2日(水)は、カワサキさん宅で開かれた「プチ魔ゲーム会」に行ってきました。GWとはいえ平日にも関わらず集まったのはいつもの魔ゲーマーたち4人(カワサキさん、かゆかゆさん、ファラオさん、moon)にA葉某さんを加えて5人です。
「プチ」とはいえ、まずはいつものお約束から。このゲーム会の主旨は、メンバーのほとんどが未プレイだったり、あるいは現在のところ世間の評価が定まっていないようゲームばかりを持ち寄って、作品を論評したりしつつ意外な掘り出し物を発見することを楽しむことにあります。必然的に同人ゲームが多くなりますけれども、市販ゲームも普通にプレイます。ここで取り上げられるゲームが魔ゲームであるということでは決してありませんので、その点はどうぞ誤解無きよう。
この日はお昼の12時に武蔵小杉に集合。12:30分くらいから開始しました。朝からさわやかな青空が広がって、ぽかぽかと春らしい暖かな1日でした。
くいずです / B2F Games LLC.
「B2F Games」のオリジナルゲーム第一弾。カワサキさん所有。
クイズ"番組"をモデルにしたカードゲームです。立川のゲームショップ「B2FGames」から発売された、同店オリジナルゲームです。まず、問題カードが10問場に並べられ、その下にやはりランダムに正解カードを3枚ずつ(計30枚)配置します。問題カードの問題は識別記号でしかなく、正解カードとの間に関連性がなくても構いません。
そして、正解カードを2分間のうちに記憶(正解の文面と配置順)し、それを裏返してゲームスタート。ランダムに選択された問題カードの正解カードをメモして当てる、というプロセスをくり返します。問題カードは使い捨てですが、回答カードは未使用の問題カードの下へ再び裏返してリサイクルされます。
知識を問うようなクイズゲームではありませんし、また単純な記憶ゲームでもありません。制作者側の意図は十分に伝わりましたが、楽しいセッションだったかというと、これがあまり楽しめませんでした。制作者側へもっと感性をすり寄せないとダメなんでしょう。
ちなみに、これは楽しむためのゲームではなく、勝つためのゲームです。勝たなければ面白くないし、真剣に勝とうと思わなければ勝てず、そして勝った人は面白いと感じるタイプのゲームです。タイトルからパーティゲームだと思って買うと、イメージが違いすぎて面食らうことでしょう。
http://b2fgames.com/article.php?story=20070417224915817
ドラえもん 日本歴史ゲーム / エポック社
ボードが2重構造になってスライドします。ファラオさん持ち込み。
日本で5本の指に入るドラえもんゲーマーといえばファラオさん。そのファラオさんが、巨大なこのゲームを人目も気にせず電車に乗って持ち込まれました。その名も「ドラえもん 日本歴史ゲーム」。ドラえもんのキャラになって、タイムマシンで6つの時代を行き来しつつ、誰かがすべての時代の「歴史カード」を集めたらゲーム終了。その時点で、「歴史カード」のポイントを最も多くためた人の勝ちです。
注目のギミックは、スライドするボードです。これによって各時代ごとにマスが変化します。歴史カードを入手可能なマスはすべてスライドによって変化するようになっています。ある時代ではポイントの高いマスだったのに、別の時代では無得点になったりすることは当然あります。得点とは無関係でも、そこには歴史的な豆知識なんかが書かれていたりします。
もちろんひみつ道具も健在。タケコプターやどこでもドアは強力です。他のコマと一緒のマスに止まったら、そのコマをランダムに飛ばすことが出来たり、カードを多く持っている人からカードを取ることも出来ます。
他にもいろいろルールがありますが、基本的にはスゴロク+アルファ程度のゲームです。しかし、スライドするボードのおかげで場面がコロコロ変わることもあり、子供が最後まで飽きずに遊べるようにうまく工夫されています。
カードの取り合いになると長引くかな? とも思ったのですが、ランダムに発生するイベントのおかげで各時代をまんべんなく移動することになるため、収束性にも優れていて短時間で遊べます。初級・中級・上級と分かれているので小さいお子さんにも対応と、ファミリーゲームとして細かいところまで行き届いた良作だと思いました。
http://www.epoch.gr.jp/alltop/doraemon/main/main_rekishi.html
The "Yes, and..." Game ~会社生活編~ / イーナコミュニケーション
