17日(日)は、千歳烏山で開かれたSGCの6月例会に参加してきました。
今回の持ち込みゲームは「自分が過去に1回だけしかプレイしていないゲーム」を集めてみました。印象には残っていて再プレイをしたいのだけれども、プレイ機会を失ってしまっていたり、あるいは失いそうなゲームばかりです。
未プレイゲームよりもさらにプレイ機会が無くなりそうな「1回プレイ済みゲーム」に再びスポットライトをあててみたのですが、さて、結果はどうだったでしょうか?
この日は少し寝不足気味。天候は雨の心配のほとんどない予報が出ていました。
Zooloretto (ズーロレット) / Abacus
また小学生に負けた… 5人。
先日の袋小路でプレイしたばかりの新作です。今回は5人プレイ。ちなみに同卓のメンバーはほぼ初見の方々ばかりで、しかも1人は小学生でした。後から言われて気がついたのですが、確かにSGCでは珍しいシチュエーションだったかもしれません。もっとも、袋小路の例会ではこういうことはよくあって慣れていたので、自分としては特に違和感なくインストを始めることが出来ました。
ゲームの方はと言えば、相変わらずダメダメで… 序盤から微少な損害を気にして形を悪くしてしまい、自滅への道をたどるパターンへまっしぐら。前回と同じで負のスパイラルへ吸い込まれてしまいました。次回があるとしたら、事前にソロプレイでもでして、少しは鍛えておく必要がありそう。
http://www.boardgamegeek.com/game/27588
Code Knacker (コード破り) / Ravensburger
メンバー変わらず5人。他の卓が空くまでの時間つなぎ的に遊んでみました。ダイスゲームが好きならおすすめです。
ただこのゲーム、ちょっとばかりインストが難しいというか… いや、僕の説明方法がまずいだけなんですが、流れを効率的にわかりやすくインストするためのテキストを一度考えてみた方がいいかもしれないなー、と。で、ゲームの方はマイクロチップに頼りすぎて自滅。困ったもんだ。
http://ejf.cside.ne.jp/review/codeknocker.html
Maya (マヤ) / Abacus
コンポーネントがカラフルで好き。5人。
まだこのブログを立ち上げる前にSGCへ持ち込んで、その時にはわりと好評だったことだけは記憶しているゲームです。
複数ある石切場(プレイ人数によって数が異なります)へ作業員を送り込んで石材を採取し、それをやはり作業員でピラミッド建設地へと運搬します。作業員はカードによって表されています。ラウンドの前半は、石切場からどれだけの石材を取ってこれるかをオークションのような形式で競います。ただし、誰がどれだけの作業員をそれぞれの石切場へ送り込んだかは正確にはわからないようになっています(カードを裏返しにして配置するため)。
ラウンドの後半は、石切場から取りだした石材を利用してピラミッドの建設を行います。それぞれのピラミッドは複数の「段」によって構成され、下の段から順に1個ずつ石材を配置していきます。上の段へ石材を配置するためには、そのすぐ下の段のすべてのマスに石材が埋められていなければなりません。また、直下の段に自分の石材がないプレイヤーは、上の段に石材を積むことは出来ません。
全員が石材の配置を終了したら得点計算を行います。段ごとに各プレイヤーの石材数を比較し、第1位と2位のプレイヤーに点数が入ります。段がすべて石材で埋まっていなくても順位の判定を行って点数が入ります。その後で、段ごとに、点数を獲得したプレイヤーの石材をひとつずつ取り除きます。この処理の結果、下の段に自分の石材が無くなったら、その上の段にある石材は、すべて取り除かなければなりません。これで1ラウンドが終了し、ゲームは3ラウンド行います。
他にも、石切場では特殊効果のあるタイルを使ったり、ピラミッドでは特定の条件を満たせばボーナスで追加の石材を置けたり、あるいは少しの犠牲を払って連続手番を行えたりします。「石切場」→「ピラミッド」と、異なるメカニクスの陣取りゲームを併せ持たせた佳作です。
これだけ悩ましく、点を取るのに苦労するわりには、終わった時にプレイヤー間の得点差は少なく、僅差になることが多いでしょう。また、途中で大差がついてしまうと、最後で逆転するのが難しくなります。これはひとえに、プレイヤーごとに用意されている作業員カードの数値構成が同一であるためです。他プレイヤーとの絡みが濃密なわりには淡々とゲームが進むのは、手番ごとに選択肢がそれほど多くないからかもしれません。
ですが、5人で「普通に」遊べるゲームはやはり貴重だと思うのです。今後も頻繁にプレイすることはないと思いますが、たまに棚から引っ張り出して遊ぶのであれば悪くないゲームです。
http://ejf.cside.ne.jp/review/maya.html
Dos Rios (ドスリオス) / Kosmos (Franckh-Kosmos)
河の流れと作業員。3人。
これも久しぶりのご対面。記録を調べたら、袋小路の第2回例会のレポートに記載がありました。わずか3年前ですけど、何だかずいぶんと昔のような気が…
各プレイヤーは6個ずつの農夫コマを持ちます。手番では6移動力を使ってこれらの農夫コマを移動させます。1移動力で1個の農夫コマを1マス移動させることが出来ます。移動力は、各農夫コマにどのように割り振っても構いません。他プレイヤーの農夫コマは、多くのコマ数か、高い地形から移動させることによって、追い出すことが可能です。追い出せない時には、他プレイヤー農夫のいるマスへ移動することは出来ません。、
手番中に自分の農夫コマのあるマスに建物を建てたり、あるいはダムを造ることが出来ます。ダムを造ると、盤上の河の流れが変更されることがあります。河の源流は2ヶ所にあり、そこから原則としてより「低い」地形に向かって河は流れていきます。河は細長いタイルを置くことでマップ上のどのマスに流れ込んでいるかがわかるようになっています。
