断されます。3つの鏡を使う前に視線が得点コマにぶつかってもダメです。
手番では、オレンジコマを動かすことが出来ます。1マス移動させるごとに1点を失います。また、オレンジコマは2つまで重ねることが出来ます。移動させた後は自由に方向や上下を決めることが出来ます。移動させずに、その場で方向や上下を変えるだけの場合は1点を失います。
得点コマを見る移動が行えたら、得点パネルに書かれた数値を得点として獲得します。使用する鏡の数が4枚以上になったら、1枚増えるごとに+2点をボーナスで受け取ります。最後に手番プレイヤーは、任意の得点パネル上に得点コマを移動させます。
Edition Perlhuhn のゲームはパズル色の強いものが多いのですが、これはその典型です。手番ごとに問題が出て、それを解いていくような感じ。まさしくパズル。人の手番では本当に何もすることがありません。それをさっ引いても中盤まではなかなか面白かったです。
終盤になって、オレンジコマのスタックが増え、高得点ラインが出来上がってくると、得点がいきなりインフレ状態になります。これを防ぐのは難しく、手番による有利不利がはっきりしすぎてしまいました。恐らく5人は適正人数ではなく、2~3人くらいでじっくり遊ぶのが良いでしょう。好きなタイプのゲームなので再戦したいなー。
http://www.boardgamegeek.com/game/11301
Kabale und Hiebe (陰謀) / Hans im Gluck
特殊効果が満載の目的(得点)カード争奪戦。たまさん持ち込み。5人。
場に並べられた目的カードを、手札の影響カードをプレイすることによって獲得することを目指します。特殊効果の使い方がポイント。
場には目的カード(得点源)を並べます。目的カードにはカードの種類と数値が書かれています。各プレイヤーは、それぞれが同じ構成の山札(影響カード)を受け取ります。各自山札をシャッフルした後、3枚を持って手札とします。
手番では1枚の影響カードを場の任意の目的カードへプレイします。目的カードごとに「列」を作るように影響カードを置きます(置かれた順番を明確にする)。今、プレイされた影響カードは裏向きにします。
裏向きの影響カードがある列に、新たに影響カードをプレイする場合は、元からあった影響カードを表向きにします。つまり、各列の最後尾の影響カードは裏向きに置かれていることになります。ここで表向きになった影響カードに、そのタイミングで適用する特殊効果があれば、それを実施します。
手番の最後に、自分の山札から1枚のカードを手札に加えて次の手番となります。これを続けて、すべての目的カードの列に、目的カードに書かれた数値と同じか、あるいはそれ以上の目的カードが並べられていたらラウンドは終了して得点計算となります。
各列ごとに並べられた影響カードの影響値をプレイヤーごとに合計します。それが多いプレイヤーが、その列の目的カードを獲得します。同点の場合は、列の上に影響カードがあるプレイヤー(=先に置いた方)に獲得権利があります。また、このタイミングで特殊効果を適用する影響カードがあれば、それを実施した上で計算を行います。
これで1ラウンドが終了します。場の影響カードは捨て札となり、新たに目的カードが場に並びます。これを6ラウンド繰り返します。最終的な得点は、獲得した目的カードの総得点で決まります。ただし、すべての種類の目的カードを獲得した場合は、その6枚1組の得点を2倍し、余剰カードの得点を差し引いて計算します。得点の多いプレイヤーの勝利です。
わりと昔からよく見かけるタイプのメカニクスではあります。この系統のゲームにおいて個性を持たせるには、やはりカードの特殊効果をどう作るかがポイントになるでしょう。そして「陰謀」におけるそれは、単体で一気に場を支配するような極端な効果は無く、複数が組み合わさることで面白く波及するように作られているのが特徴です。
そもそも手札が3枚しかないので、自分が思い通りに場へ働きかける形を作り上げることは運次第です。なので、特殊効果が多いわりには軽めのテイストで、気楽に遊ぶことが出来ます。新鮮味には欠けますが、戦略性はありますし、効果がねじ曲がって予想外な結末を楽しむだけでもOK。効果の優先順位等がはっきりとカードに情報として書かれていたらもっと良かったかも。
このセッションでは、全種類の目的カードをそろえたのが僕1人で、スコア的にも圧勝となりました。目的カードは数値の方に目が行ってしまいがちですが、得点的には種類をそろえるようにした方が効率が良いでしょう。
http://ejf.cside.ne.jp/review/kabaleundhiebe.html
Mmm... Brains / Twilight Creations, Inc.
