21日(祝)は、池袋にて開催された袋小路「重たいゲームの特別例会」に参加してきました。半年に一度ほどのペースで開かれているこの「重ゲー会」は人気が高く、毎回けっこうな人数が集まります。今回も35名もの参加者があったそうです。この日、僕は朝9時から入ったのですが、すぐさま5卓が埋まってしまいました。事前に mixi コミュ等である程度の下準備されていたとはいえ、これだけの人数が朝早くから一気集まったのですから大したものです。
個人的なメインは何といっても「18EU / Deep Thought Games, LLC」です。良作の多い「18xx」バリエーションゲームの中でも最高峰に位置すると抜群に評価が与えられている作品です。「18EU」については事前に断片的な情報は得てはいましたが、僕が実際にプレイするのはこれが初めてで、この卓が立つことが決まってからというもの、何日も前からずっと楽しみにしてきました。
この日は朝方にやや冷え込みまして、場内のエアコンがちょっとばかりパワー不足だったこともあって、午前中は室内でも寒かったです。気温があまり上がらなかったこともあってスギ花粉はそれほど飛んでいなかったようですけれども、ここの会場は室内のハウスダストがきついため、アレルギー対策はいつものようにしっかりとケアしておりました。
18EU / Deep Thought Games, LLC
「18xx」系統におけるひとつの頂点。6人。
マップの中央にはドイツ全土があって、その周囲の国(イタリア北部、フランス中央部等々)の都市が配置されています。メカニクスで最も大きな特徴は、プライベートカンパニーが存在せず、15社もあるマイナーカンパニーをパブリックカンパニーへと成長させていく過程を描いているという点に尽きます。
いつものように「1830」との違いから。
1.マイナーカンパニー「18EU」にはプライベートカンパニーが存在せず、その代わりにマイナーカンパニーがあります。マイナーカンパニーはマップ上に15箇所も点在しており、ゲーム開始時に競りによって所有者を決定します。マイナーカンパニーには、いわゆる特別ルールは存在せず、設立場所しか違いません。マイナーカンパニーには株券は存在しません。列車を保有可能で、運行による収益は必ず半配当となります。黄色のタイルのみを設置し、タイルの置換は行えません。
マイナーカンパニーは、パブリックカンパニーへと転換することが出来ます。転換するマイナーカンパニーと路線が接続している別のマイナーカンパニーは、転換されるパブリックカンパニーの株券に変えることも可能です(吸収合併)。
パブリックカンパニーの株券は会社が保有します。会社にある株券がプレイヤーに売却される時、対価は会社の資産に入ります。Bank Pool にある株券は会社が買い戻すことが可能です。いずれにせよ、株券はすべて市場価格で取引されます。
パブリックカンパニーは本拠地に1つと、その他追加して4つのトークンを持ちます。これらはまとめて£100で、設立時に前払いします。したがって運営時にトークンを配置する際にはコストがかかりません
ルート上に含むことが出来る大都市や盤外地域は列車の数字までですが、都市や港はカウントしません。ただし収益の計算にはすべて入れることが出来ます。
「Pullman Car(P列車)」という特殊な列車を購入することが可能です。P列車も会社の列車保有制限にカウントされます。P列車を持つ会社が運行する場合、任意の都市の収益額を2倍して計算します。ただしP列車も会社の列車保有数にカウントされます。またP列車は、プレイヤーが任意に廃棄することも可能です。
配当、内部留保の他に「半配当」があります。配当額が現在の株価以上の場合に限って株価が上昇します。株価チャートにはカラーゾーンもクローズエリアもありません。配当は会社の保有する株券に対しても行われ、それは会社の資産となります。
マップ上に点在するマイナーカンパニーをどのように獲得するかがまず最初の難関です。もっともこれは競りなので、理想型を目指すように取っていくのは至難でしょうから、最終的にどのような形になってもある程度は柔軟に対応することが出来るように対策を考えておいた方が、作戦としては現実的でしょう。ただこれは1度は通してプレイしておかないとなかなかわかりにくいことではありますし、実際わかりにくかったです。
それとタイルにちょっとした特徴があったのが個人的には混乱しました。大都市を含むタイルはまっすぐに路線が突き抜ける形しかありません。しかし「Y」と書かれた大都市ヘクスに配置する「Y専用タイル」には60°か30°に路線が曲がった形しかありません。これを最初にしっかり把握しておかないと、つながりそうでつながらなくなることがあります。
で、このセッションではこれに見事にハマってしまいました。しかもマイナーカンパニーがタイル置換を行えないルールを勘違いしていた(インストで聞き逃した)ために、もう序盤で完全に死に形。あれだけ楽しみにしていたセッションだったのに…。実に情けない。
中盤を過ぎて、特に北側の路線が完成し始めたあたりから、やっとマップのつながりが理解することが出来るようになりましたけれども、それじゃ遅いわけです。終盤近くになって、少しましなルートの開発にとりかかろうかとも思いましたが、それも結局他社にふさがれてゲーム的には完全にジ・エンド。
スキル不足もいいところで他の方々には申し訳ない限り。今でも落ち込んでいて夢にまで出ます。このレポートも泣きながら書きました。どうしてこんなに飲み込みが悪いのだろう。
http://www.boardgamegeek.com/game/5684
Viking Fury / Ragnar Brothers
2年ぶりの再プレイ。3人。
前回プレイのプレイレポートはこちらのエントリーからどうぞ。「カナルマニア」で威勢の良い Ragnar Brothers の 2004年に発売された快作です。Ragnar Brothers お得意の布製マップが特徴で、発売当時は500個限定で生産されました。しかし好評だったようで、その後に追加生産された模様です。
さて今回は、前回の経験を踏まえて、「Runeカードはすべて日本語化する」「プレイ人数を減らす」ことでルールの明確化とテンポアップをはかりました。さらに、ルールに一部にアレンジを加えて制限を緩やかにすることで、ゲーム性はほとんど損なわない形でさらなるスピードアップを行ってみました。結果的にこれらの工夫はうまく行ったと思います。
僕がスタートプレイヤーになったので、宝物のある港を巡回するようにして「交易」→「略奪」を繰り返す方針を採りました。他のプレイヤーは「交易」→「移住」とわりとまともな方針だったのとは対照的。でも略奪の方がヴァイキングらしいでしょう?
