21日(土)は、つなきさん宅で開かれた「18GL会」に参加してきました。参加者は、つなきさんの他、atogさん、phyさん、taroさん、そして僕の5人です。
「18GL / Deep Thought Games, LLC」は、アメリカにある五大湖(Great Lakes=GL)の周辺地域における鉄道の歴史をテーマにした「18xx」バリエーションゲームのひとつです。時間軸的には、1820年代のアメリカ鉄道の勃興期から、20世紀に入ってから鉄道事業が衰退した時期を扱っています。
この日は朝から気温が上がり、少し蒸し暑い陽気でした。
18GL / Deep Thought Games, LLC

一部に特異なルールが…

1960年代に入って、アメリカ北東部における鉄道事業は構造的な悪循環に陥り、よりいっそう深刻な事態にさらされていました。これを何とかして打破するため、経営不振に陥っていた複数の鉄道会社を統合・合併し、新たに統合鉄道公社(Consolidated Rail Corporation/CONRAIL)が創設されます。これは1976年のことです。この「CONRAIL(コンレール)」は、徹底した経営の合理化を行うことによって母体組織の再建が図られました。
「18GL」にもコンレールが特別な会社として登場します。それどころか「18GL」は、コンレールそのものををテーマにしたゲームであるとも言えるほど、大きな存在として扱われています。
ゲームにおけるコンレールは、特定のタイミングで経営不良化した会社を吸収することで設立される可能性があります。ひとたび設立された後は、あたかも鉄道会社であるかのように営業を行います(ただし特別ルールはあります)。コンレールが登場した直後は、広大な範囲に脅威的な影響をもたらすように見えます。しかしこれに大きな刺激を受けた市場は再び活気を取り戻し、やがて(現実がそうであったように)鉄道経営の新しい時代を迎えるきっかけになるのです。このドラマティックなゲーム的演出は、「18GL」の特徴のひとつであると言えるでしょう。


ただ、このコンレール設立の史実を再現するために、「18GL」では少しばかり強引なルールが導入されています。4種類目の列車である「10H列車(2種類目の『4H列車廃棄)』」か、5種類目の「E列車(3種類目の6H列車廃棄)」が登場した直後に、それによって列車を失った会社は、強制的にコンレールに吸収されてしまいます。「直後」なので、列車を持たない会社にいくら資金があろうとも、その運営手番を待たずに、いきなりこの処理が行われるのです。
また設立後のコンレールは、列車を額面価格以上でしか他の会社に売却することが出来ません。これはコンレールの合理化経営を表現しているものと思われます。もちろんこれはゲーム的にも意味はあるようにはなっていて、デザイナーは史実の再現とゲーム性を苦労して調整しているように見えます。
さて、こんな感じで僕は、「18GL」におけるアメリカ鉄道史の再現性とか、まずはそういう視点からこのゲームを楽しんだのですけれども、もちろん他の方々は当然のようにゲームに勝つことに対して真剣に取り組んでいたわけで… まぁ、初手からマップを読み違えるとか、そういうしょうもないポカもあって、勝敗にはまるで絡めずに6時間ほどを過ごしました。


もちろんただ眺めていたわけではなく、各会社のルートの伸び方・絡み方や、何よりもコンレールがゲーム後半においてどのようなポジションにあるのかなどを見極めていました。「18GL」は、「18xx」バリエーションの中でも相当に複雑で微妙な形勢判断を求められるプレイ難易度の高いゲームで、たった1回のセッションだけで全容を理解することは正直難しいのですが、少なくとも次は今回のようなことにはならないようにはなったかと思っています。
来るべき2回目のセッションを切望しつつ、今回のレポートはここまでといたします。
http://www.boardgamegeek.com/game/17654
レポートは以上です。このような素晴らしいゲームをプレイする場を与えていただきながら、情けない結果になってしまってまったく申し訳ないです。失礼いたしました。
長時間にわたって大変にお疲れさまでした>参加者各位
またぜひ遊んでやってください。よろしくお願いいたします。
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