かゆかゆさん持ち込み。曜日ごとに山札を作って、サイコロでコマを移動。止まったところでそこでカードを1枚引きます。そこに書かれた文章に「Yes, and...」で対応し、他のプレイヤーが「Sound Grest!」とか「Sound Good!」とか言います。「Great!」ならカードをもらい、「Good!」なら返します。基本的にはこれだけです。いちおう、取ったカードの種類によって「役」がついたりします。
で、「Yes, and...」って何? ってことですが、これは販売会社が主張する自己啓発方法のようです。この場では適当に笑いを取ったら勝ち(?)というようにして遊びました。
残念ながら、コミュニケーションゲームとしてもあまり見るべきところはなく、あくまでも社内研修用用ツールのひとつとして考えた方が良さそうです。
SOS団の待合 / 創作ゲーム(くらげシステム)
かゆかゆさん持ち込み。このところ魔ゲーム会の常連となりつつあるくらげシステムの新作。もちろん「涼宮ハルヒの憂鬱」がテーマのカードゲームです。
ベースになっているのは「ミッキー&フレンズ5リンクス」で、それに少しひねりのある得点ルールを盛り込んで独自性を持たせてあります。
個人的に原作への思い入れが強いので、このゲームはわりと楽しめました。意外とそれっぽい雰囲気は出ているような気がします。それになんか勝っちゃったし。
なお、元ゲームよりも短時間で終わります(カードが少ないだけ?)。ところで、鶴屋さんカードのテキストは適用しない方がいいみたい。
プチヨーグ / 創作ゲーム(ソリスト合唱団)
かゆかゆさん持ち込み。カードを7×7に並べて、それを手番ごとに1枚ずつめくり、めくったカードの指示にしたがいます。ええと、それだけです… コミュニケーションゲームとして何度も遊べるよう、このように軽く作られているということなんでしょう。
なので、プレイヤーがゲーム的に判断する要素はほとんどありません。それはまぁ良いのですが、一部のカードの効果が、出現するタイミングによってはゲームを壊すくらいの勢いで強烈なものがあって、今回はそれが発動したまま終了ということになったのですけれども…。
Magi Seke!(マジセレ!) / 創作ゲーム(BENDBAR)
やたらそこらにいる姫。かゆかゆさん持ち込み。
コミケの歴史サークルブースあたりで委託販売されていたというカードゲーム。
100枚のカードを全員に同枚数ずつ配ってスタート。まずスタートプレイヤーは手札から最高3枚の同じ種類のカードをプレイします(編成)。次のプレイヤーは、同種類・同枚数のカードをプレイする(応戦)か、あるいは特殊なカードを使用する(鎮圧)することが出来ます。
応戦か鎮圧のどちらかが行えたら、スタートプレイヤーがそのプレイヤーへ移行します。そのどちらも行えなかったら、スタートプレイヤーからカードを1枚受け取って、さらにその次のプレイヤーが「応戦・鎮圧・何もしない」の3種から対応を選択します。
1巡して誰も「応戦・鎮圧」が行えなかったら、編成カードは捨てられて、再び同じスタートプレイヤーによって編成されます(ただし連続2回目以降の編成は1枚のみ)。これをくり返し、手札から手札をなくなるまで続けます。そうなったプレイヤーからひとりずつ勝ち抜けして行き、最後に残った人が負けとなります。
ベースが「バケツくずし」であることは明白ですが、スートやランク(数値)が無くて10種類のカードのみになっており、それぞれの種類のカードは枚数が異なっています。また、特殊効果のあるカードがあったりして、プレイ感覚は異なっているために、全く別ゲームとなっています。スピーディでテンポが良く、個人的には元ゲームよりずっと気に入ってしまいました。
ファンタジー的な背景設定が、ゲーム的の流れや作戦とよくマッチしているのも良かったです。例えば「兵士」カードは大量にあるので応戦されやすく、逆に枚数の少ない「傭兵」や「大臣」は強力な戦力になります。単純ではありますが、テーマとゲームの雰囲気合わせを数値データを一切使わずに表現している点にデザイナーのセンスの良さを感じました。
このような良作がゲームマーケットで販売されていなかったというのは実に残念なことです。サイトも更新されておらず、続報や再販が待たれます。
http://bendbar.net/
パチュリーのスペカ / 創作ゲーム(万葉夢堂)
イラストがキレイでした。かゆかゆさん持ち込み。
五行思想をテーマにしたカードゲーム。といってもゲームの内容は簡単で、「UNO」のようなストップ系ゲームです。
通常のストップ系ゲームと異なるのは、場にカードをプレイする場所(捨てる場所)が3箇所あるという点です。といっても3箇所とも使うわけではなく、使うのはそのうちひとつだけです。
最初に使うのは「比和ライン」です。ここにカードをプレイする時には、同じ種類(属性)のカードを重ねておきます。比和ライン上のカードの「相生」関係にあるカードをプレイすると「相生チェーン」が発生します。相生チェーン上には、直前にプレイされたカードと相生関係の属性にあるカードしかプレイすることが出来ません。