手番の最後に「収穫タイル」を使用するかどうかを決めます。場に並べられた収穫タイルのうち、このターンに使用可能なタイルは1枚だけです(もっとも山札から遠くに置かれたタイル)。これによって、河が通っている農夫・農園・農場のある畑マスから収入を得たり、あるいは同条件の森林から材木を得たりします。
ゲームの目的は各プレイヤーが自分の建物を5つ建てるか、あるいは河の通ったマスに4つの建物(1つは農場必須)を建てたら勝利です。他にあまり見ないタイプのコンポーネントが特徴のゲームで、プレイするたびにマップが異なるようになっているギミックもナイスです。
ただゲームの方は好みが分かれそう。直接攻撃を基本として、他人への干渉がわりと簡単にできるようになっていますし、またそうしないとゲームがあっさり終わってしまうでしょう。また実質的にはアクションポイント制であり、他手番中には特に何もすることがないためダウンタイムも長めです。意外とクセのあるゲームなのかも。
http://ejf.cside.ne.jp/review/dosrios.html
Die Baumeister von Arkadia (アルカディアの建設) / Ravensburger
相変わらず無駄に豪華絢爛なコンポーネント。3人。
記録を調べたら、前回プレイから半年以上が経過していたのね…
僕以外のメンバーは初プレイということもあって、初期配置ありのセットアップでプレイしました。今回のセッションでちょっと面白かったのは、建物を建物で囲んで紋章を取りに行くという「テトリスプレイ」が、プレイヤーのひとりによって何度も行われたことです。
これは労働者を節約して紋章を手に入れようとする意図を持った作戦で、タイミングを間違えなければ上手くいく局面もあろうかと思います。ですが、今回はちょっとやり過ぎのように思いました。このゲームでは建物の建設回数は決まっているので、得点をリードしている時には上記のプレイは有効でしょうが、始終これをやってしまうと効率が悪くなるだけだからです。
とはいえ、初プレイだと感覚的につかみづらい点が多いのもこのゲームの特徴で、試行錯誤の結果としてこのような実験的プレイに走ったということであれば十分に合点はいきます。
ゲームの結果は、プレイ経験のある僕の勝利で終わりました。3人プレイでも面白いことがわかったのがこのセッションにおける最大の収穫だったと思います。
http://ejf.cside.ne.jp/review/diebaumeistervonarkadia.html
Venedig (ヴェネチア) / Amigo Spiele
こちらも味のあるカラフルなコンポーネント。3人。
これは今年の3月に4人でプレイしました。今回のプレイ人数は3人で、個人的にはこの人数の方がしっくりきました。
3人の方が待ち時間が少ないですし、建物の建設に関われる機会も増えます。僕の好みでは得点の取り合いになるゲームの方が楽しいと感じますし、3人プレイの「ヴェネチア」はまさしくそんな流れになります。沼地を開拓し、徐々に島の上に建物が増えていく過程は見ているだけでもワクワクします。
見た目も良く、面白い建設ゲームではあるのですが、ルールが今ひとつ洗練されていないように感じる点が多くあるのがやや不満。例えばカードの補充ルール。カードプールにあるカードと同色のカードを捨ててはならないというルールは蛇足で、この制限があるために不自然にルールが膨らんでしまっています。建物の建設も自由度が高いものの、プレイ自体は淡々と進みます。カードドローによる運の比重も決して低いものではありません。
それでも僕が「ヴェネチア」を楽しいと思うのは、やはりこのゲーム独特の雰囲気が感じられるからでしょう。デザイナーが表現しようとしているコンセプトは十分に伝わってきますし、アートワークとの連携も見事です。でもやっぱり一般的には「商品としてのゲーム」という視点からだけで評価されてしまうんでしょうね…
※そもそも、ゲームデザイナーのデザインコンセプトがどれだけ実現されているか? なんて視点からのレビューは、テーブルゲームの世界ではまず見かけません。読み手の需要も無いんでしょう、きっと。
このセッションで僕は、最終盤で得点トップに立ち、その時点で「教会」の建設だけに得点源を絞って、そればかりを建設することにしました。他のプレイヤーは当然それに乗っては来ませんでしたが、それも読み通り。そうすることで得点を独占してしまうことが目的だからです。しかしそれにはカードの補充で引きまくらなければなりませんが、そこで微妙なハードラックに見舞われてなかなか思うように手札が改善されませんでした。
結局、大量の「家」と「橋」のコンボを狙ったプレイヤーが最後に大量得点を叩き出し、2位と10点以上の差を付けて大勝しました。このゲーム、終盤はやはりこの形を狙う方がいいみたいですね。
http://ejf.cside.ne.jp/review/venedig.html
レポートは以上です。この後に、「オマハ・ホールデム」と「ニムト」を遊びました。どちらも楽しかったです。「オマハ・ホールデム」は、この手のポーカーゲームを遊んだのが初めてだったので新鮮でした。
また「1回プレイ済みゲーム」の持ち込み企画も概ねうまく行ったと思います。同卓でお付き合いをいただいた方々には深く感謝いたします。このようなゲームはまだゲーム倉庫にはたくさん積まれていますので、また別の機会にぜひやってみたいです。
ということで、今回も大変にお疲れさまでした>参加者各位
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (2)
強いて言えば最後に築くピラミッドのコンポが少々チマチマしているかなというのと、折角、築いてもどんどん風化するのが悲しいかな‥という感じです。もうちょっとピラミッド建設が荘厳な大事業でもいいかなという感じ。
僕としては、あの風化するルールは戦略性にもつながっているので気になりませんでした。記事中にも書きましたが、たまにやるなら面白いゲームだと思います。