港で交易を行うと、その後に行う略奪や移住の難易度が少し下がりますので、何にせよこれが優先して行われることになります。また、交易にはダイス判定が必要ないのもメリットで、序盤の主要な得点源です。しかし Goods マーカーの数は有限で、中盤過ぎには無くなってしまいますので、いつまでもこれに頼っているわけにはいきません(カードによって Goods マーカーがストックに戻ることもあります)。
略奪や移住は大きな得点源となる「可能性」があります。しかし、その成否判定はダイスによって行われます。略奪と移住は判定方法が異なりますが、いずれも結果は成功か失敗かの2択です。つまり、成功すれば獲れますし、失敗すれば失います。この簡素なギャンブル性は「Viking Fury」のテーマに良くマッチしていてゲームを盛り上げてくれます。
忘れてならないのが「Sageカード」。ここに書かれている条件を達成すると、そのカードがもらえます。場には3枚公開されていて、そのうちどれを達成しても構いません。もちろん早い者勝ちです(というか、このゲームはほとんどの得点要素が早い者勝ちです)。「Sageカード」には、ノルウェー・スウェーデン・デンマークのいずれかの国の名前が書かれており、国ごとに多くのカードを獲得していると大きなボーナス点が入ります。他人がどこの国の Saga カードを集めているかをチェックしておきましょう。
運の要素を薄めても高めてもいるのが「Runeカード」で、これは特殊効果を持つカードです。有効な効果が多いのですが、手札としては最大で最3枚までしか持つことは出来ません。しかも補充する場所も機会も限られています。引いた Rune カードによって、方針が変わることもしばしばあります。
「Runeカード」を使ったり、あるいは捨てたりすることで風向きを変えることが出来ます。これもわりと重要なテクニック。このセッションでも煩雑に風向きが変わりました。海には東西南北があり、風向きが悪いとアクションを安全に行う回数が減ります。他人と同じ方角の海に行くと風向きによる妨害がしずらいので、反対側に行くようにするといいです。
ゲームは終盤になって得点的にもつれにもつれ、誰が勝っているのかよくわからない状態に。結局、最終的なボーナス計算で、Sagaカードを大量に集めたプレイヤーが勝利を収めました。僕は2位でしたけれども、トップとは10点差くらいの僅差。3位プレイヤーもそこそこ点を得ており、とても良いバランスに収まった好ゲームでした。プレイタイムは90分ほど。
http://www.boardgamegeek.com/game/12495
レポートは以上です。
「18EU」はダメダメでしたが、「Viking Fury」で気分的に少し持ち直しました。「Viking Fury」は同卓メンバーにも好評でしたし、僕も面白かったので、またしばらくしたらぜひ再プレイしたいです。これが終わった時点で、別の卓では2回目の「18EU」が中盤を迎えていました。その盤上の様子を見て、なるほどそうやればいいのかと参考にしてみたり。面白そうなゲームなので、もうちょっと腕を上げたいものです。
本日は朝早くから本当にお疲れさまでした>参加者一同様
またぜひ次の機会にはよろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (5)
マイナーカンパニーの路線が詰まるのは普通なので、そういう場合、さっさとパプリックに昇格させるのも有力な手です。
このゲーム実際の所、まだ全然見えてないので何度でもプレイしたいゲームです。
是非また再戦しましょう。
18EUに限らず、初物の18xxを遊ぶときは「ルール説明」->「タイル内覧会(^^;;)」->「お試しプレイ(2ターンくらい)」としてから本番を始める、というのが良いと感じています。やはり「鉄道ゲームだから、タイルの把握は大切(by JOEさん)」ですよね。
今度はぜひご一緒させて下さい。4月の第二週(4/14)あたり、いかがですか。
お疲れさまでした。そうか、パブリックカンパニーに早く転換する手を忘れていました。頭悪すぎですな… このゲームは自分でも研究したいので Deep Thought へ単独で注文をかけましたよ。
>>つなきさん
あのセッションでは「18EU経験者」「18EU初プレイ者」そして「18xx自体が初プレイ者」という混成の6人プレイだったので、混乱に拍車がかかりました。
4/14はぜひ。詳細が決まりましたらメールをいただければと。
初めてでしたが、とても楽しめました。
頭痛がしてきたので、知恵熱かと思ったら(笑)、
ハウスダストだったようです。
頭痛もあって、終わった直後はプレイ時間の長さばかりが印象に残りましたが、
その後、何度もあの時のプレイを振り返っていたりします。
ああ、あの時こうすれば・・・
是非また参加させてください。ありがとうございました。
お疲れさまでした。あの会場は掃除が適当らしくて、ほこりが部屋の隅にたまっていたりするんですよね。なので、この時期はほんとにつらいです。
初めての「18xx」であのゲームはきつかったでしょう。次はもうちょっとわかりやすい「1830」あたりでぜひ。