22日(土)は、puppiさん宅で行われたゲーム会に行ってきました。このところ互いにタイミングが合わず、puppiさん宅におじゃまするのは1年以上ぶりとなりました。この日集まったのは、puppiさんの他にヴァイスさんと PHYさん、それに僕の4人です。
2日ほど雨の日が続いた翌日。空は晴れ渡って風もあり、花粉の飛ぶ条件が揃いすぎている日でした。花粉症の方はご存じでしょうが、雨の翌日は花粉が飛散しやすくなるのです。
Pandemic (パンデミック) / Z-Man Games
待ち人来たらずで、とりあえず3人でプレイ。
PHYさんが渋滞に巻き込まれてしまって到着が遅れたため、その間に Pandemic (パンデミック) を3人でプレイしました。果たしてたった3人で世界は救われたのでしょうか?
僕以外は初プレイでしたので「Epidemic」カードは4枚にしました。そして選ばれた役割は「Operations Expert(熟練工)」「Researcher(研究者)」「Medic(衛生兵)」の3つ。悪くありません。特にカードを渡す自由度の高い「研究者」は地味に強力です。個人的な印象ではありますが、「衛生兵」がいないより、「研究者」がいない方が難易度が上がるような気がします。
今回の主な感染源は赤(アジア)と黄(アフリカ・南米)地域でした。アジアは都市間が密集していて、アウトブレイクが一度起こると連鎖しやすい環境にあります。黄色は広く分散していて、多くキューブが発生するとやっかいですが、都市間のつながりがわりと希薄なので、アウトブレイク連鎖が起こりにくくなっています。
ということでヤバそうなアジア方面に3人が集中して対処を進めました。幸いにして Epidemic カードの出現率が低く、その点は助かったものの、アウトブレイクの発生回数が急上昇。それはキューブの除去より特効薬開発を優先した結果でもあるので痛し痒しの必然ではあります。当然ながら衛生兵は各地を転々としてキューブが3個乗っている都市からまとめて除去を行い続けましたが、ぎりぎりの攻防は続きました。
そしてクライマックス。アウトブレイクがついに7回に達し、次の感染カード引きでアウトブレイクが発生しなければ勝つという形を作り上げていった結果… 見事に3人でクリアすることができました! Epidemic が2回しか起きなかったにも関わらず薄氷の勝利となったあたり、Pandemic の優れたバランスに今回も楽しませてもらいました。いや、面白いゲームです。
http://www.boardgamegeek.com/game/30549
Down Under (ダウンアンダー) / Bambus Spieleverlag
タイル配置とオーストラリア。PHYさん到着でここから4人。
タイルを配置しつつ長く得点の高い通路を作り上げていくことが目的です。puppiさんの手による味のあるアートワークにもご注目。
説明が難しいのですが、要するにできるだけ長い通路を作り上げることが当面の目的になります。自分の通路は1本だけで、2本目を作るようなタイル配置は行えません。また、他人の通路につなげてもいけません。
白い通路は中立で、そこに誰もつなげていなければつなぐことができます(そしてそれは自分の通路としてカウントされます)。そこに動物がいれば、ゲーム終了時に得点が加減算されます。
自分の置いたタイルはたいてい他人にも影響があり、そのあたりが悩ましいポイント。白い通路上にいる動物のボーナス点が大きく、そのあたりが勝敗を分けることになるでしょう。
http://ejf.cside.ne.jp/review/downunder.html
Brass (ブラス) / Warfrog
そしていよいよメイン登場。4人。
18世紀はイングランドのランカシャーを舞台にした産業革命がテーマのゲームです。ひとつひとつの手続きはそれほど複雑ではないのですが、各要素の相互関係にひねりが効いていて、盤面に多くの変化と流動性をもたらします。これぞワレスとも言うべき趣のアイデアが多数盛り込まれた作品で、プレイヤーはこのゲームでしか味わえない独自の悩ましさを満喫することになるでしょう。
ゲームはカードをプレイすることを軸にして進行します。まず8枚のカードが配布され、そこから全員が2枚ずつプレイします。その後で手札が2枚補充されて次のラウンドに移行します。これを山札が無くなり、その後で手札が無くなるまで実施して「ピリオド」が終了します。ゲームは2つのピリオドによって構成され、前半を「運河期」、後半を「鉄道期」と言います。
ボードには都市や地域名が書かれた「ロケーション」が点在しており、それらが運河や鉄道、あるいはその両方で接続されています。各ロケーションには「紡績工場」「炭坑」「製鉄所」「港」「造船所」という「産業」を建設することが可能なマスがあります。これらの産業を建設するには、カードとコストを支払う必要があります。
使用カードの種類によっては、自分の「リンク(運河や鉄道)」が接続されていなければ産業建設が不可の場合があります。また、建設に「石炭」が必要なのであれば「リンク」をたどって輸送しなければなりません。しかし石炭輸送にリンクは誰のものでも利用可能です。建設された「炭坑」には石炭が、「製鉄所」には鉄が置かれていますが、それを誰が利用しても構いません。
「炭坑」や「製鉄所」は、その上に乗せられた石炭や鉄が利用されて枯渇した時に裏返しにされ、その所有者に経済的利益と勝利得点をもたらします。さらに、そこに接続しているリンク(運河や鉄道)の所有者にもゲーム終了時に勝利得点をもたらします。
このような、資源の需給やインフラの整備等、公共に貢献することでも社会的な名誉(つまり勝利点)を得られるというのは、それほど珍しいシステムではありませんけれども、「ブラス」はこれを独特の切り口で表現していて、プレイ感は一種独特の雰囲気があります。こんなメカニクスはワレスにしかデザイン出来ないでしょうね。
このゲームのもうひとつの特徴が「ピリオド」です。ゲームは前半と後半で分かれていて、最初のピリオド(運河期)が終了すると、盤上の大半の建物や運河が消滅してしまうのです。そう、まるで「アメン・ラー」のように。「アメン・ラー」ではピラミッドが盤上に残りましたが、「ブラス」でそれに相当するのが「技術レベル2以上の産業」です。
ゲーム開始時、紡績工場など6種類の産業カウンターはそれぞれ、上からレベルの低い順にプレイヤーの前に積まれます。そして盤上に配置する際には、それぞれの種類の産業カウンターの山の上から1枚ずつ取らなければなりません。より強力な産業をいきなり配置することは出来ないのです。ただし、「開発」と呼ばれるアクションを行うことで、産業カウンターの山から2枚を取り除くことが出来ます。これにより、途中経過を飛ばして強力な産業の配置が可能になります。
このセッションでは、1ヶ所だけルールの解釈違いがあったようでしたけれども、それでも「ブラス」固有の面白さは十分に堪能できました。カードを使うので少しは軽くなるかと思いきや、これはこれで綿密な計画性が必要となる要素になっていたりして、ルールブックに2~3時間はかかると書かれている内容を持つゲームだけのことはあります。
濃密で好きなタイプのゲームですが、処理が簡単なわりには時間がかかり過ぎという感想もありました。ともかくも、再戦は当然あるでしょうから、正しいルールでまたこのゲームを楽しみたいと思います。
http://www.boardgamegeek.com/game/28720
レポートは以上です。まだ時間的には夕方でしたけれども、花粉症の症状が少しきつかったのと、翌日もゲーム会だったため、体力を温存する意味で早めに切り上げて帰宅することにしました(残った3人はこの後に「マグナグレキア」をプレイしたみたいです)。本日はお疲れさまでした。また機会がありましたら、ぜひ遊びましょう。
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