ほほう、これクニツィア先生ですか。たまさん持ち込み。5人。
脳みそを取り合うシンプルなゾンビダイスゲーム。最初は脳みそコマを取るゲームで、その後で他人の脳みそコマを減らすゲームなるという2段階構成。
ダイスは3回まで振ることが出来て、ふり直し時にダイスを残すことも出来るという伝統的な「ヤッツィー(ヨット)」システム。特にコメントのしようもないくらいの簡単ゲームでした。
http://www.boardgamegeek.com/game/25623
Take It! (いただき!) / Schmidt Spiele
クニツィア再び。たまさん持ち込み。5人。
10年ほど前に発売された「It's Mine!」のリメイク。「It's Mine!」はだいぶ前にやったことがあるようなないような…
ルールはとても簡単。決められたプレイヤーが山札からカードを1枚ずつ表向きにめくっていき、誰かが「いたたき!」と宣言すると、それまで表にしたカードを宣言した人がすべて受け取ります。なんと、これを繰り返すだけ。ありえないシンプルさ。
カードには1枚で得点になるカードや2枚ペアにして得点になるカードの他に、マイナスになるカード、一番多く持っていると得点が得られるカードなどいくつかの種類があります。パーティゲーム系のゲームとして考えても、かなり簡単な部類に入るゲームです。最後の得点計算がちょっと面倒かな?
http://www.mobius-games.co.jp/Schmidt/TakeIt.htm
Wabanti / Edition Perlhuhn
この思考ゲームゲームで〆。atogさん持ち込み。4人。
コマは金属製のナットです。ダイスを使うパズルライクなアブストラクトゲーム。意外とイケるかも。
ボードはヘクスが敷き詰められています。いずれのかひとつの「サイド(辺)」を自分のサイドとします。ゲームの目的は、自分のサイドからコマを出すことです。
手番にダイスを5個振ります。各ダイスの出た目だけコマを移動させなければなりません。コマを進ませるには6方向のいずれかに直進させなければなりません。他のコマを越えることは可能ですが、移動先は空白のマスでなければなりません。また、移動後に隣接するマスに別のコマがなければなりません(コマが孤立したり、全体が分裂するような移動を行えない)。
もし、すべてのダイスの目が使えなかった場合、次の手番では、使えなかったダイスの数だけ、振るダイスの数を減らさなければなりません。こうして、最初に勝利条件を達成したプレイヤーの勝ちです。
見るからにアブストラクトっぽいですけれども、ダイスを使うのでガチな雰囲気は和らいでいます。ただ、4人は適正人数ではなかったかも。2人か3人で遊ぶともっと面白くなると思います。好きなタイプのゲームなのでまた遊びたいところ。
http://www.boardgamegeek.com/game/3979
レポートは以上です。体調のこともあってアフターはパス。atogさんが持ち込んでいたマイナーゲームがあまりプレイ出来なかったのが心残りでしたけれども、また次以降の楽しみとして取っておきましょう。また次回もよろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (6)
Giro Galoppoの邦名が「ギャロッポ・ギャロップ」となっていますが、これは代理店が一時的に流したお試し時期の仮の名前で、その後「レース・ギャロッポ」に統一されましたよ。
ご指摘ありがとうございます。旧タイトルはまだネット上に残っているようですので、新旧タイトルを併記しておきました。
ボードゲームは初心者なのですが、Twilight Creations, Inc.のゲームに興味があります。プレイレポートを見た
ところ「Mmm... Brains」がとてもおもしろそうなんですが
初心者でも大丈夫でしょうか?今度購入してみようかと
考えています。
いらっしゃいませ。
「Mmm... Brains」はダイスを使ったとても簡単なゲームです。テーブルゲームに慣れていない方でもすぐに遊ぶことが出来るかと思います。ぜひお試しを。
>Giro Galoppo
私もお気に入りのゲームです。実際、セレクタのゲームの中では『Viva Toppo』と並んで最もプレイ回数が多いのではないかなあ。(^^;)
ただまあ、私は子供さんやご家族連れにインストする機会が非常に多いのですが、このゲームはあまり彼らには勧めません。
なぜなら、かなりの確率で子供が取り残されると泣いてしまうの…。子供さん同士だとすぐ喧嘩になってしまったり…。
所詮ゲームなんだしそのくらい耐えるように教育しとけば問題ないのだけれど、どうもそこまでは、いってないみたい。
難しいところです。
いわゆるゲーマーには勧められるゲームだと思うのですが、日本の子供ゲームとしては落第レベルだと思っています。(^o^)
では、失礼します。(__)
なるほど、子供はあの不条理感を不公平に感じてしまうかもしれませんねぇ。
いやまさかこのアイテムがゲーマーズゲームだったとはw