しかしここで「相克」関係にあるカードをプレイすると「相克チェーン」が発生します。そして相克チェーン上には、直前にプレイされたカードと相克関係の属性にあるカードしかプレイすることが出来なくなるのです。
いずれの場合も、カードをプレイすることが出来なくなればチェーンは終了し、出せなかったプレイヤーがルールに規定されたカードをドローしなければなりません。こうして、いち早く手札を無くすことが主なゲームの目的になります。
文章で書くと複雑そうですが、実際には必要なデータはカードに描かれていて、変則的なストップ系ゲームにしてはわかりやすいゲームです。ルールはまとまってはいますが、今ひとつ印象には残りませんでした。五行思想に詳しい人なら何か琴線に触れるものがあるかもしれませんね。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~maori/mahamudoh.htm
字数制限により記事を分けました。
こちらのアートワークも素晴らしい。カワサキさん所有。
ゲームは2つの段階(フェーズ)で構成されています。各プレイヤーは7枚ずつ持って最初の「ねずみ捕りフェーズ」を行います。ここで各プレイヤーがカードを1枚ずつプレイし、プレイされたカードに書かれた数値の合計が「21」以上になるまでこれを繰り返します。
もし「21」を越えてしまうようなカードを出したプレイヤーはチップを2枚場に置きます。そして、このフェーズでプレイされたカードのうち2枚を選択し、これを「ポイントカード」とします。
ここで全員の手札を再び7枚(不足分は山札より補充)にして「神隠しフェーズ」を行います。まず山札から2枚のカードを表向きにします(取り札)。リードプレイヤーが1枚カードを表向きにプレイします(リード)。その後で、他の全員が手札からカードを裏向きにして出して一斉にオープンします。トリックテイクのマストフォローのように、手札にリードと同じ色のカードがあれば、それを必ずプレイしなければなりません。
最強のカードをプレイしたプレイヤーと、2番目に強いカードをプレイしたプレイヤーは場の「取り札」を取ってポイントカードに加えます。これをすべての手札が無くなるまで続けます。最後に「トリックポイント」の計算を行って、それが最も低いプレイヤーがチップを1枚失います。最高のトリックポイントを取ったプレイヤーが、場のチップを総取ります。これで1ラウンドが終了です。任意のラウンドを行って、チップの枚数の多いプレイヤーの勝利です。
それぞれの手続きの間に関連性が乏しく、さらにランダム性が高いために、プレイヤーが何をコントロールし、何を積み上げるべきなのかがわかりづらかったです。また、同点時の処理やフェーズごとに異なる特殊カードの処理など、ところどころに数多くの例外処理があり、ゲーム全体の見通しが悪くてとっつきづらい印象を持ちました。
デザイナーはさまざまな意図を持ってひとつとつのルールを組み上げているのでしょうが、この1ラウンドだけでは面白さを理解するまでに至りませんでした。そして残念ながらこの場では、2ラウンド目をやろうという人もいませんでした…。
http://www.bisyoudou.com/~toybox/
迷宮牧場の決闘 / 冒険企画局
ガンマンたちによるバトルロイヤル。かゆかゆさん持ち込み。
ガンファイトを行って相手の手札を削り、ひとり生き残ったら勝ちというカードゲーム。
β版とのことなので紹介も簡単に。プレイヤーはガンマンとなり、手札のカードを使って他人を撃ったり、手札の改善などをするために場所を移動することが出来ます。銃撃が命中すると賞金コインを入手することがあり、このお金を使って「物語」(イベントカードのようなもの)を購入することも出来ます。
銃撃が命中するとプレイヤー手札が減ります。つまり手札の枚数が命数を表しています。もし、手札が1枚になると、そのプレイヤーは「クライマックスモード」となり、専用カードを引いて、そこに書かれた特殊効果の特典を得られます(ただし手札が増えるとモード終了)。ゲームの目的は最後に1人になって生き残ることです。
ガンマンになってプレイヤー同士が打ち合うゲームには「バン!」があります。しかしこのゲームは、派手な撃ち合いそのものを簡単に楽しむことが出来るように作られています。
このセッションでは最後に2人が生き残って、そこからが少し長くかかりました。たまたまそういう展開になっただけかもしれませんけれども、β版ということでまだ多少は改善する余地があるのかもしれません。完成してプレイする機会があったらまたレビューすることにしましょう。
http://www.tgiw.info/report/spiel2006-3.html ※紹介ページ
にんじん畑でつかまえて / ZeroPage
心理戦オンリーなスゴロク。かゆかゆさん持ち込み。
にんじん畑を移動しながら先に進み、より多くのにんじんを獲得することが目的の変則レースゲーム。相手に先を読まれるとにんじんを失うというのが特徴。
プレイヤーは「1」~「4」までのあしあとタイルを持ちます。手番プレイヤーは自分のうさぎを何歩進めたいかを、任意のあしあとタイルを1枚選んで、裏返しにして出します。他のプレイヤーはそれを予想して、やはり裏返しに1枚ずつあしあとタイルを出します。そして一斉にオープン。
まず、手番プレイヤーのうさぎコマを、その人が出したあしあとタイルの数値だけ進めます。そして止まったマスに描いてある数のにんじんを受け取ります。他のプレイヤーは、手番プレイヤーと同じあしあとタイルを出していたら、手番プレイヤーからにんじんを1枚もらいます。複数のプレイヤーが当たっていたら、手番プレイヤーはそれぞれににんじんを支払わなければなりません。
「大人用ルール」を使うと、予想方法にバリエーションが増えて、さらに多くのにんじんをもらえる可能性が出てきます(ただし、予想した人がにんじんを失うこともあります)。
ひとりが手番を終了したら、一番後ろにいる人の手番となります(手番が何回も回ってくる可能性あり)。こうして、全員がボードを一周したらゲームが終わります。最も多くのにんじんを持っているプレイヤーの勝ちです。
予想を当てたり、相手の予想を外したりすることだけで進行するという、実に熱い心理戦を簡単なルールで手軽に楽しめるレースゲームです。ルールを聞いた時にはあまりにもシンプルすぎてどうかな? と思ったのですが、やってみたらこれがかなりイケてました。面白かったです。
終盤に点数(にんじん)に差がありすぎると逆転が事実上不可能になったりしますけれども、予想に「当たった」「はずれた(はずした)」と一喜一憂するだけでもけっこう楽しいものなので、僕はあまり気にならなかったです。
F.A.T.A. / daVinci games
最近よくある不思議系なゲーム。本日唯一の僕の持ち込み。
奇怪な相互力学とカードの使い方をするカードゲーム。あんまり見ないタイプのシステムかも。
で、レポートを書いている途中で、関係者の方から連絡が入りまして、どうも日本語訳ルールに誤訳があったようです。僕の持っている日本語ルールでは、手番の終了時に、自分のヴィジョンカードの列で見えているカードの合計が「3」以上になっていれば、他人の手番中でも宝物カードを取れるような記述になっています。しかしこれは誤りで、手番プレイヤーのみがこれを行えます。
◆ルールP3『3)ヴィジョンのプレイ』
【誤】~全プレイヤーは、以下のことを確認し、手番プレイヤーから順に、実行します:
【正】~手番プレイヤーは、以下のことを確認し、実行します:
これは全然違う… orz
ということでこのレポートはなし。後日、再プレイした時にまたレポートします。
http://ejf.cside.ne.jp/review/fata.html
sacrifice (サクリファイス) / 創作ゲーム(Hammer Works/OKAZU brand)
背景設定がないドライなゲーム。カワサキさん所有。
高得点を狙うためには何かを捨てなければならない、というあたりがミソ。
ルールは簡単。まず各プレイヤーごとに自分のコマを受け取り、それを手番ごとに空いているマスに1個ずつ置いていくだけです。ただし、ある列にコマを置く時には、その列の中で最も左側のマスにコマを配置しなければなりません。
マスには黒い数字がひとつか、あるいは黒い数字と赤い数字が書かれています。赤い数字が書かれたマスに自分のコマを配置した時には、盤上から任意の自分のコマを除去して、自分の手元に返します(今配置したばかりのコマは除去不可)。
盤上のすべてのマスがコマで埋まったらゲーム終了です。まず、自分のコマの置いてあるマスに書かれた黒い数字が得点となります。また、列ごとにコマを多く置いているプレイヤーにボーナス点が入ります(列ごとに上位2位まで)。点数の高いプレイヤーの勝利です。
ルールがシンプル&エレガント。余計な例外がない素直でキレイな設計が素晴らしい。低いボーナスの列を確実に多く押さえるか、あるいは高いボーナス列のポテンシャルに期待するか、それともマス目の点数で勝負をかけるか等々、見た目の地味さからは想像も出来ないような多彩な作戦を考えることが出来るのも優れた特徴です。
ただし、背景となるテーマが何もありませんし、派手な逆転イベントがあるわけでもありません。後半になると自分のコマを犠牲にしなければならない重苦しい雰囲気になりますし、終盤は点数計算を中心にした詰め将棋になります。つまり相当にゲーマーズゲーム的な内容なので、誰でも楽しめるというゲームでもないとも思いました。
http://www4.plala.or.jp/hammer/original/sacrifice/rule.html
大量絶滅 mass extinction / 創作ゲーム(骨折ゲームズ)
そして最後は大物で〆ました。カワサキさん所有。
創作同人ゲーム界の雄である Bone5さんデザインの「大量絶滅」を満を持してエントリーしました。プチ魔ゲーム会の最後を飾るにふさわしい逸品ではないでしょうか。
このゲームは、各自が持つ「三葉虫」コマを使って、めまぐるしく変化する環境に対応したり、あるいは進化したりしながら、より多くの得点を獲得することが目的の戦略ゲームです。
場には4つの「海洋ボード(写真の青い無地のボード)」を並べます。このうち3枚の海洋ボード上へひとつずつの「神の鉄槌マーカー」を配置します。「神の鉄槌マーカー」には「地殻変動」「生存競争」「食料確保」の3種類があります。簡単にいうと「決算(得点計算)」の発生場所と、その計算・判定方法を示すマーカーです。
ゲーム中、「神の鉄槌マーカー」はルールにしたがって海洋ボード間を移動することが多々あります。この「神の鉄槌マーカー」の位置に応じて、自分にとってより有利ば得点計算方法となるであろう海洋ボードへと三葉虫コマを移動させることが、得点機会を増やす方法のひとつです。
三葉虫コマは、アクションを消費することで繁殖したり、移動したり、あるいは食料を確保したりします。海洋ボード上だけではなく、進化のために三葉虫コマを「進化因子」として使用することも可能です。進化因子が一定数集めると、三葉虫コマの能力がレベルアップします(進化する要素は3種類ある/詳細略)。
また、アクションを消費することで、「神の鉄槌マーカー」自体を自分の三葉虫コマのある位置へと移動させてしまうことも出来ます。これもまたゲーム中に得点機会を増やす方法です。
これらのアクションを行う代わりに、「神の鉄槌プレイ」を選択することも出来ます。これはつまり、特定の海洋ボード上で決算を実行するということです。これはそこにある「神の鉄槌マーカー」の種類によって、まずそこで生き残る三葉虫コマを判定し、続いて得点の判定を行います。これらの判定方法は「神の鉄槌」の種類によって異なります。
実行された「神の鉄槌」は、同じラウンドでは二度と実行されません。また「神の鉄槌」を選択したプレイヤーは、そのラウンドから抜けなければなりません。こうして、3種類の「神の鉄槌」が実行されたら1ラウンドが終了です。これを終了条件が満たされるまでゲームを続行します。最後に進化レベルに応じたボーナス点を獲得し、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。
上に書いたこと以外の要素もあって、多くのアイデアが詰め込まれた密度の濃いゲームです。ただ難しくはありません。要点となっているルールがテーマにフィットしていて連想しやすいので、少なくとも普段からドイツゲームに慣れ親しんでいる方なら、何の問題もなくゲームに入っていけるでしょう。
システムも、流動的な陣取りのような感じ。「流動的」といってもランダム性は低く、たいていはプレイヤーの思惑によってカオスな状況が生み出されるようになっています。また数少ないランダム要素も、プレイヤー間の競争を煽るような仕掛けに連動しているあたりはさすがです。
気になったのは、3種類ある「神の鉄槌」のうち「食糧確保」だけが異質なコストパフォーマンスとリスク管理になっていて、そのわりには一度に入る得点が(他の手段に比較して)少ないため、活用するのが難しかったという点。また、40枚もある天変地異チットが単なるランダマイザーにしか使われていないのはもったいないというか。
これは運良く入手したので、またどこかでプレイしたいと思っております。良いゲームでした。
レポートは以上です。
この時点で夜9時前くらい。いつもの魔ゲーム会ならまだまだ佳境の時間ですが、本日は「プチ」なのでこれにて終了。でもプレイしたゲームは13もあります。
この後は、カワサキさんの奥さんが合流してジョナサンで楽しいアフター。プチだけあって、なんか普通の雑談を果てしなくしていたような。まぁ、最後にはちょっとだけ「魔」寄りな話になっちゃいましたが。
ということで、お疲れさまでした>参加者のみなさま
大変に充実した1日となりました。
またぜひお誘いくださいませ。
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